岡山県美咲町:卵かけご飯発祥の地で豊かな自然に囲まれた魅力溢れる町

岡山県の中央部に位置する美咲町は、2005年に久米郡中央町、旭町、柵原町の3町が合併して誕生した町です。豊かな自然に恵まれ、日本棚田百選に選ばれた棚田や、西日本最大級の養鶏場など、魅力的な観光スポットが数多く存在します。また、卵かけご飯発祥の地としても知られており、近年ではその特産品を生かした町おこしにも力を入れています。

概要

美咲町は、人口約1万5000人の町で、65歳以上の高齢者が多く住んでいます。町内の大半を山林が占め、旭川や吉井川といった一級河川が流れ、豊かな自然に恵まれた環境です。中心部にはJR津山線と国道53号が通り、岡山市や津山市とのアクセスも良好です。

地理

地勢

美咲町は吉備高原に位置し、町域の大半が丘陵地帯と山林で構成されています。

  • : 二上山(689m)、天子山(646m)、高ノ峰(517m)など
  • 河川: 旭川、吉井川
  • 湖沼: 旭川湖

隣接する自治体

  • 岡山市(北区)
  • 津山市
  • 赤磐市
  • 美作市
  • 真庭市
  • 久米郡久米南町
  • 勝田郡勝央町
  • 加賀郡吉備中央町
  • 和気郡和気町

人口

美咲町の人口は、近年減少傾向にあります。

人口
1970年 23,373人
1975年 20,815人
1980年 20,029人
1985年 19,716人
1990年 18,972人
1995年 18,254人
2000年 17,562人
2005年 16,577人
2010年 15,642人
2015年 14,432人
2020年 13,053人

年齢別人口分布

美咲町では、高齢化が進んでいることがわかります。2005年のデータによると、65歳以上の人口比率は全国平均よりも高く、高齢化が進む傾向にあります。

年齢層 美咲町 全国
0~14歳 13.1% 13.5%
15~64歳 61.9% 63.5%
65歳以上 25.0% 23.0%

男女別人口分布

美咲町では、男性よりも女性の方が多いという特徴があります。2005年のデータによると、男性は48.1%、女性は51.9%となっています。

歴史

沿革

  • 2005年(平成17年)3月22日 – 久米郡中央町、柵原町、旭町の3町が合併し、美咲町が誕生しました。

合併の経緯

美咲町の誕生は、平成の大合併によるもので、国主導で進められました。岡山県北地域では、津山市を中心とする合併協議会と、久米郡を構成していた5町(久米町、久米南町、中央町、旭町、柵原町)での合併協議会が設立されました。しかし、両方の合併協議会に参加していた久米町は、住民投票の結果、津山市との合併を選択したため、離脱しました。その後、残りの4町で合併協議会が継続されましたが、久米南町は南隣の御津郡建部町(現・岡山市北区建部町)との合併を並行して検討し、単独町制の継続を選択して合併協議会から離脱しました。

最終的に、中央町、旭町、柵原町の3町が対等合併し、美咲町が誕生しました。

町名の由来

美咲町という町名は、合併対象にある町の住民を対象に一般公募され、選考委員会で決定されました。町の総務一課によれば、合併後の町の形が花びらのように見えることから、「しくく」という意味を込めて命名されたそうです。

応募された原案には、美作の「美」から「美咲町」というものもあったとのことです。

行政

町長

氏名 就任日 退任日 備考
初代 奥村忠夫 2005年4月24日 2009年4月23日 旧・中央町長
2代 定本一友 2009年4月24日 2018年11月13日 辞職
3代 青野高陽 2018年12月10日 現職

町議会

美咲町議会は、定数14の議員で構成されています。

町役場組織

美咲町役場は、本庁舎の他に、旭総合支所と柵原総合支所があります。

本庁舎

  • 町長部局
    • 総務課
    • 理財課
    • 地域みらい課
    • くらし安全課
    • 住民税務課
    • 健康推進課
    • 保険年金課
    • 上下水道課
    • 産業観光課
    • 建設課
    • 会計課
  • 議会部局
    • 議会事務局
  • 教育委員会
    • 教育総務課
    • 生涯学習課
  • 各種委員会
    • 選挙管理委員会(総務課所管)
    • 監査委員(議会事務局所管)
    • 農業委員会(産業観光課所管)
    • 固定資産評価審査委員会

旭総合支所

  • 地域振興課

柵原総合支所

  • 地域振興課

町役場・支所の管轄区域

名称 所在地 管轄地域 備考
美咲町役場 本庁舎 美咲町原田1735番地 町内全域(旧柵原・旭町域を含む) 町内を統括
旭総合支所 美咲町西川1001番5 旧旭町域 旧旭町役場
柵原総合支所 美咲町久木200番地8 旧柵原町域 旧柵原町役場

警察

  • 岡山県美咲警察署

消防

  • 津山圏域消防組合中央消防署柵原出張所・旭出張所

経済

美咲町では、農業が盛んで、特にナシ、葉タバコ、ブドウ(ピオーネ)、しいたけ、黄ニラなどの生産が盛んです。また、西日本最大級の養鶏場が存在し、養鶏場で採れた卵と、町内の棚田で収穫されたコメを使用した、卵かけご飯が特産品となっています。

近年では、卵かけご飯を前面に出した町おこしにも力を入れており、観光客に人気を集めています。

教育

美咲町には、2024年4月以降、小学校2校、中学校1校、義務教育学校2校が設置されています。高等学校・大学等は存在しません。

美咲町では、朝食をとらずに登校する児童がいることを町全体の問題として捉え、岡山酪農協同組合の協力を得て、児童への乳製品の提供を全国に先駆けて開始しました。食育の重要性を訴えたこの取り組みは、年間1000万以上の多額の予算がかかることや、食の教育は家庭がすべきことであるといった観点から、様々な批判がある一方で、注目を集める取り組みとなっています。

小学校

  • 美咲町立美咲中央小学校
  • 美咲町立加美小学校

中学校

  • 美咲町立中央中学校

義務教育学校

  • 美咲町立旭学園 – 2023年4月、美咲町立旭小学校と美咲町立旭中学校を統合し開校
  • 美咲町立柵原学園 – 2024年4月、美咲町立柵原西小学校・美咲町立柵原東小学校・美咲町立柵原中学校を統合し開校

交通

鉄道路線

  • 西日本旅客鉄道(JR西日本)
    • 津山線:小原駅 – 亀甲駅
    • 中心となる駅:亀甲駅

廃止鉄道路線

  • 同和鉱業片上鉄道線

路線バス

  • 中鉄北部バス(高下・スポーツセンター線)
  • 宇野バス(美作線)
  • 有本観光バス(亀甲・津山線)
  • 旭川さくらバス
  • あさひチェリーバス
  • 柵原星のふる里バス
  • CHUOかめっち。バス
  • 美咲町支所間バス
  • 赤磐市広域路線バス(赤磐・美作線)
  • 美作市営美作バス

道路

一般国道

  • 町内を走る一般国道
    • 国道53号
    • 国道374号
    • 国道429号

都道府県道

  • 町内を走る県道
    • 岡山県道26号津山柵原線
    • 岡山県道30号落合建部線
    • 岡山県道49号高梁旭線
    • 岡山県道52号勝央仁堀中線
    • 岡山県道70号久米建部線
    • 岡山県道159号久米中央線
    • 岡山県道341号坪井下栃原線
    • 岡山県道342号大垪和西小山旭線
    • 岡山県道349号吉ヶ原美作線
    • 岡山県道351号藤原吉井線
    • 岡山県道352号大戸上中央線
    • 岡山県道362号位田飯岡線
    • 岡山県道370号江与味上河内線
    • 岡山県道373号栃原久米南線
    • 岡山県道374号中西川線
    • 岡山県道379号百々樫村線
    • 岡山県道413号安井津山線
    • 岡山県道455号小山桑上線
    • 岡山県道703号備前柵原自転車道線

通信

テレビ・ラジオ

テレビ放送局

町内にテレビ中継局は設置されておらず、近隣の津山中継局および久米南中継局を受信します。それ以外の地域では、ケーブルテレビ等を利用し視聴します。

ラジオ放送局

町内にラジオ中継局は設置されておらず、近隣の津山中継局を受信します。

電話

市外局番は、旭地区が0867(20、21、25、27、29 – 36、39)、柵原地区の一部(王子)が0868(70 – 89)、柵原地区の一部(高下・飯岡)が086(600 – 609、950、951、954 – 958、994 – 999)、その他が0868(20 – 69)となっています。

郵便

郵便番号は、以下の通りとなっています。

  • 亀甲郵便局:709-37xx、708-15xx
  • 旭郵便局:709-34xx

観光・イベント

名所・旧跡・観光スポット

  • JR亀甲駅
  • 亀甲岩
  • たまごかけごはんの店「食堂かめっち。」
  • 香花温泉ほほえみの湯
  • 津山ゴルフクラブ
  • 興禅寺
  • 普光寺
  • 大垪和西(おおはがにし)の棚田(日本棚田百選)
  • 小山の棚田(日本棚田百選)
  • 本山寺
  • 三休公園
    • 民話の村
    • 民話館
  • まきばの館
  • 旭川湖
  • 両山寺
  • 両山寺観光りんご園
  • 幻住寺
  • 月の輪古墳
  • 柵原ふれあい鉱山公園
    • 柵原鉱山資料館
    • 旧吉ヶ原駅舎
  • ザ・オークレットゴルフクラブ
  • あさひ花菖蒲牡丹園
  • 滝谷池
  • 中島公園

祭事・催事

  • 星の里マラソン
  • 月の輪まつり
  • 柵原ふれあい鉱山公園列車運行
  • 柵原DonDon祭り
  • 桜まつり
  • 護法祭

文化施設

  • 美咲町中央運動公園
  • 美咲町ふれあいセンター
  • 旭文化会館
  • 美咲町北和気郷土資料館
  • エイコンパーク
    • 美咲町営野球場(柵原エイコンスタジアム)
    • 美咲町営柵原図書館
  • 美咲町立さつき天文台
  • 月の輪プラザ
  • 月の輪収蔵庫

著名な出身者

  • 岸田吟香(明治時代のジャーナリスト、実業家)
  • 光嶋勲(東京大学名誉教授)
  • 村上璃杏(ME:Iメンバー)
  • 小林正次(旧久米郡加美村出身、工学博士。丹羽保次郎と共にNE式写真電送機を開発)
  • さいたまんぞう(歌手)
  • 神坂智子(漫画家)
  • 西澤晋(アニメーター)
  • 本田晴美(競輪選手)
  • 宮地昭範(元津山市長)
  • 好川純一(元トヨタ紡織社長)
  • 延原秀飛(ラグビー選手)

関連項目

  • 市町村合併

脚注

  1. 中央町も津山市を中心とする合併協議会に参加していたが、逆に同町は後に同市との合併協議会から離脱した。
  2. なべのさかやき – 平成の大合併
  3. 市町村合併について – 特集その2 解散した法定協議会
  4. 岡山県 – 岡山県における旧合併特例法下での合併の経緯
  5. “美咲町議会が定本町長辞職に同意 池上副町長が職務代理者へ”. 山陽新聞. (2018年11月12日). http://www.sanyonews.jp/article/821559 2018年11月15日閲覧。
  6. “美咲町長選/美咲町議選 告示 町長選、現新一騎打ち 町議選は16人立候補 /岡山”. 2018年11月29日閲覧。
  7. NOSAI岡山 農業共済新聞 – たまごかけごはんの店が人気
  8. 広報みさき No.15 Jun 2006
  9. 日本政策研究センター – アーカイブス : 食育・食の崩壊と家庭⑩ 「払わない」恥を知れ
  10. 「708-15xx」地域は元・柵原郵便局管轄。2006年に柵原郵便局の無集配局化に伴って亀甲郵便局へ移管。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 久米郡地域合併協議会(2005/02/18アーカイブ) – 国立国会図書館Web Archiving Project

美咲町についてのクイズ

美咲町は何年に合併して誕生した町ですか?

美咲町は2005年に久米郡中央町、旭町、柵原町の3町が合併して誕生した町です。岡山県の中央部に位置し、人口約1万5000人の町である美咲町は、豊かな自然に恵まれ、多くの観光スポットを有しています。合併当初から町おこし活動が活発で、特に卵かけご飯の発祥地として知られており、その特産品を活用したプロモーションが行われています。合併による街の再生や発展の取り組みは、地域の密接なコラボレーションを促進し、今後の地域活性化のモデルにもなっています。

美咲町内の大半を占めるのは何ですか?

美咲町は、その地理的条件から大半が山林で構成されており、自然に恵まれた環境が特徴です。川や山が豊富にあり、旭川や吉井川といった一級河川が流れています。これにより、農業が盛んであり、美咲町の特産品や観光資源も豊かです。また、山林の保全は地域の生態系を支える重要な要素であり、地域住民の生活に深く根ざしています。自然環境を活かした町おこしや観光振興も活発に行われているため、環境の重要性が地域づくりにおいても強調されています。

美咲町の特色ある特産品は何ですか?

美咲町は「卵かけご飯の発祥の地」として知られています。この町では、西日本最大級の養鶏場があり、そこで採れた新鮮な卵を使用して、地元で栽培されたコメと組み合わせた卵かけご飯が特産品となっています。町おこしにおいても、この卵かけご飯を核としたイベントやプロモーションが行われ、観光客が地域に訪れることで経済の活性化が図られています。また、卵かけご飯以外にも農産物の生産が盛んな町であり、地域の特性を活かした多角的な産業振興が推進されています。

美咲町の町名の由来は何ですか?

美咲町の町名は、合併対象の住民からの一般公募によって決定されました。町の形が花びらのように見えることに着目し、「美しく咲く」という意味を込めて名付けられました。このように、町名に地域の象徴や形状が反映されることで、住民の愛着や誇りにも繋がります。また、応募された原案の中には美作の「美」を使ったものもあったそうです。この町名の由来は、地域の歴史や文化、そして人々の思いが込められているのが特徴です。