鹿児島県鹿児島郡にある十島村は、東シナ海に浮かぶ吐噶喇列島(トカラ列島)の各島々を村域とする、日本一長い村として知られています。
近年、移住者が増え、注目を集めている十島村の魅力とは?豊かな自然、独自の文化、そして人々の温かさに迫ります。
日本一長い村、十島村とは?
十島村は、鹿児島県の最南端に位置し、口之島、中之島、諏訪之瀬島、悪石島、平島、小宝島、宝島と7つの有人島から成り立っています。最北端の口之島から最南端の横当島までの距離は、直線で約160kmにも及びます。
各島の特徴
十島村を構成する各島々は、それぞれ個性的な特徴を持っています。
- 口之島: 十島村の玄関口であり、豊かな自然に囲まれた島です。日本最古の野生化牛である口之島牛が生息しており、島民と共存しています。
- 中之島: 十島村で最も人口が多く、村役場が置かれている島です。御岳(トカラ富士)と呼ばれる標高979mの山がそびえ立ち、美しい景観を楽しめます。
- 諏訪之瀬島: 活火山である御岳があり、噴火活動が活発な島です。迫力のある噴煙を間近で見ることができます。
- 悪石島: 学童疎開船「対馬丸」の沈没地点に最も近い島です。島内には慰霊碑が建てられています。
- 平島: 平家落人伝説が伝えられている島です。島名は、この伝説に由来していると言われています。
- 小宝島: 十島村で最も小さく、周囲わずか5kmの島です。
- 宝島: 十島村で最も南に位置する有人島です。イギリスの海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという伝説があり、島名の由来となっているとも言われています。
島 | 面積 (km²) | 人口 (人) | 概要 |
---|---|---|---|
口之島 | 13.3 | 129 | 十島村の玄関口。口之島牛が生息。 |
中之島 | 34.5 | 159 | 人口最多。御岳 (トカラ富士) がそびえ立つ。 |
諏訪之瀬島 | 27.8 | 79 | 活火山御岳があり、噴煙が見られる。 |
悪石島 | 7.5 | 73 | 対馬丸沈没地点に最も近い。 |
平島 | 2.1 | 64 | 平家落人伝説が伝えられる。 |
小宝島 | 1 | 53 | 周囲5kmの小さな島。 |
宝島 | 7.1 | 131 | 十島村最南端。海賊伝説が残る。 |
十島村の自然
十島村は、豊かな自然に恵まれた島々です。
- 手つかずの自然: 各島には、手つかずの自然が残っており、ダイビングや釣り、トレッキングなど、様々なアウトドアアクティビティを楽しむことができます。
- 美しい海: 透明度の高い青い海は、多くのダイバーを魅了しています。
- 温泉: 諏訪之瀬島には、天然温泉があります。
- トカラ馬: 口之島には、トカラ馬と呼ばれる小型の馬が生息しています。
十島村の歴史
十島村の歴史は古く、平家の落人伝説などが語り継がれています。
十島村の成立
- 1889年: 島嶼町村制が施行され、大島郡十島村が設置されます。
- 1946年: 第二次世界大戦後、十島村はアメリカ合衆国の統治下となりました。
- 1952年: 十島村は日本に復帰し、現在の十島村が誕生します。
村役場の移転
十島村役場は、1956年に中之島から鹿児島市に移転しました。これは、国や鹿児島県との連携を強化するためです。
十島村の暮らし
十島村は、離島ならではの暮らしをしています。
交通機関
十島村へのアクセスは、フェリーと航空便があります。
- フェリー: 鹿児島港から各島を結ぶフェリーが運行されています。
- 航空便: 諏訪之瀬島には、鹿児島空港から飛行機が運行されています。
教育
十島村には、各島に小学校・中学校が設置されています。
医療
各島に診療所があり、村民の健康を守っています。
通信インフラ
近年、インターネット環境が整備され、村外との情報交換が容易になりました。
十島村の魅力
十島村は、手つかずの自然、独自の文化、そして温かい人々など、多くの魅力に溢れています。
- 豊かな自然: 美しい海、雄大な山々、手つかずの自然が魅力です。
- 独自の文化: 各島には、独自の文化が息づいています。
- 温かい人々: 島民は、温かく、優しい人々です。
十島村へのアクセス
フェリー
- 鹿児島港発着: 村営船「フェリーとしま2」が週2便運行
- 名瀬港発着: 村営船「フェリーとしま2」が週2便運行
航空便
- 鹿児島空港発着: 新日本航空が諏訪之瀬島飛行場へ週2便運行
十島村を訪れるあなたへ
十島村は、都会の喧騒から離れて、ゆったりと過ごしたい人におすすめの場所です。美しい自然の中で、心身をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?
ぜひ十島村を訪れて、日本の原風景と、そこに暮らす人々の温かさを体感してください。
十島村についてのクイズ
十島村を構成する島々の中で、最も人口が多い島はどれですか?
十島村は7つの有人島から成り立っており、その中でも中之島が最も人口が多い島として知られています。中之島には村役場も所在しており、地域の中心的な役割を果たしています。台地や山地が広がっており、特に御岳(トカラ富士)と呼ばれる979mの美しい山がそびえ立っており、多くの観光客や登山客に人気があります。また、村の政治や経済、文化が集約されているため、生活基盤としても重要な存在です。中之島での暮らしは、豊かな自然と共に、島の独自文化が息づく素晴らしい環境なのです。
その中で、活火山があり噴火活動が活発な島はどれですか?
諏訪之瀬島は、十島村の中でも特に活火山が存在する島です。島の中心には御岳と呼ばれる活火山があり、その噴火活動が頻繁に見られます。訪れる人々にとっては迫力のある噴煙を目の当たりにできる貴重な機会となっており、自然の力を感じられます。島内には、火山の影響を受けた独特な風景や生態系も存在しており、観光や研究の場としても重要な役割を果たしています。噴火の記録や影響を学ぶこともできるため、自然と触れ合いたい人々にとって非常に興味深い場所となっています。
十島村における医療サービスはどのように提供されていますか?
十島村には、各島に診療所が設置されており、村民の健康を守るための医療サービスが提供されています。離島という特性上、大きな総合病院は存在しませんが、村内の診療所が住民の日常的な健康管理や軽微な医療ニーズに応えています。このような医療体制により、島民は身近なところで基本的な医療を受けることができ、緊急時にも迅速な対応が可能となっています。また、必要に応じて本土の鹿児島市の医療機関に搬送される体制も整えられており、医療サポートが充実しています。