三陸海岸の雄大な自然と、歴史と文化が息づく、岩手県九戸郡洋野町。 東北地方の北部に位置し、太平洋に面したこの町は、美しい海岸線、緑豊かな山々、そして活気あふれる港町としての魅力を兼ね備えています。近年では、地域資源を活かした観光や産業振興にも力を入れており、未来へ向けて発展を続ける活気あふれる町です。
地理と気候
洋野町は、岩手県沿岸部最北端の町で、三陸海岸の北部に位置しています。東部は太平洋に面し、西部は高原となっています。町内には、久慈平岳や高取山などの山岳、川尻川、高家川、有家川などの河川が流れ、豊かな自然に恵まれています。
気候
洋野町の気候は、西岸海洋性気候に属し、温暖で湿潤な気候です。冬は比較的暖かく、雪も少ないですが、夏は冷涼で、季節風「やませ」による冷害が発生することもあります。
| 種市(1991年 – 2020年)の気候 |
|—|—|
| 月 | 最高気温 (°C) |
| 1月 | 2.6 |
| 2月 | 3.3 |
| 3月 | 6.9 |
| 4月 | 12.8 |
| 5月 | 17.3 |
| 6月 | 19.5 |
| 7月 | 23.3 |
| 8月 | 25.1 |
| 9月 | 22.5 |
| 10月 | 17.4 |
| 11月 | 11.5 |
| 12月 | 5.2 |
歴史
江戸時代には八戸藩領であった洋野町は、長い歴史の中で様々な変遷を遂げてきました。
東日本大震災
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、津波による被害を受けましたが、高さ12mの防潮堤が津波を大幅に減衰させたため、住宅地区への被害は限定的でした。
沿革
- 2006年(平成18年)1月1日 – 九戸郡種市町と大野村が合併し、洋野町が発足。
行政
洋野町は、町長と町議会によって運営されています。
歴代町長
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 水上信宏 | 2006年(平成18年)1月29日 | 2022年(令和4年)1月28日 | 4期 |
2 | 岡本正善 | 2022年(令和4年)1月29日 | 現職 |
庁舎
- 大野庁舎(旧大野村役場)
友好協定都市
洋野町は、国内の浦幌町(北海道十勝郡)と友好協定都市提携を結んでいます。
地域
人口
洋野町の人口は減少傾向にあり、将来的な人口減少が懸念されています。
年 | 人口 |
---|---|
1970 | 24,278 |
1975 | 24,534 |
1980 | 24,403 |
1985 | 23,818 |
1990 | 22,802 |
1995 | 21,322 |
2000 | 20,465 |
2005 | 19,524 |
2010 | 17,913 |
2015 | 16,693 |
2020 | 15,091 |
教育
洋野町には、高等学校、中学校、小学校、保育園・こども園が設置されています。
- 岩手県立種市高等学校
- 岩手県立大野高等学校
- 洋野町立種市中学校
- 洋野町立中野中学校
- 洋野町立大野中学校
- 洋野町立種市小学校
- 洋野町立角浜小学校
- 洋野町立宿戸小学校
- 洋野町立中野小学校
- 洋野町立大野小学校
- 洋野町立林郷小学校
- 洋野町立大野こども園
- 洋野町立八木こども園
- みどりが丘保育園(社会福祉法人 若葉福祉会)
- 幼保連携型認定こども園 なかのこども園(社会福祉法人 清翠会)
- 公私連携幼保連携型認定こども園 種市こども園(同上)
経済・産業
洋野町の主な産業は、農業、水産業、観光業です。
農業
旧種市町では椎茸や寒じめホウレンソウ、旧大野村では畜産・酪農が盛んです。稲作も盛んに行われていますが、冷害に悩まされることもあります。
水産業
洋野町の海岸部は、大型海藻が育ちやすい「増殖溝」があり、昆布やワカメの養殖、ウニやアワビの漁獲が盛んです。
漁港
- 角浜漁港
- 川尻漁港
- 種市漁港
- 鹿糠漁港
- 戸類家漁港
- 宿戸漁港
- 小子内漁港
- 有家漁港
- 高家漁港
観光
洋野町には、美しい自然や歴史を感じることができる観光スポットが数多く存在します。
名所・旧跡・観光
- 種市海浜公園
- 江戸ケ浜海水浴場
- アグリパークおおさわ
- シンボリ牧場
- 道の駅おおの(おおのキャンパス内)
- おおのパークゴルフ場
- ひろのまきば天文台
- 大谷温泉
交通
洋野町には、JR八戸線、岩手県北バス、町営バスが運行しており、町内各地へのアクセスが便利です。
鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 八戸線:角の浜駅 – 平内駅 – 種市駅 – 玉川駅 – 宿戸駅 – 陸中八木駅 – 有家駅 – 陸中中野駅
バス
- 岩手県北バス
- 久慈 – 大野線:久慈駅 ⇔ 陸中大野
- 軽米 – 大野線:軽米インター – 軽米病院前 ⇔ 陸中大野
- 八戸 – 大野線:八戸ラピアバスターミナル ⇔ 大野
- 洋野町営バス
- 種市大野線:おおのキャンパス⇔種市庁舎
- 中野線:陸中中野駅⇔種市庁舎
- 大沢線:アグリパーク⇔種市庁舎
- 大沢山手線:下大沢⇔種市庁舎
道路
- E45 八戸久慈自動車道
- 一般国道45号洋野階上道路:洋野種市IC – 洋野宿戸IC – 洋野有家IC
- 国道45号
- 国道395号
- 道の駅おおの
- 青森県道・岩手県道11号八戸大野線
- 岩手県道20号軽米種市線
- 岩手県道139号陸中中野停車場線
- 岩手県道150号種市停車場線
- 岩手県道153号侍浜停車場阿子木線
- 岩手県道164号明戸八木線
- 岩手県道216号八木港線
- 岩手県道247号角ノ浜玉川線
- 岩手県道269号明戸種市線
- 岩手県道292号大野山形線
港湾
- 種市港
- 八木港
- 宿戸港
- 戸類家港
- 玉川港
まとめ
岩手県九戸郡洋野町は、豊かな自然と歴史、そして活気あふれる港町としての魅力を兼ね備えた町です。美しい海岸線、緑豊かな山々、そして地元の人々の温かいおもてなしが、訪れる人を魅了します。町では、地域資源を活かした観光や産業振興にも力を入れており、未来へ向けて発展を続ける活気あふれる町です。
洋野町についてのクイズ
洋野町の地理において、町の東部は何に面していますか?
洋野町は岩手県の沿岸部最北端に位置し、東部は太平洋に面しています。太平洋側の立地は、漁業や観光業に寄与しており、美しい海岸線が広がる地域です。また、町の西部は高原となっており、自然環境が豊かです。地理的特性によって、農業や水産業が発展する土壌が形成され、地域の経済を支えています。雪が少なく温暖な冬と、冷涼な夏を特徴とする気候も、こうした産業の発展に影響を与えています。これらの自然環境が、訪れる人々に多くの魅力を提供する要因となっています。
洋野町はどの年に発足しましたか?
洋野町は2006年1月1日に九戸郡種市町と大野村が合併して発足しました。それまでに各地域で異なる歴史を刻んできたため、合併により新しい町が誕生しました。地域の特性や資源を活かした町づくりが進められ、地域振興や観光業の向上に取り組んでいます。町の行政や住民も、地域の伝統や文化を大切にしながら、未来に向けた発展を目指しているため、町としてのアイデンティティを形成しています。この合併は、住民の生活向上や地域の活性化を図る重要な一歩でした。
洋野町の主な産業は何ですか?
洋野町の主な産業は農業、水産業、観光業の3つです。農業では椎茸や寒じめホウレンソウが主に栽培されており、地域特産品として知られています。水産業においては、昆布やワカメの養殖、ウニやアワビの漁獲が盛んで、漁港は地域経済の重要な拠点となっています。また、観光業も重要で、自然の美しさや歴史的な名所が多く、観光訪問者を引き寄せています。これらの産業は、地域の雇用や所得の基盤を支えるだけでなく、持続可能な発展にも寄与しています。
洋野町の気候はどのタイプに分類されますか?
洋野町の気候は西岸海洋性気候に分類され、温暖で湿潤な特徴があります。冬は比較的暖かく、雪も少ない一方、夏は冷涼で湿気が多いです。特に、季節風「やませ」の影響を受けるため、冷害が発生することもあります。この気候は、地域の農業や水産業、観光業に影響を与え、特産物の生育や観光シーズンに影響する要因となっています。気候の変化を適応することで、地域住民は自然と共生し、持続可能な発展を目指しています。