北海道のほぼ中央に位置する樺戸郡浦臼町は、広大な水田地帯と雄大な樺戸連山に囲まれた自然豊かな町です。
かつては「コンビニ空白地帯」として知られていましたが、近年ではワイン造りが盛んになり、「ワインの里」として注目を集めています。
町名の由来
浦臼町の名前は、町内を流れる浦臼内川のアイヌ語名に由来するとされています。アイヌ語では「ウラユシナイ(uray-us-nay)」で、「簗(やな)・多い・川」を意味するとされています。しかし、他の説も存在し、語源は明確ではありません。
地理
浦臼町は、北海道空知総合振興局管内のほぼ中央に位置し、西部は樺戸連山が南北に走っています。市街地は石狩川右岸にあり、周辺部は水田が広がっています。
山
- 隈根尻山
- 樺戸山
- 浦臼山
- 鳥越山
- 天狗鼻
河川
- 石狩川
- 樺戸境川
- 浦臼内川
- 黄臼内川
- 滝田川
- 於札内川
- 札的内川
- 晩生内川
湖沼
- ピラ沼
- トイ沼
- 浦臼沼
- 鶴沼
- 新沼
- 月沼
- 東沼
- 西沼
- ウツギ沼
隣接している自治体
- 空知総合振興局
- 美唄市
- 樺戸郡月形町
- 樺戸郡新十津川町
- 空知郡奈井江町
- 石狩振興局
- 石狩郡当別町
歴史
浦臼町は、縄文時代から人が住んでいたとされ、長い歴史を持っています。
- 縄文時代:栄えた。
- 1807年(文化4年):近藤重蔵が浦臼で探索。
- 1887年(明治20年):樺戸集治監の囚人によって、月形 – 晩生内(おそきない)間の道路が開削され、入植が始まる。
- 1893年(明治26年):聖園教会が開設される。
- 1897年(明治30年):坂本直寛が開拓のために移住する。
- 1899年(明治32年)5月27日:浦臼村が、月形村(現月形町)より分立する。
- 1909年(明治42年):二級町村制が施行される。
- 1951年(昭和26年)4月1日:奈井江町の一部(三軒屋)を編入。同日、キナウスナイの一部を奈井江町へ編入。
- 1960年(昭和35年)9月1日:町制施行。「浦臼町」となる。
- 1998年(平成10年):ウラウスリゾート開発公社が特別清算。
- 1999年:開基百年を迎える。
- 2003年:中空知地域合併協議会が設置される。
経済
浦臼町は、北海道内では数少ないコンビニエンスストアが出店していない自治体でしたが、2019年6月1日に「ローソン浦臼町店」が開店し、コンビニエンスストア空白地帯が解消されました。
産業
- 農業:米、花卉、メロン、ばれいしょ、アスパラガス、ぼたんそば、ブドウ(ワイン用)
立地企業
- 神内ファーム21株式会社
- 有限会社鶴沼ワイナリー
- 北海道ワイン株式会社加工用果樹試験研究センター
農協
- ピンネ農業協同組合(JAピンネ)浦臼支所
金融機関
- 北門信用金庫浦臼支店
郵便局
- 浦臼郵便局(集配局)
- 晩生内郵便局
- 鶴沼郵便局
宅配便
- ヤマト運輸:道北主管支店砂川センター(滝川市)
- 佐川急便:岩見沢営業所(岩見沢市)
- 日本通運:滝川支店(滝川市)
公共機関
警察
- 滝川警察署
- 浦臼駐在所、晩生内駐在所
消防
- 砂川地区広域消防組合奈井江・浦臼支署(奈井江町)
姉妹都市・提携都市
国内
- 高知県長岡郡本山町(1999年2月27日友好都市提携)
地域
人口
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 5,245人 |
1975年 | 3,960人 |
1980年 | 3,654人 |
1985年 | 3,400人 |
1990年 | 3,058人 |
1995年 | 2,854人 |
2000年 | 2,643人 |
2005年 | 2,417人 |
2010年 | 2,206人 |
2015年 | 1,985人 |
2020年 | 1,732人 |
近年、人口減少が課題となっています。
消滅集落
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっています。
- 浦臼町 – 字なし区域
教育
- 浦臼町立浦臼中学校
- 浦臼町立浦臼小学校
交通
鉄道
町内の鉄道は廃止されています。最寄駅は函館本線奈井江駅です。
廃止された鉄道路線
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 札沼線(学園都市線・2020年5月7日廃止):晩生内駅 – 札的駅 – 浦臼駅 – 鶴沼駅 – 於札内駅
バス
- 浦臼町営バス
- 浦臼駅 – 新十津川農高前 – 滝川駅 ※札沼線廃止代替バス。2022年10月1日に北海道中央バス撤退に伴い町営バスとして新設
- 美唄自動車学校
- 月形駅 – 浦臼駅 ※札沼線廃止代替バス
- 浦臼駅 – 奈井江駅 – 砂川駅 ※2022年10月1日に浦臼町営バスから移管
タクシー
- 美唄圏エリア
道路
- 一般国道
- 国道275号(空知国道)
- 一般道道
- 北海道道278号奈井江浦臼線
- 北海道道603号浦臼停車場線
- 北海道道1159号美唄浦臼線
- 道の駅
- つるぬま
名所・旧跡・観光スポット
- 札的沢大滝
- 美浦渡船
- 鶴沼公園
- 浦臼町自然休養村センター/浦臼町温泉保養センター
- 浦臼神社
- 東洋一の鶴沼ワイナリー(ワイン用葡萄畑の作付け面積・収穫量が日本一)
- 坂本龍馬家の墓(往時の龍馬ゆかりの人々が眠る)
- 坂本龍馬の甥、坂本直寛が入植したことによる。
- いこいの森公園(樺戸連山が一望、野生小動物の鑑賞が出来る)
- カタクリとエゾエンゴサクの群生地浦臼神社
- 浦臼郷土資料館(蝦夷地開拓の夢を抱いた幕末のヒーロー龍馬に触れることが出来る)
- 恋人の聖地(石造り倉庫「蔵」)
- 田園空間博物館農機具展示場 (歴史的農機具展示施設)
- 山口誓子(俳人)の句碑
- 日本キリスト教会聖園教会(明治26年に浦臼に入植した、武市瑞山の親戚武市安哉が設立した教会。)
イベント・祭事・催事
- 浦臼夏祭り
- ワインの里フェスティバルin 浦臼
- ぼたんそば収穫祭 in 浦臼
出身者
- 琴似又市(アイヌ民族指導者)
- 友成又六(元・浦臼村長・町長)
- 井川伊平(政治家=元・参議院議員・北海道開発政務次官)(徳島県生、浦臼聖園尋常高等小学校卒)
- 小松原勝市(洋画家)
- 宮之内一平(作家)
- 岡本洋典(写真家)
- 鎌田泉(白元(現白元アース)創業者)
- 佐々木豊(元松前町長、元北海道議会議長)
- 野邑清美(元中頓別町長)
- 吉岡清栄(元浦臼町長・滝川市長)
- 大野新生(元北海道議会議員)
- 神原勝(行政学者・北海道大学名誉教授)
- 山本要(元浦臼町長)
ウラウスリゾート問題
- 第三セクターの「ウラウスリゾート開発公社」に関係する一連のスキャンダルと倒産劇。
- バブル期に大規模なリゾート開発が計画され、ウラウスリゾート開発公社が設立された。バブルがはじけたにもかかわらずある程度造成が進んだ。
- しかし1992年、富士銀行(現みずほ銀行)赤坂支店不正融資事件が発覚。逮捕された人物がウラウスリゾートに深く関わり、またリゾート計画そのものが事件と関与していることが国会でも取り上げられ、工事が中断。
- 1998年、開発公社は135億円の負債を抱え、札幌地方裁判所滝川支部に特別清算を申し入れ、倒産。
脚注
- ^ a b c d 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、48-49頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- “アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- “コンビニゼロの樺戸郡浦臼町に「ローソン」が6月1日出店”. リアルエコノミー (2019年4月27日). 2019年6月6日閲覧。
- “新店情報”. ローソン. 2019年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月6日閲覧。
- 総務省統計局統計調査部国勢統計課『平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=1。2017年5月20日閲覧。※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
- ^ a b “令和4年10月からの浦臼町地域公共交通のお知らせ”. 浦臼町 (2022年8月12日). 2022年10月26日閲覧。
- “月形⇔浦臼(札沼線バス月形浦臼線 かばと~る号)”. 月形町. 2022年10月26日閲覧。
- 2011年3月26日、北海道道1159号美唄浦臼線が全線開通したのに伴い、同年の9月25日限りで廃止された。
関連項目
- 全国市町村一覧
外部リンク
- 浦臼町
- 浦臼町に関連する地理データ – オープンストリートマップ
この情報が、北海道樺戸郡浦臼町について知りたい方の役に立てば幸いです。
浦臼町についてのクイズ
浦臼町の名前の由来は何ですか?
浦臼町という名前は、町内を流れる浦臼内川のアイヌ語名に由来しているとされています。アイヌ語では「ウラユシナイ(uray-us-nay)」と呼ばれ、「簗(やな)・多い・川」という意味を持ちます。しかし、他の説も存在しており、語源は明確ではないという特徴があります。アイヌ語に由来する地名は北海道内に多く存在しますが、それぞれの地名のバックグラウンドには、先住民族であるアイヌの文化や歴史が色濃く反映されています。浦臼町もその一環として、アイヌ語が持つ意味や地域の風土を表現していることがわかります。
浦臼町で有名な産業は何ですか?
浦臼町は農業が主要な産業となっており、米、花卉、メロン、ばれいしょ、アスパラガス、ぼたんそば、そしてワイン用のブドウなどを栽培しています。この地域では、特にワイン造りが盛んになってきており、近年では「ワインの里」として注目を集めています。ワイン造りには、地元で栽培されたブドウが使用され、質の高いワインが生産されていることが特徴です。これに伴い、農業の振興と地域経済の活性化が進んでいます。
浦臼町の涼しい気候を活かした観光名所はどれですか?
浦臼町にある鶴沼公園は、ワインの栽培や収穫を楽しむ観光名所として知られており、特に夏には訪れる人々にとって涼しげな場所となります。鶴沼公園は、大自然に囲まれた場所であり、ピクニックや散策に最適です。また、訪れる人々は地域の特産品を堪能することもできるため、観光客に人気のスポットとなっています。さらに、ワインに関連するイベントやフェスティバルも開催されるなど、地域の活性化にも寄与しています。
浦臼町の姉妹都市はどこですか?
浦臼町の姉妹都市は高知県長岡郡本山町です。この提携は1999年2月27日に友好都市として発表され、都会と自然が共存する地域として、両町の交流を促進することを目的としています。姉妹都市としての関係は、文化交流や地域振興に寄与するだけでなく、地域の住民同士の交流を深める機会を作り出しています。このような取り組みによって、地域の魅力を発信し、観光や交流人口の増加に繋がることが期待されています。