リード文
千葉県の北東部に位置する旭市は、九十九里浜の雄大な海岸線と北総台地の広大な農地が広がる、自然豊かな都市です。農業産出額は千葉県内第1位、全国第5位を誇り、特に野菜、畜産、米の生産が盛んです。歴史的にも重要な地域であり、江戸時代には農村指導の先駆者・大原幽学が農村を再興させ、現代では「干潟八万石」と呼ばれる広大な干潟が残るなど、豊かな自然と歴史が調和する魅力あふれる都市となっています。
概要
旭市は、千葉県の北東部に位置し、太平洋に面した九十九里浜と北総台地が特徴的な都市です。南部は九十九里浜に面しており、夏季には海水浴客で賑わいます。北部には房総半島屈指の穀倉地帯である干潟八万石が広がり、なだらかな丘陵地帯である北総台地も広がっています。市の中央部を東西に総武本線と国道126号が通っており、交通の便も良好です。
地理
旭市は、千葉県北東部に位置し、県庁所在地である千葉市から約50キロメートルの距離にあります。東京都の都心から約80~90キロメートル圏内に位置し、首都圏からのアクセスも良好です。
九十九里浜と北総台地
南部は、太平洋に面した九十九里浜が広がり、全長約66キロメートルにわたる砂浜海岸線は、日本の三大砂浜海岸の一つとして知られています。夏季には多くの海水浴客が訪れ、サーフィンや海水浴を楽しむことができます。北部には、房総半島屈指の穀倉地帯である干潟八万石が広がり、なだらかな丘陵地帯である北総台地も広がっています。干潟八万石は、かつては椿海と呼ばれる湖であった場所ですが、江戸時代に行われた干拓によって現在の広大な干潟となりました。
隣接する自治体
旭市は、以下の自治体と隣接しています。
- 匝瑳市
- 銚子市
- 香取市
- 香取郡
- 東庄町
歴史
旭市は、古くから農業が盛んな地域であり、江戸時代には農村指導の先駆者・大原幽学が長部村を訪れ、農村を再興させたことで知られています。幕末には、国学者の宮負定賢・宮負定雄父子も村の和合や農業改良に尽力しました。一方、九十九里沖の豊かな漁場を求めて関西の漁民がやって来るようになり、飯岡助五郎は、イワシ漁を中心とした漁業の発展に尽力しました。
明治時代以降の変遷
明治時代に入ると、政府の「畑作奨励策」の下、鎌数村の金谷総蔵が落花生栽培を普及させ、総武鉄道が開通して大量輸送が可能になると、落花生の加工工場が数多く造られました。また、昭和初期からスイカ、カボチャ、サツマイモなどの生産が盛んになり、特に甘藷栽培は穴澤松五郎の功績で発展しました。
2005年の合併
2005年7月1日、旧旭市、香取郡干潟町、海上郡海上町・飯岡町が合併し、現在の旭市が誕生しました。合併によって、人口は約7万人、面積は約130平方キロメートルとなりました。
年表
旭市における主な出来事を年表でまとめます。
年 | 出来事 |
---|---|
1889年(明治22年) | 町村制施行に伴い、旭町、富浦村、矢指村、飯岡町、海上町、干潟町が発足。 |
1954年(昭和29年) | 旭町が市制施行し、旭市となる。 |
1963年(昭和38年) | 東総工業高等学校が開校。 |
2005年(平成17年) | 旭市、飯岡町、海上町、干潟町が合併し、新しい旭市が発足。 |
2011年(平成23年) | 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による津波が襲来。 |
人口
旭市の人口は、近年減少傾向にあります。平成27年国勢調査によると、人口は66,586人であり、前回調査から3.58%減少しています。人口減少率は、千葉県下54市町村中31位、60行政区域中37位となっています。
人口の推移
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 61,136人 |
1975年 | 63,189人 |
1980年 | 65,405人 |
1985年 | 67,974人 |
1990年 | 69,800人 |
1995年 | 71,382人 |
2000年 | 71,176人 |
2005年 | 70,643人 |
2010年 | 69,058人 |
2015年 | 66,586人 |
2020年 | 63,745人 |
行政
市長
現職の市長は、米本弥一郎氏です。2021年7月31日に就任し、現在1期目です。
役所
旭市役所は、旭市二2132番地に位置しています。支所は、海上支所、飯岡支所、干潟支所があります。
経済
旭市の経済は、農業が基幹産業です。農業産出額は千葉県内第1位、全国第5位を誇り、特に野菜、畜産、米の生産が盛んです。
農業
旭市は、千葉県内でも有数の農業都市であり、農業産出額は千葉県内第1位、全国第5位を誇ります。主要な農産物としては、野菜、畜産、米などが挙げられます。
- 野菜:キャベツ、キュウリ、ダイコン、トマト、ネギ、レタスなど。特にキュウリは、千葉県内第1位の出荷量を誇り、旭市を代表する野菜の一つとなっています。
- 畜産:豚肉、牛肉、鶏肉など。特に豚肉は、安定した品質の食肉を首都圏全域に出荷しています。
- 米:コシヒカリなど。千葉県内では2位の出荷量を誇ります。
農業協同組合
- ちばみどり農業協同組合
ふるさと産品・特産品
- 丸干しイワシ:江戸時代から引き継がれる地場産業であり、生産量は日本一。
- シラウオ:飯岡漁港に水揚げされたシラウオを塩で炊き上げ、天日干しした特産品。
- タカミメロン:飯岡貴味メロンのブランドをもつ、糖度の高いメロン。
- ナシ:多くの直売所があり、新鮮な梨を味わえます。
- イチゴ:市内には観光農園が点在し、イチゴ狩りが楽しめます。
- トマト:味彩トマトのブランドをもつ、全国有数の生産量を誇るトマト。
工業
旭市には、食品加工、金属製品、ガラス製品などの工場が立地しています。
商業
旭市は、かつては千葉県内の太平洋沿い地域では茂原市、銚子市に次ぐ第3の商業都市であり、旭商圏を形成する商業中心都市・準商業中心都市でしたが、近年は銚子市側にロードサイド店舗が多く出店したことにより、商圏が衰退傾向にあります。
交通
鉄道
旭市には、JR東日本総武本線が通っています。
- 干潟駅
- 旭駅
- 飯岡駅
- 倉橋駅
バス
旭市には、千葉交通の路線バスと、旭市コミュニティバスが運行されています。
高速バス
- 犬吠号 東京~銚子線(旭ルート)
- 東京~銚子線(横芝光・旭ルート)
路線バス
- 旭市コミュニティバス
- 千葉交通
道路
旭市には、国道126号や千葉県道30号飯岡一宮線(九十九里ビーチライン)など、主要な道路が通っています。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡
- 大原幽学遺跡史跡公園:江戸時代後期の農政学者、農民指導者である大原幽学ゆかりの場所。
- 御前鬼塚古墳:古墳時代前期の円墳。
- 香取航空基地跡地:太平洋戦争中、神風特別攻撃隊が硫黄島に向けて出撃した場所。
- 鎌数伊勢大神宮:神事の「鎌数の神楽」は千葉県指定無形民俗文化財。
- 玉崎神社:本殿、拝殿および狛犬は千葉県指定有形文化財。
- 熊野神社:神事の「熊野神社の神楽」は千葉県指定無形民俗文化財。
- 八坂神社:太田のエンヤーホーは千葉県指定無形民俗文化財。
- 龍福寺:境内の森は千葉県指定天然記念物に指定されている。
観光スポット
- 九十九里浜:全長約66キロメートルにわたる砂浜海岸線。海水浴やサーフィンを楽しむことができます。
- 刑部岬:飯岡灯台や飯岡刑部岬展望館〜光と風〜などがあります。
- 飯岡風車群:丘の上に風力発電の大きな風車が並んでいます。
- 椿海(干潟八万石):広大な干潟。
- 蛇園出清水地区:ゲンジボタルやシランが生息しています。
海水浴場
- 矢指ヶ浦海水浴場
- 飯岡海水浴場
温泉
- 矢指ヶ浦温泉
- 旭九十九里温泉
- 八福温泉
- 飯岡温泉
祭事・催事
- 太田のエンヤーホー:八坂神社の祇園祭で演じられる民俗芸能。
- 水神社永代大御神楽:千葉県指定無形民俗文化財。
- 飯岡しおさいマラソン大会:2月の第一日曜日に開催されるマラソン大会。
- 飯岡海浜花火大会:7月最終土曜日に開催される花火大会。
- いいおかYOU・遊フェスティバル:7月最終土曜日、日曜日に開催されるイベント。
- 旭市七夕まつり:8月6日、8月7日に開催される七夕まつり。
旭市を舞台・ロケ地とした作品
- 映画『ジュブナイル』:2000年公開。旭市(旧飯岡町)で撮影された。
- アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』:2017年公開。モデル地となっている。
- テレビドラマ『コーチ』:旭市の九十九里浜や街中がロケ地となっている。
- テレビドラマ『孤独のグルメ』:旭市が2023年までに2度ロケ地に選ばれている。
まとめ
旭市は、豊かな自然と歴史が織りなす魅力あふれる都市です。九十九里浜の雄大な海岸線、北総台地の広大な農地、そして歴史的な史跡など、見どころ満載です。農業産出額は千葉県内第1位、全国第5位を誇り、特に野菜、畜産、米の生産が盛んです。また、近年では、観光客向けの施設やイベントも充実しており、ますます注目を集めている都市です。
旭市についてのクイズ
旭市の農業産出額は千葉県内で何位ですか?
旭市は、千葉県の北東部に位置する都市であり、豊かな自然環境と歴史的背景を持っています。特に農業が盛んで、農業産出額は千葉県内で第1位を誇り、全国でも第5位にランクされています。市内では野菜や畜産物、米が特に多く生産されており、その優れた農産物は首都圏を中心に多く出荷されています。旭市の農業は、豊かな土地や気候条件によるものであり、地域の経済を支える基盤となっています。農業の振興や特産品の開発も積極的に行われており、市の重要な産業として位置づけられています。
旭市に隣接している自治体に含まれていないのはどれですか?
旭市は千葉県の北東部に位置し、複数の自治体と隣接しています。具体的には、匝瑳市、銚子市、香取市、および香取郡内の東庄町と隣接しています。そのため、隣接区間には成田市は含まれていません。隣接する自治体との交通や経済の連携もあり、地域全体での発展を目指しています。土地の特性や歴史的背景を共有し、さまざまな交流が行われています。
旭市の市長は誰ですか?
旭市の現職市長は米本弥一郎氏です。彼は2021年7月31日に就任し、現在1期目を迎えています。市政において、地域の発展や住民の声を反映させる努力を続けており、自らの政策を通じて市民の生活向上や地域振興に寄与しています。旭市は自然や歴史的背景に恵まれた都市であり、市長としてその価値を最大限に活かしながら、持続可能な地域社会の形成に努めています。
旭市の名物、農業協同組合の名前は何ですか?
旭市には「ちばみどり農業協同組合」が存在しています。この農業協同組合は地域の農業の振興を目的としており、地元の農家を支援するために様々な活動を行っています。特に、農産物の販売や品質向上に向けた取り組み、地域や学校との連携した食育活動などが実施されています。また、旭市の特産品である新鮮な野菜や果物を市場に流通させるための仕組みを整えており、地域の観光や経済活動に大きな影響を与えています。