北海道本別町:十勝平野に広がる自然と歴史の宝庫

十勝平野の北東部に位置する本別町は、豊かな自然と歴史が息づく魅力的な町です。かつては林業で栄え、現在は農業が盛んな本別町は、酪農、畑作、そして特産の豆類など、大地の恵みを活かした産業が発展しています。雄大な自然と、歴史を感じさせる町並み、そして活気のある文化イベントなど、本別町は訪れる人々に多くの感動を与えてくれるでしょう。

町名の由来と地理

本別町の名前は、町内を流れる本別川のアイヌ語名「ポンペッ(pon-pet)」(小さい・川)に由来しています。十勝総合振興局北東部の内陸に位置する本別町は、利別川が南北に貫流し、東西の丘陵から支流を集めています。町の南部、美里別川が利別川に合流する地点には盆地状の小平野が広がり、中心市街地が形成されています。

隣接する自治体

本別町は、十勝総合振興局管内の以下の自治体に隣接しています。

  • 十勝総合振興局
  • 中川郡: 池田町
  • 足寄郡: 足寄町
  • 十勝郡: 浦幌町
  • 河東郡: 士幌町、上士幌町
  • 釧路総合振興局
  • 白糠郡: 白糠町

気候

本別町は、湿潤大陸性気候に属し、寒暖の差が大きいのが特徴です。冬は-25℃ を下回る厳しい寒さに見舞われますが、積雪量は比較的少ないです。夏は高温で、日差しが強く、畑作に適した気候です。

| 本別(1991 年 – 2020 年)の気候 |
| ————————————- | ————- | ————- | ————- | ———— | ———— | ———— | ————- | ————- | ————- | ———— | ———— | ————- | ————– |
| 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 7.4 (45.3) | 14.4 (57.9) | 18.2 (64.8) | 30.9 (87.6) | 37.2 (99) | 35.6 (96.1) | 37.1 (98.8) | 36.3 (97.3) | 33.7 (92.7) | 29.1 (84.4) | 21.1 (70) | 14.7 (58.5) | 37.2 (99) |
| 平均最高気温 °C (°F) | -1.5 (29.3) | -0.3 (31.5) | 4.5 (40.1) | 11.9 (53.4) | 18.0 (64.4) | 21.4 (70.5) | 24.5 (76.1) | 25.4 (77.7) | 21.9 (71.4) | 15.8 (60.4) | 8.2 (46.8) | 0.7 (33.3) | 12.6 (54.7) |
| 日平均気温 °C (°F) | -8.9 (16) | -7.3 (18.9) | -1.1 (30) | 5.4 (41.7) | 11.2 (52.2) | 15.2 (59.4) | 18.9 (66) | 20.0 (68) | 16.2 (61.2) | 9.4 (48.9) | 2.4 (36.3) | -5.5 (22.1) | 6.3 (43.3) |
| 平均最低気温 °C (°F) | -16.1 (3) | -14.9 (5.2) | -6.9 (19.6) | -0.5 (31.1) | 5.1 (41.2) | 10.2 (50.4) | 14.6 (58.3) | 15.9 (60.6) | 11.5 (52.7) | 3.7 (38.7) | -2.7 (27.1) | -11.7 (10.9) | 0.7 (33.3) |
| 最低気温記録 °C (°F) | -29.1 (-20.4) | -27.4 (-17.3) | -24.8 (-12.6) | -12.4 (9.7) | -4.3 (24.3) | -0.4 (31.3) | 4.9 (40.8) | 5.3 (41.5) | 0.3 (32.5) | -6.3 (20.7) | -17.8 (0) | -26.8 (-16.2) | -29.1 (-20.4) |
| 降水量 mm (inch) | 29.2 (1.15) | 18.9 (0.744) | 32.4 (1.276) | 54.2 (2.134) | 78.4 (3.087) | 67.0 (2.638) | 100.1 (3.941) | 132.4 (5.213) | 118.0 (4.646) | 79.4 (3.126) | 42.9 (1.689) | 37.5 (1.476) | 790.6 (31.126) |
| 降雪量 cm (inch) | 67 (26.4) | 56 (22) | 59 (23.2) | 15 (5.9) | 1 (0.4) | 0 (0) | 0 (0) | 0 (0) | 0 (0) | 0 (0) | 12 (4.7) | 65 (25.6) | 276 (108.7) |
| 平均降水日数 (≥1.0 mm) | 4.7 | 4.2 | 5.8 | 8.3 | 9.8 | 9.2 | 10.0 | 10.9 | 10.1 | 8.3 | 7.1 | 6.2 | 94.6 |
| 平均月間日照時間 | 177.2 | 178.5 | 206.5 | 185.3 | 177.6 | 150.2 | 125.6 | 127.5 | 140.6 | 164.1 | 160.1 | 161.9 | 1,954.9 |
| 出典 1:Japan Meteorological Agency |
| 出典 2:気象庁 |

歴史

本別町は、1915 年(大正 4 年)に本別村、嫌侶村、負箙村、幌蓋村、勇足村、押帯村が合併して誕生しました。1933 年(昭和 8 年)には町に昇格し、本別町となりました。

歴史的な出来事

  • 1915 年(大正 4 年)4 月 1 日: 本別村、嫌侶村、負箙村、幌蓋村、勇足村、押帯村が合併し、本別村となる。
  • 1921 年(大正 10 年)4 月 1 日: 西足寄村(1950 年 4 月 1 日から西足寄町、現・足寄町)を分村。
  • 1933 年(昭和 8 年)5 月 1 日: 町に昇格、本別町となる。
  • 1974 年(昭和 49 年) – 1976 年(昭和 51 年): 町内の大字を行政字として再編。
  • 2003 年(平成 15 年)6 月 8 日: 道東自動車道池田 IC-本別 JCT-本別 IC/足寄 IC 間開通。
  • 2009 年(平成 21 年)4 月 26 日: 道の駅ステラ ★ ほんべつオープン。
  • 2009 年(平成 21 年)11 月 21 日: 道東自動車道本別 IC – 浦幌 IC 間開通。

経済

産業

本別町は、古くから林業が盛んでしたが、近年では農業が主要産業となっています。畑作では小麦、豆類、甜菜(テンサイ)などを生産し、酪農も盛んです。稲作は、自給的なものが小規模に行われているのみです。第二次産業は、木材加工、農産物加工が中心です。

立地企業

本別町には、以下のような企業が立地しています。

  • 北海道糖業株式会社本別製糖所
  • 株式会社明治(旧・明治乳業株式会社)本別工場
  • 電源開発株式会社本別発電所
  • 北海道新聞社本別支局
  • 十勝毎日新聞社本別支局
  • 双日北海道与志本株式会社本別工場
  • ほくでんエコエナジー社(メガソーラー)
  • JAG 国際エナジー株式会社(メガソーラー)
  • 渋谷醸造株式会社
  • 有限会社やまぐち醗酵食品

組合

  • 本別町農業協同組合(JA 本別町)
  • 本別町森林組合
  • 北海道農業共済組合(NOSAI 北海道)本別家畜診療所

金融機関

  • 帯広信用金庫本別支店
  • 北洋銀行本別支店

文化と観光

町のシンボル

  • 町の木: カシワ
  • 町の花: エゾムラサキツツジ
  • 町の鳥: アカゲラ
  • 開町記念日: 9 月 15 日

文化財

  • 立木・かしわ(7 本)勇足神社のかしわ林
  • 立木・かしわ(1 本)上押帯神社立木かしわ
  • ヒカリゴケ
  • 義経の里本別公園内のマメシジミ個体群と生息地

観光スポット

  • 義経の里本別公園: キャンプ場、ゴーカート場、つつじの名所として知られています。
  • 本別温泉グランドホテル: 温泉を楽しむことができます。
  • 歴史民俗資料館・旧仙美里駅: バロン西ゆかりの資料などを展示しています。
  • 大日山密厳寺: 北海道三十三観音霊場 20 番札所です。
  • 豆屋とかち 岡女堂本家: 本別町特産の豆製品を販売しています。

イベント

  • きらめきタウンフェスティバル: 9 月上旬に開催される 2 日間のイベント。花火大会も楽しめます。
  • 本別山渓つつじ祭り: 5 月中旬に開催されるつつじの祭典です。
  • 夜でかけナイト: 6 月、7 月、9 月の第 2 金曜日に開催される夜市イベントです。
  • 赤不動院柴燈護摩: 5 月 28 日に開催される火渡り行事で、厄除け祈願が行われます。
  • ラリー北海道: 9 月に開催されるラリーレースです。
  • ほんべつ ふるさと銀河線 望郷トレイル: 10 月に開催されるウォーキングイベントです。
  • 雪あかりナイト: 2 月に開催される雪灯籠のイベントです。

交通

空港

  • 釧路空港(釧路市): 車で約 50 分
  • 帯広空港(帯広市): 車で約 60 分

鉄道

本別町には鉄道は通っていません。最寄りの駅は、JR 北海道根室本線池田駅です。

バス

  • 十勝バス: 池田町・幕別町・帯広市方面、足寄町・陸別町方面
  • 北海道拓殖バス: 釧路空港方面「スイーツライナー」
  • 網走観光交通: 阿寒湖温泉方面「まりもエクスプレス帯広号」
  • 本別・浦幌生活維持路線バス: 浦幌町方面
  • 本別町コミュニティバス「太陽の丘循環バス」: 市街地循環線

道路

  • 高速道路: 道東自動車道 (12)本別 JCT-(13)本別 IC
  • 一般国道: 国道 242 号、国道 274 号、国道 392 号
  • 都道府県道: 北海道道 88 号本別留辺蘂線、北海道道 134 号本別士幌線など

道の駅

  • ステラ ★ ほんべつ

本別町の魅力

本別町は、豊かな自然と歴史、そして活気のある文化イベントが魅力です。特に、義経の里本別公園は、広大な敷地内にキャンプ場、ゴーカート場、つつじ園があり、自然と触れ合うことができます。歴史民俗資料館では、バロン西や旧仙美里駅に関する貴重な資料を展示しており、本別町の歴史を学ぶことができます。

また、本別町は、特産の豆類を使ったスイーツや加工品が豊富です。豆屋とかち 岡女堂本家では、地元産の豆を使った美味しいお菓子やパンなどを販売しており、お土産にもおすすめです。

本別町は、十勝平野の中心に位置し、周辺の観光地へのアクセスも良好です。帯広市、釧路市、阿寒湖温泉など、様々な観光地へのアクセスが便利です。

ぜひ、本別町を訪れて、豊かな自然と歴史、そして美味しい食べ物を楽しんでください。

本別町についてのクイズ

本別町の名前の由来は何ですか?

本別町の名前は、町内を流れる本別川のアイヌ語名「ポンペッ(pon-pet)」に由来しています。この言葉は「小さい・川」という意味を持ち、本別町の地理的特徴を反映しています。本別川が流れる地域の自然環境と文化に密接に関連しており、アイヌ文化の影響を受けていることが伺えます。アイヌ語には、自然物や地名の命名に用いられる多くの言葉があり、川や山、植物などがその名前の源となっています。地名には地元の歴史や文化が詰まっているため、アイヌ語名の由来を知ることは、地域に対する理解を深める一助になります。

本別町が属する気候は何ですか?

本別町は湿潤大陸性気候に属しています。この気候帯は、季節ごとに寒暖の差が大きく、特に冬季は厳しい寒さが特徴的です。氷点下-25℃を下回ることもあり、寒冷体験ができますが、降雪量は比較的少ないため、生活や交通にも影響を及ぼしにくいです。夏は高温多湿になり、日差しも強く、畑作に適した条件を有します。このような気候が、酪農や畑作業など本別町の農業に大きく寄与しています。農業を通じて地域経済が発展している本別町は、気候の特性を活かす農業のモデルケースとしても注目されることがあります。

本別町が町に昇格したのは何年ですか?

本別町は1933年5月1日に町に昇格し、正式に本別町となりました。それ以前は、本別村を含むいくつかの村が合併して形成された地域であり、1889年に設置された村行政から発展してきた流れがあります。町に昇格することによって、地域の行政やインフラの整備が進み、住民の生活環境の向上や自治権の強化が進みました。この町に昇格した年は、本別町の発展にとって重要な一歩だったといえるでしょう。町としての自治体機能を持つことにより、地域住民が主体となった町づくりが促進され、新たな文化や産業の発展をもたらす土壌となりました。

本別町の特産品は何ですか?

本別町は特産の豆類が有名で、農業が主要な産業となっています。特に、小規模な豆腐製造や、地元で生産された豆を使用したさまざまな加工品が人気です。この町では、小豆やえんどう豆、その他の豆製品が多様に栽培されており、これらは地域経済を支える重要な作物です。また、豆を使ったスイーツや調味料も多く、観光客のお土産としても非常に人気があります。豆類に特化した農産物は、本別町に独自の魅力を与えており、地域の文化や食文化を反映した産業として、高い評価を得ています。