リード文
鹿児島県南さつま市は、薩摩半島の西岸に位置する、豊かな自然と歴史が調和する街です。日本三大砂丘の一つである吹上浜や、リアス式海岸など、雄大な景観が魅力です。太平洋戦争末期には最後の特攻隊の出撃地として、多くの犠牲者を出す悲劇の舞台ともなりました。近年では、砂丘を活用したイベントや自転車大会など、特色あるまちづくりを進めています。歴史と自然、そして活気あふれる文化が融合する南さつま市は、魅力的な観光地としても注目されています。
地理
南さつま市は、薩摩半島の南西端に位置し、東シナ海に面しています。市の北西部には、日本三大砂丘の一つに数えられる吹上浜が広がり、南西部には美しいリアス式海岸が広がっています。坊津の双剣石は国の名勝に指定されており、その景観は多くの観光客を魅了しています。
山々
- 金峰山
- 野間岳
- 蔵多山
海岸
- 吹上浜
河川
- 万之瀬川
気候
南さつま市は温暖な気候に恵まれ、年間を通じて過ごしやすい地域です。夏は高温多湿、冬は比較的温暖で、年間を通して降水量が多いのが特徴です。
加世田(1991年 – 2020年)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) |
平均月間日照時間 |
出典1:Japan Meteorological Agency |
出典2:気象庁[1] |
隣接する自治体
- 鹿児島市
- 枕崎市
- 日置市
- 南九州市
歴史
近現代
- 1889年4月1日:町村制施行により、現在の市域に相当する以下の町村が発足。
- 川辺郡加世田村・東加世田村・西加世田村・西南方村
- 阿多郡阿多村・田布施村
- 1896年4月1日:郡制施行により阿多郡を日置郡に統合。
- 1923年1月1日:西加世田村が笠砂村に改称。
- 1924年1月1日:加世田村が町制施行により加世田町となる。
- 1925年1月1日:東加世田村が万世町に改称し、町制施行。
- 1940年11月10日:笠砂村が笠沙町に改称し、町制施行。
- 1951年4月1日:笠沙町から大浦町が分立。
- 1953年10月15日:西南方村が坊津村に改称。
- 1954年7月15日:加世田町と万世町が合併し、加世田市が市制施行。
- 1955年11月1日:坊津村が町制施行により坊津町となる。
- 1956年9月30日:阿多村と田布施村が合併し、金峰町が町制施行。
- 2005年11月7日:加世田市、笠沙町、大浦町、坊津町、金峰町が合併し、南さつま市が誕生。
行政
市長
- 現市長:本坊輝雄(2009年11月27日就任、4期目)
市の行政機関
- 南さつま市役所:〒897-8501 鹿児島県南さつま市加世田川畑2648番地
- 笠沙支所:〒897-1301 鹿児島県南さつま市笠沙町片浦808番地
- 野間池出張所:〒897-1301 鹿児島県南さつま市笠沙町片浦15380番地
- 大浦支所:〒897-1201 鹿児島県南さつま市大浦町2071番地
- 坊津支所:〒898-0101 鹿児島県南さつま市坊津町坊9422番地2
- 久志出張所:〒898-0211 鹿児島県南さつま市坊津町久志2422番地1
- 金峰支所:〒899-3492 鹿児島県南さつま市金峰町尾下1650番地
県の行政機関
- 鹿児島県警察:南さつま警察署
- 鹿児島県南薩地域振興局
- 加世田保健所
国の行政機関
- 鹿児島地方法務局南さつま出張所
- ハローワーク加世田(加世田公共職業安定所)
- 加世田簡易裁判所
議会
市議会
- 定数:17人
- 任期:2021年11月27日 – 2025年11月26日
衆議院
- 選挙区:鹿児島2区(鹿児島市の一部、枕崎市、指宿市、南さつま市、奄美市、南九州市、大島郡)
- 任期:2021年10月31日 – 2025年10月30日
経済
産業
- 主な産業:農業・漁業
特産品
- 金峰コシヒカリ
- 焼酎
- そば
- カボチャ
- 薩摩切子(ガラス工芸品)
- らっきょう
- キンカン(金柑)
南さつま市に本社・本店を置く主要企業
- イケダパン
- 株式会社 エルム – 光ディスクの修復装置において世界トップシェアを有する[9]。
- 株式会社 コワダヤ
- 株式会社 山野井
南さつま市発祥の主要企業
- 本坊酒造
姉妹都市・提携都市
日本国内
- 姉妹都市
- 北海道旭川市 (2015年5月3日提携)
- 提携都市
- 愛知県北名古屋市 (2014年5月1日災害時相互応援協定締結)
海外
- 旗津区(高雄市)[10]
- 2023年1月31日 友好交流都市提携
地域
人口
南さつま市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 南さつま市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
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■紫色 ― 南さつま市■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性 |
教育
高等学校
- 鹿児島県立加世田高等学校
- 鹿児島県立加世田常潤高等学校(旧加世田農業高等学校)
- 鳳凰高等学校(旧加世田女子高等学校)(私立)
義務教育学校
- 南さつま市立坊津学園(2017年3月まで坊津学園中学校・小学校)
- 南さつま市立金峰学園(2023年4月に南さつま市立阿多小・田布施小・金峰中が統合し開校)
中学校
- 南さつま市立加世田中学校
- 南さつま市立万世中学校
- 南さつま市立大笠中学校
小学校
- 南さつま市立内山田小学校
- 南さつま市立加世田小学校(2015年4月に南さつま市立久木野小を吸収)
- 南さつま市立川畑小学校
- 南さつま市立小湊小学校
-
南さつま市立津貫小学校
-
南さつま市立長屋小学校
- 南さつま市立万世小学校
- 南さつま市立益山小学校
- 南さつま市立大浦小学校
- 南さつま市立笠沙小学校(2014年4月に南さつま市立笠沙小・赤生木小・玉林小と合併)
交通
空港
- 最寄り空港は鹿児島空港。
鉄道
- 現在の市域にはかつて南薩鉄道万世線、鹿児島交通枕崎線、鹿児島交通知覧線といった鉄道が通っていたが、いずれも廃止されている。
- 現在の最寄り駅はJR指宿枕崎線の谷山駅・枕崎駅、または鹿児島本線の伊集院駅。
道路
- 一般国道
- 国道226号
- 国道270号
- 道の駅:きんぽう木花館
- 県道
- 鹿児島県道20号鹿児島加世田線
- 鹿児島県道31号加世田川辺線
- 鹿児島県道269号坊之津久木野線
- 鹿児島県道270号久志上津貫線
- 鹿児島県道271号秋目上津貫線
- 鹿児島県道272号久志大浦線
- 鹿児島県道273号加世田停車場線
- 鹿児島県道291号松元川辺線
- 鹿児島県道加世田日吉自転車道線(吹上浜砂丘自転車道)
バス
- 鹿児島交通
- 加世田 – 金峰支所前 – 伊作(日置市) – 鹿児島市
- 加世田 – 大坂(旧金峰町) – 鹿児島市
- 加世田 – 大浦 – 笠沙支所前 – 野間池
- 加世田 – 金峰支所前 – 伊作 – 日置 – 伊集院(日置市)
- 加世田 – 川辺(南九州市) – 知覧(南九州市)
- 加世田 – 枕崎市
- 今岳(旧坊津町) – 泊(旧坊津町) – 枕崎市
- 加世田 – 金峰支所前 – 鹿児島空港
- 南さつま市コミュニティバス
名所・旧跡・観光スポット・祭事
- 吹上浜海浜公園
- 万世特攻平和祈念館
- 坊津歴史資料センター輝津館
- 県史跡「一乗院跡」
- 国の名勝「坊津」双剣石
- 港町坊津の古い町並み
- リアス式海岸に沈む夕日(坊津地域、笠沙地域)
- 坊津八景
- 観光グラスボート(遣唐使船)
- 南薩鉄道記念館
- 県立自然公園
- 大山祇神社
- 加世田城跡
- 鑑真記念館
- 南薩摩の十五夜行事(重要無形民俗文化財)
- ほぜどん
- 唐カラ船まつり(5月5日)
- 野間神社例祭(2月20日)
- 笠沙恵比寿(2000年オープンの観光宿泊施設[11]、2022年に日清丸紅飼料に譲渡され水産用飼料の研究開発拠点となる予定[11])
- 野間半島の遊覧、岬めぐり・サンセットクルーズ
- シーカヤックツーリング
- 金峰夏祭(8月15日)
- 高橋十八度踊(よっかぶい)(8月22日)
- 金峰山神社大祭(10月19日)
- 竹屋神社(焼酎神社)[12]
- 竹田神社夏祭り(7月23日)
- 栫ノ原遺跡(国の史跡、縄文時代草創期の日本最古の定住集落跡)
- 奥山古墳(市指定史跡、日本列島西南端の古墳)
- 大浦ふれあいパーク
- くじらの眠る丘(マッコウクジラの全身骨格標本を展示)
出身著名人
- 小原國芳(学校法人玉川学園創始者):坊津町出身
- 西春彦(大正〜昭和期の外交官)
- 小泉純也(立憲民政党、自由民主党元代議士、元防衛庁長官。小泉又次郎元逓相の婿養子、小泉純一郎元首相の父):旧姓・鮫島、川辺郡東加世田村出身
- 鮫島博一(第10代海上幕僚長、第9代統合幕僚会議議長):川辺郡東加世田村出身
- 鮫島慶彦(南薩鉄道社長、衆議院議員)
- 尾辻秀久(自由民主党参議院議員、元厚生労働大臣、元参議院副議長)
- 宮路和明(自由民主党衆議院議員)
- 大蔵律子(元神奈川県平塚市長)
- 羽牟裕一郎(麻酔科医師、元日本バレーボール協会会長):加世田市出身
- 上釜健宏(元TDK社長):加世田市出身
- 坂口利雄(歌人・作詞家、代表作「鹿児島県民の歌」):笠沙町出身
- 松田達郎(生態学者、元国立極地研究所所長):加世田市出身
- 宇都文昭(放射線技師、アマチュア天文家。):加世田市出身
- 青野毅(元プロ野球選手。千葉ロッテマリーンズ所属):旧坊津町出身
- 大谷龍次(元プロ野球選手。千葉ロッテマリーンズ所属)
- 久保克之(元高校野球指導者)
- 大迫勇也(プロサッカー選手。ヴィッセル神戸所属)
- 那須大亮(元プロサッカー選手):旧坊津町出身
- 長山一也(プロサッカー選手。カターレ富山所属)
- 若松育美(陸上競技選手)
- 茶圓勝彦(砂像彫刻家):加世田市出身
- 小濱なつき(ファッションモデル):旧大浦町出身
- 西尾三枝子(女優)
注釈
- 1954年、田布施村高橋の一部を編入
- 1954年、唐仁原より独立
- 1954年、武田・地頭所より独立
- 1991年、地頭所・村原の各一部より新設
- 1991年、村原・地頭所・武田・川畑の各一部より新設
- 1991年、村原・武田・地頭所の各一部より新設
- 2002年、武田より新設
脚注
- “加世田 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年9月1日閲覧。
- 町又は字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1600号、 原文)
- 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1601号、 原文)
- 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1603号、 原文)
- 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1604号、 原文)
- 字の区域の設定(平成17年鹿児島県告示第1602号、 原文)
- “住所表記について”. 南さつま市 (2020年3月23日). 2020年6月20日閲覧。
- 町の区域の設定(平成14年鹿児島県告示第50号、 原文)
- 世界シェアトップの秘密~エンジニアたちの挑戦~ 『世界一の九州が始まる!』番組ウェブサイト、RKB毎日放送、2021年3月11日公開、2024年7月16日閲覧。
- “南さつま市、高雄・旗津区と友好交流協議締結=砂丘が縁で”. フォーカス台湾 (2023年2月2日). 2023年2月7日閲覧。
- ^ a b “水戸岡鋭治氏コーディネートの観光施設「笠沙恵比寿」(南さつま) 日清丸紅飼料に譲渡へ 水産用飼料の研究開発拠点に”. 南日本新聞. 南日本新聞 (2022年6月11日). 2022年6月11日閲覧。
- 【気になるスポット】焼酎神社 産地の安全を祈願『日本経済新聞』夕刊2022年9月8日くらしナビ面(2022年9月28日閲覧)
参考文献
- 小学館スクウェア制作 『市制施行50周年記念誌 わがまち加世田』 加世田市、2004年
関連項目
- ひらがな・カタカナ地名#ひらがな・カタカナ市町村名一覧
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 川辺地区合併協議会
- Welcme to Kaseda-cci(加世田商工会議所)
- 加世田文化遺産-加世田歴史館
- 地図 – Google マップ
オープンストリートマップに南さつま市の地図があります。
南さつま市についてのクイズ
南さつま市の位置はどこですか?
南さつま市は、鹿児島県の薩摩半島の南西端に位置しています。周囲には雄大な自然が広がっており、特に日本三大砂丘の一つである吹上浜や美しいリアス式海岸があります。この地理的特徴は、南さつま市が観光資源としても注目される理由の一つです。また、太平洋戦争の歴史的な出来事と結びついていることから、文化的にも重要な地域となっています。その他の地域のように平坦な土地ではなく、山々も点在しているため、多様な自然が楽しめるのも魅力のひとつです。
南さつま市の気候はどのような特徴がありますか?
南さつま市は温暖な気候に恵まれ、年間を通じて過ごしやすい地域です。夏は高温多湿で暑く、冬は比較的温暖ですが、降水量は多いのが特徴です。特に梅雨の時期には降水量が最も多く、平均降水日数も高くなる傾向があります。このため、農業にとっては潤沢な水源が確保される反面、観光業には雨天による影響もあったりします。ただし、温暖な気候は観光客にとって快適な環境を提供することができるため、訪れる人々にとって嬉しいポイントでもあります。
南さつま市の主な産業は何ですか?
南さつま市の主な産業は農業と漁業です。豊かな自然環境が特色であり、特に農業では「金峰コシヒカリ」や「焼酎」、「そば」、「カボチャ」などが有名です。また、漁業も盛んで、新鮮な海の幸が手に入るため、地域の特産品として提供されています。それに加えて、南さつま市は風光明媚な自然環境にも恵まれており、観光業も少なからず行われていますが、経済の基盤は主に農業と漁業にあります。このように、地理的条件と気候が相まって、特産品・名産が多い土地となっています。
南さつま市の行政はどのように行われていますか?
南さつま市の行政は市長と市議会によって行われています。現在の市長は本坊輝雄氏で、2009年から市長職を務めており、4期目を迎えています。市議会の定数は17人で、選挙によって選出された市議会議員が市の行政を支える役割を担っています。市役所は市民との対話を促進し、地域課題の解決策を模索するための重要な機関であり、市民がより良い生活を送れるように努めています。このように市が強いリーダーシップを持つことで、地域の発展が図られています。
南さつま市にはいくつの姉妹都市がありますか?
南さつま市には1つの姉妹都市があります。それは北海道の旭川市で、2015年に提携が結ばれました。この提携により、双方の地域文化の交流や経済的な発展を促進することを目指しています。また、南さつま市は国内外で提携都市があり、愛知県北名古屋市とは災害時相互応援協定を締結しています。国際的な交流もはかりつつ、地域間の協力を深めることで、南さつま市はさらに発展していくことを目指しています。
南さつま市で発祥した主要な企業はどれですか?
南さつま市で発祥した主要な企業は本坊酒造です。本坊酒造は高品質な焼酎を製造しており、地域の特産品としても知られています。その他にも、イケダパンや株式会社エルムなどが南さつま市に拠点を置く企業ですが、特に本坊酒造はこの地域の象徴的な存在と言えます。地域経済においても重要な役割を果たし、観光客にも地元の特産品として人気があります。このように地元企業は南さつま市の文化や経済の一部を形成しており、地域全体に影響を与えています。
南さつま市で有名な祭事は何ですか?
南さつま市で有名な祭事は金峰夏祭です。毎年8月15日に行われ、地元の文化や伝統を楽しむイベントとなっています。この祭りは地域の人々が集まり、さまざまな活動や出店が行われ、出店では地元の特産物や飲食物が提供されます。金峰夏祭は地域の人々にとっても大切なイベントであり、訪れる観光客にとっては南さつま市の魅力を体験できる良い機会となっています。このように、地域の結束を深めると同時に、観光促進にも寄与している祭事と言えます。