佐賀県西松浦郡にある有田町は、400年以上続く伝統工芸「有田焼」の産地として知られています。美しい自然と豊かな歴史、そして活気あふれる町並みが魅力の有田町。今回は、有田焼の魅力や歴史、観光スポット、イベント情報など、有田町の魅力を余すことなくご紹介します。
有田町ってどんなところ?
佐賀県の西部に位置する有田町は、西松浦郡に属し、長崎県とも隣接しています。町の南西部から南部にかけては長崎県との県境に接し、町土の約7割を森林や山岳が占めています。町を分断して伊万里湾へとつながる有田川を挟む地形が特徴的です。
有田町の概要
項目 | 内容 |
---|---|
面積 | 65.85 km² |
人口 | 18,053人 (2024年8月1日推計) |
人口密度 | 274人/km² |
隣接自治体 | 伊万里市、武雄市、長崎県佐世保市、東彼杵郡波佐見町 |
町の木 | イチョウ、縄文アラカシ |
町の花 | サクラ |
マスコット | ありたん |
有田町の地理
山岳: 国見山、八天岳、青螺山、牧ノ山、黒髪山、金山岳、蓮華石山、幕ノ頭など
河川: 広瀬川、有田川、白川川、上南良川、黒牟田川、黒川川など
湖沼: 楠木原大堤池、樋杓川池、濁淵池、山谷堤池、林野池、桑々田池、伊毛原池、竜門ダム、有田ダム、古木場ダムなど
気候
有田町は温暖な気候に恵まれ、年間を通して過ごしやすい地域です。
有田焼の歴史と魅力
有田町は、「日本磁器発祥の地」として知られています。1616年、伊万里藩の鍋島藩主・鍋島直茂によって、朝鮮から招かれた陶工・李参平が有田で磁器の焼成に成功したのが始まりです。その後、有田焼は、その優れた技術と美しさから、国内外に広く愛されるようになりました。
有田焼の特徴
- 白磁: 有田焼の最大の特徴は、その白磁の美しさです。白磁は、鉄分が少なく、純粋な白さを持ち、光沢感も優れているのが特徴です。
- 絵付け: 有田焼は、多彩な絵付けも魅力です。古伊万里様式、染付、色絵など、さまざまな技法が用いられています。
- 技術: 有田焼は、長い歴史の中で培われた高度な技術が受け継がれています。
有田焼の代表的な種類
- 古伊万里: 江戸時代に輸出された有田焼で、鮮やかな色彩と豪華な絵柄が特徴です。
- 染付: 青色の呉須絵具で絵付けされた有田焼です。
- 色絵: 多彩な色を使って絵付けされた有田焼です。
有田焼を体験できる施設
- 佐賀県立九州陶磁文化館: 有田焼の歴史と文化を学ぶことができる博物館です。
- 有田町歴史民俗資料館: 有田焼の歴史や技術に関する資料が展示されています。
- 有田ポーセリンパーク: 有田焼の製造工程を見学できる施設です。
有田町の観光スポット
有田町には、有田焼の魅力を満喫できるスポットがたくさんあります。歴史的な建造物や自然豊かな景観など、見どころが満載です。
有田内山
- 有田内山は、江戸時代からの伝統的な町並みが残るエリアです。
- 白壁土蔵の商家やトンパイ塀など、歴史を感じさせる風景を楽しむことができます。
- 重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
陶山神社
- 有田焼の創始者・李参平を祀る神社です。
- 陶器製の鳥居は、日本唯一のものとして有名です。
歴史と文化の森公園
- 有田焼の歴史と文化をテーマにした公園です。
- 有田焼の窯跡や資料館、体験工房などがあります。
竜門峡
- 有田川の渓谷美を堪能できるスポットです。
- 名水百選「竜門の清水」があり、清らかな水が湧き出ています。
岳の棚田
- 山肌に広がる棚田は、壮大な景観を呈しています。
- 日本棚田百選のひとつに選ばれています。
有田町のイベント
有田町では、一年を通してさまざまなイベントが開催されています。
有田陶器市
- 4月29日から5月5日にかけて開催される、日本最大級の陶器市です。
- 全国から陶器好きが集まり、活気に満ち溢れています。
陶祖祭
- 5月4日に開催される、有田焼の創始者・李参平を祀る祭典です。
有田皿山まつり
- 10月17日に開催される、有田焼の伝統と文化を伝える祭りです。
ゆく年くる年「有田碗灯まつり」
- 12月31日から1月1日にかけて開催される、幻想的なイベントです。
- 町中が有田焼の碗灯で飾られ、美しい光に包まれます。
有田町へのアクセス
電車
- JR佐世保線、松浦鉄道西九州線 有田駅が最寄りの駅です。
- 有田駅には、JR特急「みどり」「ハウステンボス」も停車します。
バス
- 西肥バスが、佐世保市と伊万里市を結ぶ路線を運行しています。
- 有田町コミュニティバスも運行しています。
車
- 西九州自動車道 波佐見有田IC、佐世保三川内ICからそれぞれ約10分です。
まとめ
佐賀県西松浦郡有田町は、歴史と文化、そして自然が調和した魅力的な町です。伝統工芸「有田焼」の産地として、国内外から注目を集めています。美しい景色、歴史的な建造物、楽しいイベントなど、見どころ満載の有田町に、ぜひ足を運んでみてください。
有田町についてのクイズ
有田町が「日本磁器発祥の地」とされるのはいつのことでしょうか?
有田町が「日本磁器発祥の地」とされるのは1616年のことです。この年、伊万里藩の鍋島藩主・鍋島直茂が朝鮮から招かれた陶工、李参平を有田に呼び寄せ、磁器の製造に成功しました。この出来事により、有田町は磁器の生産拠点として発展し、後に「有田焼」として知られる美しい陶磁器が誕生しました。高い技術力と独自の美しさを持つ有田焼は、すぐに国内外で人気を博し、特に江戸時代には海外にも輸出されるようになりました。現在でも有田焼は、歴史的な価値を持つ伝統工芸品として、多くの人々に愛されています。このような背景があるため、1616年は有田焼が歴史に名を刻む重要な年となっています。
有田焼の最大の特徴は何ですか?
有田焼の最大の特徴は、その白磁の美しさです。有田焼は鉄分が少ない原料から作られているため、純粋な白色をもたらします。この白磁は光沢感が優れており、陶磁器として非常に高い美的価値を持っています。さらに、白磁はさまざまな絵付け技法とも相性がよく、涼やかで清楚な印象を与えます。そのため、有田焼の白磁は国内外の陶磁器ファンに愛され、多くの名品が生み出されています。また、白磁の技術は長い歴史の中で研鑽されており、その美しさを維持し続けるために多くの職人たちが努力しています。他の地域の焼き物と際立った違いを持つ有田焼の白磁は、特に珍重されています。
有田町の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのはどのエリアですか?
有田町の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのは「有田内山」です。ここは江戸時代からの伝統的な町並みが色濃く残っており、白壁土蔵の商家やトンパイ塀など、歴史的価値の高い建物が多く存在します。有田内山では、古き良き時代の風情を感じながら、散策や観光を楽しむことができ、地域のアイデンティティを強く表現するエリアとなっています。重要伝統的建造物群保存地区に選定されることで、その地域の文化や歴史が保護され、後世に引き継がれていくことが期待されています。このように、伝統と歴史に裏打ちされた文化が今日の有田町に息づいていることは、訪れる人々にとっても魅力の一つと言えるでしょう。
有田陶器市はいつ開催されるイベントですか?
有田陶器市は4月29日から5月5日にかけて開催される、日本最大級の陶器市として知られています。このイベントは毎年ゴールデンウィークにあたり、有田町の象徴的な行事の一つです。全国から陶器愛好者や観光客が集まり、町中が活気づきます。出展される陶器は、有田焼をはじめとしたさまざまな種類の作品が揃い、一大陶器の祭典として評価されています。また、陶器市では陶器だけでなく、地元の特産品やグルメも楽しむことができ、訪れる人々にとって良い思い出になります。このように、有田陶器市はただの市にとどまらず、地域の文化や歴史を伝え、盛り上げる重要なイベントとなっています。