岐阜県海津市:木曽三川が織りなす水郷の街、歴史と自然が調和する魅力的な場所

岐阜県南西部に位置する海津市は、木曽三川が流れ込む水郷の町として知られています。古くから水害と隣り合わせの歴史を持つ一方で、豊かな自然と文化、そして活気あふれる街並みが魅力です。歴史と自然が調和し、人々の暮らしと文化を育んできた海津市の魅力を、このページでは詳しくご紹介します。

水郷の風景が広がる、歴史と自然が調和する街

海津市は、木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)が合流する地点に位置し、西濃地域に含まれます。市域のほとんどが海抜ゼロメートル地帯であり、古くから水害に悩まされてきました。その水害から人々を守るために築かれた輪中と呼ばれる堤防が、独特の風景を作り出しています。

海津市の歴史:水害と闘い、文化を育む

海津市の歴史は、水害との闘いの歴史でもあります。

縄文時代からの歴史

南濃町羽沢にある羽沢貝塚から、土器や石器、人骨、甕棺が出土していることから、縄文晩期後半にはすでに海津一帯に人が住んでいたと考えられています。当時、海津は海に面しており、貝塚からはヤマトシジミなどが見つかっています。

中世:輪中の誕生と水害との戦い

1606年頃、高潮などによる水害に苦しんでいた農民たちは、集落全体を囲う最初の輪中である高須輪中を完成させました。その後、周辺の集落もこれに倣い、数十の輪中が形成されました。しかし、木曽川や長良川の強力な水流が堤防を破壊することも多く、人柱が捧げられることもありました。

近世:宝暦治水と木曽三川分流工事

1700年、尾張藩主徳川光友の二男松平義行が高須に封じられた際、行基創建の寺院跡に松平家の菩提寺である行基寺が再建されました。江戸時代には、木曽三川の集中による洪水が多発し、薩摩藩士が動員された宝暦治水が行われました。この治水事業は、人々の努力と犠牲の上に成り立っており、治水神社にその功績が祀られています。しかし、宝暦治水は、輪中地帯の土砂堆積を促進し、洪水の増加につながりました。そのため、明治期にはヨハネス・デ・レーケによる木曽三川分流工事が行われ、水害対策が進められました。

近代:高須四兄弟と明治維新

海津市は、高須藩から、徳川慶勝や松平容保をはじめとする高須四兄弟を輩出しました。彼らは、それぞれ新政府側、旧幕府側に分かれたものの、兄弟間の関係は良好でした。明治維新後、海津市は近代化に向けた歩みを始めました。

海津市の自治体域の変遷

海津市は、1889年の町村制施行以降、様々な合併を経て現在の形になりました。2005年には、海津郡の3町(海津町、平田町、南濃町)が合併し、現在の海津市が誕生しました。

海津市の魅力:水郷の風景と豊かな文化

海津市は、水郷の風景と豊かな文化が魅力です。

水郷の風景を楽しむ

  • 輪中: 海津市には、木曽三川の水害から人々を守るために築かれた輪中が数多く残っています。輪中の中は、水田や家屋が点在し、のどかな風景が広がっています。
  • 木曽三川公園: 木曽川、長良川、揖斐川の合流地点に広がる国営木曽三川公園は、サイクリングやウォーキング、バーベキューなど、様々なレジャーを楽しむことができます。
  • 千本松原: 長良川河口に広がる松林は、海津市のシンボル的な存在です。松林の中を散策したり、木曽川の景色を眺めたりすることができます。

文化に触れる

  • お千代保稲荷神社: 商売繁盛の神様として知られるお千代保稲荷神社は、多くの人々が参拝に訪れます。境内には、多くの露店が立ち並び、活気のある雰囲気です。
  • 海津市歴史民俗資料館: 海津市の歴史や文化を学ぶことができる資料館です。輪中や治水に関する資料、民俗資料などが展示されています。
  • 行基寺: 濃尾平野を一望できる山腹にある行基寺は、高須藩の菩提寺として知られています。美しい庭園も魅力です。

伝統行事を楽しむ

  • 今尾の左義長: 2月第2日曜日に開催される伝統行事です。高さ10メートル以上の巨大な竹の塔を燃やす壮大な光景は圧巻です。
  • 高田の甘酒まつり: 10月第2日曜日に開催される祭りです。地元産の米を使った甘酒が振る舞われ、多くの人々が訪れます。

海津市へのアクセス

  • 鉄道: 養老鉄道養老線 駒野駅が最寄りの駅です。
  • バス: 名阪近鉄バス海津線、海津市コミュニティバスが運行しています。
  • : 東海環状自動車道 海津スマートインターチェンジ、名神高速道路 岐阜羽島インターチェンジ、大垣インターチェンジが便利です。

まとめ

海津市は、水郷の風景と豊かな文化が魅力的な街です。歴史と自然が調和し、人々の暮らしと文化を育んできた海津市は、訪れる人々に心温まる体験を提供してくれるでしょう。ぜひ、海津市を訪れて、水郷の風景と豊かな文化に触れてみてください。

海津市についてのクイズ

海津市はどの地域に位置していますか?

海津市は岐阜県南西部に位置しており、木曽三川が流れ込む水郷の町として知られています。市域のほとんどが海抜ゼロメートル地帯で、水害と隣り合わせの歴史を持っています。特に木曽川、長良川、揖斐川が合流する地点に位置し、豊かな自然環境と文化遺産が共存している地域です。海津市の歴史は長く、縄文時代から人が住んでいた痕跡があり、特に中世から現在に至るまで、水害対策のために築かれた「輪中」が重要な文化的な特徴を持っています。

海津市で初めて築かれた輪中は何という名前ですか?

海津市で初めて築かれた輪中は「高須輪中」です。1606年頃、高潮による水害に苦しんでいた農民たちが集落を囲む堤防を築いたことが始まりです。この高須輪中の完成がきっかけとなり、周囲の集落でも同様に輪中が形成されていきました。輪中は水害から人々を守るための重要な構造であり、海津市の独特な風景を作り出す一因となっています。後に数十の輪中が形成され、地域社会全体の防災意識と連携を象徴しています。

海津市にある商売繁盛の神様を祀る神社は何ですか?

海津市には「お千代保稲荷神社」があり、商売繁盛の神様として広く知られています。この神社は多くの参拝者が訪れる人気のスポットで、境内には多くの露店が立ち並び、活気のある雰囲気を楽しむことができます。お千代保稲荷神社は地域の人々にとって重要な信仰の対象であり、毎年多くのイベントや祭りも行われ、多くの人々が集う場所となっています。また、商売繁盛だけでなく、人々の健康や家内安全を祈願する神社としても親しまれています。