和歌山県日高郡日高川町:豊かな自然と歴史が織りなす魅力的な町

和歌山県日高郡に位置する日高川町は、雄大な山々と清流日高川が織りなす美しい自然に恵まれた町です。紀州備長炭の生産量日本一を誇る一方、安珍・清姫伝説で知られる道成寺など歴史的にも重要な場所が多く存在します。近年では、移住希望者も多く、活気のある地域として注目されています。

自然豊かな日高川町

日高川町は、東西約35km、南北約10kmにわたる広大な地域を誇り、総面積の約90%が森林に覆われています。中央部を流れる日高川は、町を東西に貫き、豊かな自然環境を育んでいます。

雄大な山々と清流

日高川町には、白馬山脈、真妻山、和佐山、飯盛山、犬ヶ丈山、矢筈岳、清冷山など、標高の高い山々が連なり、四季折々の美しい景観を見せてくれます。

日高川は、和歌山県内で最も長い河川で、町の中心を流れることから「日高川町」の名前の由来となっています。清らかな水は、鮎の養殖にも適しており、町内には日本一の鮎養殖場があります。

気候

日高川町は、温暖な瀬戸内海式気候に属し、年間を通して過ごしやすい気候です。夏は湿度が低く、過ごしやすく、冬は比較的温暖です。

川辺(1999年 – 2020年)の気候
最高気温記録 °C (°F)
平均最高気温 °C (°F)
日平均気温 °C (°F)
平均最低気温 °C (°F)
最低気温記録 °C (°F)
降水量 mm (inch)
平均降水日数 (≥1.0 mm)
平均月間日照時間
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[1]

隣接自治体

  • 東は田辺市龍神村、南は田辺市及び印南町、西は御坊市及び日高郡、北は 有田郡広川町及び有田川町と接しています。

歴史と文化

日高川町は、古くから交通の要衝として栄え、歴史と文化が息づく町です。

合併の歴史

  • 2005年(平成17年)5月1日 – 川辺町・中津村・美山村が合併して発足しました。町名は、これらの町村を共通して流れる日高川に由来します。

安珍・清姫伝説

日高川町には、安珍・清姫伝説で有名な道成寺があります。道成寺は、平安時代に建立された古刹で、国の重要文化財に指定されています。毎年4月27日には、道成寺会式が行われ、安珍と清姫の悲恋物語を題材にした伝統芸能が披露されます。

その他の歴史的建造物

  • 手取城跡:和佐玉置氏の居城で、山城としては県内最大規模の城と言われています。
  • 上阿田木神社:境内に杉の巨木が多く、歴史を感じさせる場所です。
  • 紀道神社:10月第二日曜日の祭りで駆け馬が行われ、活気のある神社です。

経済と産業

日高川町は、農業、林業、観光業が盛んな町です。

農業

旧川辺町地域では、みかんを初めとした農業が盛んです。特に、温州みかんは品質が高く、全国的に知られています。近年では、甘夏や不知火などの柑橘類、ウスイエンドウ、ブロッコリーやゴーヤなどの野菜類の栽培も盛んになっています。

林業

旧中津村、美山村では林業が中心産業です。特に、紀州備長炭の生産量は日本一を誇ります。近年では、木材のブランド化も促進し、地産地消の拡大を目指しています。

観光業

近年では、観光に力を入れており、グリーンツーリズムが盛んになっています。

  • みやまの里森林公園:広大な敷地内に、遊歩道やバーベキュー広場などがあり、自然を満喫できます。
  • 椿山ダム:雄大なダム湖は、釣りやボート遊びなど、レジャーを楽しむことができます。
  • やっほーポイント:標高の高い場所からの絶景が楽しめるスポットです。

日本郵政グループ

日高川町内には、中津郵便局、美山郵便局、丹生郵便局、滝頭郵便局、早蘇郵便局、川中郵便局、寒川郵便局など、多くの郵便局があります。また、ゆうちょ銀行のATMも設置されています。

教育

日高川町には、和歌山県立日高高等学校中津分校、和歌山南陵高等学校、日高川町立丹生中学校、日高川町立早蘇中学校、日高川町立中津中学校、日高川町立美山中学校、御坊市日高川町組合立大成中学校など、多くの教育機関があります。

交通アクセス

鉄道

  • JR西日本紀勢本線(きのくに線):和佐駅

バス

  • 熊野御坊南海バス:日高川線
  • 有田鉄道バス:美山線
  • 日高川町コミュニティバス
  • 田辺市住民バス

道路

  • 高速道路:湯浅御坊道路(川辺IC)
  • 一般国道:国道424号
  • 県道:和歌山県道21号広川川辺線、和歌山県道25号御坊中津線、和歌山県道26号御坊美山線、和歌山県道27号日高印南線、和歌山県道29号田辺龍神線、和歌山県道190号玄子小松原線、和歌山県道191号江川小松原線、和歌山県道192号玄子和佐線、和歌山県道193号船津和佐線、和歌山県道194号上初湯川皆瀬線、和歌山県道196号たかの金屋線

道の駅

  • 道の駅San Pin 中津

観光とイベント

日高川町には、自然、歴史、文化など、様々な魅力があります。

わがまちの自慢(日本一と思われるもの)

  • 紀州備長炭の生産量
  • 長さ1,646mの藤棚ロード
  • やっほーポイント

イベント

  • お弓神事(下阿田木神社、1月3日)
  • みやまの里ふじまつり(リフレッシュエリアみやまの里、4月下旬 – 5月5日頃)
  • 道成寺会式(道成寺、4月27日)
  • 上阿田木祭(上阿田木神社、4月29日)
  • 日高川ホタル祭り(玄子地内、5月第4土曜)
  • 日高川町夏まつり(日高川ふれあいドーム周辺、8月第2土曜)
  • 笑い祭(丹生神社、10月第2日曜日)
  • 紀道祭(紀道神社、「体育の日」の直前の日曜日)
  • 長子祭(長子八幡神社、「体育の日」の直前の日曜日)
  • 土生祭 お頭神事(土生八幡神社、10月第3日曜日)
  • 寒川祭(寒川神社、11月3日)

観光スポット

  • 道成寺
  • 上阿田木神社
  • 紀道神社
  • 手取城跡
  • 鷲の川
  • 猪谷水辺公園
  • かわべ温泉喜作
  • 中津温泉あやめの湯鳴滝
  • 美山療養温泉館
  • かわべ天文公園
  • かわべテニス公園
  • かわべ温泉お宿喜作
  • きのくに中津荘
  • 鳴滝キャンプ場
  • 美山温泉愛徳荘
  • 道の駅Sanpin中津
  • 道のほっとステーションみやまの里
  • レストラン椋の木
  • Soundcafe NEIRO
  • ハラペコキッチン
  • 山の中の本屋イハラハートショップ
  • 日高川交流センター
  • 椿山ダム
  • 美山漕艇場
  • 道成寺カントリークラブ

出身人物

  • 垣内哲也(元プロ野球選手、西武ライオンズ→千葉ロッテマリーンズ)
  • 新藤栄作(俳優)
  • 圦本尚義(ゆりもとひさよし、北海道大学教授、小惑星探査機「はやぶさ」による小惑星「イトカワ」表面の試料の分析を手がけた)
  • 那智ノ山公晴(1950年代に活躍した、大相撲力士)
  • 西川好次郎(作詞家、代表作「和歌山県民歌」)
  • 日高光路(演歌歌手)
  • 南方弥兵衛(南方熊楠の父、酒造会社世界一統創業者)
  • 宮路年雄(城南電機創業者)
  • 芳澤あやめ(江戸時代の歌舞伎役者)
  • 山口勝久(海洋堂フィギュア原型師)
  • 沖野岩三郎(小説家)
  • 平野譲(実業家、株式会社フラット・フィールド・オペレーションズ元社長)

以下の2人は一説である

  • 徳川吉宗
  • 井原西鶴

まとめ

日高川町は、豊かな自然と歴史、文化が調和した魅力的な町です。雄大な山々と清流日高川、安珍・清姫伝説で有名な道成寺、そして、活気のあるイベントや観光スポットなど、訪れる人を楽しませる要素が満載です。近年では、移住希望者も増え、新たな魅力を生み出しつつあります。和歌山県を訪れる際は、ぜひ日高川町にも足を運んでみてください。

日高川町についてのクイズ

日高川町の合併はいつ行われたでしょうか?

日高川町は2005年5月1日に川辺町、中津村、美山村が合併して誕生しました。この合併により、旧町村の利害関係や資源を集約し、地域の発展を図ることが目的とされました。合併後の町名は、これらの町村を共通して流れる日高川に由来し、地域の象徴となっています。合併以前は、それぞれの町村が独自に運営されていましたが、合併によって行政サービスの向上や効率化が期待されるようになりました。さらに、日高川町は伝説や歴史的な背景も多く抱えており、地域の誇りの一部として位置づけられています。合併は、地域住民や行政にとって新たなスタートを切る機会でもありました。

日高川は和歌山県内で何番目に長い河川でしょうか?

日高川は和歌山県内で最も長い河川であり、全長は約70kmに達します。日高川町の名称もこの清流から名付けられており、町の中心部を流れることにより、地域の生活や文化に深く根ざした存在となっています。日高川の清らかな水は自然環境を豊かにし、鮎や魚の養殖にも最適です。また、この川は観光資源としても重要で、釣りやカヤックなどのレジャー活動が行われ、地域活性化につながっています。日高川の流域には美しい自然景観が広がっており、四季折々の変化を楽しむことができるため、訪れる観光客にも人気のスポットとなっています。

日高川町はどのような気候に属していますか?

日高川町は温暖な瀬戸内海式気候に属しており、年間を通して気温が比較的高く、快適な気候を享受しています。この気候特性により、夏は湿度が低く、過ごしやすい日々が多いのが特徴です。冬も比較的温暖で、雪が積もることは少なく、地域住民にとっても暮らしやすい環境です。気候条件は農業や林業に大きな影響を与え、特に温州みかんなどの高品質な農産物の生産に適していることから、農業が盛んです。また、温暖な気候には観光業の発展にも寄与しており、多くの観光客が自然の美しさを求めて訪れる理由とされています。

日高川町の特産品として知られている炭は何ですか?

日高川町は紀州備長炭の生産量日本一を誇っています。紀州備長炭は高品質な炭で、特に焼き物やバーベキューに適していることで知られています。独自の製法で作られるこの炭は、長時間の燃焼が可能であり、煙も少なく香ばしい風味があるため、多くの人々に重宝されています。紀州備長炭はその品質から、全国的なブランドとして評価されており、地域の経済活動にも貢献しています。炭の生産は地域の森林資源を利用して行われており、森林保全や環境に対する意識の高さにも繋がっています。そのため、訪れる観光客にとっても、日高川町を訪れる際の大きな魅力の一つとなっています。

安珍・清姫伝説で有名な寺院はどこですか?

安珍・清姫伝説で有名な寺院は道成寺です。道成寺は平安時代に建立された古刹で、国の重要文化財に指定されています。伝説によれば、安珍は清姫に恋をされ、その悲恋が寺に伝えられています。毎年4月27日には道成寺会式が行われており、伝統芸能や地域の文化が披露され、多くの観光客が訪れます。この伝説は町のアイデンティティの一部となっており、観光資源としても非常に重要です。道成寺は、ただの寺院にとどまらず、地域文化や歴史を理解するための重要な場所として多くの人々に親しまれています。