東京都とは思えないほど手つかずの自然が残る御蔵島村。豊かな自然とそこに暮らす人々の穏やかな生活は、都会の喧騒から離れたい人々を魅了する。今回は、東京都の島嶼部、御蔵島村の魅力に迫り、その歴史、文化、観光スポット、アクセス情報などを詳しく紹介する。
断崖絶壁に囲まれた秘境の島、御蔵島
御蔵島村は、東京都の島嶼部に位置し、伊豆諸島の中部に位置する御蔵島と無人島の藺灘波島からなる。東京都島嶼部には郡の区域を画されていないため、住所は「東京都御蔵島村」が正式な表記となる。面積はわずか20.39平方キロメートル、人口は313人（2024年8月1日時点）と、日本の過疎地域に属さない市町村で最も人口が少ない。
御蔵島は、東京都心の南約200キロメートルの太平洋上に浮かぶ断崖絶壁の島で、最高峰の御山は標高851メートル。島全体が国立公園に指定されており、手つかずの自然が残るまさに秘境と言えるだろう。
御蔵島の歴史：島嶼町村制から現代まで
御蔵島の歴史は古く、縄文時代からの遺跡が発見されている。江戸時代には、幕府直轄領となり、島民は漁業や農業に従事していた。
- 1923年（大正12年）10月1日：島嶼町村制を施行し、御蔵島を所管する出先機関は大島島庁（後に大島支庁）となり、御蔵島村が置かれる。
- 1943年（昭和18年）4月1日：所管する出先機関が、大島支庁から分立した三宅支庁となる。
その後、御蔵島村は、過疎化や高齢化などの課題を抱えながらも、自然保護や観光振興に力を入れてきた。
御蔵島村の暮らし：自然と共存する穏やかな生活
御蔵島村の住民は、自然と共存する穏やかな生活を送っている。
産業：ドルフィンウォッチングと豊かな自然
御蔵島村の産業は、主に観光業と農業、漁業である。近年では、島を取り巻く豊かな海で観察できるバンドウイルカの群れが人気を集め、ドルフィンウォッチングが主要な観光資源となっている。
- ドルフィンウォッチング：御蔵島沖には、年間を通じて約150頭のバンドウイルカが生息しており、世界でも有数のドルフィンウォッチングスポットとして知られている。
- 農業：島では、限られた土地を生かして、野菜や果物、米などが栽培されている。
- 漁業：沿岸では、マグロやカツオなどの魚が獲れる。
生活：不便さの中にこそ魅力がある
御蔵島村は、商店や医療機関など、生活に必要な施設が限られている。しかし、その不便さゆえに、都会では味わえない静寂と自然との一体感を享受できる。
- 商店: 島内には食料品や生活用品を扱う商店が2軒、土産物屋が1軒、農漁協の購買部がある。
- 医療: 島には診療所があるが、専門性の高い医療を受ける場合は、島外へ行く必要がある。
教育：島唯一の学校、御蔵島小中学校
御蔵島村には、御蔵島村立御蔵島小中学校という、島唯一の学校がある。小学校と中学校が併設されており、児童生徒数は少ないながらも、地域に根ざした教育が行われている。
御蔵島村の観光：手つかずの自然とドルフィンに出会う旅
御蔵島村を訪れるなら、ぜひ訪れたい観光スポットを紹介しよう。
ドルフィンウォッチング：バンドウイルカとの貴重な出会い
御蔵島村の最大の観光資源であるドルフィンウォッチングは、多くの観光客を魅了する。
- バンドウイルカとの遭遇率の高さ：御蔵島沖には、年間を通じて約150頭のバンドウイルカが生息しており、遭遇率は非常に高い。
- 様々な行動を観察できる：イルカのジャンプや水しぶき、群れで泳ぐ姿など、様々な行動を観察できる。
- エコツーリズム：御蔵島村では、環境保護に配慮したエコツーリズムを推進しており、ドルフィンウォッチングもその一環として行われている。
御蔵島の自然：雄大な景色と癒やしの空間
御蔵島村には、手つかずの自然が残されており、雄大な景色と癒やしの空間を楽しむことができる。
- 御山: 最高峰の御山は、標高851メートルで、山頂からは島全体を見渡せる絶景が楽しめる。
- 森林: 島の約8割が森林に覆われており、トレッキングや散策を楽しむことができる。
- 海岸: 断崖絶壁の海岸線は、ダイビングやシュノーケリングにも最適。
その他の観光スポット
- 御蔵島港: 御蔵島への玄関口となる港。
- 御蔵島村役場: 島の行政の中心。
- 御蔵島小中学校: 島唯一の学校。
御蔵島へのアクセス：船とヘリコプターでアクセス
御蔵島村へのアクセスは、船とヘリコプターの2つの方法がある。
船
- 東海汽船: 東京港（竹芝桟橋）から御蔵島村までの航路を運航している。所要時間は約12時間。
- 伊豆七島海運: 東京港から御蔵島村までの貨物船を運航している。一般客は乗船できない。
ヘリコプター
- 東邦航空: 八丈島空港と御蔵島村、三宅島空港と御蔵島村を結ぶヘリコプターを運航している。所要時間は約20分。
まとめ
東京都の島嶼部、御蔵島村は、手つかずの自然が残る秘境の島である。豊かな自然とそこに暮らす人々の穏やかな生活は、都会の喧騒から離れたい人々を魅了する。ドルフィンウォッチングや自然散策など、都会では味わえない貴重な体験ができる。
御蔵島村を訪れる際は、事前に交通機関や宿泊施設の予約をすることが必要である。また、島内には飲食店が少ないため、食料や飲み物は持ち込むことをおすすめする。
御蔵島村は、都会の喧騒から離れ、自然と触れ合い、ゆったりとした時間を過ごしたい人にとって最適な場所である。
御蔵島村についてのクイズ
御蔵島村が位置する地域はどこですか？
御蔵島村は東京都の島嶼部に位置し、伊豆諸島の中部に位置しています。東京都心から南に約200キロメートルの距離にあり、断崖絶壁の美しい自然環境が特徴的です。この地域は主に観光業に依存しており、訪れる人々は手つかずの自然を堪能することができます。特に、御蔵島はその位置と地形のおかげで、豊かな生態系を持ち、ドルフィンウォッチングなどのアクティビティが人気です。また、人口は313人と少なく、静かな環境が魅力となっています。
御蔵島村の産業として特に注目されているものは何ですか？
御蔵島村の主な産業は観光業で、特にドルフィンウォッチングが注目されています。島周辺の海域には約150頭のバンドウイルカが生息しており、これらのイルカを間近で観察することができるため、多くの観光客が訪れます。ドルフィンウォッチングは、訪れる人々に素晴らしい体験を提供し、環境保護にも配慮したエコツーリズムの一環として実施されています。また、この活動を通じて島の経済にも貢献しており、他の観光スポットと併せて、地域の観光振興に寄与しています。
御蔵島村の学校は何と呼ばれていますか？
御蔵島村には「御蔵島村立御蔵島小中学校」という学校があります。この学校は島唯一の学校であり、小学校と中学校が併設されています。児童生徒数は少ないものの、地域に密着した教育が行われており、島の文化や環境を学ぶ機会が提供されています。この学校は、御蔵島村のコミュニティの中で重要な役割を果たしており、自然と共存する生活を背景にした教育が彼らの成長に寄与しています。地元の子どもたちにとって、教育の場は孤立した環境の中でも重要なつながりとなっているのです。
