鳥取市 – 山陰の玄関口、鳥取砂丘と鳥取城が織りなす歴史と文化の街

鳥取県の中心都市であり、県庁所在地でもある鳥取市は、日本海に面した穏やかな街です。雄大な鳥取砂丘や歴史を感じさせる鳥取城址など、自然と歴史が調和した魅力的な観光地が点在しています。一方で、鳥取大学や日本海テレビなど、地方拠点都市としての役割も担っており、教育・文化面でも発展を続けています。本記事では、鳥取市の魅力を、地理、歴史、文化、観光、経済など様々な角度から詳しく紹介します。

鳥取市の概要

鳥取市は、鳥取県の東部、因幡地方に位置する市です。鳥取県の県庁所在地であり、人口は約18.2万人と、県内では最も人口が多い都市です。2020年12月1日現在、全国の県庁所在地及び中核市の中では一番人口が少ない都市でもあります。

山陰地方の中では特に京阪神地方との結び付きが強く、「東の玄関」としての役割を担っています。鉄道ではJR山陰本線と因美線の分岐点に当たり、因美線からは智頭急行智頭線経由で山陰両県唯一の京阪神直通特急が走っています。道路では鳥取自動車道で大阪市・神戸市と、山陰自動車道で米子市・島根県の松江市と結ばれています。近年中には山陰近畿自動車道で京都府の宮津市・京都市とも結ばれる予定です。空路では鳥取空港から首都圏とも結ばれています。

江戸時代には、国持の大大名池田氏の治める鳥取藩の城下町として栄えていました。現在では、鳥取大学・公立鳥取環境大学や日本海テレビなどを有する地方拠点都市となっています。

鳥取市の地理

鳥取市は、鳥取平野を中心に市街地が展開しており、日本海に面しています。沿岸には鳥取砂丘が広がり、豊かな自然に恵まれた街です。

地形

鳥取市は、久松山などの山地と千代川などの河川によって形成された地形をしています。

山地

  • 久松山: 市街地を見下ろす標高282mの丘陵。鳥取城址があり、市民の憩いの場として親しまれています。
  • 毛無山: 久松山の南東に位置する山。

河川

  • 千代川: 鳥取市の中心を流れる河川。市街地を潤し、豊かな水辺環境を提供しています。
  • 湖山川: 千代川に合流する河川。
  • 袋川: 千代川に合流する河川。
  • 河内川: 千代川に合流する河川。
  • 日置川: 千代川に合流する河川。

湖沼

  • 湖山池: 鳥取市街地の北部に位置する、日本最大の池。周囲には遊歩道が整備されており、散策やサイクリングを楽しむことができます。
  • 水尻池: 鳥取市街地の南東部に位置する池。
  • 多鯰ヶ池: 鳥取市街地の北東部に位置する池。

気候

鳥取市は、日本海側気候に属し、豪雪地帯に指定されています。春から秋にかけては晴天の日が多く、温暖な気候です。しかし冬は曇りや雪、雨の日が多く、積雪も多くなります。

鳥取地方気象台(鳥取市吉方、標高7m)の気候
最高気温記録 °C (°F)
平均最高気温 °C (°F)
日平均気温 °C (°F)
平均最低気温 °C (°F)
最低気温記録 °C (°F)
降水量 mm (inch)
降雪量 cm (inch)
平均降水日数 (≥0.5 mm)
平均降雪日数
% 湿度
平均月間日照時間
出典:気象庁 (平均値:1991年 – 2020年、極値:1943年 – 現在)[3][4]

鳥取市の歴史

鳥取市は、古くから人々が暮らし、歴史と文化が育まれてきた街です。

古代

  • 834年(天長11年): 慈覚大師円仁によって摩尼寺が創建されます。

中世

  • 1363年(貞治2年): 山名時氏が二上山城を築き、因幡を支配します。
  • 1478年(文明6年): 柳原資綱が下向し、公家文化が栄えます。

近世

  • 1545年(天文14年): 久松山に鳥取城が築かれ、城下町の形成が進められます。
  • 1581年(天正9年): 羽柴秀吉による鳥取城攻め。宮部継潤が入城します。
  • 1600年(慶長5年): 関ヶ原の戦いで西軍に属した宮部長煕が改易され、池田長吉が入部します。
  • 1617年(元和3年): 池田光政が因幡・伯耆32万石を与えられ、入部します。
  • 1619年(元和5年): 城下の大規模な整備が行われ、城下町の形がほぼ完成します。
  • 1632年(寛永9年): 国替えにより池田光仲が入部し、明治維新まで続く鳥取藩が成立します。
  • 1650年(慶安3年): 鳥取藩主池田光仲により、観音院庭園の作庭が開始されます。

近代

  • 1871年(明治4年): 廃藩置県により鳥取県が成立し、県庁が設置されます。
  • 1876年(明治9年): 島根県との合併により県庁が松江に移動します。
  • 1881年(明治14年): 鳥取県が再置され、県庁が再び置かれます。
  • 1889年(明治22年): 市制施行により、鳥取市が発足します。
  • 1907年(明治40年): 仁風閣が竣工します。

現代

  • 1949年(昭和24年): 鳥取大学が発足します。
  • 1952年(昭和27年): 鳥取大火により中心市街地の大半が焼失します。
  • 2004年(平成16年): 周辺8町村を合併し、現在の鳥取市が誕生します。
  • 2018年(平成30年): 中核市に移行します。

鳥取市の行政

鳥取市は、市長を首長とする市役所と、市議会から構成される市政組織です。

市長

  • 現職: 深澤義彦 (2014年4月15日就任、2期目)

役所

  • 鳥取市役所
  • 国府町総合支所
  • 福部町総合支所
  • 河原町総合支所
  • 用瀬町総合支所
  • 佐治町総合支所
  • 気高町総合支所
  • 鹿野町総合支所
  • 青谷町総合支所

鳥取市の経済

鳥取市は、農業、漁業、製造業、商業など様々な産業が発展しています。

第一次産業

  • 農業: らっきょう、二十世紀梨、米、野菜など
  • 漁業: マツバガニ、シロハタ、ノドグロなど

第二次産業

  • 製造業: 緊急自動車、コイル、セラミックス、電気機器など

第三次産業

  • 商業: 百貨店、スーパーマーケット、商店街、飲食店など
  • 観光業: 鳥取砂丘、鳥取城址、仁風閣、湖山池など

鳥取市の文化

鳥取市は、長い歴史の中で独自の文化を育んできました。

祭事・催事

  • 麒麟獅子舞: 鳥取県の伝統芸能。宇倍神社獅子舞、大和佐美命神社獅子舞など。
  • 鳥取砂丘イリュージョン: 冬に開催される光の祭典。
  • 市民納涼花火大会: 毎年8月15日に行われる花火大会。
  • 鳥取しゃんしゃん祭: 毎年8月中旬に行われる祭り。

スポーツ

  • サッカー: ガイナーレ鳥取(Jリーグ・J3リーグ)、バンメル鳥取(中国サッカーリーグ)
  • バレーボール: JTサンダーズ広島(V.LEAGUE)

鳥取市の観光

鳥取市には、雄大な自然、歴史を感じさせる建造物、文化施設など、様々な観光スポットがあります。

名所・旧跡

  • 鳥取城址
  • 仁風閣
  • 観音院
  • 興禅寺
  • 宇倍神社
  • 鳥取砂丘

観光スポット

  • 鳥取砂丘
  • 湖山池
  • 鳥取県立博物館
  • 鳥取市歴史博物館(やまびこ館)
  • わらべ館

鳥取市の交通

鳥取市は、鉄道、バス、航空など、様々な交通手段でアクセスできます。

空路

  • 鳥取空港

鉄道

  • JR山陰本線
  • JR因美線
  • 智頭急行智頭線

バス

  • 日本交通
  • 日ノ丸自動車
  • くる梨
  • ループ麒麟獅子
  • 鳥取市福部循環バス
  • 鳥取市気高循環バス
  • 鳥取市青谷バス

道路

  • 鳥取自動車道
  • 山陰自動車道
  • 山陰近畿自動車道
  • 国道9号
  • 国道29号
  • 国道53号
  • 国道373号

鳥取市の教育・研究機関

鳥取市には、鳥取大学や公立鳥取環境大学など、教育・研究機関が充実しています。

大学

  • 鳥取大学
  • 公立鳥取環境大学

高等学校

  • 鳥取県立鳥取工業高等学校
  • 鳥取県立鳥取湖陵高等学校
  • 鳥取県立鳥取商業高等学校
  • 鳥取県立鳥取西高等学校
  • 鳥取県立鳥取東高等学校
  • 鳥取県立鳥取緑風高等学校
  • 鳥取県立青谷高等学校
  • 鳥取城北高等学校
  • 鳥取敬愛高等学校
  • クラーク記念国際高等学校鳥取キャンパス
  • 青翔開智高等学校

鳥取市の出身著名人

鳥取市には、政治家、実業家、文化人、スポーツ選手など、様々な分野で活躍する著名人が多くいます。

出身著名人

  • 石破茂 (政治家)
  • 鬼塚喜八郎 (実業家)
  • 沢田研二 (歌手、俳優)
  • 瀧本美織 (女優、タレント)
  • 谷口ジロー (漫画家、イラストレーター)

鳥取市を訪れるなら

鳥取市は、自然、歴史、文化、食など、様々な魅力が詰まった街です。鳥取砂丘で雄大な景色を眺め、鳥取城址で歴史に触れ、美味しい海の幸を味わうなど、あなただけの鳥取市体験を満喫してください。

参考文献

  • 鳥取市公式ウェブサイト
  • 鳥取県観光連盟
  • Wikipedia

終わりに

鳥取市は、自然と歴史が調和した穏やかな街であり、住みやすく、観光にも最適な場所です。ぜひ鳥取市を訪れて、その魅力を体感してください。

鳥取市についてのクイズ

鳥取市はどの地方に位置していますか?

鳥取市は山陰地方に位置し、鳥取県の東部、因幡地方にあたります。山陰地方は、日本海に面し、歴史的にも交通の要所として栄えてきました。特に京阪神地方との結びつきが強く、「東の玄関」としての役割を担っています。鳥取という名称もこの地域の歴史に起因しており、地理的な特性を反映した名前です。鳥取市は、自然と歴史の調和が取れた場所であり、観光地としても注目されています。

鳥取市の気候はどのような特徴がありますか?

鳥取市は日本海側気候に属し、豪雪地帯に指定されています。このため、冬には降雪が多く、特に1月と2月の降雪量はかなりのものになります。一方、春から秋にかけては比較的晴天の日が多く、温暖な気候となっています。この温暖な期間には観光客が増え、自然豊かな鳥取砂丘やその他の観光地が賑わいます。鳥取市の気候は、地域の農業や観光業にも大きな影響を与えています。

江戸時代、鳥取市はどの藩に属していましたか?

江戸時代、鳥取市は鳥取藩に属していました。国持の大大名池田氏が治める藩で、城下町としての発展がありました。1571年、池田氏によって築かれた鳥取城がその中心で、ここから藩の政治や経済の中心が形成されました。城下町としての魅力があったため、商業も発展し、市民生活も活気づいていました。この歴史的背景は現在の鳥取市の文化や観光にも深く影響を与えています。

鳥取市で有名な祭りは次のうちどれですか?

鳥取市で有名な祭りは「鳥取しゃんしゃん祭」です。この祭りは毎年8月中旬に行われるもので、地元の人々や観光客が集まり、賑やかな雰囲気の中で様々な催しが行われます。祭りでは、地域の伝統文化やダンス、音楽が披露され、盛り上がります。鳥取市の文化的な側面が感じられるイベントであり、参加者同士の交流を深める大切な機会でもあります。

鳥取市が中核市に移行した年はいつですか?

鳥取市は2018年に中核市に移行しました。中核市とは、地方自治法に基づき、基礎的な行政機能を持つ市で、一定規模の人口と都市機能を有することで、特定の権限の委譲を受けることができます。この移行により、地域振興や住民サービスの向上が期待され、鳥取市の自立した発展が促進されることとなりました。