静岡県下田市：黒船が最初に開いた港町、歴史と自然が織りなす魅力

下田市は、伊豆半島の南端に位置する静岡県の都市。古くから海運の要衝として栄え、江戸時代には東海道の終点として賑わった歴史を持つ。1854年（嘉永7年）に日米和親条約が締結され、箱館（北海道函館市）と共に開港したことで、日本が世界に開かれるきっかけとなった場所でもある。歴史と自然、そして温暖な気候に恵まれた下田市は、現在も多くの観光客を魅了している。

下田の歴史：開国と国際交流の舞台

下田市は、古くから人々が暮らしていたことが遺跡からわかっている。江戸時代には、江戸と大坂を結ぶ東海道の終点として、また、東廻り航路の風待ち港として栄え、「伊豆の下田に長居はおよし、縞の財布が空になる」（下田ぶし1番）と唄われたほどだった。

1854年（嘉永7年）、アメリカ海軍提督マシュー・ペリーが浦賀に来航し、開国を求めた。翌年には、下田で日米和親条約が締結され、下田は箱館と共に開港。ペリー艦隊は下田に入港し、その後もアメリカ、ロシア、イギリスなどの使節団が来航した。

下田は、開国によって国際交流の舞台となり、様々な文化や思想が交錯した。吉田松陰の米渡航失敗、ロシア使節エフィム・プチャーチン提督乗船のディアナ号遭難、米国領事タウンゼント・ハリスと唐人お吉、商業写真の祖下岡蓮杖など、数々のエピソードを生み出した。

自然と文化が調和する魅力的な観光地

下田市は、雄大な太平洋に面し、天城山系から続く山々が連なる美しい景観を持つ。温暖な気候に恵まれ、四季折々の花が咲き乱れる。

歴史ロマンあふれる史跡巡り

• 了仙寺: 下田条約が締結された場所。ペリー艦隊一行が上陸した際に通った「ペリーロード」も近くにある。
• 玉泉寺: 日本最初の米国領事館が置かれた場所。
• 宝福寺: 唐人お吉の菩提寺。
• 吉田松陰寓寄所: 下田湾内に停泊する黒船に便乗してアメリカへ密航しようと企てた吉田松陰が滞在した邸宅。
• 安直楼: 唐人お吉が晩年に経営していた小料理屋跡。

大自然と触れ合う

• 白浜海岸: 白い砂浜と青い海のコントラストが美しい、下田を代表する海水浴場。
• 爪木崎: 須崎半島にある美しい岬。1月にはスイセン祭が開かれる。
• 寝姿山: 下田ロープウェイで山頂まで行くことができ、下田の街並みや太平洋を一望できる。
• 龍宮窟: 田牛にある海食洞窟。波の浸食によってできた洞窟は、神秘的な景観を見せる。

海の幸を味わう

下田市は、黒潮の影響で豊富な魚介類が獲れる。新鮮な海の幸を味わえる飲食店も多い。
* 金目鯛: 下田の名物。煮付けや塩焼きなど、様々な料理で楽しめる。
* 伊勢エビ: 旬の時期には、新鮮な伊勢エビを味わえる。
* マグロ: 新鮮なマグロを使った海鮮丼や寿司などが人気。

温泉でリラックス

下田市には、古くから温泉が湧出している。海を眺めながら温泉を楽しむことができる。
* 蓮台寺温泉: 日米和親条約締結の地、了仙寺からもほど近い、古くから湯治場として親しまれてきた温泉。
* 河内温泉: 下田の中心部から少し離れたところに位置し、静かな環境で温泉を楽しめる。

イベントを楽しむ

下田市では、一年を通して様々なイベントが開催されている。
* 黒船祭: 5月中旬に開催される、下田開国の歴史を伝える祭り。ペリー艦隊の再現や時代行列など、様々なイベントが行われる。
* 下田八幡神社例大祭（太鼓祭り）: 8月14日、15日に開催される、下田の夏の風物詩。神輿や太鼓が街中を練り歩く。
* 白浜海の祭典: 7月下旬に開催される、海をテーマにした祭り。花火大会や音楽ライブなどが行われる。

下田の魅力を満喫しよう

歴史と自然、そして温泉と食文化に恵まれた下田市は、何度訪れても飽きない魅力にあふれている。下田の歴史に触れ、雄大な自然を満喫し、美味しい海の幸を味わう。そして、温泉でゆっくりと疲れを癒してみてはいかがだろうか。

下田市についてのクイズ