静岡県の中部に位置する牧之原市は、豊かな自然と活気に満ちた街並みが調和する魅力的な都市です。茶の産地として有名で、温暖な気候と長い日照時間が良質な茶の栽培に適しているため、市内には広大な茶園が広がっています。また、駿河湾に面した海岸線には、相良サンビーチや静波海岸といった美しいビーチが広がり、海水浴やサーフィンを楽しむことができます。さらに、スズキの相良工場など、近年では工業分野でも発展が目覚ましい地域となっています。
地理と自然
牧之原市は、旧遠江国の東側に位置し、静岡県中部地方に属します。行政区域は、駿河湾の海岸線から牧之原台地まで広がっており、市名も牧之原台地が由来となっています。海域は主に東側に広がり、南海トラフ巨大地震発生時には最大11mの津波が到達する可能性も懸念されています。
気候
牧之原市は、温暖な瀬戸内海式気候に属し、年間を通して温暖で日照時間が長く、降水量は比較的少ないのが特徴です。夏は高温多湿で、冬は比較的温暖で穏やかな気候です。
| 静岡空港（2009年 – 2020年）の気候 |
|—|—|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 18.8 (65.8) | 24.0 (75.2) | 26.5 (79.7) | 28.2 (82.8) | 30.6 (87.1) | 33.9 (93) | 35.9 (96.6) | 36.8 (98.2) | 36.0 (96.8) | 31.5 (88.7) | 25.1 (77.2) | 22.0 (71.6) | 36.8 (98.2) |
| 平均最高気温 °C (°F) | 10.5 (50.9) | 11.5 (52.7) | 14.8 (58.6) | 18.6 (65.5) | 23.1 (73.6) | 25.4 (77.7) | 29.0 (84.2) | 30.8 (87.4) | 27.3 (81.1) | 22.6 (72.7) | 17.8 (64) | 12.6 (54.7) | 20.3 (68.5) |
| 日平均気温 °C (°F) | 5.6 (42.1) | 6.7 (44.1) | 9.9 (49.8) | 13.9 (57) | 18.5 (65.3) | 21.5 (70.7) | 25.2 (77.4) | 26.6 (79.9) | 23.4 (74.1) | 18.6 (65.5) | 13.4 (56.1) | 8.1 (46.6) | 16.0 (60.8) |
| 平均最低気温 °C (°F) | 1.7 (35.1) | 2.6 (36.7) | 5.5 (41.9) | 9.7 (49.5) | 14.5 (58.1) | 18.4 (65.1) | 22.4 (72.3) | 23.7 (74.7) | 20.3 (68.5) | 15.4 (59.7) | 9.8 (49.6) | 4.3 (39.7) | 12.4 (54.3) |
| 最低気温記録 °C (°F) | -4.6 (23.7) | -5.0 (23) | -1.8 (28.8) | 1.1 (34) | 6.2 (43.2) | 11.6 (52.9) | 17.4 (63.3) | 18.2 (64.8) | 14.5 (58.1) | 8.1 (46.6) | 1.3 (34.3) | -3.0 (26.6) | -5.0 (23) |
| 降水量 mm (inch) | 56.4 (2.22) | 126.6 (4.984) | 181.5 (7.146) | 240.3 (9.461) | 210.5 (8.287) | 262.8 (10.346) | 292.0 (11.496) | 156.3 (6.154) | 261.0 (10.276) | 264.6 (10.417) | 121.1 (4.768) | 83.3 (3.28) | 2,269.4 (89.346) |
| 平均降水日数 (≥1.0 mm) | 4.1 | 6.7 | 9.4 | 10.1 | 8.7 | 12.3 | 12.3 | 9.3 | 11.4 | 9.6 | 7.1 | 5.9 | 106.9 |
| 出典1：Japan Meteorological Agency |
| 出典2：気象庁 |
市章
牧之原市の市章は、「マ」の文字と駿河湾・牧之原台地などの地勢、そして茶の葉をモチーフに、「ふれあい ビタミン あいのまち」というスローガンを表現しています。下部の2つの要素は、旧2町（榛原町と相良町）をも表現しています。
歴史
- 2005年（平成17年）10月11日：榛原郡榛原町と相良町が合併し、牧之原市が発足しました。
人口
| 牧之原市と全国の年齢別人口分布（2005年） | 牧之原市の年齢・男女別人口分布（2005年） |
|---|---|
| ■紫色 ― 牧之原市■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性 |
| 牧之原市（に相当する地域）の人口の推移 | 1970年（昭和45年） |
| 1975年（昭和50年） | |
| 1980年（昭和55年） | |
| 1985年（昭和60年） | |
| 1990年（平成2年） | |
| 1995年（平成7年） | |
| 2000年（平成12年） | |
| 2005年（平成17年） | |
| 2010年（平成22年） | |
| 2015年（平成27年） | |
| 2020年（令和2年） | |
| 総務省統計局 国勢調査より |
経済
農業
牧之原市は、茶の栽培が盛んな地域として知られており、「静岡牧之原茶」というブランド名で販売されることもあります。深蒸し茶の発祥の地であり、荒茶の生産量は全国1位、茶園の面積も静岡市に次いで全国2位を誇ります。
漁業
市内には、地頭方漁港・平田漁港・相良漁港など、いくつかの小さな漁港があり、シラス漁などの沿岸漁業が行われています。相良から御前崎にかけての沿岸は、あらめ、かじめ、わかめ、さがらめ、はばのりなどの海藻の宝庫として知られており、特に「さがらめ」はその名が市内の地名に由来しています。
工業
牧之原市には、スズキの相良工場があります。元々はエンジンの生産工場でしたが、2008年秋に年産24万台規模の小型四輪自動車組立工場が建設され、関連施設や部品メーカーの工場を相良工場周辺に集めるなどの計画が進められています。
観光
静波海岸・相良サンビーチは、東海地方や関東地方からの海水浴客が多く訪れる人気の観光スポットです。サーフィンスポットとしても知られています。
交通
- 空港：静岡空港（富士山静岡空港）
- 鉄道：市内には鉄道駅はありません。
- バス：しずてつジャストライン相良営業所と榛原車庫を中心としたバス網が形成されています。
- 高速道路：東名高速道路 相良牧之原IC
- 一般国道：国道150号、国道473号（終点）
名所・旧跡・観光スポット
- 相良サンビーチ：駿河湾に面した美しいビーチ。海水浴やサーフィンを楽しむことができます。
- 片浜海水浴場：相良サンビーチの隣にある、静かで落ち着いた雰囲気のビーチ。
- 静波海岸：サーフィンスポットとして有名な海岸。
- 相良油田石油坑：かつて石油が採掘されていた場所。現在は史跡として整備されています。
- 大鐘家住宅「花庄屋」：国の重要文化財に指定されている、江戸時代の豪商の屋敷。
- 相良城跡：戦国時代に築城された城跡。現在は公園として整備されています。
- 子生まれ石（大興寺）：子宝に恵まれると伝えられる石。
- 相良草競馬大会：毎年4月に行われる伝統的な競馬大会。
- 秋葉公園アジサイ：初夏には、鮮やかなアジサイの花が咲き乱れます。
- 相良梅園：早春には、梅の花が咲き乱れます。
まとめ
静岡県牧之原市は、茶と海と活気に満ちた魅力的な街です。豊かな自然と文化に触れ、美味しいお茶や新鮮な海の幸を味わうことができます。ぜひ一度、訪れてみてください。
牧之原市についてのクイズ
牧之原市はどの産業が特に盛んですか？
牧之原市は、茶の栽培が盛んな地域として知られており、特に「静岡牧之原茶」というブランド名で販売されています。茶園の広がりや深蒸し茶の発祥地としての歴史があり、荒茶の生産量は全国1位を誇ります。また、茶の栽培に適した温暖な気候が影響しています。地元の農家や生産者たちが大切に育てた質の高い茶葉は、国内外で評価されており、牧之原市の地域経済の重要な基盤となっています。その他の産業にも漁業や工業がありますが、特に農業、特に茶の生産は特筆すべき側面です。
牧之原市を代表する観光スポットはどれですか？
牧之原市を訪れる観光客にとって、静波海岸は欠かせないスポットです。静波海岸は美しい海岸線を持ち、サーフィンや海水浴を楽しむ人々に人気があります。東海地方や関東地方からの海水浴客が多く訪れ、夏の季節には多くの人で賑わいます。周辺にはその他の観光名所もありますが、海のアクティビティを楽しむ場所として静波海岸は特に評価されています。一方、東京タワーは牧之原市とは関係がなく、有名な観光スポットであるものの、牧之原市内には存在しません。
牧之原市の市章にはどのようなモチーフが含まれていますか？
牧之原市の市章は、「マ」の文字がデザインされており、駿河湾や牧之原台地などの地勢、さらに茶の葉をモチーフにして地域の特性を表現しています。この市章は、地域住民の「ふれあい ビタミン あいのまち」というスローガンとも結びついており、旧2町（榛原町と相良町）をも表現するものとなっています。市章は市民のアイデンティティを象徴し、地域の誇りとともに大切にされているデザインです。
牧之原市の気候はどのような形容がされているでしょうか？
牧之原市は温暖な瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて温暖で日照時間が長いことが特徴です。この気候により、茶の栽培に最適な環境が整っています。降水量は比較的少なく、夏は高温多湿、冬は穏やかな気候が続きます。ビーチや自然を楽しむ観光業にも有利な環境となっており、訪れる人々にも快適な気候を提供しています。こうした気候条件は牧之原市の魅力の一つとなっており、地域の発展にも寄与しています。
