豊かな自然と伝統文化が息づく、島根県邑智郡美郷町。かつては江の川舟運の要地として栄え、現在は「美郷バレー」構想で新たな活気を見せています。
島根県美郷町:自然と歴史が織りなす魅力
島根県の中央部に位置する美郷町は、邑智郡に属する町です。2004年10月1日に邑智町と大和村が合併して誕生しました。町内を流れる江の川は、町の重要な水源であり、東部の山々は中国山地に連なっています。豊かな自然と歴史が調和した、魅力あふれる町です。
美郷町の概要
項目 | 内容 |
---|---|
面積 | 282.92km2 |
総人口 | 3,915人 (推計人口、2024年8月1日) |
人口密度 | 13.8人/km2 |
隣接自治体 | 島根県:大田市、飯石郡飯南町、邑智郡川本町・邑南町 広島県:三次市 |
町の木 | 梅 |
町の花 | シャクナゲ |
町の歌 | 美しき郷(2010年制定) |
美郷町の歴史
美郷町の中心地である粕渕は、江の川の湾曲部に位置し、かつては江の川舟運の要地として栄えていました。江戸時代には天領石見銀山の支配地として、多くの賑わいをみせていました。
明治時代に入ると地域の道路が整備され、大正時代に上流で熊見水力発電所が完成したことで舟運は途絶え、商業の中心地は粕渕に移りました。
昭和時代には三江線が延伸し、当初は江の川の湾曲部分をトンネルでショートカットする計画でしたが、地元の運動により川沿いにルートを変更されました。三江線は2018年に廃線となりました。
美郷町の産業と観光
美郷町は豊かな自然を生かした観光客誘致に力を入れています。
猪肉と「美郷バレー」構想
近年、猪肉(山くじら)のブランド化に取り組んでいます。「おおち山くじら生産者組合」が設立され、質の高い猪肉を生産しています。さらに、獣害対策と地域活性化を目指した「美郷バレー」構想がスタートし、鳥獣害対策、ジビエ活用、農地保護などを総合的に推進しています。
観光スポット
- 石見銀山街道:かつて銀山を往来した街道。歴史を感じることができます。
- 蟠龍峡:雄大な渓谷美を誇る自然公園。遊歩道が整備され、ハイキングを楽しむことができます。
- 浜原ダム:江の川に建設されたダム。ダム湖の風景は美しく、釣りやレジャーにも最適です。
- 田ノ原展望台公園:中国山地の雄大な景色を望むことができる展望台。
- 銅ヶ丸鉱山:かつて銅を産出した鉱山跡。鉱山遺産を見学することができます。
- 江の川遊覧船:江の川を遊覧できる船。豊かな自然を満喫できます。
- 鮎の観光火振り漁:伝統的な漁法である火振り漁を体験できます。
- カヌーの里おおち:江の川でのカヌー体験ができます。
- ゴールデンユートピアおおち:温泉や宿泊施設、遊園地などがある複合施設です。
- 齋藤茂吉鴨山記念館:詩人・斎藤茂吉ゆかりの場所。
- ふるさとおおち伝承館:美郷町の歴史や文化を学ぶことができます。
- 浄土寺:歴史ある寺院。
- 石見神楽:伝統芸能である石見神楽を鑑賞できます。
温泉
- 湯抱温泉:美郷町の代表的な温泉。
- 潮温泉:日帰り温泉施設があります。
- 千原温泉:静かな山あいの温泉。
- 粕淵温泉:ゴールデンユートピアおおち内にある温泉施設です。
美郷町のアクセス
鉄道
町内を鉄道路線は通っていません。最寄り駅は、JR西日本山陰本線大田市駅となります。
かつて存在した鉄道路線・駅
- 三江線 (2018年4月1日付で廃止): 竹駅 – 乙原駅 – 石見簗瀬駅 – 明塚駅 – 粕淵駅 – 浜原駅 – 沢谷駅 – 潮駅 – 石見松原駅 – 石見都賀駅
バス
- 石見交通
- 備北交通
- 美郷町スクールバス
- 大和観光
- 飯南町生活路線バス
道路
- 国道184号
- 国道375号
- 島根県道40号川本波多線
- 島根県道55号邑南飯南線
- 島根県道166号美郷飯南線
- 島根県道186号美郷大森線
- 島根県道291号別府川本線
- 島根県道294号邑南美郷線
- 島根県道296号川本美郷線
美郷町へのアクセス
- 車:中国自動車道三次インターチェンジから約1時間
- バス:大田市駅または三次駅から美郷町行きバスで約1時間
まとめ
島根県美郷町は、豊かな自然と歴史が織りなす魅力的な町です。猪肉ブランド化や「美郷バレー」構想など、新たな取り組みにも積極的に取り組んでいます。ぜひ一度訪れて、美しい自然と伝統文化に触れてみてください。
美郷町についてのクイズ
美郷町が合併して誕生した年はいつですか?
美郷町は2004年10月1日に邑智町と大和村が合併して誕生しました。この合併により、地域の政治的、経済的な基盤が強化され、住民サービスの向上が図られました。美郷町は島根県の中央部に位置し、江の川が流れる豊かな自然環境を持っています。また、地域の歴史や文化を守りながら、新しい産業の振興など、活気あふれる町づくりを目指しています。合併前の邑智町と大和村は、それぞれの地域性や文化を持ちながらも、経済面での連携が求められていました。合併後はそれらの利点を活かしつつ、新たな政策や事業が展開されているのです。
美郷町で推進されている「美郷バレー」構想の目的は何ですか?
「美郷バレー」構想は、獣害対策と地域活性化を目的とした取り組みです。この構想では、特に猪肉(山くじら)のブランド化を進め、地域の産業を活性化させることを目指しています。美郷町では、野生動物による農作物被害が課題ですが、この問題を解決するための手段として、ジビエの活用が注目されています。また、農地の保護や地域の特色を生かした産業の育成により、持続可能な地域経済の構築が図られています。このような取り組みを通じて、地域の魅力をさらに高め、観光客誘致にもつなげていく狙いがあります。
美郷町の町の花は何ですか?
美郷町の町の花はシャクナゲです。シャクナゲはその美しい花が特徴で、特に春になると鮮やかな色合いの花が咲き誇り、周囲の自然と調和します。美郷町の自然環境では、四季折々の花々が楽しめるため、訪れる人々にとって魅力的な観光資源となっています。町の花としてのシャクナゲは、地域のアイデンティティの一部を形成する要素でもあり、観光施策においてもその特性を活かしたイベントやフラワーフェスティバルなどが行われています。美郷町の自然の美しさを伝える重要な役割を果たしている花なのです。