島根県益田市:歴史と自然が織りなす魅力溢れるまち

山口県と広島県に隣接し、日本海に面した島根県益田市は、豊かな自然と歴史、そして活気あふれる文化が調和する魅力的な都市です。世界歴史都市連盟にも加盟し、古き良き伝統と現代的な発展を両立させています。

地理と気候

益田市は、島根県の西部に位置し、北は日本海、南は中国山地に囲まれた、変化に富んだ地形を持つ都市です。高津川と益田川が流れ、豊かな水資源に恵まれています。市域の南部は中国山地の西部にあたり、1,000m級の山々が連なり、特に2004年に合併した美都地区、匹見地区はエリアの9割近くが山林で占められています。

益田市の気候は、温暖な瀬戸内海式気候と、日本海側気候の影響を受けた、独特の気候です。年間を通して降水量が多く、特に夏季には、線状降水帯による豪雨に見舞われることもあります。一方、冬季には、匹見地区は日本最西端の豪雪地帯として知られています。

主要な山岳

  • 恐羅漢山 (1,346.4 m)
  • 安蔵寺山 (1,263.2 m)
  • 広見山 (1,186.7 m)
  • 赤谷山 (1,181.0 m)
  • 大神ヶ岳 (1,177 m)
  • 燕岳 (1,078.7 m)
  • 高岳 (1,054.3 m)

主要な河川

  • 一級水系
    • 高津川
  • 二級水系
    • 益田川
    • 沖田川

島嶼

  • 高島
  • 三生島
  • 鴨島 – 1026年の万寿地震により海中に沈んだとされる島。

歴史

益田市は、古くから交通の要衝として栄えてきました。中世には益田氏が治め、近世には高津川より東は浜田藩、西は津和野藩が統治しました。

年表

  • 1952年(昭和27年) – 益田市が発足
  • 1965年(昭和40年) – 集中豪雨による洪水被害
  • 1993年(平成5年) – 石見空港が開港
  • 2004年(平成16年) – 美都町と匹見町を合併
  • 2006年(平成18年) – 益田駅前ビル EAGAが開業
  • 2022年(令和4年) – 世界歴史都市連盟に加盟

行政区域の変遷

益田市は、1952年に美濃郡の7町村が合併して誕生しました。その後、1955年に周辺の5町村を編入し、2004年には美濃郡の美都町と匹見町を合併して現在の市域となりました。

経済

益田市の経済は、農業、漁業、製造業、商業など多岐にわたります。

農業

益田市では、メロン、トマト、ワサビ、ブドウ、ユズなどの農産物が栽培されています。特に、益田産のメロンは、その甘さと品質の良さで全国的に有名です。

漁業

日本海に面した益田市では、モクズガニ、アユなどの水産物が水揚げされています。高津川産のアユは、その美味しさから高値で取引されています。

製造業

益田市には、食品、繊維、電子部品などの製造業があります。地元の銘菓である鶏卵饅頭も、益田市で製造されています。

商業

益田市の商業の中心は、益田駅周辺です。2004年から駅周辺の再開発が進められ、益田駅前ビル EAGAや島根県芸術文化センター グラントワなどが建設されました。

主要企業

  • 石見交通
  • キヌヤ
  • キューサイファーム島根
  • シマネ益田電子
  • ジュンテンドー
  • ダイワボウエンジニアリング

観光

益田市には、歴史、自然、文化など、様々な魅力が詰まっています。

歴史と文化

  • 七尾城(益田城): 国史跡に指定されている七尾城は、益田氏の居城として築かれ、現在は公園として整備されています。
  • 三宅御土居: 国史跡に指定されている三宅御土居は、七尾城の防衛施設として築かれた土塁です。
  • 萬福寺: 江戸時代に建てられた寺院で、美しい庭園があります。
  • 益田市立雪舟の郷記念館: 著名な水墨画家・雪舟の生涯と作品を紹介する美術館です。

自然

  • 蟠龍湖: 益田競馬場跡の近くに位置する人工の池で、周囲は公園として整備されています。
  • 三里ヶ浜: 石見空港の北にある海岸で、海水浴場としても利用されています。
  • 双川峡: 高津川沿いに広がる渓谷で、自然美が楽しめます。
  • 匹見峡: 匹見町にある渓谷で、雄大な自然と豊富な動植物が生息しています。

温泉

  • 大谷温泉: 古くから湯治場として知られており、泉質は単純温泉です。
  • 多田温泉: 宿泊施設や日帰り温泉施設があり、疲労回復や健康増進に効果があるとされています。
  • 荒磯温泉: 海辺に位置し、開放的な温泉を楽しめます。

祭事

  • ますだ祇園まつり: 7月下旬頃に開催される、益田市最大の祭りです。
  • 益田まつり: 4月第3日曜日に開催される、市内各地で神輿が練り歩く祭りです。
  • 益田七尾まつり: 11月3日に開催される、七尾城跡で催される祭りです。

益田市出身の有名人

益田市には、様々な分野で活躍する著名人が多く輩出しています。

  • 田畑修一郎: 作家
  • 田渕久美子: 脚本家
  • 石川裕司: サッカー選手
  • 岡崎綾子: 柔道選手
  • IKUO: ベーシスト
  • 青木直人: ジャーナリスト

交通

益田市は、鉄道、バス、航空機と様々な交通手段でアクセスできます。

空港

  • 石見空港: 全日本空輸 (ANA) により、東京国際空港(羽田空港)と大阪国際空港(伊丹空港)への便が就航しています。

鉄道

  • JR西日本 山陰本線: 境港市から下関市までを結ぶ路線で、益田駅は主要駅の一つです。
  • JR西日本 山口線: 益田駅から山口県山口市までを結ぶ路線です。

バス

  • 石見交通: 市内全域を網羅する路線バスを運行しています。
  • 益田市生活バス: 市内各地を結ぶコミュニティバスを運行しています。

まとめ

島根県益田市は、歴史、自然、文化が調和した魅力的な都市です。豊かな自然に囲まれた環境、歴史的な建造物、活気あふれる文化、そして温かい人々との出会い。益田市は、きっとあなたを魅了するでしょう。

益田市についてのクイズ

益田市はどのような地形に位置していますか?

益田市は、北側に日本海を持ち、南側は中国山地に囲まれた独特な地形を持っています。特に南部は中国山地の西部にあたり、1,000m級の山々が連なり、多様な自然環境を形成しています。また、山林が多く、市域の大部分は自然景観が広がっています。この特異な地形は、益田市が温暖な瀬戸内海式気候と冷涼な日本海側気候が交差する点にあり、気候による自然の多様性が豊かな生態系を育んでいます。このような山岳地帯であるため、四季折々の美しい自然が楽しめ、特に登山やハイキング、自然散策を愛する人々には魅力的な場所となっています。

益田市が発足した年はいつですか?

益田市は1952年に発足しました。これは美濃郡内の7町村が合併してできた市で、以来、周辺の町村とも合併を進めていきます。その後1955年には5町村を編入し、2004年には美濃郡の美都町と匹見町と合併したことで、現在の市域が形成されました。このように、益田市は歴史的に交通の要衝として栄えてきた背景もあり、合併を通じてその基盤を強化し続けてきた地域です。この経緯が、益田市の歴史的、文化的な財産を育むこととなり、観光面や経済面での発展にも寄与しています。

益田市で特に有名な農産物は何ですか?

益田市は特にメロンの産地として知られています。益田産のメロンは、その豊かな味わいと非常に高い品質から全国的にも評価されており、国内外の市場でも人気があります。市の温暖な気候と肥沃な土壌が、メロン栽培に適した環境を提供し、品質向上につながっています。また、益田市ではトマトやワサビ、ユズなど他の作物も栽培されていますが、メロンの名声は際立っており、地元の農業と経済にとって非常に重要な役割を果たしています。このメロンのブランド化により、観光客を惹きつける要因ともなっており、体験農業などでも楽しむことができます。

益田市にある温泉の名称はどれですか?

益田市には大谷温泉という温泉が存在します。この温泉は古くから湯治場として知られており、単純温泉で癒しの場として非常に人気があります。大谷温泉の源泉は、肌に優しく、老若男女問わず利用される温泉の一つです。温泉の魅力は、その泉質だけでなく、周辺の自然環境にもあります。訪れる人々は、山々に囲まれた静かな場所で心身ともにリフレッシュすることができ、特に疲労回復や健康増進に効果があるとされています。また、大谷温泉の他にも多田温泉や荒磯温泉など、益田市には多様な温泉があり、観光や休養スポットとしても注目を集めています。