埼玉県のベッドタウン、吉川市 – 自然と歴史が調和する魅力的な街 –

埼玉県南東部に位置する吉川市は、東京都心から約20kmの距離にあり、江戸川と中川に挟まれた水と緑豊かな街です。近年はベッドタウンとして注目を集め、人口増加も著しい一方、古くからの歴史と自然の魅力も色濃く残されています。今回は、そんな吉川市の魅力を、歴史、文化、観光、産業など様々な角度からご紹介します。

概要

吉川市は、埼玉県の東南部に位置する市であり、東京都心から約20km、江戸川と中川に挟まれた水と緑が豊かな街です。自然堤防等を除き全体的には起伏の少ない平坦な低地であり、古くは舟運で栄え、なまず料理をはじめとする川魚料理で知られています。

都心部へ1時間圏内という立地でありながら、川や田んぼに囲まれたのどかな環境は、ベッドタウンらしからぬスローライフを可能にしています。そのため、近年は人口の流入も増加傾向にあります。特に、吉川美南地区の開発や商業施設誘致等の影響もあり、近年ではテレビで取り上げられることも多くなっています。

市の中心部には、「人にやさしい街づくり」をコンセプトとして誕生した、吉川きよみ野があります。吉川きよみ野は、1988年度(昭和63年度)からUR都市機構(旧都市基盤整備公団)により開発された総面積約62haの街です。1997年度(平成9年度)には、吉川きよみ野コミュニティ道路が都市景観大賞を受賞。その後も1999年度(平成11年度)に「彩の国さいたま景観賞」、2001年度(平成13年度)に同奨励賞を受賞するなど、その街づくりは高く評価されています。現在では、公園や街路、ショッピングセンター、学校・保育所、市民交流センター「おあしす」といった施設も充実しています。

また、武蔵野操車場跡地では、吉川美南駅を中心に新たな街づくりが進行しており、今後も発展が期待されています。

吉川市の魅力

  • 自然豊かな環境: 江戸川や中川などの河川が流れ、緑豊かな公園も多い。
  • 歴史と文化: 古くから水運で栄え、なまず料理など伝統的な文化を受け継ぐ。
  • 利便性の高い立地: 東京都心へのアクセスも良好で、生活しやすい環境。
  • 発展する街: 新規開発エリアもあり、今後も発展が期待される。

河川

吉川市を流れる主な河川は以下のとおりです。

  • 江戸川
  • 中川
  • 大場川
  • 上第二大場川
  • 新方川
  • 元荒川 (中川に合流)
  • 二郷半領用水(二郷半用水路)
  • 木売落

歴史

吉川市は、中世以前から稲作地帯であり、この地域は二郷半領と呼ばれていました。江戸時代に入ると天領になり、大消費地・江戸に非常に近い生産地で中川の水運にも恵まれ、ますます稲作が盛んになりました。

吉川市の範囲は中世までは全域が下総国に属していましたが、平方新田および深井新田以外の地域は江戸時代初期に武蔵国に編入されました。

吉川市の歴史年表

  • 1871年(明治4年)11月14日 (旧暦) – 浦和県・忍県・岩槻県の3県が合併して埼玉県が誕生。
  • 1889年(明治22年)4月1日 – 北葛飾郡吉川村・旭村・三輪野江村がおかれる。
  • 1895年(明治28年)4月1日 – 平方新田および深井新田のうち、江戸川西岸にあった飛地が千葉県東葛飾郡新川村から三輪野江村に編入される。
  • 1915年(大正4年)11月1日 – 吉川村が町制施行し(旧)吉川町(よしかわまち)となる。
  • 1955年(昭和30年)3月1日 – 吉川町・旭村・三輪野江村が合併し(新)吉川町となる。
  • 1973年(昭和48年)4月1日 – 国鉄武蔵野線が開業。吉川駅が開業。
  • 1976年(昭和51年) – 人口が3万人を超える。
  • 1982年(昭和57年) – 人口が4万人を超える。
  • 1991年(平成3年) – 人口が5万人を超える。
  • 1996年(平成8年)4月1日 – 吉川町が単独で市制施行し吉川市となる(市制時人口:53,443人)
  • 2005年(平成17年) – 人口が6万人を超える。
  • 2006年(平成18年) – 埼玉県吉川保健所が草加保健所及び越谷保健所と統合し、埼玉県越谷保健所吉川分室となる。
  • 2010年(平成22年) – 埼玉県越谷保健所吉川分室が廃止され、埼玉県草加保健所の管轄となる。
  • 2012年(平成24年)3月17日 – 武蔵野線吉川美南駅が開業。
  • 2015年(平成27年)2月7日 – 人口が7万人を超える。
  • 2019年(令和元年) – きよみ野1丁目の市民交流センター「おあしす」隣に吉川市役所の新庁舎が完成する。

人口

吉川市の人口は約7万人です。近年は、ベッドタウンとしての発展に伴い、人口増加が続いています。

人口推移

人口
1970年 18,524人
1975年 30,785人
1980年 38,894人
1985年 43,616人
1990年 48,935人
1995年 52,705人
2000年 56,673人
2005年 60,284人
2010年 65,297人
2015年 69,738人
2020年 71,979人

行政

市長

  • 中原恵人(2015年3月7日就任、3期目)

広域行政

吉川市は、周辺自治体との連携を強化し、広域的な行政を進めています。

  • 江戸川水防事務組合: 三郷市、春日部市、松伏町とともに構成自治体の市町域内江戸川右岸における水防事務を行っている。事務所は三郷市役所内に設置。
  • 東埼玉資源環境組合: 越谷市、草加市、三郷市、八潮市、松伏町とともに可燃ごみとし尿処理を行っている。
  • 吉川松伏消防組合: 松伏町とともに消防・救急、火薬類取締法・液化石油ガス法・高圧ガス保安法に基づく事務を行っている。
  • 越谷市斎場: 越谷市に火葬場・葬祭場の設置・維持管理事務を委託している。
  • 埼玉県東南部都市連絡調整会議: 越谷市、草加市、三郷市、八潮市、松伏町とともに公共施設の相互利用、図書館の広域利用、重症心身障害児施設中川の郷療育センターの共同設置、埼玉県東南部地域公共施設予約案内システム(まんまるよやく)の運営を行っている。

議会

市議会

吉川市議会は、議員定数18人の議会です。市政に関する議案審議や市長に対する監査などを行っています。

県議会

吉川市は、埼玉県議会議員の選挙区「東12区吉川市・松伏町選挙区」に属しています。

経済

商業

吉川市には、イオンタウン吉川美南、ウニクス吉川などの大型商業施設が立地し、生活に必要なものが揃っています。

産業

吉川市は、東埼玉テクノポリスの誘致により、製造業が盛んな街です。

  • 東埼玉テクノポリス
  • AZ-COM丸和ホールディングス・丸和運輸機関(桃太郎便)(本社所在地)
  • サイゼリヤ(本社所在地)
  • 株式会社スズセイ(目玉のスズセイ)
  • オーム電機(営業本部所在地)

金融機関

吉川市には、多くの金融機関が進出しており、地域の経済活動を支えています。

  • 埼玉りそな銀行吉川支店
  • 武蔵野銀行吉川支店
  • 栃木銀行吉川支店
  • 青木信用金庫吉川支店
  • 亀有信用金庫吉川支店
  • 城北信用金庫吉川支店
  • JAさいかつ農業協同組合
    • 吉川支店
    • 旭支店
    • 三輪野江支店

特産物

吉川市には、地域で大切にされてきた特産物が数多く存在します。

  • なまず料理: 吉川市は、古くからなまずの養殖が盛んで、なまず料理が名物となっています。近年は、なまずグッズなども販売され、PRに力を入れています。
  • 土俵だわら: 吉川市で作られる伝統的な土俵の土です。

姉妹都市・提携都市

吉川市は、国内外で友好都市・提携都市を結び、国際交流を積極的に行っています。

  • 一関市(岩手県) – 1997年4月15日、旧室根村と友好都市提携。
  • レイクオスエゴ市(アメリカ合衆国オレゴン州) – 1996年5月26日友好姉妹都市提携

地域

病院

吉川市には、吉川中央総合病院など、医療機関が充実しています。

  • 吉川中央総合病院

教育

吉川市には、幼稚園から高等学校まで、様々な教育機関があります。

幼稚園

  • 吉川ムサシノ幼稚園

小学校

  • 吉川市立吉川小学校
  • 吉川市立旭小学校
  • 吉川市立三輪野江小学校
  • 吉川市立関小学校
  • 吉川市立北谷小学校
  • 吉川市立栄小学校
  • 吉川市立中曽根小学校
  • 吉川市立美南小学校

中学校

  • 吉川市立中央中学校
  • 吉川市立東中学校
  • 吉川市立南中学校
  • 吉川市立吉川中学校

高等学校

  • 埼玉県立吉川美南高等学校

公共施設

吉川市には、市民の生活を支える様々な公共施設があります。

  • 吉川市役所
  • 東部市民サービスセンター
  • 駅前市民サービスセンター
  • 北部市民サービスセンター
  • 旭地区センター
  • 郷土資料館
  • 市立図書館
  • 市民交流センターおあしす
  • 子育て支援センター
  • こども発達センター
  • 視聴覚ライブラリー
  • 平沼地区公民館
  • 中央公民館
  • 総合体育館
  • 屋内温水プール
  • 吉川市民農園
  • 保健センター
  • 環境センター
  • 少年センター
  • 老人福祉センター
  • 福祉指導施設さつき園
  • 吉川公園
  • アクアパーク
  • 吉川美南中央公園(吉川美南調節池が隣接)
  • 吉川美南調節地(第二大場川へと連なる)
  • 吉川松伏消防組合
  • 永田公園の吉川富士
  • 吉川橋(越谷市に接続)

消防

  • 吉川松伏消防組合
    • 吉川消防署
      • 南分署
  • 吉川松伏消防組合消防団
    • 吉川市消防団

警察

  • 吉川警察署(所在地は三郷市上彦名)
    • 吉川交番
    • 吉川駅前交番

郵政

  • 吉川郵便局 – 吉川市及び松伏町全域の集配を担当
    • 吉川駅前郵便局
    • 吉川団地前郵便局
    • 吉川平沼郵便局
    • イオンタウン吉川美南内郵便局

住宅団地

  • UR吉川団地
  • UR吉川駅前住宅
  • UR吉川駅みなみ
  • 吉川きよみ野
  • 県営吉川土場団地

交通

鉄道路線

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)
    • 武蔵野線
        • 吉川駅 – 吉川美南駅 –

路線バス

  • JRバス関東高速バス
    • 東京駅八重洲南口発 吉川市内経由 松伏ターミナル行 ※運休中
  • 東武バスセントラル
    • 吉川市役所、吉川きよみ野、吉川団地、吉川車庫、三郷駅行等
  • 朝日自動車
    • 越谷駅東口行
  • 茨城急行自動車
    • ゆめみ野、エローラ(松伏町)方面行
  • ジャパンタローズ(タローズバス)
    • 東埼玉テクノポリス北、旭公園球場南行
  • メートー観光バス
  • グローバル交通
  • コミュニティバス「さわやか市民バス」 – 2006年廃止

タクシー

タクシーの営業区域は県南東部交通圏で、春日部市・草加市・越谷市・久喜市・八潮市などと同じエリアとなっています。

道路

  • 高速道路
    • 常磐自動車道
      • 市内にはインターチェンジはないが、三郷市との市境付近にある三郷料金所スマートIC(三郷市)が当市から最も近いインターチェンジとなる。
    • 東埼玉道路(事業中)
      • 越谷総合公園川藤線IC(仮称)
  • 一般国道
    • 国道4号東埼玉道路(一般部)
  • 県道
    • 主要地方道
      • 埼玉県道・千葉県道19号越谷野田線
      • 埼玉県道21号三郷松伏線
      • 埼玉県道・千葉県道52号越谷流山線
      • 東京都道・埼玉県道67号葛飾吉川松伏線
    • 一般県道
      • 埼玉県道156号三郷幸手自転車道線
      • 埼玉県道・千葉県道326号川藤野田線
      • 埼玉県道377号加藤平沼線
      • 埼玉県道378号中井松伏線
  • その他主要道路
    • 埼葛広域農道

観光

吉川市には、歴史を感じられる寺院や神社、自然を楽しめる公園など、様々な観光スポットがあります。

  • 定勝寺
  • 延命寺
  • 清浄寺
  • 喬高神社
  • 芳川神社
  • 吉川なまずの里マラソン(4月上旬)
  • 吉川八坂祭り(7月中旬)
  • YOSHIKAWA JAZZ NIGHT(9月上旬)

出身関連著名人

出身著名人

  • 吉川史樹(子役俳優)
  • 中澤佑二(サッカー元日本代表)
  • 北斗晶(元プロレスラー、タレント) 夫の佐々木健介(元プロレスラー、タレント)とともに、現在も当市在住。
  • 高橋裕紀(2輪レーサー)
  • 寿大聡(俳優)
  • 五十嵐雄二(プロゴルファー)
  • 河合凱夫(俳人)
  • 秋尾敏(俳人・俳論家)
  • 大沢雄一(第43、44代埼玉県知事)
  • 富山栄市郎(トミー:現タカラトミー創業者)
  • 和佐見勝(丸和運輸機関創業者・社長CEO)
  • 山岸愛梨(気象予報士)
  • 宮田敦史(プロ将棋棋士)
  • 南萌華(サッカー日本女子代表)
  • 小野光希(スノーボード選手)
  • 吉川悠斗(千葉ロッテマリーンズ)
  • シンクレアジョセフ孝ノ助(埼玉西武ライオンズ) 育ちは カナダ

ゆかりの人物

  • 吉川めいろ(迷路クリエイター) – 吉川市在住で、ペンネームの由来も吉川市から。市の広報や市で頒布した「脳活ドリル」の表紙を手掛けたことがある。

脚注

  1. 吉川の地名・町名のおこり – 吉川市公式ホームページ
  2. 新駅駅名「吉川美南」に決まるまでの経緯 吉川市公式ホームページ 2010年1月5日
  3. 市公共交通の取組とタクシー利用料金助成事業概要 吉川市、2020年10月26日、2022年2月3日閲覧。
  4. “広報よしかわ No.771” (PDF). 2021年8月18日閲覧。
  5. “吉川市オリジナル脳活ドリル”. 吉川市公式ホームページ (2022年2月18日). 2022年7月12日閲覧。

関連項目

  • 吉川町(曖昧さ回避)
  • 単独市制
  • 全国市町村一覧

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • よしかわ観光協会

画像提供依頼

  • さくら通りの画像提供をお願いします。(2022年8月)

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」の文字は公式の表記「」と異なる可能性があります。

吉川市についてのクイズ

吉川市が位置するのはどの県ですか?

吉川市は埼玉県の南東部に位置しています。東京都心から約20kmと近い距離にあり、江戸川と中川の間に広がる自然豊かな街です。この位置関係は、都心部へのアクセスが良い一方で、自然環境が整っていることから、近年ベッドタウンとしての人気が高まっています。地方自治体としても、地域特産物や商業施設の充実、公共サービスの向上に取り組んでおり、多くの人々が住みやすいと感じる環境を整えています。

吉川市の開発に関する重要なコンセプトは何ですか?

吉川市の中心部には「人にやさしい街づくり」というコンセプトのもと、吉川きよみ野が開発されています。この街は、住民が快適に暮らせるように設計された公共の場や交通の整備、緑のスペースが取り入れられており、自然と共生する生活が可能です。都市景観においても数々の賞を受賞しており、この理念に基づく町づくりは他の地域からも注目されています。

江戸時代に吉川市が属していたのはどの国ですか?

吉川市は中世までは全域が下総国に属していましたが、江戸時代初期に平方新田および深井新田を除く地域は武蔵国に編入されました。江戸時代は特に中川の水運に恵まれ、豊富な農産物が生産され、江戸への供給地として重要な役割を果たしました。吉川市は歴史的に見ても水運と稲作地帯としての重要性を持ち続けてきたことが特徴です。

吉川市の人口は約何人ですか?

吉川市の人口は約7万人となっています。近年は、東京都心へのアクセスが良好で、周辺地域との都市化が進む中、ベッドタウンとしての発展が見られるため、人口増加が続いています。各種の公園や教育機関も充実しており、住みやすい環境が整備されていることが、引越しを考える人々にとって魅力となっている要因だと言えるでしょう。

吉川市で作られる伝統的な料理は何ですか?

吉川市は古くからなまずの養殖が盛んであり、なまず料理が名物となっています。地域特産物として伝統的に受け継がれているこの料理は、市内の飲食店でも提供されており、新しい形でのPR活動も行われています。なまず料理は、日本食文化においてもユニークな部類に入るため、観光の一環として市外からの訪問者を惹き付けています。

吉川市に設立された国際交流に関連する友好都市はどれですか?

吉川市は1997年に岩手県の一関市と友好都市の提携を結びました。この提携は地域間交流を促進し、文化や経済の連携を深める重要なステップとなっています。また、アメリカ合衆国オレゴン州のレイクオスエゴ市との友好姉妹都市提携も行っており、国際交流の活動を大切にしています。これらの交流により、吉川市はより多様な文化を享受できる環境を整えています。