埼玉県大里郡に位置する寄居町は、東京都心から70km圏内にあり、豊かな自然と歴史に恵まれた町です。古くは秩父往還の街道筋にあり、宿場町として栄え、また、中心市街地の対岸には鉢形城があり、その城下町としても発展してきました。現在でも、国道140号・国道254号及びJR八高線・東武東上線・秩父鉄道が接続する交通の要衝地であり、近年では、本田技研工業埼玉製作所寄居工場の稼働開始や関越自動車道寄居スマートインターチェンジの開通など、新たな発展を見せています。
地理と気候
寄居町は埼玉県の北西部、荒川の中流域に位置し、長瀞のすぐ下流に位置しています。町の西側には秩父山地、東側には外秩父と上武山地がそびえ立ち、その間を流れる荒川によって形成された渓谷は、古くから要害として重要な役割を果たしてきました。
気候
寄居町の気候は、内陸性気候に属し、夏は高温多湿、冬は冷たく乾燥しています。年間を通して降水量は比較的多いですが、特に梅雨時期と秋雨シーズンには集中豪雨が起こることがあります。
寄居(1991年 – 2020年)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) |
平均月間日照時間 |
出典1:Japan Meteorological Agency |
出典2:気象庁[1] |
歴史
寄居町の歴史は古く、古代から近世にかけては武蔵国榛沢郡、男衾郡に属し、一部の地域は秩父郡に属していました。江戸時代には、秩父往還の宿場町として栄え、また、鉢形城の城下町としても発展しました。
重要な歴史的出来事
- 1889年(明治22年)4月1日: 町村制施行に伴い、榛沢郡寄居町・藤田村・末野村の区域をもって寄居町が成立。
- 1896年(明治29年)3月29日: 榛沢郡が廃止され、大里郡となる。
- 1955年(昭和30年)2月11日: 折原村・鉢形村・男衾村・用土村と合併し、新たに寄居町となる。
- 2006年(平成18年): 鉢形城が財団法人日本城郭協会から日本100名城の認定を受ける。
- 2010年(平成22年): 本田技研工業埼玉製作所寄居完成車工場の稼働が始まる。
- 2018年(平成30年): 町としては日本で初めて、中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣認定を受ける。[2]
- 2020年(令和2年)10月30日: 東武東上線に町内9つ目の駅であるみなみ寄居駅が開業する。
- 2021年(令和3年)3月28日: 関越自動車道寄居スマートICが全面開通する。[3]
行政
寄居町は、埼玉県大里郡に属する唯一の自治体であり、町長が首長を務める町政を行っています。
行政機関
- 寄居町役場
広域行政
寄居町は、周辺自治体と連携して広域的な行政事務を行っています。
- 大里広域市町村圏組合: 熊谷市、深谷市とともにごみ処理(収集運搬を除く)、介護保険の保険者に関する事務を処理している。
- 深谷市消防本部: 消防・救急等の業務を深谷市に委託している。
産業
寄居町は、農業、工業、商業がバランス良く発展した町です。
工業
- 本田技研工業埼玉製作所寄居工場: 2013年7月稼働開始[4]。年産25万台規模。フリード、インサイトなどの生産拠点。
- 彩の国資源循環工場
- ボッシュ 寄居工場
商業
- ベルク: スーパーマーケットチェーン。用土地区に物流センターが所在し、かつては本部も構えていた。
農業
寄居町は、古くから農業が盛んな地域であり、米、野菜、果物などが栽培されています。近年では、観光農園や直売所なども増え、農業は町の重要な産業の一つとなっています。
地域
公共施設
寄居町には、様々な公共施設が整備されています。
県の施設
- 埼玉県立川の博物館
- 埼玉県環境整備センター
- 埼玉県寄居林業事務所
- 北部地域療育センター
町の施設
- 男衾連絡所・公民館
- 用土連絡所
- 中央公民館
- 学校給食センター
- 町立図書館
- 無腸庵
- 寄居町生涯学舎(やまとぴあ風布)
- 総合体育館・アタゴ記念館
- カタクリ体育センター
- 農業ふれあいセンター
- 寄居町日本の里(風布館)
- 鉢形城歴史館・寄居町埋蔵文化財センター
教育
寄居町には、小学校、中学校、高等学校がそれぞれ複数存在し、子どもたちの教育環境が整備されています。
学校
- 寄居町立寄居小学校
- 寄居町立桜沢小学校
- 寄居町立折原小学校
- 寄居町立鉢形小学校
- 寄居町立男衾小学校
- 寄居町立用土小学校
- 寄居町立寄居中学校
- 寄居町立城南中学校
- 寄居町立男衾中学校
- 埼玉県立寄居城北高等学校
交通
寄居町は、鉄道、バス、道路網が整備されており、アクセスが良好です。
鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)八高線:折原駅 – 寄居駅 – 用土駅
- 東武鉄道東上本線:寄居駅 – 玉淀駅 – 鉢形駅 – 男衾駅 – みなみ寄居駅
- 秩父鉄道秩父本線:桜沢駅 – 寄居駅 – 波久礼駅
寄居町は、日本の町村で唯一、3つの鉄道事業者(東日本旅客鉄道・東武鉄道・秩父鉄道)が乗り入れている町である。
バス
- 県北都市間路線代替バス(武蔵観光)
- 東秩父村路線バス(イーグルバス)
道路
- 関越自動車道:寄居スマートインターチェンジ(パーキングエリア)
- 寄居皆野有料道路(皆野寄居バイパス)
- 国道140号
- 国道254号
- 埼玉県道81号熊谷寄居線
- 埼玉県道62号深谷寄居線
- 埼玉県道30号飯能寄居線
- 埼玉県道82号長瀞玉淀自然公園線
名所・旧跡・観光
寄居町は、豊かな自然と歴史に恵まれた町であり、多くの観光スポットがあります。
名所
- 玉淀(県名勝)
- 風布川・日本水(湧水・名水百選)
- 鉢形城跡(国の史跡・日本100名城)
- 鉢形城歴史館
- 七代目松本幸四郎別邸跡地 雀宮公園
- 埼玉県立川の博物館
- 風布・小林みかん山(観光みかん狩り)(風布みかん)
- 日本水日本の里 風布館
- 中間平緑地公園
- 五百羅漢・千体荒神(少林寺)
- 武州寄居七福神
- 十二支守り本尊霊場
- かわせみ河原
- 円良田湖(つぶらたこ)
- 玉淀ダム(玉淀湖)
- 風布川夫婦滝(めおとだき)
- 藤田康邦墓・北条氏邦墓・末野窯跡(県史跡)
- 田山花袋(漢詩碑)・宮沢賢治(歌碑)・佐々紅華(歌碑)
- 戦国ハーぶ〜丼(B級グルメ)
- 三ケ山緑地公園 桜並木[5]
祭事
- 寄居北條まつり
- 寄居夏祭り
- 寄居玉淀水天宮祭
- 寄居宗像神社秋祭り
- 寄居町産業文化祭・ふるさとの祭典市
- 市神節分祭
対外関係
寄居町は、国内外の様々な自治体と連携し、友好関係を築いています。
姉妹都市・友好都市
- 八王子市(東京都)・小田原市(神奈川県)
- 2016年10月1日姉妹都市盟約
- メアリーズビル (オハイオ州)
- 本田技研工業の工場が両都市にあることから2013年からパートナー提携した
著名な出身者
寄居町は、様々な分野で活躍する著名人を輩出しています。
経済人
- 松崎半三郎(森永製菓社長)
学者
- 押田茂實(法医学者)
スポーツ
- 川辺隆弥(元プロサッカー選手)
- 新井千鶴(柔道家、東京オリンピック金メダリスト)
- 曽根康治(柔道家)
- 原口文仁(プロ野球選手、阪神タイガース)
- 設楽啓太(陸上競技選手)
- 設楽悠太(陸上競技選手)
文化人
- 岩井昇山(日本画家)
- 花輪和一(漫画家)
芸能人
- 中村英将(お笑い芸人、ゆったり感)
- 馬場俊英(シンガーソングライター)
- 柳家さん助 (2代目)(落語家)
まとめ
寄居町は、豊かな自然と歴史に恵まれた、埼玉県の北西部に位置する魅力的な町です。交通アクセスも良好で、近年では、本田技研工業埼玉製作所寄居工場の稼働開始や関越自動車道寄居スマートインターチェンジの開通など、新たな発展を見せています。
注釈
- “寄居 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年2月11日閲覧。
- “寄居町中心市街地活性化基本計画 – 寄居町公式ホームページ”. www.town.yorii.saitama.jp. 2022年7月25日閲覧。
- “【E17】関越自動車道『寄居スマートインターチェンジ』が令和3年3月28日に全面開通します | NEXCO東日本”. NEXCO 東日本. 2022年7月25日閲覧。
- 埼玉製作所寄居工場、稼働開始 – ホンダ2013年7月9日
- 埼玉県. “三ケ山緑地公園”. 埼玉県. 2022年12月27日閲覧。
関連項目
- 名水百選:風布川・日本水
- 水の郷百選:荒川上流の伝承とまつりのまち
- 水源の森百選:日本水の森
- 日本100名城:鉢形城
- 磯村建設
外部リンク
- 寄居町
- 寄居町商工会
- 寄居町観光協会
寄居町についてのクイズ
寄居町は埼玉県のどの地域に位置していますか?
寄居町は埼玉県の北西部に位置しています。この地域は豊かな自然に恵まれており、特に秩父山地や荒川の中流域として知られています。寄居町は、東京都心から約70km離れており、都市部からアクセスしやすい環境にあります。古くは宿場町として栄えた歴史を持ち、現在でも交通の要衝としての役割を果たしています。周囲には自然を生かした観光スポットも多く、地域の魅力を高めています。
寄居町の気候はどのような特徴がありますか?
寄居町の気候は内陸性気候に属しており、夏は高温多湿で、冬は冷たく乾燥しています。この特徴は、周囲の地形や位置によるもので、特に夏は高温が続くことが多いです。年間の降水量は比較的多いものの、梅雨時期や秋には集中豪雨が発生することがあります。そのため、農業活動にも影響を与えている部分があり、地域住民はこれらの気候条件に適応した生活を送っています。
寄居町の歴史的な出来事の中で、1889年に何が起こりましたか?
1889年4月1日、町村制施行に伴い、寄居町が成立しました。この出来事は、寄居町の歴史にとって重要な転機であり、今の行政体制の基盤を築くこととなりました。寄居町は当初、榛沢郡寄居町・藤田村・末野村の区域をもって設立されました。その後、この地域は近代的な町として発展を遂げ、多くの歴史的事件や変遷を経てきました。
寄居町の主な工業はどれですか?
寄居町は、自動車工業が主な工業となっています。特に、本田技研工業埼玉製作所寄居工場が重要な役割を果たしており、ここではフリードやインサイトといった車両の生産が行われています。この工場は2013年に稼働を開始し、年産25万台規模の生産能力を持っています。工業の発展は町の経済にも大きな影響を与えており、雇用の創出や地域経済の活性化に寄与しています。
寄居町で唯一、3つの鉄道事業者が乗り入れている駅はどれですか?
寄居町において唯一、3つの鉄道事業者(東日本旅客鉄道・東武鉄道・秩父鉄道)が乗り入れているのは寄居駅です。この駅は、地域の交通の要所として重要な役割を果たしており、多くの利用者に利用されています。寄居駅の接続の良さは、周辺地域へのアクセスを容易にし、観光やビジネスなど様々な目的で訪れる人々にとって利便性の高い位置となっています。
寄居町にはどのような観光名所がありますか?
寄居町には鉢形城跡があり、これは国の史跡として認定されています。鉢形城は江戸時代に城下町として発展し、歴史的な重要性を持つ場所です。また、鉢形城歴史館も併設されており、訪れる人々に地域の歴史や文化を伝えています。箱形城址周辺は自然も豊かで、観光客にとって魅力的なスポットとなっています。