埼玉県蕨市:人口密度日本一!コンパクトシティの魅力と歴史、文化に触れる

埼玉県蕨市は、人口密度が全国の市町村で最も高い街として知られています。面積は狭く、コンパクトな街並みですが、歴史と文化、そして活気に満ち溢れています。都心へのアクセスも良好で、住宅街として人気が高く、近年では外国人居住者も増加しています。本記事では、蕨市の魅力を、歴史、地理、人口、行政、文化、観光、交通、経済など多角的に紹介します。

概要

蕨市は、埼玉県南東部の京浜東北線沿線に位置する市です。人口は約7万5千人で、日本の全市町村の中で最も人口密度が高いことで知られています。面積はわずか5.11km²と、全国の市の中で最も狭く、区町村を含めても8番目に狭いという特徴があります。

市域のほとんどが市街地で、住宅地が中心ですが、江戸時代には中山道の宿場町として栄えていました。現在も、旧中山道沿いに歴史を感じさせる建物が多く残っています。

地理

蕨市は、埼玉県の「中央地域」と呼ばれる県南東部京浜東北線沿線地域の市の一つです。北をさいたま市、西を戸田市、東を川口市に接しています。市域は荒川低地に属し、平均海抜は4.8メートルと、平坦な地形です。

河川

蕨市を流れる主な河川は緑川です。

隣接している自治体

  • さいたま市(南区)
  • 川口市
  • 戸田市

歴史

蕨という地名は古く、文献上の初出は1352年(観応3年)の「賀上家文献」で、「蕨郷上下」と記されています。

蕨市役所付近には古来の日本住宅など多く残されており、旧中山道沿いに栄えた当時を偲ばせる建物も多いです。

第二次世界大戦後は中小の工場が立ち並び繁栄した一方で、工場の排煙などによる大気汚染も深刻化しました。

2000年代に入ると、市内にはクルド人のコミュニティが生まれ、川口市とともに数百人規模となりました。これは、以前から工場などに勤める外国人労働者が多く、外国人への偏見が他地区に比べると少ないという土地柄が背景にあるとされています。

市町村合併

蕨市は、1889年(明治22年)に蕨町として発足して以来、一度も市町村合併を経験していません。

  • 1889年(明治22年)4月1日:蕨町として発足。
  • 1959年(昭和34年)4月1日:市制施行により、蕨市となる。

地名の由来

蕨という名前の由来は文献に残されていませんが、有力な説として以下があります。

  • 「藁火」説:源義経が立ちのぼる煙を見て「藁火村」と名付けた、または在原業平が藁をたいてもてなしをうけたところから「藁火」と命名したという説。
  • 「蕨」説:慈鎮和尚の「武蔵野の草葉にまさるわらびをげにむらさきの塵かとぞみる」の歌をもって名付けたという説。

人口

蕨市の人口は約7万5千人です。人口密度は14,679人/km²と、全国の市町村で最も高い水準です。

近年では、外国人居住者が増加しており、特にトルコ系クルド人や中国本土の中国人などが多いです。

行政

蕨市の現市長は、賴髙英雄氏です。2007年6月6日に就任し、現在5期目を務めています。

歴代市長

氏名 在任期間
初代 高橋庄次郎 1959年4月 – 1959年6月
2代 岡田徳輔 1959年6月 – 1963年6月
3代 広田達雄 1963年6月 – 1967年6月
4代 金子吉衛 1967年6月 – 1975年6月
5代 田中啓一 1975年6月 – 2007年6月
6代 賴髙英雄 2007年6月 – 現在

広域行政

蕨市は、戸田市、川口市など周辺自治体と連携して、広域的な行政課題に取り組んでいます。

議会

蕨市議会は、議員定数20人の単一選挙区で構成されています。

姉妹都市・提携都市

  • 姉妹都市: エルドラド郡(アメリカ合衆国カリフォルニア州)
  • 友好都市: リンデン市(ドイツ連邦共和国ヘッセン州)

地域

蕨市は、29町丁から構成されています。

現行行政町名

町名 町名の読み
錦町一丁目 にしきちょう
錦町二丁目
錦町三丁目
錦町四丁目
錦町五丁目
錦町六丁目
北町一丁目 きたまち
北町二丁目
北町三丁目
北町四丁目
北町五丁目
中央一丁目 ちゅうおう
中央二丁目
中央三丁目
中央四丁目
中央五丁目
中央六丁目
中央七丁目
南町一丁目 みなみちょう
南町二丁目
南町三丁目
南町四丁目
塚越一丁目 つかごし
塚越二丁目
塚越三丁目
塚越四丁目
塚越五丁目
塚越六丁目
塚越七丁目

旧町名・大字

住居表示実施以前は、以下の町名や大字が存在していました。

  • 大字塚越
  • 大字蕨
  • 塚越末広町
  • 東町一丁目
  • 東町二丁目
  • 東町三丁目
  • 丁張町一丁目
  • 丁張町二丁目
  • 丁張町三丁目

公共施設

蕨市には、市民の生活を支える様々な公共施設が整備されています。

  • 市民体育館
  • 蕨市立図書館
  • 中央プール
  • 塚越プール
  • 交流プラザさくら
  • 保健センター
  • 市民会館
  • 勤労青少年ホーム
  • 中央公民館
  • 東公民館
  • 南公民館
  • 北町公民館
  • 西公民館
  • 下蕨公民館
  • 旭町公民館
  • 文化ホールくるる
  • 歴史民俗資料館
  • 学校給食センター
  • 蕨市立病院
  • 蕨市水道部中央浄水場
  • 塚越浄水場
  • 富士見公園事務所
  • 大荒田交通公園事務所

消防

  • 蕨市消防本部・消防署
  • 塚越分署
  • 蕨市消防団

警察

  • 蕨警察署(蕨市と戸田市を管轄)
  • 北町交番
  • 蕨駅東口交番
  • 蕨駅西口交番
  • 南町交番

郵政

  • 蕨郵便局
  • 蕨駅前郵便局
  • 蕨南町郵便局
  • 蕨塚越郵便局
  • 蕨中央七郵便局
  • 蕨錦町郵便局

教育

蕨市には、小学校7校、中学校4校、高等学校2校があります。

市の象徴

蕨市には、市の木、市の花、市の草花、市の花が制定されています。

  • 市の木: ケヤキ
  • 市の花: サツキ
  • 市の草花: ニチニチソウ
  • 市の花: ワラビー(市制施行30周年記念)
  • 市の花: エンジェルわらぶー(市制施行50周年記念)

交通

蕨市は、京浜東北線と国道17号が縦断する交通の便の良い街です。

鉄道

  • JR東日本京浜東北線: 蕨駅

バス

  • 国際興業バス
  • 蕨市コミュニティバス『ぷらっとわらび』
  • 川口市コミュニティバス『みんななかまバス』

タクシー

蕨市のタクシーの営業区域は、県南中央交通圏です。

道路

  • 一般国道: 国道17号
  • 県道: 埼玉県道79号朝霞蕨線、埼玉県道110号川口蕨線、埼玉県道111号蕨鳩ヶ谷線、埼玉県道117号蕨停車場線、埼玉県道235号大間木蕨線、埼玉県道236号新倉蕨線

経済

蕨市は、中小企業の集積地として知られています。

主な商業施設

  • イオンタウン蕨
  • ビバモール蕨錦町

金融機関

  • 三井住友銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • 武蔵野銀行
  • 川口信用金庫
  • 青木信用金庫
  • 城北信用金庫
  • 瀧野川信用金庫
  • さいたま農業協同組合

本社を置く企業

  • 沖コムテック
  • 沖ソフトウェア
  • ツツミ
  • マイクロエース
  • オプトエレクトロニクス
  • 鎌倉光機
  • 蕨ケーブルビジョン
  • DNPデータテクノ

高層建築物

  • シティタワー蕨
  • 蕨駅西口再開発事業A棟
  • 蕨駅西口再開発事業B棟

観光

蕨市には、歴史と文化を感じられる観光スポットがあります。

美術館

  • 河鍋暁斎記念美術館

文化財

  • 蕨城跡
  • 和樂備神社

祭・イベント

  • 塚越稲荷神社初午祭
  • 和樂備神社例大祭
  • 宿場まつり
  • 機まつり

ゆかりの人物

蕨市には、様々な分野で活躍する著名人が多く生まれ育っています。

出身

  • 金子徳衛(浦和画家)
  • 金子國義(画家)
  • 松島茂(文化放送アナウンサー)
  • 町亞聖(元日本テレビアナウンサー)
  • 河本香織(日本テレビ元・アナウンサー)
  • 小島奈津子(元フジテレビアナウンサー)
  • 蓮実一隆(元テレビ朝日チーフプロデューサー)
  • 鈴木鼓太郎(プロレスラー)
  • 優華(プロレスラー)
  • 坂元弥太郎(プロ野球投手)
  • 田代雅也(サッカー選手)
  • 高見沢俊彦(ミュージシャン・THE ALFEEリーダー)
  • 美月優(演歌歌手)
  • 松井咲子(タレント・ピアニスト)
  • ジャンクフジヤマ(ミュージシャン)
  • 前田つばさ(俳優)
  • 吉岡秀隆(俳優・ミュージシャン)
  • 勝村政信(俳優)
  • 枢やな(漫画家)
  • 真彩希帆(元宝塚歌劇団雪組トップ娘役)
  • 田児賢一(バドミントン選手)
  • 高梁碧(声優)
  • 船堀斉晃(漫画家)
  • 星野源(俳優・ミュージシャン)
  • 荒井清和(漫画家)
  • 大江健次(お笑い芸人)
  • 阿部未来(お笑い芸人)

市内在住

  • 坂田明(ジャズサックス奏者)
  • 小林めぐみ(小説家)
  • 北川玲子(漫画家)
  • 中井広恵(将棋の女流棋士)

蕨市PR大使

  • 石原良純(タレント・俳優)

関連した企業の歴史

  • 1960年:株式会社有井製作所創業
  • 1962年9月:株式会社ツツミ創業
  • 1963年4月:株式会社安楽亭創業
  • 1985年2月:株式会社オプトエレクトロニクス本社移転
  • 1986年4月:沖電気工業株式会社システムセンター建設
  • 1997年7月:株式会社キャンドゥ蕨東口店オープン
  • 2009年1月:有限会社ネオプラスレッスル武闘館開設

蕨市で暮らす

蕨市は、都心へのアクセスも良好で、生活しやすい街として人気があります。

  • 教育: 小学校から高校まで、教育機関が充実しています。
  • 医療: 蕨市立病院をはじめ、医療機関が充実しています。
  • 買い物: スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが充実しています。
  • レジャー: 公園や緑地が多く、自然に囲まれた環境です。
  • 文化: 伝統芸能やイベントなどが盛んです。

蕨市は、歴史と文化、そして活気に満ち溢れた魅力的な街です。コンパクトシティの魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

蕨市についてのクイズ

蕨市の面積はどれくらいですか?

蕨市の面積は5.11 km²であり、全国の市町村の中でも最も狭い面積を誇っています。狭い面積にもかかわらず、約7万5千人の人口を有し、日本で最も人口密度が高い市として知られています。このような圧倒的な人口密度は、特に都心への交通アクセスが良好であることが一因となっており、多くの人々が住みやすい環境を求めて蕨市に集まります。コンパクトシティとして、密集した市街地には住宅や商業施設が効率よく配置されています。

蕨市の現市長は誰ですか?

蕨市の現市長は賴髙英雄氏で、2007年から市長を務めており、現在で5期目を迎えています。賴髙氏は、行政の運営において地域の声を反映させることに注力し、さまざまな政策を推進しています。市長に就任する前は、これまでの政治経験や地域活動が評価され、地域住民との連携を深めることを重視して活動しています。蕨市の発展と住民の生活向上を目指して、引き続き様々な取り組みを行っています。

蕨市が歴史上中山道の宿場町として栄えた時期はいつですか?

蕨市は江戸時代に中山道の宿場町として栄えていました。江戸時代は日本の歴史の中で重要な時代であり、特に商業が発展し、多くの旅人や商人が宿場町を利用しました。蕨市の旧中山道沿いには、当時の建物が多く残されており、今でも歴史を感じることができます。市の歴史的背景は、観光や地域の文化の形成において重要な要素となっています。江戸時代の面影を残す町並みや文化財は、訪れる人々に深い感慨を与えます。

蕨市の主要な河川はどれですか?

蕨市を流れる主要な河川は緑川です。市内の地形に多様性をもたらすこの河川は、周囲に自然環境を提供し、地域に潤いを与えています。緑川は自然の景観だけでなく、地域の生態系においても重要な役割を果たしています。水辺の環境は、生物多様性を育む基盤となり、地域住民の憩いの場ともなっています。市民は緑川の流れを楽しみながら、自然との調和を感じることができます。一方で、水環境を守るための取り組みも地域では進められています。

蕨市に隣接している市はどれですか?

蕨市はさいたま市、川口市、戸田市に隣接しています。周辺自治体との密接な関係があり、交通や経済活動など様々な面での連携が見られます。特に、京浜東北線沿線に位置するため、都心へのアクセスが非常に良好で、多くの住民が通勤通学の足として利用しています。また、これらの市と連携して広域的な行政課題に取り組む努力も重視されています。このような地域連携は、蕨市が持つコンパクトシティの特性を活かしながら、住民の生活環境改善に寄与しています。