埼玉県比企郡に位置する小川町は、豊かな自然と伝統文化が息づく魅力的な町です。古くからの歴史と活気あふれる街並みが調和し、「武蔵の小京都」とも呼ばれています。この記事では、小川町の魅力を、歴史、文化、観光、産業など様々な角度からご紹介します。
小川町ってどんな町?
小川町は、埼玉県の中部に位置し、比企郡に属する町です。外秩父山地に囲まれた小川盆地に市街地が広がり、豊かな自然に恵まれた環境にあります。古くは江戸から川越を抜けて秩父に向かう街道が町を東西に抜けており、六斎市が立つなど地域の商業の中心地として栄えていました。現在でも、伝統工芸の和紙や日本酒など、地域ならではの文化と産業が息づいています。
小川町の歴史
古代から近世
古代から近世にかけての小川町域は、主として武蔵国比企郡に属し、一部の地域は男衾郡に属していました。
近代
明治時代
* 1869年(明治2年):1月28日 (旧暦) に武蔵知県事・宮原忠治の管轄区域をもって大宮県が発足(県庁は日本橋馬喰町)。ほか町域では久留里県・前橋県・品川県に属した村もあり。
* 1869年(明治2年):9月29日 (旧暦) に県庁が浦和に移転し、大宮県から浦和県に改称。
* 1871年(明治4年):11月14日 (旧暦) に浦和県・忍県・岩槻県の3県が合併して埼玉県が誕生。
* 1889年(明治22年):4月1日 に町村制施行に伴い、小川村・西大塚村・下里村・角山村が合併し、比企郡小川町が成立。
近現代
昭和時代(戦後)
* 1955年(昭和30年):2月11日 に小川町・大河村・竹沢村・八和田村が合併し、小川町となる。
* 1956年(昭和31年):1月1日 に大里郡寄居町の西古里地区と鷹巣地区のそれぞれ一部を編入。
平成時代
* 2003年(平成15年):3月3日 に比企地区任意合併協議会設置(東松山市・比企郡滑川町・嵐山町・小川町・都幾川村・玉川村・吉見町・秩父郡東秩父村)。
* 2003年(平成15年):4月1日 に協議会事務局設置(東松山市役所内)。
* 2003年(平成15年):5月21日 に第4回協議会において比企地区任意合併協議会解散を決定。
* 2003年(平成15年):7月 に滑川町・嵐山町・小川町・都幾川村・玉川村・東秩父村の6町村は合併研究会を設置。
* 2003年(平成15年):12月 に滑川町・嵐山町・小川町・都幾川村・玉川村・東秩父村の6町村は比企地域3町3村合併協議会を設置。
* 2004年(平成16年):7月 に滑川町で合併の枠組みを問う住民投票を行った結果、東松山市・吉見町を含む8市町村で合併が過半数を占めたために滑川町は比企地域3町3村合併協議会から離脱。
* 2004年(平成16年):8月 に比企地域3町3村合併協議会が解散。
* 2018年(平成30年):4月2日 に町内のお昼の時報チャイムを「エーデルワイス」から、地元で作られた曲である「小京都小川」へと変更。
令和時代
* 2023年(令和5年):3月13日 に町内の中心駅「小川町駅」が東武東上線のダイヤ改正により、日中時間帯に池袋へ直通する電車がなくなる。
小川町の地理
位置
小川町は、比企地方及び県南西部の最も北西に位置し、秩父地方のすぐ外側に位置しています。市街地は小川盆地にあり外秩父山地に囲まれています。町の北東部は東松山台地を挟んで比企北丘陵の西端がかすめます。
関東に2つしかない市に隣接しない自治体でもあります。(もう一つは群馬県草津町)。
面積は60.36km2です。
地域
住宅団地
- 小川パークヒル
- 小川みどりが丘
人口
小川町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 小川町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
---|---|
■紫色 ― 小川町■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性 |
小川町(に相当する地域)の人口の推移 | 1970年(昭和45年) |
総務省統計局 国勢調査より |
- 人口:28,871人
- 男性:14,357人
- 女性:14,514人
- 世帯数:13,030世帯
- 人口密度:478.31人/km2
(2023年2月24日現在)
隣接自治体
- 埼玉県
- 比企郡:嵐山町、ときがわ町
- 大里郡:寄居町
- 秩父郡:東秩父村
小川町の文化
伝統工芸
小川町は、古くから 小川和紙 の産地として知られています。特に 細川紙 は、国の重要無形文化財に指定されており、その伝統を守り続けています。小川和紙は、繊維が長く強度があることから、かつては風船爆弾の製造にも使用されていました。現在では、書道用紙や工芸品など様々な用途で用いられています。
祭り
小川町では、毎年8月に 小川町七夕まつり が開催されます。町内各所に飾られた美しい七夕飾りは、幻想的な雰囲気を醸し出し、多くの人々を魅了しています。
小川町の観光
名所・旧跡
- 高見城:県指定史跡。
- 鎌倉街道上道
- 奈良梨宿跡
観光スポット
- 道の駅おがわまち
- 埼玉伝統工芸会館
- 吉田家住宅:埼玉県内最古の民家であり国の重要文化財でもある。
- 仙元山見晴らしの丘公園:仙元山にあり、ローラーすべり台を楽しむ事ができる。
- 旧小川町立小川小学校下里分校:2011年3月に廃校。木造校舎が残り、NPO法人により管理運営されている。
小川町の産業
小川町は、伝統工芸の和紙をはじめ、様々な産業が活発です。
第一次産業
- 水嚢(すいのう)
- 徳川家康が関東移封時、諏訪頼忠が奈良梨に一時所領を与えられた。
- 農業(霜里農場など)
第二次産業
- 和紙(小川和紙)
- 絹織物
- 建具
- 日本酒(晴雲酒造、武蔵鶴酒造、松岡醸造)
- 鬼瓦
第三次産業
小川町へのアクセス
鉄道
中心となる駅:小川町駅
鉄道路線
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 八高線:- 小川町駅 – 竹沢駅 –
- 東武鉄道
- 東上本線(東武東上線):- 小川町駅 – 東武竹沢駅
東京の池袋へは東上線の急行や快速急行で約1時間程度で行くことができます。土日祝日には副都心線や東急東横線を介して元町・中華街駅や新横浜駅・相鉄線方面へ直通する列車もあります。
バス
町内のバスは東武グループの川越観光自動車が主に受け持っています。
また、ときがわ町方面や東秩父村方面へ向かう路線は廃止された路線を自治体が運行している路線でイーグルバスが委託運行を行っています。
道路
高速道路
- 東日本高速道路(NEXCO東日本)
- 関越自動車道:- 嵐山小川IC –
国道
- 国道254号
- 道の駅おがわまち
- 国道254号(小川バイパス)
県道
- 埼玉県道11号熊谷小川秩父線
- 埼玉県道30号飯能寄居線
- 埼玉県道184号本田小川線
- 埼玉県道189号小川町停車場線
- 埼玉県道273号西平小川線
- 埼玉県道274号赤浜小川線
- 埼玉県道296号菅谷寄居線
小川町で味わえるもの
名産・特産
- 和紙(小川和紙)
- 忠七めし
- 女郎うなぎ
小川町のおすすめ情報
小川町は、歴史、文化、自然、そして美味しいものがたくさんある魅力的な町です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。
脚注
- 埼玉中部資源循環組合 新ごみ施設だより(第11号(最終号)令和2年3月10日発行)2020年7月5日閲覧
- “松岡醸造(株)”. 小川町観光協会. 2021年2月25日閲覧。
- “埼玉・小川町の「松岡醸造」で日本酒の魅力を深堀り!”. ORICON NEWS. 2021年2月25日閲覧。
- 国指定重要文化財 吉田家住宅 – 小川町役場
- 旧小川町立小川小学校下里分校 – 小川町役場
- “埼玉県小川町/和紙のふるさと 小川町~小川和紙の歴史と伝統を継ぐ~ – 全国町村会”. www.zck.or.jp. 2021年2月25日閲覧。
関連項目
- 日本の地方公共団体一覧
外部リンク
- 埼玉県小川町
- 埼玉県小川町商工会(地域ポータルサイト)
- 比企広域市町村圏組合
- 小川町七夕まつり公式サイト – ウェイバックマシン(2019年12月30日アーカイブ分)
- キャラクター星夢(すたむ)ちゃん育成ブログ – ウェイバックマシン(2019年11月1日アーカイブ分)
小川町についてのクイズ
小川町はどのような地域に位置していますか?
小川町は埼玉県比企郡に位置し、外秩父山地に囲まれた小川盆地にあります。町は中部に位置しており、歴史的には江戸から川越を経由し秩父へ向かう街道が通っていました。この地域は豊かな自然に恵まれ、古くから商業の中心地とされてきたことから、独自の文化や産業が育まれてきました。観光名所や伝統工芸が息づく小川町は、「武蔵の小京都」とも呼ばれ、多くの観光客が訪れる魅力的な町となっています。
小川町の重要無形文化財として知られる産業は何ですか?
小川町は、伝統工芸の和紙、特に小川和紙が有名です。中でも細川紙は国の重要無形文化財に指定され、その製造技術は長い歴史を有しています。小川和紙は強度があり、さまざまな用途に毎年使用されている他、文化や芸術の分野でも広く認知されています。特に、歴史的な背景や製造工程を理解し、実際に和紙を使った工芸品を見ることができるのは、小川町訪問の大きな魅力の一つです。
小川町で毎年8月に開催される祭りは何ですか?
小川町では、毎年8月に「小川町七夕まつり」が開催されます。町内各所には美しい七夕飾りが設置され、幻想的な雰囲気を醸し出します。この祭りは地域住民が協力して行い、多くの観光客や地元の人々が訪れ、夏の風物詩として根付いています。七夕飾りだけでなく、様々な出店やイベントも行われ、町全体が活気に満ち溢れます。祭りに参加することで、小川町の文化に触れ、地域の人々との交流を楽しむことができます。
小川町に隣接する自治体の一つはどれですか?
小川町は、埼玉県比企郡にあり、隣接する自治体の一つは「嵐山町」です。小川町の周辺には、比企郡の他にも大里郡や秩父郡の町や村があります。小川町は自然に恵まれており、周囲に多くの山々や川が流れているため、観光やアウトドア活動にも適しています。地域住民が協力して地域を守り育てているため、訪れる人々にとっては、安心して楽しめる環境が整っています。