大阪府河内長野市：自然と歴史が織りなす魅力的な街

大阪府の南河内地域に位置する河内長野市は、豊かな自然と歴史が調和した魅力的な街です。大阪都心部からアクセスしやすい立地でありながら、雄大な山並みに囲まれた自然豊かな環境は、都会の喧騒から離れてゆったりと過ごしたい人々に最適です。また、古くから交通の要衝として栄えてきた歴史を持つ河内長野市には、国宝や重要文化財など貴重な文化遺産が数多く残されており、歴史好きを魅了するスポットも満載です。

概略：自然と歴史が融合した魅力的な街

河内長野市は、1954年に長野町など6町村の合併によって誕生しました。中心部には、かつての町名である「長野」の名称が今も残っています。南部には「奥河内」と呼ばれる観光エリアがあり、滝畑四十八滝や岩湧山などの雄大な自然や、観心寺や金剛寺などの歴史的建造物が数多く存在します。楠木氏ゆかりの地としても知られており、国宝や重要文化財の数では全国で日光市に次いで12番目に多いことから、「文化財のまち 河内長野」と呼ばれています。

大阪都心部へのアクセスも良好で、難波まで約40分、関西国際空港へは約1時間と、都会へのアクセスも便利です。しかし、市を囲む山並みは壮観で、市内からでも大自然を満喫できます。市制施行以降は、市内各地にニュータウンが造成され、衛星都市として発展してきました。近年では、安全で住みやすい街としても注目され、『週刊東洋経済』の「日本のいい街ランキング」では、2012年に全国788市中149位と、前回から大きく順位を上げています。

地理：大阪都心部へのアクセスも良好な立地

河内長野市は、南に和泉山脈を望む、北を頂点とした三角形の市域を形成しています。大阪府内で3番目に広い面積を誇り、その面積の7割は森林です。石川や石見川など河川沿いに平野が開け、北に向かって河内平野に続いていることから、豊かな自然と都市部が調和した風景が広がっています。

隣接している自治体・行政区

河内長野市は、大阪府内の堺市、和泉市、大阪狭山市、富田林市、南河内郡千早赤阪村、奈良県の五條市、和歌山県の橋本市、伊都郡かつらぎ町と隣接しています。和歌山県との間には国道371号線が、かつらぎ町との間には大阪府道・和歌山県道61号堺かつらぎ線がそれぞれ通じています。

自然：豊かな自然環境が魅力

河内長野市は、和泉山脈の麓に位置し、豊かな自然環境に恵まれています。市域には、岩湧山、金剛山、滝畑四十八滝などの名所が点在し、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。

2002年に行われた生物種調査では、環境省レッドデータブックに掲載されている貴重な種も生息していることが確認されました。1981年には、オオサンショウウオも発見されています。

歴史：古くから人々が暮らしてきた歴史

河内長野市は、古くから渡来人などが居住していた場所であり、遣隋使として中国に渡った高向玄理の出身地でもあります。律令制時代には河内国に属し、錦部郡を中心に編成されていました。

空海や楠木正成、天誅組など、歴史上の重要な人物や出来事に深く関わる場所であり、北朝・南朝の行在所にもなりました。幕藩時代には、河内狭山藩、近江膳所藩、伊勢神戸藩の所領でした。

古代から近世までの歴史

• 旧石器・縄文・弥生時代: 三日市遺跡、高向遺跡、宮山遺跡、三日市北遺跡などで、当時の遺跡や遺物が発見されています。
• 古墳時代: 大師山古墳、三日市一号墳、三日市三号墳などの古墳が築造されました。
• 飛鳥・奈良時代: 犬養広麻呂が白鳩を献上したという伝説が残る鳩原村、役小角が観心寺を、行基が金剛寺を創建したと伝えられています。
• 平安時代: 空海が観心寺の寺号を改め、本尊如意輪観音坐像を刻んだとされ、真紹が伽藍を整備しました。真紹は、毘廬遮那仏の造立も開始しました。
• 鎌倉時代: 金剛寺は八篠女院の祈願所となり、阿観が中興開山しました。金剛寺領和田庄が成立し、春日社に寄進されました。
• 南北朝・室町時代: 楠木正成が河内・和泉の守護職となり、後村上天皇が観心寺に遷りました。
• 戦国時代: 豊臣秀吉が天野山を検地し、観心寺と金剛寺に寺領を寄進しました。
• 江戸時代: 当市域は、膳所藩領、西代藩領、旗本小出氏の領地となりました。農村では、綿の百姓繰りが行われるようになりました。
• 明治時代: 堺県、五條県に属した後、大阪府に合併しました。小学校が設置され、高野鉄道が開業しました。
• 大正時代: 高野登山鉄道が延伸し、長野遊園地が開園しました。
• 昭和時代: 大阪陸軍幼年学校が移転し、河内長野市が誕生しました。滝畑ダムが完成し、市役所が新築されました。
• 平成時代: 花の文化園、市立文化会館ラブリーホール、市民交流センターと図書館の複合施設「キックス」が開館し、米国のカーメル市と国際姉妹都市提携しました。
• 令和時代: 奥河内くろまろの郷がオープンし、「道の駅」に認定されました。「中世に出逢えるまち～千年にわたり護られてきた中世文化遺産の宝庫～」として日本遺産に認定されました。

行政：市民と共に発展を目指す街

河内長野市は、市民が主体的に地域づくりに参加し、共に発展していくことを目指しています。

市長

• 西野修平（2024年8月3日就任）

市章・市民歌

• 市章: 1954年8月1日制定。大阪府を形取り、中央に河内長野市の「長」の文字を配した、桜の形をしています。
• 市民歌: 1955年8月1日制定。「河内長野市市民歌」は、安西冬衛作詞、野口源次郎作曲、高橋半編曲によるものです。

シンボルキャラクター

• モックル: 1998年に誕生した、河内長野市のシンボルキャラクターです。市の木「クスノキ」と、市の資源である「緑」をモチーフに擬人化されています。モックルという名称は、モクモクと広がる市の未来をイメージさせる語感から名付けられました。

市民憲章

• 1967年11月3日制定。豊かな自然を愛し、文化財に学び、生産することの価値をたたえ、新しい世代に役立つ人となり、人人との交わりを大切にすることを誓っています。

都市宣言

• 河内長野市は、青少年健全育成都市宣言、健康都市宣言、非核平和都市宣言、人権擁護都市宣言、交通安全都市宣言、河川を美しくする都市宣言、教育立市宣言など、様々な都市宣言を行っています。

議会：市民の声を反映する機関

河内長野市議会は、市民の声を反映し、市政を推進していく重要な機関です。

市議会

• 河内長野市議会は、定数22人の議員で構成されています。
• 市長を議長とする議長会と、各常任委員会で構成されています。
• 議会は、市政に関する議案の審議、予算の審議、市の監査などを行っています。

大阪府議会

• 河内長野市は、大阪府議会において1つの選挙区を形成しています。
• 現在、自由民主党の西野修平氏が選出されています。

衆議院

• 河内長野市は、大阪15区（堺市（美原区）、富田林市、河内長野市、松原市、大阪狭山市、南河内郡）に属しています。
• 2021年の衆議院議員選挙では、日本維新の会の浦野靖人氏が当選しました。

経済：多様な産業が発展する街

河内長野市は、豊かな森林資源を活かした爪楊枝や簾産業、鋳物生産など、伝統的な産業から、近年では商業施設や飲食店などのサービス業まで、多様な産業が発展しています。

医療

• 市内に複数の病院や診療所があり、市民の健康を支えています。
• 河内長野市立病院は、急性期、回復期、慢性期の医療を提供しています。

産業

• 爪楊枝・簾: 明治時代から続く伝統的な産業です。かつては全国で使用される爪楊枝の国内生産量の約95%を占めていました。
• 鋳物: 古くから鋳物生産が行われており、モリ工業周辺を中心に可鍛鋳鉄やステンレスなどの製造業が盛んです。
• 天野酒: 僧坊酒として知られており、西條酒造で復刻されています。
• 農業: 標高差のある地形を生かして、桃、ナンテンなどの果物や野菜の栽培が盛んです。

金融機関

• 市内に複数の銀行、信用金庫、信用組合、証券会社が支店を構えています。
• 市民の金融ニーズに対応し、地域経済の発展に貢献しています。

農協

• JA大阪南は、河内長野市内の農業を支える重要な機関です。
• 農業の振興、販売促進、金融サービスなど、様々な事業を行っています。

日本郵政グループ

• 市内に複数の郵便局、ゆうちょ銀行出張所があります。
• 市民の郵便、貯金、保険などのニーズに応えています。

観光：自然と歴史を満喫できる街

河内長野市は、豊かな自然と歴史を感じることができる観光スポットが満載です。

名所旧跡

• 観心寺: 国の史跡に指定されている寺院です。金堂、木造如意輪観音坐像、観心寺縁起資財帳などの国宝のほか、多くの文化財を有しています。
• 金剛寺: 国の史跡に指定されている寺院です。延喜式、剣、木造大日如来坐像などの国宝のほか、多くの文化財を有しています。
• 烏帽子形城跡: 国の史跡に指定されている城跡です。楠木正成が築いた城跡であり、歴史を感じることができます。
• 高野街道: 古くから高野山への参詣道として栄えてきた街道です。歴史的な街並みを散策することができます。
• 滝畑四十八滝: 和泉山脈に位置する、大小様々な滝が連なる美しい景勝地です。

自然・公園

• 岩湧山: 大阪府の文化財に指定されている山です。
• 金剛山: 大阪府と奈良県の境にある山です。
• 滝畑ダム: 和泉山脈の渓谷に位置するダムです。
• 長野公園: 市内にある広大な公園です。

観光施設・資料館

• 関西サイクルスポーツセンター: サイクリングを楽しめる施設です。
• 花の文化園: 多種多様な花々が咲き乱れる植物園です。
• 奥河内くろまろの郷: 地域の特産品や農産物を販売する施設です。
• 市立ふるさと歴史学習館「くろまろ館」: 河内長野市の歴史や文化を学ぶことができる施設です。

行事

• 河内長野だんじり祭り: 毎年10月に行われる、市内各地で賑わいを見せる伝統的な祭りです。
• 高野街道まつり: 毎年10月に行われる、高野街道を舞台にしたイベントです。
• 楠公祭: 毎年4月に行われる、楠木正成を偲ぶ祭りです。

教育：未来を担う子どもたちの育成

河内長野市は、「教育立市宣言」を掲げ、未来を担う子どもたちの育成に力を入れています。

大学

• 大阪千代田短期大学: 市内に唯一の大学です。

高等学校

• 大阪府立長野高等学校
• 大阪府立長野北高等学校
• 清教学園高等学校
• 大阪暁光高等学校

中学校

• 河内長野市立加賀田中学校
• 河内長野市立千代田中学校
• 河内長野市立長野中学校
• 河内長野市立南花台中学校
• 河内長野市立西中学校
• 河内長野市立東中学校
• 河内長野市立美加の台中学校
• 清教学園中学校

小学校

• 河内長野市立天野小学校
• 河内長野市立加賀田小学校
• 河内長野市立高向小学校
• 河内長野市立小山田小学校
• 河内長野市立三日市小学校
• 河内長野市立川上小学校
• 河内長野市立長野小学校
• 河内長野市立石仏小学校
• 河内長野市立天見小学校
• 河内長野市立南花台小学校
• 河内長野市立楠小学校
• 河内長野市立美加の台小学校
• 河内長野市立千代田小学校

幼稚園

• 河内長野市立三日市幼稚園
• 清教学園幼稚園
• 大阪千代田短期大学附属幼稚園
• 錦渓幼稚園
• ひなぎく幼稚園
• 長野台幼稚園
• 奈良佐保短期大学附属河内長野幼稚園
• くすのき幼稚園
• 勝山愛和青葉台幼稚園
• おしお幼稚園
• えぴーく幼稚園

保育所

• 千代田台こども園
• 汐の宮保育所
• 天野山保育園
• 高向保育園
• 聖愛保育園
• 長野保育園
• 大典保育園
• ちづる保育園
• 観心寺保育園
• 柳風台保育園
• 南嶺保育園
• 天宗清見台園
• 美加の台保育園
• おおさかちよだ保育園

子育て支援

• 子ども・子育て総合センター「あいっく」
• 河内長野市子ども交流ホール
• 子育て支援センター ちよだだい
• 河内長野市子ども教育支援センター
• 河内長野市教育相談センター
• 河内長野市教育相談室 やまびこ
• 河内長野市適応指導教室（ゆうゆうスペース）
• つどいの広場 子育て支援ルーム「ふぁんふぁーれ三日市」
• KEF市民協働サポートセンター みんなのいえ「ふぁんふぁーれ千代田」
• つどいの広場 子育て支援ルーム「ほのぼのルーム大矢船」

地域：多様な魅力が共存する街

河内長野市は、北部（市街地部）、中部（丘陵部）、南部（山林部）の3つの地域に分けられます。

北部（市街地部）

• 千代田駅、河内長野駅、三日市町駅周辺を中心とした地域です。
• 市制施行前から市街地を形成していたため、古い町並みや工業地域が多く残っています。
• 近年では、商業地や行政・公共施設などが集積しています。

中部（丘陵部）

• 三日市町駅、美加の台駅を中心とした地域です。
• 広域型のニュータウンと農地や里山等の農空間から構成されています。

南部（山林部）

• 千早口駅、天見駅を含めた山間の地域です。
• 豊かな自然環境が残っており、一部が近郊緑地保全区域や鳥獣保護区に指定されています。
• 林業の地としての側面も持ち合わしています。

ニュータウン

• 北部や中部の丘陵地帯を中心に、小中規模のニュータウンが造成されています。
• 南海美加の台、南花台、青葉台などが有名です。

人口

• 河内長野市の人口は、近年減少傾向にあります。
• ニュータウン開発の完成、新築住宅建設数の減少に伴う転入者数の減少などが原因として挙げられます。

交通：アクセス良好な交通網

河内長野市は、鉄道、バス、道路と、アクセスしやすい交通網が整備されています。

空港

• 関西国際空港: 河内長野駅からリムジンバス「Sorae（ソラエ）」が運行されており、約1時間で到着できます。

鉄道

• 南海電気鉄道高野線: 千代田駅 – 河内長野駅 – 三日市町駅 – 美加の台駅 – 千早口駅 – 天見駅
• 近畿日本鉄道長野線: 汐ノ宮駅 – 河内長野駅（終点）

バス

• 南海バス: 市内の路線バスのほとんどが南海バスが運行しています。
• 南海深夜急行バス: 大阪駅・難波駅から、深夜急行バスを運行しています。
• 通学バス: 大阪千代田短期大学、桃山学院大学、近畿大学泉州高等学校、初芝富田林高校などへの直通通学バスが発着しています。

道路

• 国道170号（大阪外環状線）: 北東から南西部にかけて通っています。
• 国道310号（西高野街道）
• 国道371号（高野街道）
• 南阪奈道路、阪和自動車道、阪神高速松原線: 市域を通過しないものの、国道170号や国道309号を経由することで利用できます。

著名な出身者

• 河内長野市には、様々な分野で活躍する著名な出身者が数多くいます。
• スポーツ選手、芸能人、政治家、学者、文化人など、多岐に渡ります。

関連項目

• 奥河内
• 高野街道
• 大阪みどりの百選
• 大阪府の自然景勝地
• 河内長野市のニュータウン
• 河内長野市会

外部リンク

• 公式ウェブサイト
• 河内長野市観光協会（奥河内）
• 河内長野おでかけ情報
• 河内長野市役所 (city.kawachinagano) – Facebook
• 河内長野市に関連する地理データ – オープンストリートマップ
• 地図 – Google マップ

まとめ

河内長野市は、豊かな自然と歴史が調和した、魅力的な街です。大阪都心部へのアクセスも良好でありながら、大自然を満喫できる環境が魅力です。古くからの伝統文化を受け継ぎながら、新しい文化も育む、活気のある街でもあります。ぜひ、河内長野市を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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