沖縄本島北部に位置する本部町は、エメラルドグリーンの海と豊かな自然に恵まれた、まさに楽園と言える場所です。世界的に有名な沖縄美ら海水族館や、亜熱帯植物が生い茂る国営沖縄記念公園（海洋博公園）など、観光スポットが満載です。歴史、文化、自然、そして人情味あふれる本部町の魅力を、この記事では徹底的にご紹介します。
概要：沖縄本島北部の豊かな自然に抱かれた町
本部町は沖縄県国頭郡に属し、沖縄本島北部の本部半島西部に位置しています。名護市から約20km離れた場所にあり、沖縄国際海洋博覧会が開催された海洋博公園を擁しています。かつては近隣の離島を結ぶ本部港を中心に栄えていましたが、現在は伊江島への連絡船が本部新港へ、伊是名島、伊平屋島への連絡船は隣の今帰仁村の運天港に移っています。
地理：山、川、島々が織りなす美しい風景
本部町の町域は瀬底島、水納島を含み、多様な地形が織りなす美しい風景が広がっています。
雄大な山々：八重岳
標高453.3mの八重岳は本部町を代表する山で、山頂からは本部半島や周辺の島々を一望できます。ハイキングコースも整備されており、自然を満喫しながら雄大な景色を楽しむことができます。
碧い水の流れ：満名川
本部町を流れる二級河川の満名川は、その豊かな自然と清らかな水で知られています。満名川水系には笹川、佐伊土間川、伊野波川、尻無川、ウナジャラ川などの支流も流れ、豊かな生態系を育んでいます。
美しい島々：瀬底島と水納島
本部町には、瀬底島と水納島という2つの島が含まれています。瀬底島は沖縄本島と瀬底大橋で結ばれ、美しいビーチやマリンレジャーを楽しむことができます。水納島は、手つかずの自然が残る無人島で、シュノーケリングやダイビングなどのマリンアクティビティを楽しむことができます。
隣接する自治体
- 名護市（戦前は名護町、戦後～1970年7月は屋部村）
- 今帰仁村
人口：穏やかな暮らしが魅力
本部町の人口は約12,281人（2024年8月1日推計）で、人口密度は226人/km2と、沖縄県内でも比較的低い水準です。穏やかな自然に囲まれた環境で、ゆったりとした暮らしを送ることができます。
| 年 | 人口 |
|---|---|
| 1970 | 17,152 |
| 1975 | 17,823 |
| 1980 | 15,307 |
| 1985 | 15,116 |
| 1990 | 15,043 |
| 1995 | 14,718 |
| 2000 | 14,522 |
| 2005 | 14,383 |
| 2010 | 13,870 |
| 2015 | 13,536 |
| 2020 | 12,530 |
気候：温暖な亜熱帯気候
本部町は、温暖な亜熱帯気候に属し、年間を通して温暖で過ごしやすい気候です。冬でも比較的暖かく、平均気温は15℃前後です。夏は高温多湿で、平均気温は30℃を超えます。降水量は年間を通して多く、特に梅雨の時期には集中豪雨が発生することもあります。
歴史：古くから続く歴史と文化
本部町は、古くから琉球王国時代からの歴史を持つ地域です。1666年に伊野波間切が新設され、1908年には島嶼町村制により本部村となりました。1940年には町に昇格し、本部町となりました。1975年には沖縄国際海洋博覧会が開催され、国際的な注目を集めました。
重要な歴史的出来事
- 1666年：今帰仁間切の伊野波・瀬底・健堅・具志川・具志堅・備瀬・謝花・辺名地・崎本部・水無・嘉津宇で伊野波間切を新設。
- 1667年：満名・伊豆味・小浜・石嘉波・並里・渡久地を新設。伊野波間切を本部間切に改称。
- 1908年4月1日：島嶼町村制により本部間切から本部村となる。
- 1940年12月10日：町に昇格し本部町となる。
- 1947年8月1日：北部を上本部村として分離される。
- 1971年11月1日：上本部村を再編入する。
- 1975年7月19日：沖縄国際海洋博覧会が開催（～1976年1月）される。
- 1982年4月：県道本部循環線（当時県道71号）の名護市名護（東江）～本部町浦崎の区間が国道449号に昇格。町内初の国道となる。
- 1985年2月：瀬底大橋が開通。瀬底島が沖縄本島と結ばれる。
- 2002年11月：沖縄美ら海水族館が開館する。
産業：観光業が牽引する経済
本部町は、農業、漁業、商工業、観光業など、様々な産業が活発です。特に1984年以降は「観光文化のまち」を掲げ、観光業を核としたまちづくりを進めてきました。第二次世界大戦以前は第一次産業従事者が就業人口の半数を占めていたものの、2010年代には観光業を含むサービス業が3割に達しています。
主な産業
- 農業: アセロラ、タンカンなどの柑橘類、マンゴー、パイナップル、キャベツ・ゴーヤなどの野菜類、輪ギクなどの花卉園芸、サトウキビ、畜産業（肉牛・養鶏・養豚）など。
- 漁業: カツオやソデイカ（セーイカ）を中心とした沿岸漁業。
- 観光業: 沖縄美ら海水族館、海洋博公園、瀬底大橋、備瀬のフクギ並木、八重岳など、多くの観光スポットがあります。
- 商工業: ホテル、飲食店、土産物店、建設業など。
特産品
- もとぶ牛: 町内のももぶ牧場で生産される黒毛和牛。
- むんじゅる笠: ヤシの葉で編まれた伝統的な帽子。
行政：住民の暮らしを支える行政機関
本部町は、町長と町議会によって運営されています。町長は住民の代表として、町政のトップに立ち、町議会は町政に関する議決を行います。
本部町役場
本部町役場は、町民への行政サービスを提供する機関です。住民票の発行、税金の徴収、公共施設の管理など、様々な業務を行っています。
警察
本部町には、本部警察署があります。本部警察署は、本部町、今帰仁村、伊江村、伊是名村、伊平屋村の5町村を管轄しています。
地域：個性豊かな集落が織りなす魅力
本部町には、石川、伊豆味、伊野波、大堂、浦崎、大嘉陽、大浜、嘉津宇、北里、具志堅、健堅、崎本部、新里、謝花、瀬底、谷茶、渡久地、豊原、並里、野原、浜元、東、備瀬、古島、辺名地、山川、山里など、個性豊かな集落があります。
各集落の特徴
- 石川: 沖縄美ら海水族館や海洋博公園がある地域。
- 瀬底: 瀬底大橋で沖縄本島とつながる島。美しいビーチがある。
- 備瀬: フクギ並木が有名。
- 謝花: 上本部村時代は村役所所在地だった。
教育：未来を担う子供たちの育成
本部町には、子供たちの教育機関として、高等学校、中学校、小学校があります。
高等学校
- 沖縄県立本部高等学校
- 八洲学園大学国際高等学校 (広域通信制・単位制の高等学校)
中学校
- 本部町立本部中学校
- 本部町立上本部中学校
小学校
- 本部町立本部小学校
- 本部町立崎本部小学校
- 本部町立瀬底小学校 (瀬底島)
- 本部町立伊豆味小中学校
- 本部町立水納小中学校 (水納島)
交通：アクセス良好な交通網
本部町は、バス、船舶、道路などの交通機関が整備されており、アクセスが便利です。
バス
- ローカル路線: 名護市の名護バスターミナルを拠点に、琉球バス交通・沖縄バスの2社で共同運行する北部支線4路線があります。
- 沖縄自動車道経由路線: 那覇空港や那覇市中心部と本部町を、沖縄自動車道経由で結ぶ高速バスが運行されています。
- やんばる急行バス: 那覇空港発着便と接続するローカル線、四島線を運行しています。
- 那覇空港リムジンバス: 沖縄バスが運行。那覇空港と本部町内の観光地・リゾートホテルを結んでいます。
船舶
- 本部港: 那覇港、奄美群島、鹿児島港などへの航路が就航しています。
- 渡久地港: 伊江島、水納島への連絡船が就航しています。
道路
- 国道449号 (本部循環線)
- 国道505号 (本部循環線)
- 沖縄県道84号名護本部線 (主要地方道)
- 沖縄県道114号線
- 沖縄県道115号線
- 沖縄県道123号線
- 沖縄県道172号瀬底健堅線
- 沖縄県道219号渡久地港線
- 沖縄県道244号渡久地山入端線
医療：充実した医療体制
本部町には、町民の健康を守るための医療機関が充実しています。
医療機関
- 本部町立本部病院: 救急病院として、地域住民の健康を守っています。
- 本部町国民健康保険診療所: 町民の健康増進に貢献しています。
- その他: 医療機関、歯科医院、薬局などが多数あります。
著名な出身者：様々な分野で活躍する人々
本部町は、数多くの著名人を輩出しています。
政治家
- 上地完文: 沖縄空手上地流の創始者
- 宮里松生: 元衆議院議員
- 上原康助: 元衆議院議員、国土庁長官
- 稲嶺一郎: りゅうせきの創設者、元参議院議員
- 稲嶺惠一: 第5代沖縄県知事、日本トランスオーシャン航空会長
文化・芸能
- 北島角子: 女優
- Hearts Grow: 音楽バンド
- ステレオポニー: 音楽バンド
- 山里ユキ: 沖縄民謡歌手
スポーツ
- 比嘉真美子: プロゴルファー
- 江藤光喜: プロボクサー
研究者
- 根路銘国昭: 生物資源利用研究所長、ウイルス研究者
本部町を舞台とした作品：映画、ドラマ、音楽など
本部町の美しい風景や豊かな文化は、多くの作品にインスピレーションを与えてきました。
映画
- 『島』（1973年）
- 『チェケラッチョ!!』（2006年）
- 『天国からのエール』（2011年）
ドラマ
- 『風は通り抜ける道』（2024年/沖縄県後援）
名所・旧跡・観光：魅力満載の観光スポット
本部町には、歴史、自然、文化など、様々な魅力あふれる観光スポットがあります。
歴史・文化
- 陣グスク: 伊豆味にある、時代不明の城跡。
- 備瀬のフクギ並木: 約200本のフクギの木が並ぶ、幻想的な風景。
- 塩川: 国の天然記念物に指定されている、湧き水でできた川。
自然
- 国営沖縄記念公園 (海洋博公園): 沖縄美ら海水族館など、様々な施設がある公園。
- 瀬底大橋: 瀬底島と沖縄本島を結ぶ橋。
- 八重岳: 本部町を代表する山。山頂からは素晴らしい景色を一望できます。
- 本部半島カルスト地域: 石灰岩が露出した独特の地形が見られます。
- もとぶ元気村 (マリンピアザオキナワ): イルカや動物と触れ合える施設。
- ゴリラチョップ: ゴリラがチョップする形の奇岩。
その他
- 本部港: 渡久地港など、複数の港があり、フェリーや連絡船が発着しています。
最後に：沖縄本島北部の楽園、本部町へ
この記事では、本部町の魅力の一部を紹介しました。美しい自然、豊かな歴史、活気のある文化、そして温かい人々。本部町は、あなたに忘れられない思い出を提供してくれること間違いなしです。ぜひ、一度訪れてみてください。
外部リンク
本部町についてのクイズ
本部町は沖縄県のどの場所に位置していますか？
本部町は沖縄本島の北部、国頭郡に位置しており、特に美しいエメラルドグリーンの海と豊かな自然によって知られています。近隣には名護市があり、主要な観光地や自然のアトラクションが点在しているエリアです。この地域は、亜熱帯気候に恵まれており、暖かく湿度の高い冬と、暑くて湿度の高い夏の両方を味わうことができます。本部町は、沖縄美ら海水族館や国営沖縄記念公園などの観光スポットが豊富で、多様な地形と美しい海岸線が訪れる人々を魅了しています。観光や自然探訪を楽しむには理想的な場所であり、沖縄特有の文化に触れる魅力も満載です。
本部町を代表する山はどれですか？
本部町を代表する山は八重岳です。標高453.3mで、ハイキングコースも整備されており、訪れる人々は美しい自然の中で雄大な景色を楽しむことができます。八重岳は、山頂から本部半島や周辺の島々を一望できる絶好のスポットであり、四季折々の風景が訪れる人を楽しませます。この地域は亜熱帯の植物が生い茂り、その生態系も非常に豊かです。登山を通じて、自然の美しさや地域の環境について理解を深める良い機会になります。今回の自然散策の中で、八重岳の魅力を体感してみてください。
現在の本部町の推定人口は約何人ですか？
本部町の現在の推定人口は約12,281人です。これは2024年8月1日推計に基づいています。人口密度は226人/km2と、沖縄県内でも比較的低い水準になっており、広大な自然環境に囲まれた穏やかな生活を送ることが可能です。人口は長期的に減少傾向にありますが、自然と共生するライフスタイルを求める人々には魅力的な地域です。また、観光業や地域資源を活用した産業振興により、町づくりも進められています。このような要素が交わる本部町は、観光と住環境が両立した魅力的な町として知られています。
本部町の気候はどのような特徴がありますか？
本部町は温暖な亜熱帯気候に属しており、年間を通して過ごしやすい気候が特徴です。冬でも比較的温暖な気温が保たれ、平均気温は15℃前後です。一方、夏は高温多湿で、平均気温が30℃を超えることが多く、特に梅雨の時期には集中豪雨が発生することがあります。このように、本部町の気候は亜熱帯特有の特徴を持ち、美しい自然環境を形成する要因となっています。温暖な気候は、観光、農業、レクリエーション活動において理想的な条件を提供し、地域住民や観光客にとって快適な環境が整っています。
本部町が「観光文化のまち」として発展し始めたのはいつからですか？
本部町は1984年以降、「観光文化のまち」というテーマのもと、観光業を核としたまちづくりを進めてきました。それ以降、観光業は地域の重要な産業として成長し、多くの観光客が訪れるようになりました。観光業の発展に伴い、地域資源の活用や新しい観光施設の開発が行われ、沖縄美ら海水族館や海洋博公園などの観光スポットが生まれました。観光業の成長は、地域の経済に大きな影響を与え、産業構造の変化も促進しました。このように、本部町は沖縄の観光地としての地位を確立し、多彩な魅力を持つ地域として国際的にも注目されています。
本部町にある主な観光スポットはどれですか？
本部町にある主な観光スポットの一つが沖縄美ら海水族館です。この水族館は、さまざまな海洋生物を展示しており、特にジンベエザメが泳ぐ大水槽が人気です。沖縄美ら海水族館は、地域の海洋環境を学ぶことができる教育的な施設でもあり、多くの観光客が訪れる場所となっています。また、沖縄美ら海水族館は国営沖縄記念公園内に位置しており、広大な敷地に数多くの施設が集まっています。訪れた人々は、自然の美しさを堪能しながら、海に関する知識を深めることができるため、特に家族連れや学校の学習旅行などにも人気のスポットです。
本部町の主要な行政機関は何ですか？
本部町の主要な行政機関は本部町役場です。町役場は住民に対する行政サービスを提供し、住民票の発行、税金の徴収、公共施設の管理など多岐にわたる業務を行っています。本部町役場は、町長と町議会によって運営される組織であり、住民の声を反映させながら行政方針や政策を決定します。本部町の住民が快適に暮らすための環境づくりを推進し、地域の発展に寄与する役割を果たしています。また、役場の存在は地域社会とのつながりを強化し、住民の生活向上に向けた様々な施策を展開しています。このように、町役場は地域の中心的な存在として重要です。
本部町の教育機関には何がありますか？
本部町には、高等学校、中学校、小学校といった教育機関があります。具体的には、沖縄県立本部高等学校や本部町立本部中学校、本部町立本部小学校、さらには瀬底島や水納島にもそれぞれの学校が設置されています。地域の教育機関は、特に子供たちの学びの場として重要であり、未来を担う人材の育成に寄与しています。また、地域の特性や環境を活かした教育が行われ、子供たちは自然と触れ合いながら学ぶことができます。このような教育環境は、地域のさらなる発展や住民とのコミュニティ作りに貢献しており、地域固有の文化や価値観が次世代へと継承されていく重要な要素です。
本部町の主な交通機関にはどれがありますか？
本部町はバス、船舶、道路などの交通機関が整備されており、アクセスが便利です。地域内には、名護市の名護バスターミナルを拠点としたローカル路線が存在し、琉球バス交通と沖縄バスの二社が共同運行している北部支線の路線があります。また、那覇空港と本部町を結ぶ高速バスも運行されており、観光客や地元の人々にとって便利です。さらに、本部港からは伊江島や水納島への船が出航しています。このように、多様な交通手段が整っていることから、県内外から本部町へのアクセスが容易になっており、観光が非常にしやすい環境が整っています。
本部町に存在する医療機関はどれですか？
本部町には、本部町立本部病院という医療機関があります。この病院は地域住民の健康を守るため、救急病院としての機能を持っており、緊急の医療サービスを提供しています。また、町民の健康増進を目的とした診療所も存在し、基本的な医療サービスを受けられる環境が整っています。これにより地域住民は、必要な医療を受けやすくなり、健康意識を高める機会が増えます。地域の医療体制が充実することで、住民の安心感や信頼感を得られ、本部町の生活の質向上にも寄与しています。また、訪れる観光客にも、安心して滞在できる基盤が整っています。
本部町から生まれた著名な文化人は誰ですか？
本部町から生まれた著名な文化人の一人に根路銘国昭がいます。彼は生物資源利用研究所の長として活躍し、ウイルス研究に貢献してきました。また、地域の知識や文化を発信する活動にも積極的に参加し、本部町の科学研究分野での地位を確立させました。著名な出身者にはその他にも、政治家や文化人、芸能人、スポーツ選手が多くいますが、根路銘国昭のように専門的な分野で成果を上げた人物は特に注目されるべきです。本部町はこのように多彩な才能を輩出しており、地域の文化や歴史を豊かにする役割を果たしています。
