豊かな自然と歴史文化が息づく岡山県和気郡和気町。2006年に旧和気町と佐伯町が合併して誕生したこの町は、JR山陽本線和気駅周辺に町の中心部を構え、農業や観光が盛んな地域です。
概要
和気町は、岡山県の南東部、吉井川と金剛川が合流する地点に位置し、豊かな自然に恵まれた町です。ブドウやリンゴなどの果樹栽培が盛んな農業地帯として知られ、全国的には和気清麻呂の生誕地としても有名です。和気清麻呂を祀る和気神社や、約100種類の藤を集めた藤公園、和気鵜飼谷温泉、岡山県自然保護センターなど、魅力的な観光スポットも数多く存在します。
町章と町旗
和気町の町章は、片仮名の「ワ」と「ケ」を図案化したもので、2006年に制定されました。町旗にはこの町章が描かれています。
地理
地勢
町域の大部分は山林に覆われています。町の中心部は、吉井川と金剛川が合流する地点に形成された小盆地です。
- 主な河川: 吉井川、金剛川・日笠川(吉井川支流)
- 主なダム: 日笠ダム
気候
和気町は、瀬戸内海式気候に属し、温暖で降水量も比較的少ないのが特徴です。夏は高温多湿で、冬は比較的温暖です。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高気温記録 °C (°F) | 16.4 (61.5) | 21.9 (71.4) | 24.6 (76.3) | 29.5 (85.1) | 33.1 (91.6) | 36.5 (97.7) | 37.1 (98.8) | 37.9 (100.2) | 37.0 (98.6) | 30.9 (87.6) | 26.2 (79.2) | 20.9 (69.6) | 37.9 (100.2) |
平均最高気温 °C (°F) | 9.0 (48.2) | 10.1 (50.2) | 13.8 (56.8) | 19.6 (67.3) | 24.3 (75.7) | 27.1 (80.8) | 30.6 (87.1) | 32.1 (89.8) | 28.3 (82.9) | 22.9 (73.2) | 17.0 (62.6) | 11.4 (52.5) | 20.5 (68.9) |
日平均気温 °C (°F) | 2.9 (37.2) | 3.7 (38.7) | 7.0 (44.6) | 12.4 (54.3) | 17.5 (63.5) | 21.6 (70.9) | 25.6 (78.1) | 26.5 (79.7) | 22.4 (72.3) | 16.1 (61) | 10.1 (50.2) | 4.9 (40.8) | 14.2 (57.6) |
平均最低気温 °C (°F) | -2.4 (27.7) | -2.0 (28.4) | 0.6 (33.1) | 5.4 (41.7) | 10.9 (51.6) | 16.8 (62.2) | 21.6 (70.9) | 22.2 (72) | 17.7 (63.9) | 10.7 (51.3) | 4.3 (39.7) | -0.4 (31.3) | 8.8 (47.8) |
最低気温記録 °C (°F) | -10.6 (12.9) | -9.3 (15.3) | -7.2 (19) | -3.8 (25.2) | -0.5 (31.1) | 5.7 (42.3) | 12.5 (54.5) | 13.9 (57) | 5.3 (41.5) | -0.9 (30.4) | -3.6 (25.5) | -7.8 (18) | -10.6 (12.9) |
降水量 mm (inch) | 37.9 (1.492) | 45.4 (1.787) | 86.9 (3.421) | 96.1 (3.783) | 122.5 (4.823) | 162.6 (6.402) | 189.5 (7.461) | 112.2 (4.417) | 156.8 (6.173) | 98.6 (3.882) | 55.9 (2.201) | 46.6 (1.835) | 1,208.1 (47.563) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 5.4 | 6.6 | 8.9 | 9.3 | 9.4 | 11.3 | 10.4 | 8.1 | 9.4 | 7.5 | 5.9 | 5.7 | 98.2 |
平均月間日照時間 | 142.2 | 142.3 | 179.6 | 201.5 | 211.1 | 154.5 | 169.8 | 212.9 | 161.3 | 175.0 | 152.9 | 148.3 | 2,051.5 |
- 出典1:Japan Meteorological Agency
- 出典2:気象庁[1]
隣接する自治体
- 岡山県: 備前市、赤磐市、美作市、久米郡美咲町
姉妹都市・提携都市
国内
- 宇佐市(大分県) – 1989年7月31日 姉妹都市提携
- 霧島市(旧・牧園町から継続) – 2002年4月29日 姉妹都市提携
- 八尾市(大阪府) – 国内交流協定
海外
- 上海市嘉定区(中華人民共和国) – 1992年10月15日 姉妹都市提携
- ハナ町(カナダ アルバータ州) – 1993年3月21日 姉妹都市提携
歴史
沿革
- 1889年(明治22年)6月1日 – 町村制施行。和気村、益原村の範囲をもって和気郡和気村発足。
- 1901年(明治34年)2月6日 – 和気村が町制施行、和気町(旧・第一次)となる。
- 1953年(昭和28年)4月1日 – 和気郡和気町・本荘町・日笠村・藤野村、赤磐郡石生村の5町村が合併し、新たに和気町(旧・第二次)が発足。
- 1955年(昭和30年)3月31日 – 赤磐郡佐伯村、和気郡山田村・塩田村が合併し、和気郡佐伯町が発足。
- 2006年(平成18年)3月1日 – (旧)和気町、佐伯町が新設合併し、現在の和気町が発足。
合併協議
和気町・佐伯町の合併は、当初は佐伯町議会で否決され、合併協議会からの脱会が決議されました。しかし、その後、佐伯町長・町議会のリコールが成立し、出直し選挙が実施されました。当選した新町長が合併推進に転じたことで、2006年に合併が実現しました。
行政
町長
- 現職町長: 太田啓補(2022年4月17日~ 1期目)[2]
町議会
- 定数12、選挙区なし。
- 2011年以降の構成は公明党1、日本共産党1、たんぽぽ党1、無所属13。
町役場組織
- 総務部
- 民政福祉部
- 産業建設部
- 出納室
- 議会事務局
- 監査事務局
町役場・支所の管轄区域
名称 | 所在地 | 管轄地域 | 備考 |
---|---|---|---|
和気町役場 本庁舎 | 和気町尺所555 | 町内全域(旧佐伯町域を含む) | 町内を総括 |
佐伯庁舎 | 和気町矢田305 | 旧佐伯町域 | 旧佐伯町役場 |
町内にある国・県の機関
- 岡山県備前県民局東備地域事務所
- 和気公共職業安定所
- 和気労働基準監督署
警察
- 岡山県備前警察署(本署は備前市)
- 和気交番
- 藤野駐在所
- 佐伯駐在所
消防
- 東備消防組合東備消防署北部出張所
経済
本社を置く企業
- 岡山和気ヤクルト工場(ヤクルト本社生産子会社)
- 徳永こいのぼり(こいのぼり製造)
- 日本チャンキー(ブロイラー生産・販売)
- メイト(プラスチックマグネット製造)
教育
小学校
- 和気町立和気小学校[3]
- 和気町立本荘小学校
- 和気町立佐伯小学校[4]
中学校
- 和気町立和気中学校
- 和気町立佐伯中学校
高等学校
- 岡山県立和気閑谷高等学校
交通
鉄道
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 山陽本線:和気駅
廃止鉄道路線
- 同和鉱業片上鉄道線(1991年7月1日に廃止)
路線バス
- 赤磐市広域路線バス(赤磐・和気線)
- 和気町営バス
- 備前市営バス
道路
- 高速道路
- 山陽自動車道:和気IC
- 美作岡山道路:佐伯IC
- 一般国道
- 国道374号
- 都道府県道
- 岡山県道46号和気笹目作東線
- 岡山県道53号御津佐伯線
- 岡山県道79号佐伯長船線
- 兵庫県道・岡山県道90号赤穂佐伯線
- 岡山県道・兵庫県道96号岡山赤穂線
- 岡山県道263号泉衣笠線
- 岡山県道395号和気熊山線
- 岡山県道404号都留岐吉永停車場線
- 岡山県道414号福本和気線
- 岡山県道417号和気吉井線
- 岡山県道703号備前柵原自転車道線
通信
新聞
- 山陽新聞備前支局(備前市)
テレビ・ラジオ
テレビ放送局
局名 | NHK岡山総合 | NHK岡山教育 | RSK | OHK | RNC | KSB | TSC | 出力 | 中継局所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
和気 | 1- | 7 | 12- | – | – | – | – | 3W | 和気町城山 |
– | – | – | 43 | 47 | 49 | 51- | 10W | ||
備前塩田 | 55 | 51 | 61 | 49 | 53 | 59 | 57 | 0.1W | 和気町塩田 |
和気日笠 | 56- | 54- | 58- | 60 | – | – | – | 1W | 和気町日笠上 |
備前佐伯 | 56 | 54 | 58 | 60+ | 52 | 50 | 48 | 3W | 和気町佐伯 |
- 地上波デジタルテレビジョン放送(リモコンはNHK1.Eテレ2.RNC4.KSB5.RSK6.TSC7.OHK8)
局名 | NHK岡山総合 | NHK岡山教育 | RSK | OHK | RNC | KSB | TSC | 出力 | 中継局所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
和気 | 32 | 13 | 15 | 17 | 19 | 14 | 16 | 1W | 和気町城山 |
備前塩田 | 38 | 40 | 41 | 43 | 39 | 44 | 42 | 0.01W | 和気町塩田 |
ラジオ放送局
- AMラジオ放送
- RSKラジオ:1494MHz(備前局 出力1kW)
- FMラジオ放送
- NHK岡山放送局:82.0kHz(和気局 出力1W)
広報紙
- 広報わけ
文化
特産品・名産品
- 大黒麺(町内で収穫した黒豆を使用したうどん)
- 日本酒
- くだものジャム
- さくらんぼ
観光・イベント
名所・旧跡・観光スポット
- 藤公園(日本一の藤棚)
- 和気神社
- 津田永忠墓所
- 中山サーキット
- 和気鵜飼谷温泉
- 佐伯ファミリーパーク
- 岡山県自然保護センター
- 天神山城址(県指定史跡)
- 旧大國家住宅(国の重要文化財)
- 北曽根城
- 由加神社
- 和気アルプス
- 大題目岩
祭事・催事
- 清麻呂の里 藤まつり(毎年4月下旬~5月上旬)
- 和文字焼きまつり(毎年8月16日)
文化施設
- 図書館
- 和気町立図書館
- 和気町立佐伯図書館
- 体育施設
- 和気町体育館
- 和気町佐伯体育館
- 武道館
- 和気ドーム
- 矢田テニスコート
- 和気町佐伯B&G海洋センター
- 資料館・学習施設
- 和気町学び館 サエスタ
- 和気町歴史民俗資料館
- 和気町田原井堰資料館
和気町出身の人物
- 赤木高太郎 – 元騎手
- 岩井志麻子 – 小説家
- 岡田英津也(悦哉) – 元プロ野球指導者
- 片山直憲 – 旧通産省キャリア官僚産業局出願課長、三菱地所グループ大日本企業(株)常務取締役
- 岸本尚毅 – 俳人
- 草加勝[5] – プロ野球選手
- 高見藤英希 – 元力士、元和気町職員、出生・育ちは倉敷市
- 近松秋江 – 小説家
- 野上慎平 – テレビ朝日アナウンサー
- 松岡巌鉄 – 元プロレスラー
- リリー – 見取り図 芸人
- 和気清麻呂 – 奈良時代の政治家、広虫の弟
- 和気広虫 – 奈良時代の女官
脚注
- “和気 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月21日閲覧。
- “岡山・和気町長選 新人の太田啓補さんが初当選 189票差の接戦制す | KSBニュース | KSB瀬戸内海放送”. KSB (2022年4月11日). 2022年4月17日閲覧。
- 2017年に和気小学校(旧)・藤野小学校・石生小学校・日笠小学校が統合し、藤野小学校の校舎・校地に開校。
- 2017年に佐伯小学校(旧)・山田小学校が統合し、佐伯小学校(旧)の校舎・校地に開校。
- “2023年プロ野球ドラフト会議で和気町出身・草加勝選手が中日ドラゴンズから1位指名を受けました!”. 和気町ホームページ (wake.lg.jp). 和気町 (2023年10月27日). 2024年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月19日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 佐伯町・和気町合併協議会
- 和気商工会
- 地図 – Google マップ
和気町は、豊かな自然と歴史文化が調和した魅力あふれる町です。観光や移住、そして地域の魅力を発信する拠点として、これからも発展を続けることを期待しています。
和気町についてのクイズ
和気町が合併して誕生した年はいつですか?
和気町は2006年に旧和気町と佐伯町が合併して誕生しました。合併は地域の再編を目的として行われ、特に人口減少や経済の厳しさが背景にありました。合併により、町の行政サービスの効率的な運営が期待され、地域活性化の一助となることが目的でした。合併協議は当初、佐伯町の議会で否決されるなど、困難な課題も存在しましたが、佐伯町長と町議会のリコール選挙を経て、再度合併の話が進展し、最終的に合併が実現しました。このような歴史的背景を持つ和気町は、今後も地域の魅力を活かした発展が期待されます。
和気町が位置している河川のうち、主要なものは次のうちどれですか?
和気町は吉井川と金剛川の合流地点に位置し、これらの河川が町の自然環境に大きく寄与しています。吉井川は特に大きな河川で、地域の水資源と生態系を支えており、農業にも貢献しています。また、和気町内ではブドウやリンゴなどの果樹栽培が盛んで、これらの農業を支える水源となっているため、河川の重要性は非常に高いです。吉井川は地域の風景を形成し、観光素材としても活用されています。
和気町の町章はどのように形成されていますか?
和気町の町章は、片仮名の「ワ」と「ケ」を図案化したもので、2006年にはこのデザインが採用されました。町の名称を象徴し、地域の一体感を表すこのマークは、町民の誇りを示す存在でもあります。町章は地域のアイデンティティの一部として機能し、町旗にも描かれているため、和気町の公式なシンボルとして広く認知されています。自然や歴史的要素と結びつく形でデザインされた町章は、地域の発展と住民の未来への希望を凝縮したものとなっています。
和気町の気候はどのような特徴がありますか?
和気町は瀬戸内海式気候に属し、温暖で降水量が比較的少ないのが特徴です。このため、農業が盛んで、特に果樹の栽培に非常に適した気候条件が整っています。夏は高温多湿で、冬は温暖なので、過ごしやすい環境も住民にとって魅力です。気候の影響を受けた地域の特産品や風景は観光資源としても重要であり、和気町特有の自然環境や文化を形成しています。このように地域の気候は、町の経済や文化、観光にも深く関わっています。