大分県の南部に位置する豊後大野市は、人口約3万3,000人の自然豊かなまちです。雄大な祖母山や傾山がそびえ立ち、大野川が流れ、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。歴史も深く、古代からの遺跡や磨崖仏など、貴重な文化遺産も数多く存在します。近年では、自然を生かした観光や農業が盛んになり、新たな魅力を発信しています。
地理
豊後大野市は、大分県の南部に位置し、大分市と宮崎県に隣接しています。市域の大半は丘陵と山林で占められており、宮崎県との県境には祖母山や傾山などの九州山地が連なっています。市の中心部(旧・三重町区域)は、大分市の中心部から南へ約35kmの場所に位置し、国道326号沿いにはロードサイド店舗が立ち並んでおり、大型の商業施設やショッピングセンターなどが建設されています。
隣接する自治体
- 大分県
- 大分市
- 佐伯市
- 臼杵市
- 竹田市
- 宮崎県
- 西臼杵郡高千穂町
- 西臼杵郡日之影町
主要な山岳・河川
- 山岳
- 祖母山(1,756m)
- 傾山(1,605m)
- 河川
- 大野川
- 緒方川(大野川支流)
- 茜川
- 伏野川
歴史
豊後大野市は、古くから人々が暮らしてきた歴史ある地域です。市域内には、縄文時代から弥生時代にかけての遺跡が数多く発見されており、古代からの集落が存在していたことがわかります。
市域の変遷
- 1889年(明治22年)4月1日 – 町村制施行により、現在の市域は18の村に分かれていました。
- 1902年(明治35年)4月4日 – 三重村が町制を施行し、三重町となります。
- 1903年(明治36年)2月3日 – 犬飼村が町制を施行し、犬飼町となります。
- 1950年(昭和25年)11月1日 – 緒方村が町制を施行し、緒方町となります。
- 1951年(昭和26年)4月1日 – 三重町と周辺の村が合併し、新たな三重町が誕生します。
- 1955年(昭和30年)1月1日 – 清川村、緒方町、朝地町、犬飼町などが誕生します。
- 2005年(平成17年)3月31日 – 大野郡の5町2村(三重町、清川村、緒方町、朝地町、大野町、千歳村、犬飼町)が合併し、豊後大野市が誕生しました。
人口
豊後大野市の人口は、近年減少傾向にあります。2020年(令和2年)の国勢調査によると、人口は33,695人となっています。
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 58,312人 |
1980年 | 51,975人 |
1990年 | 47,034人 |
2000年 | 43,371人 |
2010年 | 39,452人 |
2020年 | 33,695人 |
気候
豊後大野市は、盆地に近い地形のため、夏は高温多湿で、冬は比較的温暖な気候です。夏季には、日田市、竹田市、玖珠町とともに、猛暑日となる日が多いのが特徴です。
犬飼(1991年 – 2020年)の気候データ
月 | 最高気温記録 (°C) | 平均最高気温 (°C) | 日平均気温 (°C) | 平均最低気温 (°C) | 最低気温記録 (°C) | 降水量 (mm) | 平均降水日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1月 | 21.5 | 10.6 | 4.5 | -0.6 | -8.1 | 47.6 | 5.4 |
2月 | 24.3 | 11.9 | 5.5 | 0.1 | -8.5 | 63.2 | 7.1 |
3月 | 28.5 | 15.4 | 8.9 | 3.2 | -6.6 | 98.3 | 9.9 |
4月 | 31.6 | 20.9 | 13.9 | 7.8 | -2.5 | 112.8 | 9.4 |
5月 | 36.1 | 25.1 | 18.5 | 12.8 | 1.0 | 131.9 | 9.3 |
6月 | 35.7 | 27.1 | 21.8 | 17.7 | 8.1 | 325.7 | 14.6 |
7月 | 39.0 | 31.4 | 25.8 | 21.9 | 13.2 | 287.1 | 12.4 |
8月 | 38.7 | 32.4 | 26.4 | 22.3 | 15.4 | 204.8 | 10.9 |
9月 | 36.3 | 28.4 | 22.7 | 18.7 | 6.3 | 271.6 | 10.9 |
10月 | 32.2 | 23.3 | 17.2 | 12.4 | 0.6 | 132.3 | 7.2 |
11月 | 29.9 | 17.9 | 11.6 | 6.4 | -2.9 | 69.6 | 6.9 |
12月 | 23.7 | 12.6 | 6.4 | 1.3 | -7.5 | 46.9 | 5.2 |
年 | 39.0 | 21.5 | 15.3 | 10.4 | -8.5 | 1,791.8 | 109.2 |
経済
豊後大野市は、農業、林業、観光業が主要産業です。近年では、農業においては、都市部への販売や直売所による販売など、新たな取り組みが進められています。観光業では、自然を生かした体験型観光や、歴史文化に触れる観光などが人気です。
製造業
- 中央化学株式会社 九州工場(千歳町)
- SBカワスミ株式会社 三重工場(三重町)
- 日本調理機株式会社 大分工場(三重町)
小売業
- 三重町駅前通り商店街
- トキハ通り商店街
- 三重市場商店街・中央通り商店街
- 赤嶺商店街
- 上赤商店街
- 緒方商店街
- 犬飼商店街
金融機関
- 大分銀行
- 豊和銀行
- 大分県信用組合
- ゆうちょ銀行
- 農業協同組合
- 九州労働金庫
- 西日本シティ銀行
教育
豊後大野市には、小学校、中学校、高等学校、専修学校、各種学校など、教育機関が充実しています。
小学校
- 豊後大野市立菅尾小学校
- 豊後大野市立百枝小学校
- 豊後大野市立三重第一小学校
- 豊後大野市立三重東小学校
- 豊後大野市立新田小学校
- 豊後大野市立清川小学校
- 豊後大野市立緒方小学校
- 豊後大野市立朝地小学校
- 豊後大野市立大野小学校
- 豊後大野市立千歳小学校
- 豊後大野市立犬飼小学校
中学校
- 豊後大野市立三重中学校
- 豊後大野市立清川中学校
- 豊後大野市立緒方中学校
- 豊後大野市立朝地中学校
- 豊後大野市立大野中学校
- 豊後大野市立千歳中学校
- 豊後大野市立犬飼中学校
高等学校
- 大分県立三重総合高等学校
専修学校
- 大分県立農業大学校
- 藤華医療技術専門学校
各種学校
- 三重自動車学校
交通
豊後大野市は、鉄道、バス、道路が整備されており、アクセスしやすい環境です。
空港
- 大分県央飛行場(定期航空路は開設されていない)
- 最寄りの空港:大分空港、熊本空港
鉄道
- 九州旅客鉄道(JR九州)豊肥本線
- 犬飼駅
- 菅尾駅
- 三重町駅
- 豊後清川駅
- 緒方駅
- 朝地駅
バス
- 大分バスグループ(大分バス、臼津交通、大野竹田バス)
- やまびこ号
- 急行
- 臼杵市 – 豊後大野市
- 竹田市 – 豊後大野市
- 豊後大野市内
- 豊後大野市コミュニティバス
道路
- 地域高規格道路
- 中九州横断道路
- 犬飼千歳道路
- 千歳大野道路
- 大野竹田道路
- 中九州横断道路
- 国道
- 国道10号
- 国道57号
- 国道326号
- 国道442号
- 国道502号
- 主要地方道
- 大分県道・宮崎県道7号緒方高千穂線
- 大分県道26号三重野津原線
- 大分県道35号三重弥生線
- 大分県道41号大分大野線
- 大分県道45号宇目清川線
- 大分県道46号緒方朝地線
- 一般県道
- 大分県道209号朝地直入線
- 大分県道210号緒方大野線
- 大分県道410号牧口徳田竹田線
- 大分県道412号久住高原野津原線
- 大分県道517号三重停車場線
- 大分県道518号朝地停車場線
- 大分県道519号朝地新殿線
- 大分県道631号中判田犬飼線
- 大分県道632号中土師犬飼線
- 大分県道634号六種緒方線
- 大分県道636号百枝浅瀬野津線
- 大分県道657号池田大原線
- 大分県道668号山内新殿線
- 大分県道688号中津留轟牧口停車場線
- 大分県道693号百枝大野線
- 大分県道706号伏野宇目線
- 大分県道718号伏野三重線
道の駅
- 道の駅 原尻の滝(大分県道7号緒方高千穂線)
- 道の駅 あさじ(国道57号)
- 道の駅 きよかわ(国道502号)
- 道の駅 みえ(国道326号)
- 道の駅 おおの(大分県道26号三重野津原線)
名所・旧跡・観光地
豊後大野市には、雄大な自然と歴史を感じることができる名所や観光スポットが数多く存在します。
百選
- 原尻の滝(日本の滝百選)
- 祖母山(日本百名山)
- 尾平自然散策路(日本の遊歩道百選)
- 三国峠(日本の峠百選)
- 川上渓谷・祖母山麓(森林浴の森百選)
- 奥嶽川川上本谷(日本の谷百選)
- 軸丸北棚田(日本棚田百選)
- 白山川(日本
の名水百選)
国定公園
- 祖母傾国定公園
文化財
- 重要文化財
- 菅尾磨崖仏
- 神角寺本堂
- 神角寺木造金剛力士立像
- 虹澗橋
- 史跡
- 緒方宮迫東石仏
- 緒方宮迫西石仏
- 犬飼石仏
- 岩戸遺跡
- 岡藩中川家墓所
- 特別天然記念物
- ニホンカモシカ
- ヤマネ
- 重要無形民俗文化財
- 御嶽神楽
その他の見どころ
- 稲積水中鍾乳洞
- 御嶽山
- 朝倉文夫記念公園・朝倉文夫記念館
- 沈堕の滝(沈堕ダム跡地)
- 大分県民の森
- リバーパーク犬飼
主な祭事・催事
- 1月 – 内山観音千日参り
- 2月 – 大野町どんど焼き
- 3月 – 三重町真名野長者祭り
- 4月 – 傾山山開き、緒方チューリップフェスタ、御嶽流神楽大会、えぼし岳ぼたん桜まつり、神角寺しゃくなげ、神角寺柴燈護摩、豊の国杯カヌー大会
- 5月 – 祖母山山開き、犬飼どんこ釣り大会、大野川子供ふれあいどんこ釣り大会、常忠寺花ショウブ祭り
- 6月 – 名水白山川ホタル祭り、大辻公園あじさい鑑賞祭
- 8月 – おがた井路まつり、しだはら湖面ひまつり、らいでん祭り、小松明火祭り、名水しぶきあげ大会、三重町納涼花火大会、菅尾石仏火まつり、豊後犬飼大野川フェスティバル
- 9月 – 緒方五千石祭
- 10月 – 御嶽流夜神楽、雪舟まつり、佩楯山山頂祭
- 11月 – 緒方三社川越し祭り、用作観光もみじ祭り、宝生寺の秋、尾平もみじ祭
- 12月 – ひょうたん祭り
主な出身者・ゆかりの人物
- 重光葵(外務大臣)
- 古庄幸一(海上幕僚長)
- 朝倉文夫(彫刻家)
- 渡辺長男(彫刻家)
- 徳田白楊(歌人)
- 乙野四方字(作家)
- 古庄淳(脚本家・演出家)
- 若杉公徳(漫画家)
- 柳亭市馬(落語家)
- 春風亭三朝(落語家)
- 八雲美佳(元宝塚歌劇団)
- 後藤佳代(舞台俳優、声優)
- 大塚純子(シンガーソングライター)
- 姫乃樹リカ(歌謡歌手)
- 伊東真理(キャスター)
- 阿南徹(読売ジャイアンツ元投手)
キャラクター
- ヘプタゴン(豊後大野市イベントキャラクター)
- サニーちゃん(緒方チューリップフェスタのキャラクター)
豊後大野市の魅力
豊後大野市は、豊かな自然、歴史、文化が調和した魅力的なまちです。雄大な山々、清流、そして歴史的な建造物など、見どころが満載です。近年では、自然を生かした観光や農業が盛んになり、新たな魅力を発信しています。
豊後大野市を訪れて、自然と歴史に触れ、心に残る旅を体験してみてはいかがでしょうか。
豊後大野市についてのクイズ
豊後大野市はどの県に位置していますか?
豊後大野市は大分県の南部に位置しています。この地域は自然が豊かであり、雄大な祖母山や傾山がそびえ立っています。また、大分市と宮崎県に隣接しており、アクセスも良好です。市域の大半は丘陵と山林で占められており、穏やかな気候と清流が流れる美しい風景が広がっています。自然を生かした観光や農業が盛んに行われており、訪れる人々には多くの魅力を提供しています。
豊後大野市の主要な山は何ですか?
豊後大野市には祖母山と傾山という2つの主要な山があります。祖母山はその標高が1,756メートルと高く、九州の山々の中でも特に美しい景観を持つことで知られています。一方、傾山は1,605メートルであり、こちらも登山やハイキングに人気の場所です。これらの山々は四季折々の自然景観を楽しむことができ、多くの観光客が訪れます。特に祖母山は「日本百名山」にも選ばれており、山岳信仰の対象でもあります。
豊後大野市での人口はどのような傾向にありますか?
豊後大野市の人口は近年減少傾向にあります。2020年の国勢調査によると、人口は33,695人となっており、1970年の58,312人と比較すると大幅な減少が見られます。この減少は地方都市全般に見られる傾向であり、都市部への移住や少子高齢化が原因として挙げられます。地域の活性化や移住促進の取り組みが必要とされる状況です。これに伴い、地域経済や各種サービスへの影響も懸念されています。
豊後大野市にある重要文化財に含まれないものはどれですか?
項目の中で「祖母山」は重要文化財には含まれません。祖母山は豊後大野市にある自然の名山であり、観光名所の一つですが、文化財としての指定はされていません。一方、菅尾磨崖仏や虹澗橋はどちらも重要文化財に指定されており、地域の歴史的・文化的な価値が評価されています。これらは多くの訪問者に親しまれ、地域の文化遺産を学ぶ上で重要なポイントとなっています。