長崎県東彼杵郡東彼杵町:歴史と自然が織りなす、魅力あふれる町

長崎県のほぼ中央部、大村湾の東側に位置する東彼杵町は、豊かな自然と歴史、そして活気あふれる産業が調和する魅力的な町です。

東彼杵町の概要

東彼杵町は、長崎県の東彼杵郡に属し、面積は74.29平方キロメートル、人口は約7,307人(2024年8月1日現在)です。
町のシンボルは、町の名前「東彼杵」の「ヒ」と「ソ」を組み合わせ、飛翔する鳥を形どった町章です。
東彼杵町は、かつて長崎街道の宿場町として栄え、九州における鯨肉の集積・流通の中心地として重要な役割を果たしていました。
現在では、豊かな自然を生かした農業や観光、そして活発な企業誘致が進む町として発展を続けています。

東彼杵町の地理

東彼杵町は、火山性丘陵地帯に位置し、大村湾に面した西側には海岸線が続きます。町内には彼杵川、千綿川、串川、江の串川などの河川が流れ、それぞれの川に沿って渓谷、扇状地、沖積平野が広がっています。
また、町内には出口山や釜の内などの湧水地があり、「ながさき水源の森」として長崎県によって整備されています。
東彼杵町は、丘陵地特有の地形を生かして、斜面には棚田や段々畑が広がり、茶、ミカン、ビワ、イチゴなどの農作物が栽培されています。

隣接自治体

  • 南:大村市
  • 北:東彼杵郡川棚町
  • 東:佐賀県嬉野市
  • 西:大村湾

東彼杵町の歴史

東彼杵町は、古くから人々が暮らしていた地域で、県内最大級のひさご塚古墳など、歴史的な遺跡が多く存在します。
江戸時代には、長崎街道の宿場町として彼杵宿と千綿宿が栄え、九州における鯨肉の集積・流通の中心地として発展しました。
明治時代以降は、農業を中心とした地域として発展を続け、近年では、工業団地の誘致や観光資源の活用など、新たな発展を目指しています。

近現代の歴史

  • 1959年(昭和34年):彼杵町と千綿村が合併し、東彼杵町が誕生。
  • 1968年(昭和43年):町章を制定。
  • 1989年(平成元年):町木(クスノキ)と町花(コスモス)を制定。
  • 2002年(平成14年):東彼杵郡3町(東彼杵町、川棚町、波佐見町)での合併が決定。
  • 2005年(平成17年):3町での合併を断念。
  • 2019年(平成31年・令和元年):西九州させぼ広域都市圏に参加。

東彼杵町の産業

東彼杵町は、農業、漁業、工業など、様々な産業が活発な町です。

漁業

かつては捕鯨業が盛んで、鯨肉が重要な交易品でした。現在はワシントン条約により捕鯨量は減少していますが、彼杵鯨肉株式会社が月に1回、県内で唯一の鯨肉の入札会を開催しています。
その他、ナマコなどの水産物が大村湾で獲られています。

農業

東彼杵町は、温暖な気候と豊かな水資源に恵まれ、茶、ミカン、ビワ、イチゴなどの農作物が栽培されています。
特に茶は「そのぎ茶」として知られており、その品質の高さから、全国茶品評会で数々の賞を受賞しています。

工業

東彼杵町は、交通アクセスが良好なことから、近年では工業団地の誘致が進められています。
東そのぎグリーンテクノパークや赤木工業団地には、液晶関連、自動車関連、宇宙航空機器関連など、様々な分野の企業が進出しています。

東彼杵町の観光

東彼杵町には、自然豊かな景観や歴史を感じられる観光スポットが数多く存在します。

自然

  • 千綿渓谷・龍頭泉: 雄大な渓谷美と美しい龍頭泉の滝は、多くの観光客を魅了する名所です。
  • 玉簾の滝: 龍頭泉から流れ落ちる、大小様々な滝の集まり。
  • 河川公園やすらぎの里: 水生植物園や桜広場、梅園など、四季折々の自然を楽しめる公園です。
  • 多良岳県立自然公園: キャンプ場やハイキングコースがあり、アウトドアレジャーを楽しめます。

歴史

  • 千綿駅: 大村湾に面したレトロな駅舎は、長崎県景観資産に指定されています。
  • ひさご塚古墳: 県内最大級の前方後円墳で、古代の歴史を感じることができます。
  • 日本二十六聖人乗船場跡: 2017年には420周年記念式典が開催されました。
  • キリシタン墓地: 歴史深い信仰の跡を感じることができます。

文化

  • 千綿人形浄瑠璃: 200年の歴史を持つ伝統芸能で、人形は東彼杵町歴史民俗資料館で見ることができます。
  • 滝の上美術館: 自然豊かな環境の中に佇む美術館です。

イベント

  • そのぎ茶市: 新茶の即売や露店商が立ち並ぶ、賑やかなイベントです。
  • 祇園祭: 龍踊りや坂本浮立、蔵本浮立などが奉納され、町をあげてのお祭りです。
  • 納涼花火大会: 夏の夜空を彩る花火大会です。
  • うまかもんフェスタ: 地元の農産物や特産品が販売されるイベントです。

東彼杵町の魅力

東彼杵町は、豊かな自然、歴史、文化、そして活気あふれる産業が調和する魅力的な町です。
自然と触れ合い、歴史に触れ、美味しいものを味わうなど、様々な楽しみ方ができる場所です。
ぜひ一度、東彼杵町を訪れてみてください。

脚注

  1. 読みは「でぐちやま」。蕪郷にある。
  2. 読みは「かまんち」。坂本郷にある。
  3. 他に西彼町、西海町 (長崎県)、大島町 (長崎県)、崎戸町、吉井町 (長崎県)、世知原町、宇久町、小値賀町、佐々町、小佐々町、波佐見町、川棚町の12町に同様の合併協議が呼びかけられた。
  4. 原則、他の窓口では手続きができない。詳しくはパスポートの手続きについて(東彼杵町ウェブサイト)、長崎県パスポートインフォメーション(長崎県ウェブサイト)を参考にされたい。
  5. 佐世保市. “西九州させぼ広域都市圏(連携中枢都市圏)形成に係る連携協約締結について”. 佐世保市. 2020年3月19日閲覧。
  6. “議長あいさつ”. 2018年12月22日閲覧。
  7. 東彼杵町副町長の定数を定める条例 – 東彼杵町ウェブサイト
  8. 読みは「りゅうとうせん」。詳しくは驚愕するほどの景観龍頭泉・千綿四十八淵(東彼杵町ウェブサイト)を参考にされたい。
  9. ひがしかれ(東彼の訓読み)ネット(東彼商工会ウェブサイト)
  10. 2009年(平成21年)3月にそのぎ支店と千綿支店が統合され、東そのぎ支店となった。
  11. 他にもまどか幼稚園(彼杵宿郷589)があったが、2008年(平成20年)に閉園した。東彼杵町次世代育成支援後期行動計画(平成22年度~平成26年度)(PDF)
  12. “「サーモン」の陸上養殖始まる 長崎・東彼杵 休園した野外施設を活用 来年にも出荷「特産品に」”. 長崎新聞. 2023年6月23日閲覧。
  13. 読みは「ふりゅう」。佐賀県を中心に分布する風流(ふりゅう)系舞踊の民俗芸能。太鼓や鉦を打ち鳴らして、集団で踊るものが多い。

関連項目

  • 長崎県
  • 東彼杵郡
  • 大村湾
  • 長崎街道
  • 捕鯨
  • そのぎ茶
  • 千綿人形浄瑠璃

外部リンク

東彼杵町についてのクイズ

東彼杵町の面積はどのくらいですか?

東彼杵町の面積は74.29平方キロメートルです。この町は長崎県の東彼杵郡に属し、自然が豊かで、古くからの歴史を持っています。所在地は、大村湾の東側に位置しており、周囲の環境や自然条件が豊かです。そのため、農業が盛んであり、様々な作物が栽培されています。また、町の面積は、住民の生活や地域振興に密接に関連しており、広大な自然を生かした観光やイベントも盛んです。このように、自然環境と町の面積は密接な関係があり、地域の発展に寄与しています。

東彼杵町のシンボルである町章は何を形どっていますか?

東彼杵町の町章は、町の名前「東彼杵」の「ヒ」と「ソ」を組み合わせてデザインされており、飛翔する鳥を形どっています。この町章は、町の住民の結束と未来への希望を象徴しており、自然豊かな環境の中で生き生きとした町づくりを表現しています。鳥は、自由や高く飛び立つことを象徴しているため、町が持つ活発な産業や住民の元気を表すシンボルとも言えます。このように、町章は町の文化やアイデンティティと深く結びついており、訪れる人々にも町の魅力を伝える役割を果たしています。

彼杵町と千綿村が合併して誕生した年はいつですか?

東彼杵町は、1959年(昭和34年)に彼杵町と千綿村が合併して誕生しました。この合併は、地域の行政の効率化や住民サービスの向上を目的として行われました。合併後、町は新たな発展の道を歩み、経済活動や観光業、さらには地域文化の振興に努めています。また、この合併によって地域コミュニティが強化され、住民が協力して町づくりに努めることができる基盤が整いました。合併は地域の歴史において重要な出来事であり、今でも町の発展に寄与しています。

「そのぎ茶」として知られる特産物は何ですか?

東彼杵町で有名な特産物は「そのぎ茶」であり、主に日本茶の一種として知られています。この茶は、その品質の高さから全国茶品評会で数々の賞を受賞しており、町の重要な農産物の一つです。温暖な気候と良好な水資源に恵まれたこの地域では、茶の栽培が盛んであり、地元の栽培者たちが、高品質な茶葉を育てるための努力を惜しまない姿勢が評価されています。このように、そのぎ茶は地域の経済や文化に大きな影響を持つ重要な特産物であり、観光客や地域の人々に親しまれています。

東彼杵町内にある観光スポット「玉簾の滝」は何から流れ落ちていますか?

「玉簾の滝」は、龍頭泉から流れ落ちる滝の集まりです。この自然の美しい景観は、観光客を惹きつける名所の一つであり、透明な水が岩肌を滑り落ちる様子は、訪れる人々に癒しと感動を与えています。周囲には豊かな自然が広がっており、四季折々の風景を楽しむことができるため、ハイキングやピクニックなどのアクティビティにも適した場所です。また、滝周辺の環境保護についても地域が力を入れており、観光客とともに自然を大切にする意識を育むための取り組みが行われています。