長野県豊丘村:温暖な気候と豊かな自然に恵まれた、松茸の名産地

長野県最南部、下伊那郡北部に位置する豊丘村は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた、人口約6,000人の小さな村です。冬場の降雪も少なく、農業が盛んな地域として知られています。

概要

豊丘村は、標高426mの飯田盆地を南流する天竜川の東岸に位置しています。伊那山脈最高峰の鬼面山を頂点に、天竜川まで西向きに河岸段丘を形成しており、約75%が森林に覆われています。段丘の中・上段は主に果樹園と野菜畑、最下段には水田地帯が広がり、豊かな自然環境を誇ります。

歴史と文化

豊丘村は、1万年以前の旧石器時代から人が住みつき、独自の暮らしを拓いてきました。村内各地からは、縄文時代の土器や土偶、古墳時代の須恵器などが多数出土しており、歴史の深さを感じることができます。

沿革

  • 1875年(明治8年)1月23日:神稲村と生田村が誕生。
  • 1889年(明治22年)4月1日:町村制施行により、神稲村と河野村が単独で自治体を形成。
  • 1955年(昭和30年)4月1日:神稲村と河野村が合併し、豊丘村が誕生。

災害と復興

豊丘村は、歴史的に自然災害に見舞われてきました。

  • 1961年(昭和36年)6月27日には、大規模な水害「三六災害」が発生し、死者2名、家屋被害492戸という大きな被害が出ました。
  • 1984年(昭和59年)5月12日には、鬼面山で山火事が発生し、焼失面積40ha、被害総額3,000万余円という深刻な被害に見舞われました。

これらの災害を乗り越え、村は復興を遂げ、現在に至っています。

産業

豊丘村は、温暖な気候を生かした農業が盛んです。

農業

  • 果樹栽培: りんご、梨、桃、市田柿などの果樹栽培が盛んで、特に市田柿は全国的に有名です。
  • 野菜栽培: トマト、キュウリ、ナスなどの野菜も栽培されています。
  • 水稲: 豊かな水田地帯では、水稲も栽培されています。
  • 松茸: 豊丘村は全国有数の松茸の産地としても知られています。

その他産業

  • 林業: 広大な森林面積を生かした林業も重要な産業です。
  • 観光: 美しい自然や歴史的な建造物などを活かした観光業も発展しています。

自然と観光

豊丘村は、豊かな自然に恵まれた地域であり、多くの観光スポットがあります。

自然

  • 虻川渓谷: 渓谷美が楽しめる人気のスポットです。巨大なポットホールや新九郎の滝などの見所があります。
  • 鬼面山: 豊丘村のシンボル的な山です。登山やハイキングを楽しむことができます。
  • 笹見平のしだれ桜: 推定樹齢400年のしだれ桜は、村のシンボルとして親しまれています。
  • 野田平こぶしの群生林: 約3haに渡ってコブシの花が咲き乱れる風景は圧巻です。

観光スポット

  • 豊丘村歴史民俗博物館: 村の歴史や文化を学ぶことができる博物館です。
  • 福島てっぺん公園: 信州ふるさとの見える丘に認定された公園です。
  • 道の駅南信州とよおかマルシェ: 地域特産品や新鮮な農産物を販売しています。

イベント

  • とよおか祭り: 毎年11月下旬頃に行われる村内一大イベントです。
  • 市田灯篭流し大煙火大会: 毎年8月18日に開催される伝統的なイベントです。

教育

豊丘村には、充実した教育機関が整備されています。

保育園

  • 豊丘村立豊丘南保育園
  • 豊丘村立豊丘中央保育園
  • 豊丘村立豊丘北保育園

小学校

  • 豊丘村立豊丘南小学校
  • 豊丘村立豊丘北小学校

中学校

  • 豊丘村立豊丘中学校

アクセス

豊丘村には、鉄道は通っていません。

バス

  • 村営バス:堀越線、佐原線、福島線
  • 信南交通:市田線

  • 中央自動車道飯田インターチェンジから約20分

まとめ

豊丘村は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた、歴史と文化が息づく魅力的な村です。農業が盛んで、特産の松茸や市田柿は全国的に有名です。美しい自然や歴史的な建造物を満喫できる観光スポットも数多くあり、心身ともにリフレッシュできる場所です。ぜひ一度訪れてみてください。

豊丘村についてのクイズ

豊丘村の標高はどれくらいですか?

豊丘村は標高426mに位置しています。飯田盆地の南流する天竜川の東岸にあり、地形は西向きに河岸段丘を形成しており、約75%が森林に覆われています。このような高地にあるため、豊丘村は温暖な気候を享受でき、農業が盛んな地域となっています。特に果樹(りんご、梨、桃など)や野菜(トマト、キュウリ、ナスなど)の栽培が行われており、自然環境に恵まれた地域として知られています。さらに、冬場の降雪も少なく農業がしやすい条件が整っています。

豊丘村で特に有名な果物は何ですか?

豊丘村は市田柿の産地として特に有名です。市田柿は甘くて味が濃厚な干し柿で、全国的にも高い評価を受けています。村の温暖な気候や自然環境が、質の高い果物の生産に貢献しています。また、豊丘村ではりんごや梨、桃などの果樹栽培も盛んで、地域の農業の重要な一部となっています。これらの果物は、地域経済や観光業にも大きく寄与しています。

豊丘村を代表する観光スポットに含まれないのはどれ?

豊丘村を代表する観光スポットには虻川渓谷や福島てっぺん公園などがありますが、長野県庁は含まれません。虻川渓谷は自然の美しさが評価されている場所で、多くの観光客が訪れます。また、福島てっぺん公園は信州ふるさとの見える丘として認定され、村の自然を楽しむことができます。一方、長野県庁は長野市に位置しており、豊丘村とは異なる地域の施設です。

豊丘村の歴史で重要な1940年代に発生した山火事の年は?

1984年(昭和59年)5月12日、鬼面山で山火事が発生しました。この火災は、焼失面積が40haに及び、被害総額は3,000万円余という深刻な被害をもたらしました。豊丘村はこれまで多くの自然災害に見舞われながらも、その復興を遂げてきました。山火事の発生は村において大きな課題であり、地域の森や環境を守るため、今後も防災対策が求められています。