長野県小谷村:豪雪と絶景、そして歴史が織りなす魅力あふれる村

白馬連峰と妙高戸隠連山に囲まれた、雄大な自然と豊かな歴史が息づく長野県小谷村。豪雪地帯として知られ、冬にはスキー客でにぎわう一方、春から秋にかけては、緑豊かな山々や清流が織りなす美しい風景を楽しめる。温泉や歴史探訪など、魅力あふれる小谷村の魅力を、このページで詳しく紹介します。

小谷村の地理:雄大な自然と豊かな歴史

小谷村は、長野県の北西端、北安曇郡に位置する村です。村の中央部を姫川が流れ、東部は妙高戸隠連山国立公園を含む頸城山塊、西部は中部山岳国立公園を含む白馬連峰がそびえ立ちます。2つの国立公園に囲まれた小谷村は、雄大な自然に恵まれた場所と言えるでしょう。

地形と自然:山々、河川、そして湖沼

小谷村の地形は、峡谷型で、標高差が大きく、険しい山々が連なっています。

主な山:

  • 白馬乗鞍岳
  • 天狗原山
  • 雨飾山(日本百名山)
  • 東山
  • 小蓮華山(長野・新潟県境)
  • 稗田山(1911年の稗田山崩れで知られる)

主な河川:

  • 姫川
    • 松川
    • 中谷川
    • 楠川
    • 土谷川
    • 浦川(日本初のスーパー暗渠砂防ダムである浦川スーパー暗渠砂防堰堤がある)
    • 横川

主な湖沼:

  • 白馬大池
  • 風吹大池
  • 鎌池
  • 角間池

大字と隣接する自治体

小谷村は、以下の4つの大字に分かれています。

  • 北小谷
  • 中小谷
  • 中土
  • 千国

また、小谷村は、以下の自治体と隣接しています。

  • 長野県
    • 長野市
    • 白馬村
  • 新潟県
    • 糸魚川市
    • 妙高市

人口:歴史と自然の中で暮らす人々

小谷村の人口は、2024年8月1日現在、推計で2,507人です。人口密度は9.36人/km²と、非常に低いのが特徴です。

人口
1970年 5,893人
1975年 5,246人
1980年 5,165人
1985年 4,699人
1990年 4,474人
1995年 4,307人
2000年 4,276人
2005年 3,920人
2010年 3,221人
2015年 2,904人
2020年 2,647人

人口は、近年減少傾向にあります。これは、過疎化や高齢化などの社会問題が、小谷村でも深刻化していることを示しています。

小谷村の歴史:古くから交通の要衝として栄える

小谷村は、古くから信濃国と越後国を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。

中世:千国荘と千国街道

中世には、六条院領の荘園である千国荘が成立しました。千国街道は、信濃国と越後国を結ぶ重要な街道として、小谷村を通っていました。

近世:宿場町と境界紛争

江戸時代には、千国街道の宿場町である千国宿に松本藩の千国番所が置かれ、警備や取締りが行われました。 1702年には、越後国頸城郡との間で境界紛争が発生しましたが、信濃国側の言い分が通りました。

近代:町村制施行と稗田山崩れ

1889年には、町村制の施行により、北安曇郡南小谷村、中土村、北小谷村が発足しました。 1911年には、浦川上流の稗田山北側斜面が崩壊し、姫川流域全体に甚大な被害をもたらした稗田山崩れが発生しました。

現代:村の合併と発展

1958年に、北小谷村・中土村・南小谷村が合併し、現在の小谷村が誕生しました。1957年には、国鉄大糸線が全通し、交通の便が向上しました。

小谷村の行政:村の運営と発展を支える

小谷村は、地域住民の生活と発展のために、様々な行政サービスを提供しています。

歴代村長:村の発展をけん引してきた人々

小谷村の歴史には、村の発展に貢献した多くの村長がいます。

就任日 退任日 村長
2003年4月27日 2011年4月26日 小林三郎
2011年4月27日 2019年4月26日 松本久志
2019年4月27日 現職 中村義明

所轄機関:村の安全と安心を守る

小谷村は、以下の機関の所轄を受けています。

  • 北アルプス広域連合
  • 大町警察署
  • 北アルプス広域消防本部北部消防署

姉妹都市・提携都市:世界とつながる交流

小谷村は、国内外で友好関係を築いています。

  • 日本国内
    • 三鷹市(東京都) – 1989年8月27日友好市町村提携
    • 白子町(千葉県長生郡)
    • 菊川市(静岡県、旧小笠郡小笠町)
  • 日本国外
    • マールボロ市(ニュージーランド) – 1991年1月20日姉妹都市提携
    • オタリセントメリー町(イギリス) – 1992年5月4日友好都市提携

小谷村の議会:住民の声を反映する

小谷村の議会は、村政の重要な意思決定機関です。

長野県議会:県政への参加

小谷村は、長野県議会議員1名を選出します。

  • 選挙区:北安曇郡選挙区
  • 定数:1人
  • 任期:2019年4月30日 – 2023年4月29日
  • 現職:宮沢敏文(無所属)

衆議院:国政への参加

小谷村は、長野2区に属し、衆議院議員1名を選出します。

  • 選挙区:長野2区(長野市の一部、松本市、大町市、安曇野市、東筑摩郡、北安曇郡、上水内郡)
  • 任期:2021年10月31日 – 2025年10月30日
  • 投票日:2021年10月31日
  • 当日有権者数:382,082人
  • 投票率:57.04%

| 当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 重複 |
|—|—|—|—|—|—|
| 当 | 下条みつ | 65 | 立憲民主党 | 前 | 101,391票 | ○ |
| 比当 | 務台俊介 | 65 | 自由民主党 | 前 | 68,958票 | ○ |
| | 手塚大輔 | 38 | 日本維新の会 | 新 | 43,026票 | ○ |

小谷村の経済:観光業と農業

小谷村の経済は、観光業と農業が中心です。

観光業:スキー場と温泉

小谷村は、豪雪地帯として知られており、冬には多くのスキー客が訪れます。村内には、栂池高原スキー場、白馬乗鞍温泉スキー場、白馬コルチナ国際スキー場の3つのスキー場があり、スキーやスノーボードを楽しむことができます。

農業:厳しい自然の中で育む作物

小谷村の農業は、厳しい自然条件の中で行われています。主な農産物として、米、そば、野菜などが挙げられます。特に、小谷村産のそばは、その風味の良さで知られています。

小谷村の教育:未来を担う子供たちの育成

小谷村は、子供たちの教育に力を入れています。

学校:学びと成長の場

小谷村には、以下の学校があります。

  • 小学校
    • 小谷村立小谷小学校
  • 中学校
    • 小谷村立小谷中学校(1979年に南小谷中学校、北小谷中学校、中土中学校を統合して開校)

社会教育:地域住民の学びを支援

小谷村は、地域住民の学習意欲を支援するために、小谷村図書館などの社会教育施設を提供しています。

小谷村の交通:アクセスと移動

小谷村へのアクセスは、鉄道、バス、道路など、様々な方法があります。

鉄道:JR大糸線

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)・西日本旅客鉄道(JR西日本)
    • 大糸線:白馬大池駅 – 千国駅 – 南小谷駅 – 中土駅 – 北小谷駅

小谷村の中心駅は南小谷駅です。南小谷駅より千国方面はJR東日本、中土方面はJR西日本の管轄となっています。長野県で唯一JR西日本の路線が通る市町村です。1982年には、特急あずさが南小谷駅への乗り入れを開始しました。

バス:小谷村営バス

小谷村内を走るバスとして、小谷村営バスがあります。

道路:国道と県道

小谷村には、高速道路は通っていません。関東方面からは、上信越自動車道長野IC、中京方面からは、長野自動車道安曇野IC、北陸・関西方面からは北陸自動車道糸魚川ICからのアクセスが便利です。村内には、道の駅小谷があります。また、村内に県内の松本地域と新潟県の糸魚川地域を結ぶ地域高規格道路の松本糸魚川連絡道路(小谷道路)が開通予定となっています。

  • 国道
    • 国道148号
  • 県道
    • 長野県道114号川尻小谷糸魚川線
    • 長野県道330号奉納中土停車場線
    • 長野県道433号千国北城線

小谷村の名所・旧跡・観光スポット:自然と歴史を楽しむ

小谷村には、雄大な自然と歴史を感じられる魅力的な観光スポットがたくさんあります。

名所・旧跡:歴史と文化に触れる

  • 千国街道(塩の道)
    • 千国の庄史料館(千国街道の千国宿にあった番所を復元した史料館)
    • 牛方宿(江戸時代に建てられた民家を用いた史料館。長野県指定文化財)
  • 平倉城
  • 小谷村郷土館(1971年まで小谷村役場として使用された建物を用いた史料館)
  • 小谷村複合拠点施設 おたりつぐら(宿泊施設を備えたコミュニティ施設)

観光スポット:自然と触れ合い、心身をリフレッシュ

  • 栂池高原
    • 栂池高原スキー場
    • 栂池自然園
  • 白馬乗鞍温泉スキー場
  • 白馬コルチナ国際スキー場
  • 雨飾高原キャンプ場
  • 石坂森林探検村
  • 小谷温泉
  • 姫川温泉
  • 小谷温泉
  • 下里瀬温泉
  • 来馬温泉
  • 奉納温泉
  • 若栗温泉
  • 島温泉(閉館)
  • 真木集落

小谷村の祭事・催事:地域と一体になるイベント

小谷村では、一年を通して様々な祭事や催事が開催されます。

  • 中谷大宮諏訪神社例祭
  • 千国諏訪神社例祭
  • 深原 花とうろう祭り
  • 大網 雪と火の祭り
  • 塩の道祭り
  • 小谷新そば祭り

小谷村を舞台とした作品:映画の舞台

小谷村は、映画の舞台としても登場しています。

  • 『楢山節考』(1983年公開、今村昌平監督)
  • 『アラヤシキの住人たち』(2015年公開、本橋成一監督) – 真木集落が舞台となっている。

小谷村の魅力:自然、歴史、文化が融合する

小谷村は、雄大な自然、豊かな歴史、そして温かい人情が調和した魅力的な村です。スキーや温泉、歴史探訪など、様々な楽しみ方ができます。小谷村を訪れて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

脚注

  1. 小谷村誌刊行委員会『小谷村誌 社会編』小谷村、1993年、894ページ。
  2. 小谷村誌刊行委員会『小谷村誌 社会編』小谷村、1993年、893頁。
  3. 『小谷村誌 社会編』(1993年9月30日、小谷村誌刊行委員会発行)894頁。
  4. 「信越ではドカ雪 長野県北 百四十世帯が孤立」『朝日新聞』1978年2月3日夕刊、3版、9面
  5. “災害救助法の適用p11 災害救助法の適用に当たって ③法適用の状況(平成26~令和元年度)”. 内閣府政策統括官 (2020年). 2023年6月3日閲覧。
  6. 小谷村誌刊行委員会『小谷村誌 社会編』小谷村、1993年、897頁。
  7. 小谷村誌刊行委員会『小谷村誌 社会編』小谷村、1993年、896頁。
  8. 『全国温泉大事典』旅行読売出版社、1997年、pp. 380-381。
  9. 『全国温泉大事典』旅行読売出版社、1997年、p. 380。
  10. 島の湯旅館(閉館しました)(ニフティ温泉、2023年9月17日閲覧)
  11. 「真木集落」長野県小谷村観光公式サイト

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 小谷村公式観光アカウント (@otari_nagano_japan) – Instagram

小谷村についてのクイズ

小谷村はどのような自然環境に囲まれていますか?

小谷村は、白馬連峰と妙高戸隠連山に囲まれた地域で、その雄大な自然環境は村の魅力の一つです。この山々は、スキーやハイキングなど多様なアウトドアアクティビティを楽しむことができるスポットでもあります。夏には緑豊かな風景が広がり、秋には紅葉が美しく、四季折々で異なる顔を見せるのが特徴です。小谷村の住民たちは、この美しい自然環境の中で暮らしており、地域の文化や歴史とも深く結びついています。

小谷村には幾つの大字が存在しますか?

小谷村は、北小谷、中小谷、中土、千国の4つの大字に分かれています。それぞれの大字には独自の特徴と住人たちの文化が息づいており、村の伝統や行事はこの4つの大字が共同で作り上げています。また、小谷村は様々な自然環境に恵まれた場所であり、人口は少ないものの、地域のつながりを重視した暮らしが営まれています。

小谷村の人口は2024年の推計でどれくらいですか?

小谷村の2024年の推計人口は2,507人です。この人口は近年減少傾向にあって、過疎化や高齢化といった社会問題が地域にも影響を及ぼしています。特に人口密度は9.36人/km²と非常に低く、広大な自然環境の中に少人数が住んでいる状況が広がっています。地域住民の間では、過疎対策や子どもたちの教育支援などの取り組みが行われており、村の持続可能な発展が求められています。

江戸時代、小谷村はどの街道の宿場町として栄えましたか?

江戸時代、小谷村は千国街道の宿場町として栄えていました。この街道は信濃国と越後国を結ぶ重要な通路であり、村を経由することで、人や物資が行き交う主要なラインとして機能していました。千国宿には松本藩の番所も設置され、行き交う旅行者の警備が行われていました。この歴史的背景は現代の小谷村においても村の文化や行事に影響を与えています。

小谷村の中心駅はどこですか?

小谷村の中心駅は南小谷駅です。この駅はJR大糸線に位置し、村の主要な交通拠点として重要な役割を果たしています。南小谷駅からは、千国方面や中土方面へ向かう列車が発着し、乗り換えを通じて長野市や松本市へのアクセスが可能です。このように、南小谷駅は村の発展とも密接に関連し、観光客や地域住民にとって重要な移動手段となっています。