宮崎県児湯郡高鍋町:教育と産業が栄える歴史と文化の町

リード文

宮崎県児湯郡に位置する高鍋町は、江戸時代に秋月氏の治める高鍋藩の城下町として栄え、全寮制の藩校・明倫堂で人材育成に力を注いだ教育の藩でした。現在も児湯地方の中心として発展を続け、県内でも面積の小さい自治体ながら、県や国の出先機関、高校、大学などさまざまな施設が集中しています。豊かな自然と歴史、そして活気あふれる街並みが魅力の高鍋町をご紹介します。

地理

高鍋町は宮崎平野の北部に位置し、中央を小丸川が流れ、日向灘に注ぎます。沖積平野と洪積台地のみであり、全体的に平坦な地形をしています。

河川・湖沼・海域

  • 河川: 小丸川
  • 湖沼: 高鍋湿原
  • 海域: 日向灘
    • 南海トラフ巨大地震発生時には、町内の海岸に最大10mの津波が到達すると予想されています。

隣接する自治体

  • 西都市
  • 児湯郡: 木城町、川南町、新富町

地名

  • 蚊口浦
  • 北高鍋
  • 南高鍋
  • 高鍋町
  • 上江
  • 持田

歴史

高鍋町は古くは「財部」と呼ばれていましたが、江戸時代に「高鍋」と改称されました。

  • 1889年(明治22年)5月1日: 高鍋村制施行
  • 1901年(明治34年)2月7日: 高鍋町制施行
  • 1938年(昭和13年)10月1日: 児湯郡上江村と対等合併し、新町制の高鍋町となる
  • 1949年(昭和24年)6月6日: 昭和天皇が東小学校などに行幸

町政

  • 町長: 黒木敏之(2017年2月27日 – 、現在2期目)
  • 町議会: 定数14人(現在の議員の任期は2026年12月1日まで)

国政・県政

国政

衆議院小選挙区選挙では宮崎2区に属します。

  • 2021年10月(第49回衆議院議員総選挙): 江藤拓(自民)

宮崎県議会

本町と都農町、川南町、新富町、木城町で選挙区をなします(西米良村を除く児湯郡)。定数は3人です。

  • 2023年4月:
    • 坂口博美(自民)
    • 図師博規(無所属)
    • 山下寿(自民)

公共機関

県の行政機関

  • 高鍋県税・総務事務所
  • 児湯福祉事務所
  • 高鍋保健所
  • 児湯農林振興局
  • 宮崎県高鍋総合庁舎
  • 高鍋土木事務所
  • 高鍋警察署

国の行政機関

  • 法務省福岡法務局宮崎地方法務局高鍋出張所
  • 国税庁熊本国税局高鍋税務署
  • 厚生労働省宮崎労働局高鍋公共職業安定所
  • 農林水産省九州農政局宮崎農政事務所高鍋統計・情報センター
  • 国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所高鍋出張所(河川)
  • 高鍋パスポートセンター

経済

産業

  • 主な産業: 野菜の促成栽培、ブロイラー・豚などの畜産業、茶の栽培が盛ん。その他、焼酎、天然の牡蠣など。

主な企業

  • 南九州化学工業株式会社
  • 高鍋信用金庫
  • 黒木本店
  • 宝酒造 高鍋工場(黒壁蔵)
  • 増田工務店
  • 勝田被服株式会社
  • 宮崎キヤノン株式会社

姉妹都市・提携都市

  • 米沢市(山形県): 1981年4月27日姉妹都市提携
  • 甘木市(福岡県)※現・朝倉市: 1967年10月1日姉妹都市提携
  • 串間市(宮崎県): 1968年11月21日姉妹都市提携

地域

健康

  • 平均年齢:

人口

人口
1970年 19,777人
1975年 21,494人
1980年 22,950人
1985年 23,239人
1990年 22,970人
1995年 22,886人
2000年 22,748人
2005年 22,522人
2010年 21,733人
2015年 21,025人
2020年 19,922人

教育

小学校

  • 高鍋町立高鍋東小学校
  • 高鍋町立高鍋西小学校

中学校

  • 高鍋町立高鍋東中学校
  • 高鍋町立高鍋西中学校

高等学校

  • 宮崎県立高鍋高等学校
  • 宮崎県立高鍋農業高等学校

学校教育以外の施設

  • 宮崎県立農業大学校(農業者研修教育施設)

交通

鉄道

  • 九州旅客鉄道(JR九州)
    • 日豊本線: 高鍋駅

高鍋駅には普通列車・特急列車ともに停車します。宮崎市の中心駅である宮崎駅へは特急で約20分、普通で約30分です。

バス

  • 宮崎交通: 高鍋町と周辺の宮崎市・新富町・木城町・西都市を結ぶ一般路線を運行
  • 三和交通: 高鍋町・川南町・都農町を結ぶ路線を運行
  • 高鍋町内巡回バス: 町内各地を運行
  • 美登観光バス: 福岡市・八代市への高速バス「みとシティライナー」を運行

道路

  • 高速道路
    • E10 東九州自動車道: (27) 高鍋インターチェンジ
  • 一般国道
    • 国道10号
  • 都道府県道
    • 宮崎県道19号石河内高城高鍋線
    • 宮崎県道24号高鍋高岡線
    • 宮崎県道44号宮崎高鍋線
    • 宮崎県道302号高鍋美々津線
    • 宮崎県道308号高鍋インター線

遠隔地との連絡

  • 最寄りの空港は宮崎空港。高鍋駅より列車で直行可能。
  • 高鍋駅には特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」が発着し、宮崎県内のほか大分市・別府市・北九州市・福岡市などへの移動も可能。
  • 東九州道高鍋ICは全国的な高速道路網と接続している。

観光

名所

  • 高鍋湿原
  • 蚊口浜(サーフィン)
  • 染ヶ丘ひまわり畑

旧跡

  • 舞鶴公園(高鍋城址)
  • 持田古墳群
  • 高鍋大師(宮崎観光遺産登録)
  • 高鍋藩家老屋敷
  • 石井十次生家
  • 琴弾の松碑
  • 高鍋古墳(鵜戸神社そば)

文化施設

  • 高鍋町歴史総合資料館
  • 高鍋町美術館
  • 高鍋町立高鍋図書館
  • 高鍋町中央公民館ホール

スポーツ・レジャー施設

  • 高鍋町営野球場
  • 高鍋町総合体育館
  • 高鍋町テニス場
  • 高鍋町弓道場
  • 高鍋町健康づくりセンター
  • 高鍋町勤労者体育センター
  • 高鍋町スポーツセンター
  • 高鍋温泉 めいりんの湯
  • 小丸河畔運動公園

祭事・催事

  • 神社夏祭礼(7月)(各神社で毎週末に実施)
  • 荒神さん夏祭り
  • 高鍋城灯篭まつり
  • 高鍋まちなか元気市
  • 宮崎県内でも屈指の餃子の街

特産品

  • お茶
  • 高鍋天然牡蠣
  • キャベツ

高鍋町出身の有名人

  • 今井美樹(歌手)
  • 谷道夫(ボーカルグループ「デュークエイセス」リーダー)
  • 石井十次(日本最初の孤児院の創設者)
  • 小沢治三郎(太平洋戦争時の海軍軍人・最後の連合艦隊司令長官)
  • 安田尚義(歴史学者・歌人)
  • 鈴木馬左也(第3代住友総理事)
  • 三好退蔵(大審院長・初代検事総長・初代司法次官)
  • 秋月左都夫(外交官、読売新聞社社長)
  • 緑魔子(女優)
  • かみちぃ(お笑い芸人・ジェラードン)
  • 岩岡保宏(元プロ野球選手)
  • 金城興福(元関脇力士)
  • 萱嶋高(旧陸軍中将・宮崎市長)
  • 岩下克樹(テレビ宮崎アナウンサー)
  • 咲妃みゆ(元宝塚歌劇団雪組トップ娘役)
  • 上條勝久(元建設大学校長、元参議院議員)
  • 河野扶(洋画家)
  • やす(お笑い芸人・ずん)
  • 岩村兼善(海軍主計少将、貴族院勅選議員)
  • GADORO(ラッパー)
  • 黒岩司(俳優)

高鍋町にゆかりのある有名人

  • 上杉鷹山(日向高鍋藩主・秋月種美の次男で、第9代米沢藩主)
  • 源重之(平安時代の日向の国司)
  • 中山悟志(サッカー選手、高鍋東中学校出身)
  • 武藤重勝(詩人、図書館情報学者)
  • 平原美夫(高鍋高校野球部創設者、画家)
  • スカイ・ブラウン(スケートボード選手)

高鍋町が舞台またはロケ地となった作品

  • 映画「石井のお父さんありがとう」
  • テレビドラマ「君が海に帰る日」(1991年9月、フジテレビ系列)
  • 連続テレビ小説 わかば(2004年9月 – 2005年3月、NHK)

脚注

  1. “資料1-3 市町村別平均津波高一覧表<満潮位>”. 内閣府防災情報のページ (2012年8月29日). 2024年2月16日閲覧。
  2. 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、102頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
  3. 広報たかなべ(平成29年3月17日号). 高鍋町
  4. 町議会議員一覧(定数14名) – 高鍋町。2023年5月3日閲覧。
  5. 東京五輪スケートボード銅メダル スカイ・ブラウン(高鍋町出身)に宮崎県の「県民栄誉賞」と「高鍋町民栄誉賞」贈呈 2024年6月13日 宮崎放送閲覧。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 高鍋商工会議所
  • 高鍋町観光協会
  • 広報たかなべ
  • 高鍋町に関連する地理データ – オープンストリートマップ
  • ウィキトラベルには、高鍋町に関する旅行ガイドがあります。
  • 地図 – Google マップ

高鍋町についてのクイズ

高鍋町が江戸時代に栄えたのは何という藩の城下町であったからですか?

高鍋町は江戸時代に秋月氏が治める高鍋藩の城下町として栄えました。藩校である明倫堂を通じて人材育成に積極的に取り組み、教育を重視した藩であったことが評価されています。この歴史的な背景は町の教育制度や文化に深い影響を与えており、現在もその名残が見られます。高鍋町は、その豊かな歴史と文化を背負いながら、今日では児湯地方の中心として多様な施設が集まる自治体に成長しています。

高鍋町の中央を流れる川は何という名前ですか?

高鍋町には小丸川が中央を流れており、この川は日向灘に注ぐ重要な水系の一部です。小丸川は町の地理的特徴の一つであり、周囲の豊かな自然環境とのつながりを持っています。また、高鍋町は平坦な地形を形成しており、この地理的条件が農業やその他の産業の発展にも寄与しています。小丸川周辺は自然美にあふれ、地域の人々に親しまれているスポットでもあります。

高鍋町の町長は現在、誰ですか?

高鍋町の町長は黒木敏之氏で、2017年から町長を務めています。彼は地域の発展や住民の福祉向上に努めており、町政に対する信頼も厚いです。また、高鍋町の町議会は定数14人で構成されており、町の行政運営において重要な役割を果たしています。黒木町長は町民との対話を重視し、地域のニーズに応える政策を推進しています。

高鍋町が属する衆議院の選挙区はどこですか?

高鍋町は衆議院小選挙区選挙で宮崎2区に属しています。この選挙区には、高鍋町を含む周辺の自治体が含まれており、地域の議席を争うために候補者が競い合います。最近の2021年10月の選挙では、自民党の江藤拓氏が当選しました。高鍋町は、国政や県政においても自身の声を地域から届ける重要な役割を果たしています。

高鍋町の姉妹都市にはどの市がありますか?

高鍋町の姉妹都市には、山形県の米沢市があります。この姉妹都市提携は1981年4月27日に結ばれました。姉妹都市提携は、文化交流や経済交流など、多様な観点から両市の発展に寄与しています。また、甘木市(現在の朝倉市)や串間市とも提携を結んでおり、それぞれの地域の特性を生かした交流が行われています。このような取り組みは、高鍋町の地域活性化にも寄与しています。

高鍋町の主な産業は何ですか?

高鍋町の主な産業は、畜産業で特にブロイラー・豚などの生産が盛んです。また、野菜の促成栽培や茶の栽培も重要な産業として知られています。さらに、地域特産品として焼酎や天然の牡蠣も挙げられ、これらの産業は町の経済を支える基幹的な役割を果たしています。豊かな自然環境を生かした農業や畜産業が地域の発展に寄与している点が特徴です。

高鍋町の交通手段として利用できる鉄道は何ですか?

高鍋町の鉄道はJR九州の運行によるもので、日豊本線が通っています。この路線では高鍋駅が中心的な駅となっており、普通列車だけでなく特急列車も停車します。宮崎市の中心駅である宮崎駅までの所要時間は特急で約20分、普通列車で約30分です。JR九州の交通網は町の人々にとって重要な移動手段であり、観光客やビジネス客にとっても利便性が高い鉄道です。

高鍋町の主な観光名所に含まれないものはどれですか?

高鍋町の観光名所としては高鍋湿原や蚊口浜、染ヶ丘ひまわり畑などが挙げられますが、足立美術館は島根県に位置する美術館であり、高鍋町には含まれません。そのため、足立美術館は当町の観光名所にはなりません。高鍋町は自然の美しさや歴史的な文化財が豊富にあり、地域の魅力を発信するための観光資源が多く存在しています。