宮崎県東臼杵郡諸塚村:山深い自然と伝統文化が息づく、林業とシイタケの村

宮崎県北部、東臼杵郡に位置する諸塚村は、九州山地の豊かな自然に抱かれた、人口約1,300人の小さな村です。面積あたりの林道の密度が日本一という、まさに「森の村」といえるでしょう。

豊かな自然と伝統文化が息づく山深い村

諸塚村は、標高約500メートルから1,000メートルの山々に囲まれた、まさに山深い村です。村内には、諸塚山、黒岳、真弓岳など、雄大な山々がそびえ立ち、耳川、柳原川、七ツ山川などの清流が流れ、豊かな自然に恵まれています。

山深い自然の魅力

  • 黒岳: 標高1,095メートルの黒岳は、村のシンボル的な存在であり、登山やハイキングを楽しむことができます。山頂からは、雄大な九州山地の眺望を満喫できます。
  • 塚原ダム: 1938年に完成した塚原ダムは、村の重要な水源であり、ダム湖は美しい景観を誇ります。ダムは登録有形文化財にも指定され、近代化産業遺産としても注目されています。
  • 紋原のフクジュソウ自生地: 春には、可憐なフクジュソウが咲き乱れる紋原のフクジュソウ自生地は、県天然記念物に指定されています。

伝統文化が息づく

  • 諸塚神楽: 諸塚村には、古くから伝わる「諸塚神楽」という伝統芸能があります。戸下、南川、神楽の3つの地区に伝わる神楽は、国の選択無形民俗文化財に指定されています。神楽は、村の人々の信仰と生活を深く結びつけ、今も大切に受け継がれています。
  • 成人式発祥の地: 諸塚村は、日本で初めて成人式が行われた場所として知られています。1947年4月3日に、村で初めて成人式が開催され、全国に広がっていきました。
  • 百万円道路: 国道327号は、地元では「百万円道路」と呼ばれ、明治時代に建設された際には、現在の価値で約100万円の費用がかかったことから、そう呼ばれています。この道路は、村の歴史と文化を語る上で欠かせない存在です。

林業とシイタケ栽培が盛んな村

諸塚村は、古くから林業が盛んな村であり、木材の生産と販売が主要な産業です。また、シイタケの栽培も盛んで、村の特産品として知られています。

林業とシイタケ栽培の村

  • FSC森林認証: 諸塚村は、2004年に森林認証制度であるFSC(森林管理協議会)の認証を取得しました。持続可能な森林管理に取り組むことで、豊かな自然を守りながら、林業の振興を図っています。
  • シイタケの栽培: 諸塚村は、標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいことから、シイタケ栽培に適した環境です。近年では、高品質なシイタケの栽培に取り組む農家が増加しており、村の重要な産業となっています。
  • 牛の林間放牧: 諸塚村では、牛の林間放牧も行われています。牛は、森林の草を食べながら育ち、糞尿は肥料として森林に還元されます。林間放牧は、森林の保全と畜産業の両立を目指した取り組みです。

自然と文化に触れる観光スポット

諸塚村には、豊かな自然と伝統文化に触れることができる観光スポットが数多く存在します。

観光スポット

  • しいたけの館21: シイタケの栽培や加工について学ぶことができる施設です。
  • 池の窪グリーンパーク: 広大な敷地内に遊歩道や展望台があり、自然を満喫することができます。
  • ゴロウソウの滝: 轟轟と音を立てて流れ落ちる美しい滝は、自然の力強さを感じさせてくれます。

イベント

  • 諸塚山山開き: 毎年3月の第一日曜日に開催される山開きイベントです。登山やハイキングを楽しむことができます。

アクセス

  • 飛行機: 最寄りの空港は熊本空港または宮崎空港です。
  • 鉄道: 最寄りの駅はJR九州日豊本線日向市駅です。
  • バス: 宮崎交通が日向市中心部と諸塚村を結ぶバス路線を運行しています。

まとめ

諸塚村は、豊かな自然と伝統文化が息づく、魅力あふれる村です。山深い自然を満喫し、伝統芸能に触れ、地元の特産品を味わうなど、様々な楽しみ方ができます。

諸塚村を訪れて、豊かな自然と伝統文化に触れてみませんか?

諸塚村についてのクイズ

諸塚村の山深い自然にあるシンボル的な山はどれですか?

黒岳は諸塚村の象徴的な存在であり、標高1,095メートルの高さからは雄大な九州山地の景観を楽しむことができます。この山は登山やハイキングを楽しむスポットとしても広く知られており、村内の自然を象徴するものとなっています。多くの訪問者がこの山を目指し、四季折々の風景を体験しながら自然の美しさを堪能しています。黒岳の存在は、村の人々にとっても特別な意味を持ち、観光資源として賑わいを見せているのです。

諸塚村にはどのような古くからの伝統芸能があるでしょうか?

諸塚村で古くから伝わる伝統芸能は「諸塚神楽」です。この神楽は地域の信仰と生活に深く根ざしており、戸下、南川、神楽の3地区に受け継がれています。国の選択無形民俗文化財にも指定されており、神楽の演技は村人たちの信仰の表現として大切にされ、今もなお盛んに行われています。このような伝統芸能は、村の文化的アイデンティティを形成する重要な要素であり、多くの方が神楽に触れることでその魅力を感じています。

諸塚村の特産品として知られているのは何ですか?

諸塚村はシイタケの栽培が盛んな村で、特産品として広く知られています。標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいため、シイタケ栽培には理想的な条件が整っています。村の農家では高品質なシイタケの生産が盛んに行われており、地元の食材としてだけでなく、外部への販売も行っています。このおいしいシイタケは、村の産業を支える重要な要素となっており、観光客にとっても魅力的な特産品となっています。