小林市は、宮崎県の南西部に位置する、豊かな自然と歴史が息づく街です。霧島連山の北麓に広がる生駒高原は、春には一面に咲き乱れるコスモス畑が美しく、観光客を魅了します。また、小林市は西諸地域の中核都市として、産業・経済の中心的な役割を担っています。
地理と気候
小林市は、宮崎市の西北西約60kmに位置し、市域の北東部は熊本県、南西部は鹿児島県と接しています。市の南西部は霧島連山の北東部にあたり、韓国岳、新燃岳、夷守岳など、雄大な山々がそびえ立っています。霧島連山の北麓には、標高540mの生駒高原が広がり、四季折々の美しい景色を見せてくれます。
小林市は、霧島連山の山麓にあるため、温暖な気候に恵まれています。年間を通じて降水量が多く、夏は高温多湿、冬は比較的温暖です。
気候データ(小林市 2000年 – 2020年)
月 | 最高気温記録 (°C) | 平均最高気温 (°C) | 日平均気温 (°C) | 平均最低気温 (°C) | 最低気温記録 (°C) | 降水量 (mm) | 平均降水日数 (≥1.0 mm) | 平均月間日照時間 (時間) |
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1月 | 22.5 | 10.5 | 5.8 | 1.7 | -8.7 | 77.1 | 7.5 | 162.2 |
2月 | 23.0 | 12.7 | 7.4 | 2.8 | -6.9 | 132.7 | 9.7 | 156.1 |
3月 | 26.4 | 16.0 | 10.3 | 5.2 | -2.8 | 165.2 | 11.0 | 194.2 |
4月 | 30.0 | 20.9 | 15.0 | 9.8 | -0.8 | 182.3 | 10.4 | 187.9 |
5月 | 33.6 | 24.9 | 19.3 | 14.6 | 4.9 | 226.5 | 10.1 | 178.9 |
6月 | 34.8 | 26.5 | 22.1 | 18.6 | 11.4 | 606.7 | 16.9 | 110.0 |
7月 | 36.6 | 31.0 | 26.0 | 22.5 | 16.6 | 473.8 | 14.8 | 175.3 |
8月 | 38.3 | 31.7 | 26.4 | 22.9 | 17.3 | 256.6 | 12.6 | 186.5 |
9月 | 35.9 | 28.7 | 23.6 | 19.9 | 10.9 | 306.1 | 12.6 | 155.0 |
10月 | 33.2 | 24.0 | 18.8 | 14.4 | 4.2 | 136.9 | 8.1 | 175.7 |
11月 | 27.2 | 18.2 | 13.2 | 8.7 | -0.9 | 110.7 | 8.4 | 155.9 |
12月 | 22.6 | 12.5 | 7.7 | 3.5 | -4.2 | 99.8 | 7.3 | 157.7 |
年間 | 38.3 | 21.4 | 16.3 | 12.0 | -8.7 | 2,774.1 | 129.0 | 1,999.8 |
- 出典:Japan Meteorological Agency、気象庁
隣接自治体
- 宮崎県:宮崎市、都城市、えびの市、西諸県郡高原町、東諸県郡綾町、児湯郡西米良村
- 熊本県:球磨郡多良木町、あさぎり町
- 鹿児島県:霧島市
歴史
小林市は、古くから人々が暮らしてきた歴史を持つ街です。
- 当初は「夷守(ひなもり)」と呼ばれていました。
- 源平合戦の頃に三山城が完成し、地名も「三山」に変化しました。
- 永禄年間に伊東義祐により北原氏の領地が奪われた後、島津貴久・北郷時久の支援により北原氏が領地を奪還しました。
- 元亀3年(1572年)、島津氏が木崎原の戦いで伊東氏に勝利し、小林村の小林城が島津氏に帰属しました。
- 元和元年(1615年)、一国一城令により、小林は大・中・小の郷村の区分けの内の大郷となりました。
- 明治時代には、鹿児島県、都城県、宮崎県と何度も所属する県が変わり、1883年に再び宮崎県に編入されました。
- 1927年、大火が発生し、約500戸が全焼しました。
行政区域の変遷
- 1889年5月1日:小林村が発足。
- 1912年12月25日:小林町となる。
- 1950年4月1日:小林市となる。
- 2006年3月20日:西諸県郡須木村と合併し、改めて小林市となる。
- 2010年3月23日:西諸県郡野尻町を編入。
行政
小林市は、市長、議会、県・国の行政機関などから成り立っています。
市長
- 現市長:宮原義久(3代、2018年4月23日就任、1期目)
議会
定数:19
県の行政機関
- 小林県税・総務事務所
- 小林保健所
- 西諸県農林振興局
- 小林土木事務所
国の行政機関
- 宮崎地方法務局小林出張所
- 熊本国税局小林税務署
- 宮崎労働局小林公共職業安定所
- 小林簡易裁判所
警察・消防
警察
- 小林警察署
消防
- 西諸広域行政事務組合中央消防署
交通
小林市は、道路、鉄道、バスなど、様々な交通手段でアクセスできます。
空港
- 最寄り空港:鹿児島空港、宮崎空港
- 宮崎空港へは直通バスあり。
鉄道
- 九州旅客鉄道(JR九州)吉都線
- 小林駅
- 西小林駅
バス
- 宮崎交通
- 宮崎市、都城市、高原町、えびの市方面
- 小林市内
- 小林市コミュニティバス
- 高速バス
- 福岡市、八代市、熊本市、長崎市方面
道路
- 高速道路
- E10 宮崎自動車道
- 小林IC
- 霧島SA
- E10 宮崎自動車道
- 一般国道
- 国道221号
- 国道265号
- 国道268号
- 県道
- 主要地方道
- 一般県道
道の駅
- ゆ〜ぱるのじり
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
小林市には、自然、歴史、文化など、様々な魅力があります。
自然
- 生駒高原
- 出の山公園
- 出の山湧水(名水百選)
- 出の山淡水魚水族館
- 霧島山
- 三之宮峡(遊歩百選)
- 三之宮峡の櫓の轟(日本の音風景100選)
歴史
- 旧岩瀬橋(国の登録有形文化財)
- 霧島岑神社
- 小林城址
- 須木城址
- 野尻城址
- 粥餅田古戦場跡
- 紙屋関所跡
文化
- 陰陽石
- 東麓石窟仏
- 永久井野かくれ念仏洞
- 景行天皇御腰掛石
- 森永貞一郎記念館
その他
- すきむらんど
- ままこ滝
- 大つり橋
- のじりこぴあ
- 道の駅ゆ〜ぱるのじり
祭事・催事
- まきばの桜まつり(毎年桜の開花時期)
- こばやし名水まつり(毎年8月上旬)
- こばやし秋まつり(毎年11月23日)
著名な出身者
小林市には、政治、文化、芸能、音楽、スポーツなど、様々な分野で活躍する著名な出身者がいます。
政治
- 森永貞一郎(官僚、日本銀行総裁)
- 小斉平敏文(政治家、元参議院議員)
- 横山通英(小林村長、衆議院議員)
文化
- 牛島信(弁護士・小説家)
- 八反ふじを(作詞家)
- 藤野もやむ(漫画家)
- 鳥丸軍雪(ファッションデザイナー)
芸能・音楽
- 斉藤慶子(女優)
- 井料瑠美(女優)
- 石原有輝香(シンガーソングライター)
- NOBU(シンガーソングライター)
- 大萩康司(ギタリスト)
- 吉野北人(THE RAMPAGE from EXILE TRIBEボーカル)
- イワクラ(岩倉美里)(お笑い芸人・蛙亭)
- NARITO(all at onceボーカル)
- 宮里陽太(サックスプレイヤー)
スポーツ
- ハル薗田(プロレスラー、全日本プロレス)
- 井手正太郎(プロ野球選手、横浜DeNAベイスターズ外野手)
- 大迫明伸(柔道選手、競技男子86kg級銅メダリスト)
- 北郷謙二郎(バスケットボール選手、オーエスジーフェニックス東三河)
- 甲斐昭人(ハンドボール選手)
関連項目
- 全国市町村一覧
脚注
注釈
- 九州・沖縄地方では福岡県は春日市と大野城市が、鹿児島県は枕崎市と西之表市が、沖縄県は宜野湾市、浦添市、豊見城市がそれぞれ一度も合併を経験していない市である(ただし福岡県の2市と豊見城市は境界変更は経験している)。
出典
- 西諸地域の紹介 – 西諸広域行政事務組合
- “小林 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月25日閲覧。
- 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、28頁。ISBN 9784816922749。
- “小林市”. 宮崎日日新聞. 2019年5月13日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 小林市観光協会
- 小林市商工会議所
- ウィキトラベルには、小林市に関する旅行ガイドがあります。
- 小林市に関連する地理データ – オープンストリートマップ
- 地図 – Google マップ
小林市は、豊かな自然と歴史、そして温かい人情あふれる街です。ぜひ一度、小林市を訪れてみてください。
小林市についてのクイズ
小林市はどの地域の中核都市として位置付けられていますか?
小林市は宮崎県の西諸地域に位置し、この地域の中核都市として産業や経済の中心的な役割を担っています。宮崎県の南西部に位置し、周囲には美しい自然が広がっています。生駒高原などの観光名所や、歴史的な背景も持つ小林市は、地域が成長するための重要な拠点です。周辺には熊本県や鹿児島県とも接しており、様々な交通手段が整備されています。このため、観光客のみならず多くの人々にとってもアクセスが良好な地域となっています。
小林市には霧島連山の北麓に広がるが何と呼ばれる高原がありますか?
小林市には生駒高原が広がっており、この地域は霧島連山の北麓に位置しています。生駒高原は、美しいコスモス畑が春に見られる場所として知られており、多くの観光客を引き寄せます。四季折々の素晴らしい自然景観があり、観光やアウトドア活動を楽しむ場所としても人気があります。生駒高原は、周囲の大自然と調和した環境を構成し、小林市とその周辺の魅力を高めています。
小林市の気候はどのような特徴がありますか?
小林市の気候は高温多湿で降水量が多く、温暖な気候が特徴です。霧島連山の山麓に位置するため、夏の期間は特に高い気温が記録されており、湿気も多くなります。冬は比較的温暖ですが、年間を通じて降水量が豊富で、雨の日が多い傾向があります。このような気候条件は、小林市の自然環境や農業活動にも影響を与え、地域の特性を形成しています。
小林市の行政区域の変遷で、最初に村として発足したのはいつですか?
小林市は1889年に小林村として発足したのが始まりです。その後、1912年に小林町、1950年には小林市へと変化し、2006年には須木村と合併し、再び小林市として現在の形となりました。この行政の変遷を通じて、小林市は地域の発展を促進し、さまざまな行政サービスの提供を行っています。歴史的な背景を持つ小林市は、今なおその歴史を大切にしながら進化し続けています。