川南町:日本三大開拓地が育む、豊かな自然と活気あふれる町

宮崎県の中部、児湯郡に位置する川南町は、豊かな自然と活気あふれる産業で知られる町です。日本三大開拓地のひとつとして、戦後開拓の歴史を刻んできた川南町は、現在では畜産業の中心地として発展を遂げています。

自然と歴史が織りなす、魅力あふれる川南町

川南町の地理

川南町は宮崎平野の北部に位置し、西側には尾鈴山地、それ以外は河成段丘が広がっています。東側は日向灘に面しており、雄大な自然に囲まれた環境です。中心部を平田川が流れ、町の北端部を名貫川が流れており、町名は名貫川の南に位置することに由来しています。

開拓の歴史

川南原は、かつては水がなく耕作に適さない地域でしたが、江戸時代より周辺地域からの移住者を受け入れて小規模な新田開発が進められてきました。明治時代には高鍋藩の士族による用水路を築いての新田開発や、県内外からの農民を集めての大規模農場開発が行われましたが、丘陵地の大部分は未開発のままでした。

1911年には、第13代宮崎県知事有吉忠一により川南原の開発事業が計画され、1925年には国営大規模開墾事業を求める申請が出されました。1938年12月には「川南原国営開墾事業」の実施が閣議決定されましたが、太平洋戦争により中止となってしまいました。

戦後、食糧増産と復員軍人や海外引揚者の働き口を作るため、国営開拓事業が再開されました。全国各地から農民や満州開拓団の引揚者、落下傘部隊の兵隊が集まり、厳しい開拓に従事しました。1949年6月6日には、唐瀬原開拓地に昭和天皇の戦後巡幸もありました。

開拓者の出身地が全都道府県に及んだことから、川南町は「川南合衆国」と呼ばれるようになり、人口はほぼ倍増しました。しかし、水不足や火山灰性の土壌、過剰入植などの問題を抱え、離農者も少なくありませんでした。

現在では、川南町は宮崎県を代表する畜産の中心地として発展を遂げています。しかし、2010年に発生した口蹄疫の影響で畜産業は大きな打撃を受けました。現在では、茶や野菜などの畑作を振興して畜産とのバランスをとることも模索されています。

活気あふれる産業と地域活性化

畜産

川南町は、畜産が盛んであり、特に豚の生産額は全国第6位を誇ります。広大な台地を利用して、大規模な畜産が行われています。

2010年に発生した口蹄疫の影響で、町内の肉用牛・豚の8割が殺処分となる事態となりましたが、その後、政府の支援もあり、畜産業は徐々に復興しています。

工業

川南町北部には、県内最大の面積を誇る塩付工業団地があり、多くの企業が進出しています。宮崎県農協果汁(サンA)や、日本最大のブロイラーグループの児湯食鳥など、県内でもトップクラスの年商を誇る企業の本拠地となっています。

地域活性化

川南町は、地元学と称した地域研究により、地域興しが盛んです。近年では、川南PAに隣接する地域活性化施設「かわみなみPLATZ」がオープンし、観光客や地元住民の交流の場となっています。

自然と歴史、文化に触れる観光

川南町には、豊かな自然と歴史、文化に触れることができる観光スポットが数多く存在します。

自然を楽しむ

  • 青鹿キャンプ場:広大な敷地を持つキャンプ場で、自然に囲まれた環境でキャンプを楽しむことができます。
  • 伊倉浜自然公園:日向灘に面した美しい海岸で、海水浴や釣りを楽しむことができます。
  • 川南湿原:貴重な湿地帯で、多くの植物や鳥類が生息しています。

歴史を感じる

  • 宗麟原供養塔:戦国時代の武将、島津義弘の家臣である宗麟原が建立した供養塔です。
  • 川南古墳群:古墳時代から続く歴史を感じることができます。

イベントを楽しむ

  • 天竜梅まつり:2月に開催される梅まつりです。
  • ザ・フェスティバル・イン・トロントロン:8月に開催される夏祭りです。
  • 川南トロントロン軽トラ市:毎月第4日曜日に開催される軽トラ市です。岩手県雫石町、愛知県新城市とともに「日本3大軽トラ市」のひとつに数えられています。

川南町の未来

川南町は、豊かな自然と歴史、活気あふれる産業を活かし、さらなる発展を目指しています。畜産業の振興、観光客の誘致、地域活性化など、様々な取り組みを進めています。

川南町は、自然と歴史、文化が調和した、魅力あふれる町です。ぜひ、川南町を訪れて、その魅力を体感してください。

川南町についてのクイズ

川南町は日本三大開拓地の一つですが、戦後どのような目的で開発が再開されましたか?

川南町は戦後、食糧増産を目的として国営開拓事業が再開されました。日本では第二次世界大戦後、食糧不足が深刻な問題となっていたため、地方では農業の生産性を向上させる必要がありました。そこで、復員軍人や海外からの引揚者たちに新たな職を提供することで、地域振興を図ると同時に国全体の食料供給を安定させることが目指されたのです。川南町は、その独特の開発歴から全国から多くの開拓者を受け入れ、その多様性から「川南合衆国」とも称されました。このような経緯から、川南町は現在の畜産業の中心地として発展することとなりました。

川南町で特に盛んな産業は何ですか?

川南町は特に畜産業が盛んであり、豚の生産額は全国第6位を誇ります。この地域は広大な台地を活用して大規模な畜産が行われており、国や地方の支援を受けながら発展を続けています。しかし、2010年に発生した口蹄疫の影響で大打撃を受けたものの、町全体での復興への取り組みが進められています。また、畜産業の振興とともに農作物の栽培も進められ、地域経済を支える重要な産業となっています。

川南町の開拓者たちが全国から集まった結果、何と呼ばれるようになったか?

川南町で開拓が進む中、開拓者の出身地が全国各地に及んだことから、川南町は「川南合衆国」と呼ばれるようになりました。この呼称は、さまざまな地域からの人々が集まり一つのコミュニティを形成したことを反映しています。川南町は多様な文化や背景を持つ住民が共存する場所でもあり、その歴史的背景を知ることで今の川南町の魅力や個性を理解することができます。地域の独自性や連帯感を象徴する名前は、その後も多くの住民から親しまれています。

川南町の観光スポットで「青鹿キャンプ場」は何を楽しむことができる場ですか?

青鹿キャンプ場は、川南町の自然を満喫できる広大な敷地を持つキャンプ場です。周囲を豊かな自然に囲まれ、ここではキャンプを通じてアウトドア体験が楽しめます。また、川南町の自然は、四季折々の美しい景観を提供しており、家族連れや友人同士のグループに人気のスポットとなっています。キャンプだけでなく、自然観察やハイキングなども楽しめるため、訪れる人々にとってリフレッシュの機会を提供する場所ともなっています。