雄大な自然と歴史が息づく三重県北牟婁郡紀北町。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である熊野古道をはじめ、豊かな自然と歴史遺産、そして独自の文化が魅力の町です。
紀北町の概要
紀北町は、三重県の南部、紀伊半島南端の潮岬と志摩半島の中間、東紀州の玄関口に位置する町です。東南部には熊野灘、西北部には大台山系に連なる急峻な山々に囲まれた地域であり、平野部が少なく、町の総面積の9割近くを森林が占めています。
概要 | 内容 |
---|---|
面積 | 256.55 km2 |
人口 | 13,208 人 (2024年7月1日推計) |
人口密度 | 51.5 人/km2 |
隣接する自治体 | 尾鷲市、大台町、大紀町、上北山村 |
町の木 | ヒノキ |
町の花 | ササユリ |
町の鳥 | カンムリウミスズメ |
町の魚 | マンボウ |
地理
地勢
紀北町は、東南部に熊野灘、西北部には大台山系に連なる山々に囲まれた地域です。町内には国設鳥獣保護区の紀伊長島鳥獣保護区があり、特別保護地区である赤野島ではカワウの個体数管理が行われています。
- 主な山: 堂倉山、仙千代ヶ峰、橡山
- 主な河川: 赤羽川、船津川、銚子川
- 主な峠: 馬越峠
気候
温暖で穏やかな気候が特徴で、南部は全国でも有数の多雨地帯です。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
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最高気温 | 20.1℃ | 23.2℃ | 26.2℃ | 31.8℃ | 31.7℃ | 36.4℃ | 38.7℃ | 37.9℃ | 36.7℃ | 31.7℃ | 27.1℃ | 25.4℃ | 38.7℃ |
平均最高 | 11.3℃ | 12.2℃ | 15.2℃ | 19.7℃ | 23.2℃ | 25.8℃ | 29.6℃ | 30.9℃ | 28.2℃ | 23.6℃ | 18.8℃ | 13.7℃ | 21.0℃ |
日平均 | 6.2℃ | 6.9℃ | 9.8℃ | 14.3℃ | 18.3℃ | 21.6℃ | 25.5℃ | 26.5℃ | 23.7℃ | 18.7℃ | 13.3℃ | 8.3℃ | 16.1℃ |
平均最低 | 1.3℃ | 1.8℃ | 4.4℃ | 8.9℃ | 13.5℃ | 18.0℃ | 22.1℃ | 23.0℃ | 20.1℃ | 14.5℃ | 8.4℃ | 3.3℃ | 11.6℃ |
最低気温 | -4.7℃ | -5.1℃ | -3.0℃ | -0.9℃ | 3.4℃ | 8.6℃ | 15.3℃ | 15.7℃ | 11.5℃ | 2.7℃ | -0.9℃ | -4.1℃ | -5.1℃ |
降水量 | 70.9mm | 80.0mm | 164.3mm | 207.3mm | 253.4mm | 312.9mm | 273.6mm | 262.2mm | 474.0mm | 333.8mm | 147.8mm | 90.2mm | 2,670.2mm |
降水日数 | 5.4日 | 6.3日 | 9.8日 | 9.7日 | 11.1日 | 14.2日 | 12.6日 | 11.4日 | 13.7日 | 11.7日 | 7.0日 | 5.6日 | 118.4日 |
地区
紀北町は、旧紀伊長島町地区と旧海山町地区の2つの地区から成り立っています。
- 旧紀伊長島町地区: 東長島、長島、島原、大原、十須、海野、古里、道瀬、三浦
- 旧海山町地区: 馬瀬、上里、河内、中里、船津、相賀、小山浦、便ノ山、小浦、引本浦、矢口浦、白浦、島勝浦
歴史
紀北町の歴史は古く、志摩国英虞郡の一部として栄えていました。その後、紀伊国牟婁郡となり、2005年10月11日に北牟婁郡紀伊長島町・海山町が合併して現在の紀北町が誕生しました。
- 主な歴史:
- 天正10年(1582年): 紀伊国牟婁郡に編入
- 2005年10月11日: 紀伊長島町・海山町が合併し、紀北町が発足
- 2013年1月: 紀北町役場本庁舎が新庁舎に移転
- 2024年8月: 南海トラフ地震に関連する情報が発出、町内の海水浴場が一時閉鎖
人口
紀北町の人口は、近年減少傾向にあります。2005年の合併以降、人口減少が加速しています。
年 | 人口 |
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1970年 | 26,691人 |
1975年 | 26,568人 |
1980年 | 26,268人 |
1985年 | 25,151人 |
1990年 | 23,663人 |
1995年 | 22,478人 |
2000年 | 21,362人 |
2005年 | 19,963人 |
2010年 | 18,611人 |
2015年 | 16,338人 |
2020年 | 14,604人 |
行政
歴代町長
- 奥山 始郎 (2005年11月 – 2009年11月)
- 尾上 壽一 (2009年11月 – 現在)
町議会
- 議員定数: 16名
広域行政
- 紀北広域連合
- 三重紀北消防組合
経済
産業
紀北町の主な産業は水産業と林業です。
- 主な産業:
- 水産業: 鮮魚、カキ、干物、鰹節、水産加工品など
- 林業: ヒノキなど
- 特産品:
- 渡利かき: 汽水湖で育った、クセがなく濃厚な味わいが特徴
- マンボウ: ブリの定置網でよく混獲される、安価で流通している
- ヒノキ: 紀北町で古くから生産されている木材
- みかん: 温暖な気候を生かした柑橘類
日本郵政グループ
- 紀伊長島郵便局: 集配局
- 紀伊島原郵便局
- 志子奥簡易郵便局
- 紀伊東長島郵便局
- 三野瀬郵便局
- 海山郵便局: 集配局
- 船津郵便局
- 海山相賀郵便局
- 白浦簡易郵便局
- 桂城郵便局
- 矢口浦簡易郵便局
姉妹都市・提携都市
- 大阪府四條畷市 (友好都市)
教育
- 中学校:
- 紀北町立赤羽中学校
- 紀北町立紀北中学校
- 紀北町立潮南中学校
- 紀北町立三船中学校
- 小学校:
- 紀北町立赤羽小学校
- 紀北町立海野小学校
- 紀北町立西小学校
- 紀北町立東小学校
- 紀北町立三浦小学校
- 紀北町立相賀小学校
- 紀北町立上里小学校
- 紀北町立船津小学校
- 紀北町立矢口小学校
- 図書館:
- 紀北町図書館
- 紀北町紀伊長島図書室
- 紀北町海山図書室
- 紀北町児童図書室
- 紀北町図書館
交通
鉄道
- 東海旅客鉄道 (JR東海)
- 紀勢本線: 紀伊長島駅、三野瀬駅、船津駅、相賀駅
路線バス
- 高速バス:
- 東京高速線: 大宮駅・池袋駅 – 紀北町紀伊長島 (紀伊長島IC前) – 三交海山 – 勝浦温泉 (三重交通、西武観光バス)
- 名古屋南紀高速バス: 名古屋 (名鉄バスセンター) – 紀北町紀伊長島 (紀伊長島IC前)・三交海山 (海山バスセンター) (三重交通)
- 一般路線バス:
- 三重交通: 松阪熊野線 (56)、尾鷲長島線 (51)、島勝線 (54)、河合線
- コミュニティバス「いこかバス」
タクシー
- おでかけ応援サービス「えがお」
道路
- 高速道路:
- 紀勢自動車道: 紀伊長島IC、紀北PA、海山IC
- 一般国道:
- 国道42号
- 国道260号
- 国道422号
- 県道:
- 三重県道155号海山尾鷲港線
- 三重県道202号須賀利港相賀停車場線
- 三重県道516号長島港線
- 三重県道540号相賀停車場線
- 三重県道581号長島港古里線
- 三重県道603号大杉谷海山線
- 三重県道734号矢口浦上里線
- 三重県道751号三戸紀伊長島停車場線
- 三重県道760号南浦海山線
- 三重県道766号城ノ浜山居線
- 道の駅:
- 紀伊長島マンボウ
- 海山
港湾
- 長島港
- 引本港
- 島勝漁港
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
世界遺産
- 紀伊山地の霊場と参詣道: 熊野古道の一部
文化財
- 国指定:
- 史跡: 熊野参詣道 (伊勢路)
- 天然記念物: 大島暖地性植物群落
- 県指定:
- 天然記念物: 鈴島暖地性植物群落
- 登録有形文化財:
- 江の浦トンネル (旧長島隧道)
- 古里歩道トンネル (旧海野隧道)
- 道瀬歩道トンネル (旧道瀬隧道)
- 海山郷土資料館 (向栄館)
名所・旧跡
- 長島城: 紀伊長島町にあった城
- 後山城: 紀伊長島町にあった城
- 上里城: 海山町にあった城
- セキ山城: 海山町にあった城
- 長島神社: 紀伊長島町にある神社
観光スポット・祭事・催事
- 燈籠祭: 7月下旬に開催される、幻想的な灯籠の祭
- きいながしま港市: 毎月第2土曜日に開催される、地元の新鮮な海の幸が楽しめる市場
- 熊野灘レクリエーション都市『孫太郎』: 海水浴やキャンプなどが楽しめるレジャー施設
- 古里温泉: 海山町にある温泉
- 有久寺温泉: 海山町にある温泉
- 和具の浜海水浴場: 紀伊長島町にある海水浴場
- キャンプin海山: 海山町にあるキャンプ場
- 魚飛渓: 海山町にある渓谷
- 種まき権兵衛の里: 海山町にある、種まき権兵衛伝説が残る地域
- 城ノ浜海水浴場: 海山町にある海水浴場
著名な出身者
- 和田 義彦: 洋画家
- 西田 厚聰: 東芝会長
- 小倉 肇: 児童文学者・教育者
- 浜口 熊嶽: 霊術師
- 大久保 房男: 著作家
- 北村 博司: ジャーナリスト
- 宮原 章次: 科学者
- 三池 崇史: 映画監督
- 井土 紀州: 映画監督・脚本家
- 蜂谷 晏海: モデル、女優、井戸田潤夫人
- 谷口 海斗: プロサッカー選手
脚注
- 紀北町 “紀北町の町章の制定について” (2013年3月23日閲覧。)
- 加藤 洋 “モニタリングが導くカワウの管理 環境省紀伊長島鳥獣保護区のカワウ対策を事例に” 環境省自然環境局生物多様性センター 2022年8月23日閲覧。
- “紀伊長島 平年値 (年・月ごとの値)” 気象庁 2024年8月2日閲覧。
- “観測史上1~10位の値 (年間を通じての値) 紀伊長島 (三重県)” 気象庁 2024年8月2日閲覧。
- 増田洋一 (2015年6月21日) “空き校舎に役場移転 平田村と西会津町 学校統合きっかけ、建て替え費用節約” 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 福島中会版
- “三重 紀北町 臨時情報で閉鎖の海水浴場 再開も客減少など影響” NHK (2024年8月16日) 2024年8月16日閲覧。
- 衆議院小選挙区図 (PDF) 三重県選挙管理委員会
- 県議会議員の選挙区と定数 三重県選挙管理委員会
- “汽水湖育ち クセなく味濃厚 紀北の「渡利かき」” 読売新聞2013年1月30日付朝刊、北勢版27ページ
- 藤原啓嗣 “なるほどランド 謎多いマンボウ” 中日新聞2016年4月3日付朝刊、ジュニア中日20ページ
- “島勝浦体験型イベント交流施設 けいちゅう” 紀北町観光協会 2022年5月29日閲覧。
- 紀北町 – シェアリングエコノミー協会
- 「えがお」のご利用について – 紀北町役場HP
- “紀北教育研究所長 小倉 肇 経歴紹介” ZTV 紀北教育研究所 2014年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月11日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 紀北町 (mie.kihoku) – Facebook
- 紀北町役場商工観光課 (@kihoku_shokan) – LINE公式アカウント
- 紀北町観光協会
- 紀北町観光協会 (kihoku.kanko) – Facebook
- 紀北町に関連する地理データ – オープンストリートマップ
- 地図 – Google マップ
- 紀伊長島町・海山町合併協議会
紀北町についてのクイズ
紀北町はどの県に位置していますか?
紀北町は三重県の南部、紀伊半島の潮岬と志摩半島の中間に位置しています。紀北町は、紀伊半島の東紀州の玄関口として、豊かな自然と歴史があり、特に世界遺産である熊野古道の一部を含むことが大きな魅力です。静岡県は紀伊半島の隣にありますが、紀北町があるのは三重県です。紀北町はその地域特有の気候や文化を持ち、多雨地帯として知られる南部の気候に適した農業や水産業が盛んです。
紀北町の町の木は何ですか?
紀北町の町の木はヒノキです。ヒノキは日本の代表的な樹種の一つで、特に紀北町ではその特産品として林業が盛んです。ヒノキは耐久性が高く、美しい木目を持つことから、さまざまな建材として利用されます。この地域ではヒノキを用いた伝統的な建築物や、観光施設が多くあり、地域の文化や産業にも密接に関係しています。また、ヒノキの香りはリラックス効果があるとして、観光客にも人気です。
紀北町の気候で特徴的な点は何ですか?
紀北町の気候は温暖で穏やかで、特に南部は多雨地帯として知られています。この地域は気候条件が良く、農業や林業の発展に適した環境です。年間降水量は2,670.2mmと多く、特に夏季にはよく降水があり、豊かな森林が育まれています。この気候は地域の特性に合った産業発展を促進し、観光資源としての魅力も増しています。いくつかの温泉もこの涼しさと豊かな水に由来しており、観光名所の一つにもなっています。
紀北町にはいくつの中学校がありますか?
紀北町には4つの中学校があります。具体的には、紀北町立赤羽中学校、紀北町立紀北中学校、紀北町立潮南中学校、紀北町立三船中学校の4校です。町内の教育機関は地域の子供たちに対して質の高い教育を提供する役割を果たしています。特に小規模な町である紀北町では、地域に根ざした学校教育が推進されており、地域の文化や歴史を学ぶ場ともなっています。
紀北町の主要な産業は何ですか?
紀北町の主な産業は水産業と林業です。特に水産業では新鮮な魚やカキ、干物などが生産されており、地域経済に大きく貢献しています。一方、林業も重要な役割を果たしており、特にヒノキの生産が盛んです。紀北町は豊かな自然環境を活かしており、これらの産業は地域の文化や生活にも深く根ざしています。また、特産品として「渡利かき」やヒノキ製品も知られており、地域のブランド化にも取り組んでいます。
紀北町の名所の一つに挙げられる文化財は何ですか?
紀北町の名所の一つは熊野古道で、世界遺産としても登録されています。熊野古道は紀北町を含む紀伊半島に広がる古道で、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。この道は古くから熊野三山への参詣道として利用され、多くの人々に愛され続けています。周囲の美しい自然環境と相まって、観光地としても人気があり、多くのハイカーや観光客が訪れます。また、熊野古道は地域の文化や歴史を学ぶ場ともなっており、訪れる人々にとって貴重な体験を提供しています。