熊本県宇土市：歴史と自然が織りなす魅力的な街

小西行長の城下町として栄え、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた宇土市

熊本県の中央部に位置する宇土市は、豊かな歴史と自然に恵まれた街です。かつては小西行長の城下町として栄え、交通の要衝として発展してきました。温暖な気候に恵まれ、有明海の美しい景色を望むことができる一方、山々も点在し、自然豊かな環境です。近年では、観光地としても注目を集めており、歴史と自然を満喫できる魅力的な街として、多くの観光客が訪れています。

宇土市の歴史

宇土市を含む宇土郡は古代から見られる地名であり、その由来は宇土半島がもとは島で「浮土」と表したのが転じたという説と、細く長い谷の意味を持つとの説があります。

中世には、宇土城が築城され、宇土氏は鎌倉時代末期には菊池氏の一族が名乗り、城主となりました。1501年に宇土為光が菊池能運の軍を破りますが、後に攻め滅ぼされます。その後、名和顕忠が宇土城の城主となり、名物「小袖餅」の名前の由来となった昔話にも登場します。

豊臣秀吉の時代に佐々成政が入り、その後、小西行長が24万石の大名として入り、近世宇土城を築城しました。行長はキリシタン大名としても有名で、一家全員が洗礼を受けています。関ヶ原の戦いで西軍に属したため斬首の刑となり、その領地は加藤清正に与えられました。清正は宇土城を大改修し完成させたものの、「一国一城令」に基づき廃城としました。

加藤家が改易となった後、細川家が肥後国に入り、1646年、細川行孝を藩主とする宇土支藩（3万石）が置かれました。行孝は城下町の水質を改善するため、轟上水道をつくりました。轟上水道に使われた技術は神田上水・小田原水道に次ぐものとして日本水道史上、特筆されました。

近代に入っても九州商業銀行（肥後銀行の前身）や火力発電所・マッチ工場などが建設され、商工業の中心であり続けました。

宇土市の地理

宇土市は宇土半島の北半分を占め、西部には有明海が広がっています。御輿来海岸は、日本の渚100選に認定されている美しい海岸です。市街地周辺には、大岳 (478m) や雁回山 (314m) などの山々が点在し、豊かな自然に恵まれています。気候は1年を通じて温暖で、温暖な気候を利用した果樹栽培が盛んです。

隣接する自治体

宇土市は、熊本県の中央部に位置し、以下の自治体と隣接しています。

• 熊本市（南区）
• 宇城市

宇土市の産業

宇土市は、農業、水産業、製造業が盛んです。

農業

温暖な気候を利用した果樹栽培が盛んで、ネーブルオレンジ、デコポン、アンデスメロンなどが特産品です。

水産業

有明海でのりの養殖が盛んです。また、アサリも特産品です。

製造業

食料品工業のほかに、化学工業、鉄鋼業などがあります。伝統工芸品としては、張り子が有名です。銘菓としては、「うと餅」「小袖餅」などが知られています。

宇土市に本社を置く主要企業

• カネリョウ海藻：海藻加工品
• パナファーム・ラボラトリーズ：化粧品・健康食品
• 九州大王製紙パッケージ：紙製品

市内に工場のある主要企業

• 三和化学研究所熊本工場（スズケングループ）：化学製品
• 日本合成化学工業：化学製品
• 大阪製鐵西日本熊本工場：鉄鋼製品

宇土市の交通

宇土市は、鉄道、バス、道路と、様々な交通手段でアクセスすることができます。

鉄道路線

市の中心となる駅は、JR鹿児島本線の宇土駅です。

• JR九州
  • 鹿児島本線：宇土駅
  • 三角線：宇土駅 – 緑川駅 – 住吉駅 – 肥後長浜駅 – 網田駅 – 赤瀬駅

また、九州新幹線が熊本駅 – 新八代駅間で宇土市を通過しています。

路線バス

• 九州産交バス
  • 快速・超快速「あまくさ号」：熊本市 – 宇土市 – 宇城市（旧三角町域） – 上天草市 – 天草市
  • 熊本市 – 宇土市 – 宇城市（旧松橋町域）
  • 宇土市 – 宇城市 – 美里町
• 熊本バス
  • 熊本市 – 嘉島町 – 熊本市（旧城南町・富合町域） – 宇土市

道路

• 国道3号
• 国道57号
• 国道501号
• 熊本県道14号八代鏡宇土線
• 熊本県道38号宇土甲佐線
• 熊本県道58号宇土不知火線
• 熊本県道243号郡浦網田線
• 熊本県道297号川尻宇土線

道の駅

• 道の駅宇土マリーナ

船舶

• 宇土マリーナ

宇土市の教育

宇土市には、高等学校、中学校、小学校が数多くあります。

高等学校

• 熊本県立宇土高等学校

中学校

• 網田中学校
• 鶴城中学校
• 住吉中学校
• 宇土中学校

小学校

• 網津小学校
• 宇土小学校
• 宇土東小学校
• 網田小学校
• 走潟小学校
• 花園小学校
• 緑川小学校

宇土市の観光

宇土市には、歴史的な建造物や自然豊かな観光スポットが数多く存在します。

季節の祭り

• 粟嶋神社大祭（3月1日）：宇土市の代表的な祭りで、神輿渡御などが行われます。
• 宇土大太鼓フェスティバル （8月第1土曜日）：市内各地区の太鼓台が競演する、賑やかな祭りです。
• うと地蔵まつり （8月23日・24日）：宇土市で最も歴史のある祭りで、地蔵尊に願い事を込めて、多くの参拝者が訪れます。
• 山王神社甘酒まつり（旧暦の11月初めの申の日）：山王神社で甘酒が振る舞われる、地域の人々で賑わう祭りです。
• 西岡神宮秋季例大祭 （10月19日）：西岡神宮で行われる、秋を告げる伝統的な祭りです。

名所・旧跡

• 住吉神社 (宇土市)：宇土市の総鎮守として、古くから信仰を集めてきた神社です。
• 風流島：宇土城の築城にまつわる伝説が残る島です。
• 西岡神宮：宇土市の氏神様として、古くから信仰を集めてきた神社です。
• 轟貝塚（市指定史跡）：縄文時代前期に九州を中心に分布する轟式土器の標式遺跡です。
• 中世宇土城跡（国の史跡）：小西行長が築城した宇土城の跡地で、歴史を感じることができます。
• 近世宇土城跡：小西行長が築城した宇土城の跡地で、現在も一部の石垣が残っています。
• 轟泉自然公園：豊かな自然に恵まれた公園で、轟水源や轟御殿などがあります。
  • 轟水源（名水百選）：熊本県の名水百選にも選ばれた、美味しい湧き水です。
  • 轟御殿（宇土細川家の菩提寺跡）：9月の名月の夜に名水名月合同茶会が開かれます。
• 粟嶋神社：ミニ鳥居があることで知られる神社です。
• つつじヶ丘自然公園
• 甲岩自然公園
• 住吉自然公園（あじさいの名所）：6月に紫陽花マンドリンコンサートが開かれます。
• 立岡自然公園（桜の名所）：桜の開花時期にあわせて、うと花園桜まつりが開かれます。
• 御輿来海岸（日本の渚百選）：有明海の美しい景色を望むことができる海岸です。
• 道の駅宇土マリーナ：新鮮な海の幸や特産品などを販売しています。
• 長部田海床路：干潟に現れる道で、潮の満ち引きによって姿を変える不思議な場所です。

宇土市の出身者

宇土市には、様々な分野で活躍する著名な出身者が数多くいます。

スポーツ以外

• 天草四郎（島原の乱指導者・当地出生説あり）
• 釜賀一夫（陸軍軍人）
• 近藤民雄（商法学者）
• 澤山収蔵（居合道家、伯耆流星野派）
• 篠原温亭（俳人、小説家）
• 西洋平（ミュージシャン、音楽作家）
• 西山一星（ローカルタレント）
• 藤岡覚音（住職、浄土真宗本願寺派）
• 松野良一（メディア研究者、ジャーナリスト）
• 源了圓（歴史学者）
• 宗方小太郎（ジャーナリスト、大陸浪人）
• 村田信一（元熊本県副知事）
• 森本貫一（実業家、技術者）

スポーツ

大相撲

• 川副圭太（大相撲力士）
• 草野直哉（大相撲力士）
• 正代直也（大相撲力士）
• 不知火諾右衛門（元大相撲力士、第8代横綱）
• 白乃波寿洋（元大相撲力士）
• 濱錦竜郎（元大相撲力士）
• 濱ノ嶋啓志（元大相撲力士）
• 牧本英輔（元大相撲力士）

大相撲以外

• 芥川愛加（女子バレーボール選手）
• 植田直通 (サッカー選手・鹿島アントラーズ、日本代表)
• 阪上弘一（テコンドー選手）
• 島田海吏（プロ野球選手・阪神タイガース）
• 杉山哲（サッカー選手）
• 積賢佑（ラグビー選手）
• 中本匠栄（競輪選手）
• 山本大貴（サッカー選手・ファジアーノ岡山FC）
• 脇戸新之助（バレーボール選手）

ゆかりのある人物

• 宇土為光（武将）
• 小西行長（キリシタン大名）
• 名和顕忠（武将）
• 堤真一（俳優､真一の父は宇土市で育ち旧制宇土中を卒業）

宇土市へのアクセス

• 電車：JR鹿児島本線宇土駅
• 車：熊本市内から約30分、福岡市内から約2時間30分
• バス：九州産交バス、熊本バス

宇土市のおすすめスポット

• 轟水源: 熊本県の名水百選に選ばれた、美味しい湧き水です。
• 御輿来海岸: 有明海の美しい景色を望むことができる海岸です。
• 宇土城跡: 小西行長が築城した宇土城の跡地で、歴史を感じることができます。
• 住吉神社: 宇土市の総鎮守として、古くから信仰を集めてきた神社です。
• 道の駅宇土マリーナ: 新鮮な海の幸や特産品などを販売しています。

宇土市は、歴史と自然が織りなす魅力的な街です。

ぜひ一度訪れてみてください。

宇土市についてのクイズ