徳之島で闘牛が盛んな伊仙町は、世界最高齢者の出身地としても知られる、歴史と自然が豊かな町です。穏やかな気候と美しい景観、そして伝統文化が息づく伊仙町の魅力を、この記事では詳しくご紹介します。
伊仙町の概要
伊仙町は、鹿児島県奄美群島の徳之島にある町で、大島郡に属しています。徳之島の南西部に位置し、豊かな自然と伝統文化が息づく魅力的な町です。町のキャッチフレーズは「長寿と闘牛の伊仙町」で、世界最高齢者2人を輩出したことと、闘牛が盛んなことから名付けられました。
伊仙町の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
面積 | 62.71 km² |
人口 | 5,736人(推計人口、2024年8月1日) |
人口密度 | 91.5人/km² |
隣接自治体 | 大島郡徳之島町、天城町 |
町の木 | ガジュマル |
町の花 | ハイビスカス |
伊仙町の地理と自然
伊仙町は徳之島の南西部に位置し、大部分が山地部から外れた平坦な地形をしています。徳之島3町の中では耕地面積率が最も高く、農業が盛んです。一方で、琉球石灰岩地域が主で、水利条件は他の町に比べて良くありません。
鍾乳洞とドライバレー群
伊仙町は石灰岩地域であるため、沖永良部島と同様に多くの鍾乳洞が存在します。中でも最大の鍾乳洞は、全長2052mの銀河洞です。かつては銀竜洞や小島暗川が観光洞として公開されていましたが、現在は閉鎖されています。
伊仙町の山手には、河川以外にも無数の涸れ川が走っており、地形図や空中写真で見ると「ギザギザ」になっているのが特徴です。これは「ドライバレー群」と呼ばれ、伊仙町のカルスト地形の大きな特徴の一つです。
美しい海岸線
伊仙町の海岸線は、珊瑚礁性の磯と海蝕による奇岩が多く見られます。琉球石灰岩の断崖となっている犬田布岬周辺、浅い岩場と砂浜のある喜念浜、北部の犬田布岳などの山林は、2017年に奄美群島国立公園の一部に指定されました。
伊仙町の歴史
伊仙町の歴史は古く、旧石器時代から人が住んでいたことがわかっています。
旧石器時代
伊仙町には、約3万年前の旧石器が発見された「アマングスク遺跡」があります。この遺跡は、伊仙町が古くから人々が生活していたことを示す重要な証拠です。
中世
1983年に発見された「カムィヤキ遺跡」は、伊仙町の歴史を知る上で重要な遺跡です。この遺跡は、中世において南西諸島全域から九州本土にかけて須恵器に似た類須恵器の生産拠点であったことを示しています。
近現代
伊仙町は、1908年に島尻村として発足し、1921年に伊仙村に改称されました。1962年には町制施行により、伊仙町となりました。
伊仙町の産業
伊仙町は農業が盛んな町で、サトウキビ、ジャガイモ、カボチャなどが主要な農産品です。畜産業も盛んで、徳之島牛や豚の飼育が行われています。
伊仙町の地域
伊仙町は、阿権、阿三、伊仙、糸木名、犬田布、面縄、喜念、木之香、検福、小島、崎原、佐弁、中山、馬根、古里、目手久、八重竿の17の集落で構成されています。
人口
伊仙町の人口は、近年減少傾向にあります。2005年の人口は7,255人でしたが、2020年には6,139人に減少しました。
教育
伊仙町には、中学校が3校、小学校が7校あります。
中学校
- 伊仙町立伊仙中学校
- 伊仙町立面縄中学校
- 伊仙町立犬田布中学校
小学校
- 伊仙町立伊仙小学校
- 伊仙町立面縄小学校
- 伊仙町立犬田布小学校
- 伊仙町立鹿浦小学校
- 伊仙町立馬根小学校
- 伊仙町立糸木名小学校
- 伊仙町立喜念小学校
- 伊仙町立阿権小学校
伊仙町の交通
空路・航路
伊仙町へのアクセスは、徳之島空港からバス、またはフェリーを利用します。
- 最寄り空港:徳之島空港(天城町)
- 最寄り港:亀徳港(徳之島町)、平土野港(天城町)
バス路線
- 徳之島総合陸運 亀津―犬田布―平土野線 (1日5-6往復、内2便は亀津―犬田布間のみ)
道路
- 鹿児島県道80号伊仙亀津徳之島空港線
- 鹿児島県道83号伊仙天城線
- 鹿児島県道617号糸木名亀津線
伊仙町の観光スポット
伊仙町には、美しい自然と歴史を感じられる観光スポットがたくさんあります。
犬田布岬
- 奄美群島国立公園の一部
- 戦艦大和の戦没者慰霊塔がある
瀬田海海浜公園
- 海水浴やバーベキューを楽しむことができる
喜念浜海水浴場
- 奄美群島国立公園の一部
- 白砂のビーチで海水浴を楽しむことができる
伊仙町歴史民俗資料館
- 徳之島や伊仙町の歴史・民俗に関する資料を展示している
- 戦艦大和に関する展示コーナーもある
徳之島なくさみ館闘牛資料室
- 徳之島の闘牛の歴史や文化に関する資料を展示している
阿権集落の平家の石垣とガジュマル巨木
- 古代の歴史を感じることができる
伊仙町の祭事・催事
伊仙町では、伝統的な祭事や催事が数多く開催されています。
闘牛
- 徳之島なくさみ館などで開催される
- 迫力満点の闘牛は、伊仙町を代表する伝統芸能
伊仙町出身の有名人
伊仙町出身の有名人には、以下のような人たちがいます。
- 泉芳朗(奄美群島祖国復帰運動の指導者・詩人)
- 松永みやお(文部省唱歌「若葉」作詞者・詩人)
- 宮トオル(画家)
- 山田酉吉 (味覚糖株式会社創業者・経済界)
まとめ
伊仙町は、美しい自然と歴史、伝統文化が調和した魅力的な町です。闘牛や世界最高齢者など、ユニークな話題も満載で、訪れる人に忘れられない思い出を提供してくれるでしょう。
伊仙町についてのクイズ
伊仙町のキャッチフレーズは何ですか?
伊仙町は、世界最高齢者を輩出したことと、闘牛が盛んな地域であることから「長寿と闘牛の伊仙町」というキャッチフレーズがつけられています。このフレーズは、伊仙町の特性を象徴しています。特に、長寿に関しては、伊仙町が高齢者の出身地であることが広く知られており、町の魅力の一つとなっています。一方、伝統的な闘牛は町の文化に深く根付いており、地域の人々にとって重要なイベントです。このキャッチフレーズは、伊仙町を訪れる観光客にとっても、その地域を理解する上での重要なヒントとなります。
伊仙町の最大鍾乳洞の名前は何ですか?
伊仙町には、沖永良部島と同様に多くの鍾乳洞が存在し、その中で最大の鍾乳洞は「銀河洞」です。全長2052メートルに及ぶこの洞窟は、かつて観光地として公開されていましたが、現在は閉鎖されています。鍾乳洞は、自然の息吹を感じることができる貴重な環境です。伊仙町の石灰岩地域に位置する鍾乳洞は、その地形や生態系にも独特の影響を与えています。鍾乳洞を探検することは、地域の自然の美しさを直接感じる素晴らしい体験でもあります。
伊仙町の主要な農産物に含まれないのはどれですか?
伊仙町は農業が盛んで、サトウキビとカボチャが主要な農産物として知られています。ただし、トマトは伊仙町の主要な農産物には含まれていません。伊仙町の気候や土壌は、特にサトウキビやカボチャなどの栽培に適しています。サトウキビは、甘味を提供するだけでなく、地域の農業経済にも重要な役割を果たしています。また、伊仙町では畜産業も盛んで、徳之島牛や豚の飼育が行われています。これらの農業や畜産業は、地域の自給率や経済を支える大きな要素となっています。
伊仙町の海岸線は何に指定されていますか?
伊仙町の海岸線は、特に美しい自然を保有していることから、2017年に奄美群島国立公園の一部に指定されています。この国立公園は、豊かな生物多様性を持ち、観光や環境保護の重要なスポットとなっています。海岸線は珊瑚礁性の磯と海蝕による奇岩が見られ、特に犬田布岬や喜念浜などの場所でその美しさを楽しむことができます。訪れる人々は、このユニークな地形と自然のすばらしさを体感することで、伊仙町の魅力を一層感じることができるでしょう。
伊仙町の伝統的なイベントは何ですか?
伊仙町の伝統的なイベントの一つとして、闘牛が挙げられます。闘牛は地域の文化や歴史に深く根付いた重要な伝統芸能であり、観光客にも人気があります。徳之島なくさみ館などで開催される闘牛は、迫力満点のパフォーマンスを提供し、多くの人々を惹きつけています。闘牛は単なる競技ではなく、地域の人々にとっての誇りやアイデンティティを象徴する存在でもあります。このイベントは、伊仙町を訪れる際には外せない体験となるでしょう。