瀬戸内海に面し、瀬戸大橋の四国側玄関口として知られる坂出市。かつては塩田が多数存在し、塩業で栄えた街ですが、現在では工業都市として発展を遂げています。瀬戸大橋や五色台など、自然豊かな景観も魅力です。今回は、坂出市の歴史、産業、観光スポット、文化、出身有名人など、様々な角度から魅力をご紹介します。
地理と歴史：塩田から工業都市へ発展した坂出市
坂出市は、香川県の中央部に位置する市で、瀬戸内海に面しています。市名の由来は、「宇多津の田尾坂を上って出た場所」という説が有力です。
坂出市は、かつて沿岸部に多くの塩田が存在し、塩業で栄えていました。しかし、塩業整理により塩田は廃止され、その跡地には番の州工業地帯、林田工業地帯などが造成されました。現在では、造船業、化学工業、製造業などが盛んで、四国を代表する工業都市として発展しています。
産業：活気あふれる工業都市
番の州工業地帯：瀬戸大橋を望む巨大な工業団地
坂出市の北西部には、埋め立て地である番の州臨海工業団地が整備されています。瀬戸大橋を望むこの工業団地には、三菱ケミカル、コスモ石油、川崎重工業など、多くの企業が立地しています。造船業や化学工業が盛んで、坂出市の経済を支える重要な拠点となっています。
林田・阿河浜地区臨海工業団地：物流拠点としても機能
番の州工業地帯の東側には、林田・阿河浜地区臨海工業団地が整備されています。こちらは、製造業だけでなく、物流企業も多く集積しており、物流拠点としても機能しています。花王、太平洋セメント、トヨタ輸送など、様々な企業が進出しています。
その他の産業：塩業、醤油、農業も盛ん
坂出市には、番の州工業地帯、林田・阿河浜地区臨海工業団地以外にも、様々な企業が立地しています。
- 塩業: かつての塩田の跡地には、日本海水讃岐工場など、塩業メーカーが立地しています。
- 醤油: 坂出市は、醤油の醸造が盛んで、鎌田醤油の本社があります。
- 農業: 塩田跡地などを利用して、三金時と呼ばれる金時人参、金時芋、金時みかんなどの農業が行われています。
観光：瀬戸大橋や五色台など、自然と文化が融合する街
坂出市は、工業都市としての発展だけでなく、自然豊かな景観も魅力です。瀬戸大橋、五色台、府中湖など、多くの観光スポットがあります。
瀬戸大橋：雄大な景観を望む絶景スポット
坂出市は、瀬戸大橋の四国側の玄関口に位置しており、瀬戸大橋を間近に見ることができます。瀬戸大橋記念公園には、瀬戸大橋記念館や瀬戸大橋タワーがあり、雄大な瀬戸大橋の景観を楽しむことができます。
五色台：四国を代表する景勝地
坂出市の北東部には、五色台と呼ばれる丘陵地があります。標高は329メートルで、四国を代表する景勝地として知られています。山頂からは、瀬戸内海や讃岐平野を一望でき、晴れた日には遠くまで見渡すことができます。
府中湖：崇徳上皇ゆかりの史跡
坂出市南部には、府中ダムによって形成された人造湖、府中湖があります。湖周辺には、崇徳上皇が配流された際に滞在した場所とされる史跡が数多く残っています。
文化：伝統と現代が調和する街
坂出市は、歴史と文化が豊かな街です。伝統的な祭りやイベント、文化施設、美術館などがあります。
さかいで塩まつり：塩田の歴史と文化を継承する祭り
毎年5月に開催される「さかいで塩まつり」は、かつて塩田で栄えた坂出市の歴史と文化を継承する祭りです。塩田の歴史を伝えるイベントや、地元の特産品を使った飲食ブースなどが賑わいをみせます。
郷土資料館：歴史と文化を伝える施設
坂出市郷土資料館は、旧香川県立坂出商業学校本館校舎を使用しており、坂出市の歴史と文化を伝える施設です。江戸時代の塩田の様子や、坂出市の産業発展の歴史などが展示されています。
香川県立東山魁夷せとうち美術館：自然と芸術が融合
香川県立東山魁夷せとうち美術館は、瀬戸内海の美しい風景をバックに、日本を代表する風景画家・東山魁夷の作品を展示しています。自然と芸術が融合した空間で、東山魁夷の世界観を堪能できます。
出身著名人：様々な分野で活躍する人材
坂出市は、歴史、文化、産業など、様々な分野で活躍する著名人を輩出しています。政治家、実業家、学者、文化人、スポーツ選手など、多くの分野で活躍しています。
政治・経済：地元を支え、日本を牽引する人物
- 鎌田勝太郎: 醤油醸造業、鎌田産業社長、貴族院議員、衆議院議員。「坂出塩業の父」と言われる人物。
- 入谷泰生: SHKライン代表、新日本海フェリー社長。
学術：学問の世界で新発見や新理論を生み出す人物
- 佐藤勝彦: 宇宙物理学者。インフレーション宇宙論提唱者。
- 中澤清: 惑星科学者、東京工業大学教授・理学部長。
文化・芸能：芸術の力で人々を魅了する人物
- 池井昌樹: 詩人。
- 中河与一: 小説家。
- ファンキー末吉: ミュージシャン。爆風スランプ。
- 曽我部恵一: ミュージシャン。サニーデイ・サービス。
スポーツ：スポーツマンシップ溢れるプレーで人々を沸かせる人物
- 錦洋慶祐: 力士。
- 樋笠一夫: プロ野球選手。
- 平田薫: プロ野球選手。
- 三野勝大: プロ野球選手。
まとめ：瀬戸大橋と工業都市が織りなす坂出市の魅力
坂出市は、瀬戸大橋の玄関口として、工業都市として、そして自然豊かな街として、魅力あふれる街です。歴史、産業、文化、観光スポット、出身著名人など、様々な角度から魅力をご紹介しました。ぜひ、坂出市を訪れて、その魅力を体感してみてください。
坂出市についてのクイズ
坂出市の市名の由来は何ですか？
坂出市の市名の由来については、「宇多津の田尾坂を上って出た場所」という説が有力とされています。この名前は、地理的な特徴を反映したもので、地域の歴史や文化に深く結びついています。地元に根付いた伝承や言い伝えが、地名の形成に関与していることは、全国各地で見られます。坂出市は、瀬戸内海に面し、豊かな自然環境との調和の中で発展してきました。歴史的には塩田が多く存在し、塩業で栄えた街でしたが、現在は工業化が進んでいます。このように、坂出市の名前は、地域特有の背景と結びついており、地名から地域の歴史や特色を垣間見ることができます。
坂出市に立地する企業が多く集まる工業団地はどれですか？
坂出市には、番の州臨海工業団地があり、ここには多くの企業が立地しています。瀬戸大橋を望む恵まれた立地条件とともに、造船業や化学工業が盛んであり、地域経済の重要な拠点となっています。たとえば、三菱ケミカルやコスモ石油、川崎重工業などの大手企業がここに進出し、地域の雇用を生み出しています。この工業団地は、坂出市の経済発展を支える基盤としての役割を果たしています。さらに、林田・阿河浜地区の臨海工業団地では、製造業を中心に物流企業も多く集まっており、全体を通じて坂出市の工業化が進行中です。このような背景を持つ坂出市は、経済成長と都市発展の象徴的な地域と言えます。
坂出市で毎年5月に開催される祭りは何ですか？
坂出市で毎年5月に開催される「さかいで塩まつり」は、かつて塩田で栄えたこの地域の歴史と文化を継承する重要な祭りです。この祭りでは、地元の特産品を使った飲食ブースや、塩田の歴史を伝えるためのイベントが行われ、地域住民や観光客で賑わいます。塩まつりは、地域の文化や伝統を守り、次世代へと引き継いでいくための大切な機会であり、地元の人々の誇りが反映されています。また、参加することで、日本の伝統的な文化を直に体験できる貴重なチャンスでもあります。観光客にとっても、坂出市の魅力を理解するための一つのアプローチとなっており、地域の活性化に寄与しています。
坂出市の代表的な観光スポットは何ですか？
坂出市の代表的な観光スポットの一つに「香川県立東山魁夷せとうち美術館」があります。これは、日本を代表する風景画家・東山魁夷の作品を展示する美術館であり、美しい瀬戸内海の風景をバックに自然と芸術が融合した空間が魅力です。訪れる人々は、東山魁夷の独特の世界観を堪能することができ、また、美術館周辺の風景も楽しめます。美術館では、特別展も行われることがあり、様々なアートイベントが開催されていますので、アート愛好者にとっても満足のいく体験が得られる場所です。このように、香川県立東山魁夷せとうち美術館は、文化的な側面だけでなく、観光地としての役割も果たしており、坂出市を訪れる際にはぜひ足を運びたいスポットです。
