岩手県住田町:豊かな自然と林業が息づく、静寂と活力の町

住田町(すみたちょう)は、岩手県東南部に位置する気仙郡の町。雄大な自然と豊かな森林資源に恵まれた、静寂と活力が共存する魅力的な場所です。町の木であるスギがそびえ立ち、町の花であるアツモリソウが可憐に咲き乱れる風景は、訪れる人を和ませます。ここでは、住田町の魅力を余すところなく紹介します。

住田町の概要

住田町は、岩手県東南部、北上高地の南部に位置し、盛岡市から約90kmのところにあります。海には接しておらず、東に釜石市、南東に大船渡市、南に陸前高田市、南西に一関市、西に奥州市、北に遠野市と、多くの市町村と隣接しています。

面積は約334.84平方キロメートル、人口は約4,485人(2024年8月1日推計)で、人口密度は13.4人/平方キロメートルと、比較的ゆったりとした生活空間が広がっています。

自然豊かな環境

住田町は、四方を山に囲まれた、緑豊かな町です。標高600~1300メートルの山々が連なり、森林面積は約30,289ヘクタールと、総面積の約90%を占めています。町内を流れる気仙川は、清流として知られており、ヤマメやイワナ、アユなどの魚釣りを楽しむことができます。

山岳

  • 五葉山 (1351メートル)
  • 高清水山 (1013メートル)
  • 種山ヶ原 (物見山:870メートル)
  • 生出山 (684メートル)

河川

  • 気仙川(二級河川気仙川水系)
    • 五葉川
    • 坂本川
    • 火の土川
    • 新切川
    • 大股川
    • 中沢川

気候

住田町は、寒暖の差が大きい大陸性気候で、気温の年較差、日較差が大きいです。降雪量も多く、周辺の自治体と同様に豪雪地帯に指定されています。

| 住田(1991年 – 2020年)の気候 |
|—|—|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 15.2 (59.4) | 17.7 (63.9) | 22.6 (72.7) | 29.5 (85.1) | 33.8 (92.8) | 34.5 (94.1) | 36.3 (97.3) | 36.7 (98.1) | 35.7 (96.3) | 28.9 (84) | 23.3 (73.9) | 20.0 (68) | 36.7 (98.1) |
| 平均最高気温 °C (°F) | 3.5 (38.3) | 4.5 (40.1) | 8.6 (47.5) | 14.7 (58.5) | 20.0 (68) | 23.2 (73.8) | 26.6 (79.9) | 28.1 (82.6) | 24.4 (75.9) | 18.8 (65.8) | 12.5 (54.5) | 6.1 (43) | 15.9 (60.6) |
| 日平均気温 °C (°F) | -0.6 (30.9) | -0.2 (31.6) | 3.1 (37.6) | 8.6 (47.5) | 14.1 (57.4) | 18.0 (64.4) | 21.8 (71.2) | 23.0 (73.4) | 19.3 (66.7) | 13.0 (55.4) | 6.7 (44.1) | 1.6 (34.9) | 10.7 (51.3) |
| 平均最低気温 °C (°F) | -4.5 (23.9) | -4.4 (24.1) | -1.7 (28.9) | 2.8 (37) | 8.7 (47.7) | 13.8 (56.8) | 18.3 (64.9) | 19.4 (66.9) | 15.4 (59.7) | 8.3 (46.9) | 1.9 (35.4) | -2.1 (28.2) | 6.3 (43.3) |
| 最低気温記録 °C (°F) | -15.2 (4.6) | -15.4 (4.3) | -13.4 (7.9) | -5.4 (22.3) | -1.3 (29.7) | 3.0 (37.4) | 8.0 (46.4) | 9.9 (49.8) | 4.8 (40.6) | -1.4 (29.5) | -5.4 (22.3) | -12.7 (9.1) | -15.4 (4.3) |
| 降水量 mm (inch) | 43.1 (1.697) | 37.4 (1.472) | 90.6 (3.567) | 104.3 (4.106) | 125.0 (4.921) | 143.0 (5.63) | 184.2 (7.252) | 171.3 (6.744) | 187.2 (7.37) | 137.5 (5.413) | 81.3 (3.201) | 57.1 (2.248) | 1,365 (53.74) |
| 平均降水日数 (≥1.0 mm) | 8.1 | 7.4 | 9.7 | 9.5 | 10.7 | 10.5 | 13.0 | 11.4 | 12.0 | 10.7 | 9.5 | 9.2 | 122.4 |
| 平均月間日照時間 | 132.5 | 130.0 | 164.4 | 184.1 | 187.8 | 153.6 | 136.8 | 152.1 | 131.6 | 142.6 | 138.3 | 114.4 | 1,769.2 |
| 出典1:Japan Meteorological Agency |
| 出典2:気象庁 |

住田町の歴史

住田町は、長い歴史を持つ町です。古くは、古代の豪族である安倍氏の勢力圏であったとされています。その後、鎌倉時代には奥州藤原氏、室町時代には南部氏などの支配を受けました。江戸時代には、伊達藩の領地となり、五葉山で生産される火縄が、伊達藩の火縄銃に使われていました。

明治時代以降

  • 1889年(明治22年):町村制施行により、世田米村、上有住村、下有住村が誕生します。
  • 1940年(昭和15年):世田米村が町制施行し、世田米町となります。
  • 1955年(昭和30年):世田米町、上有住村、下有住村が合併し、住田町が誕生します。

住田町の由来

住田町という地名は、合併した上有住村・下有住村と世田米町からそれぞれ一文字ずつとった合成地名です。合併協議の際は、地域を流れる気仙川(成瀬川)に由来した「成瀬町」にする予定でしたが、反対により現在の地名となりました。

住田町の行政

住田町は、「当面合併せず自立、持続」を掲げ、独自の林業施策などを推進しています。特に、豊富な森林資源と木材加工施設が整備されていることから、「森林・林業日本一の町」を目指しています。

行政機構

  • 町長
    • 副町長
      • 総務課
      • 企画財政課
      • 町民生活課
      • 税務課
      • 保健福祉課
      • 農政課
      • 林政課
      • 建設課
    • 会計管理者
      • 会計室
    • 教育長
      • 教育委員会

広域行政

  • 気仙広域連合
  • 大船渡地区環境衛生組合
  • 大船渡地区消防組合
  • 岩手沿岸南部広域環境組合

財政

2007年度の当初予算規模は次のようになっています。

  • 一般会計:約48億6900万円
  • 特別会計:約28億0616万円

住田町の産業

住田町は、豊かな自然を生かした産業が盛んです。

林業

住田町は、古くから林業が盛んな町です。町内には、スギやヒノキなどの広大な森林が広がっており、木材加工施設も充実しています。近年では、環境に配慮した林業の取り組みを進めており、「森林・林業日本一の町」を目指しています。

農業

住田町では、米、野菜、果物など、様々な農産物が生産されています。特に、米は町の特産品の一つであり、美味しいことで知られています。

商業

住田町の中心部には、商店や飲食店などが軒を連ねています。近年では、町の特産品を使った商品開発や、観光客向けのサービスの充実が進められています。

住田町の教育

住田町には、小学校、中学校、高校がそれぞれ1校ずつあります。

  • 岩手県立住田高等学校
  • 住田町立住田中学校
  • 住田町立世田米小学校
  • 住田町立有住小学校

教育の特色

住田町では、子供たちの教育に力を入れています。特に、地域と連携した教育活動や、自然体験学習などが盛んです。

住田町の文化

住田町には、古くからの伝統文化や、新しい文化が息づいています。

伝統文化

  • 火縄銃鉄砲隊:気仙地域は以前は伊達領であり、当時、伊達藩の火縄銃に使われる火縄が、現在の住田町と大船渡市、釜石市にまたがる五葉山で生産されていたことから、五葉山火縄銃鉄砲隊が結成され、さまざまなイベントでその様子を見ることができます。
  • 松日橋:気仙川に架けられた木製の橋。川の増水時に橋材が流されることを前提とした流れ橋であり、たびたび流されているが、その都度復元されている。

新しい文化

  • KESEN ROCK FESTIVAL:毎年7月に種山高原で行われる音楽イベント。
  • すたーうぉっちんぐ:かつて毎年8月上旬に種山ヶ原で開催されていた星空観察イベント。

住田町の観光

住田町には、自然、歴史、文化など、様々な魅力があります。

観光スポット

  • 滝観洞:五葉山近く、JR上有住駅のすぐそばにある洞窟内の滝。高さ29mの「天の岩戸の滝」は、日本最大級の落差を誇る。
  • 種山ヶ原:宮沢賢治にゆかりの深い場所。広大な高原には、豊かな自然が広がっています。
  • 葉山めがね橋:気仙川に架かる、眼鏡のような形のアーチ橋。

イベント

  • KESEN ROCK FESTIVAL
  • 住田町秋まつり

住田町の交通アクセス

鉄道

  • JR東日本釜石線
    • 上有住駅

バス

  • 岩手県交通
  • 住田町コミュニティバス

道路

  • 釜石自動車道
  • 国道107号
  • 国道340号
  • 国道397号

住田町のまとめ

住田町は、豊かな自然と林業が息づく、静寂と活力の町です。雄大な山々、清流、広大な森林など、自然の魅力にあふれています。また、歴史文化、伝統文化、新しい文化など、様々な文化が息づいています。

住田町を訪れれば、都会の喧騒を離れ、ゆったりと過ごすことができます。自然と触れ合い、文化に触れ、静寂と活力を満喫できる、そんな魅力的な町です。

関連情報

住田町についてのクイズ

住田町の面積は約何平方キロメートルですか?

住田町は岩手県東南部に位置し、面積は約334.84平方キロメートルです。この広大な面積は、四方を山に囲まれた緑豊かな環境を持つ町の特性を示しています。また、住田町の人口は約4,485人であり、人口密度は13.4人/平方キロメートルと比較的ゆったりとした生活空間が広がっています。このような自然豊かな環境は、町の魅力の一つであり、住民たちに静寂と活力をもたらしています。

住田町に流れる気仙川の特性は何ですか?

住田町を流れる気仙川は、清流として知られており、川の清らかな水は生態系を支えています。この川はヤマメやイワナ、アユなど様々な魚種が生息する豊かな環境を維持しており、釣りスポットとしても人気があります。気仙川とその支流は、住田町の自然環境の一部として、訪れる人々に美しい風景を提供しています。自然と触れ合いたい人々にとって、ここは大変魅力的な場所となっています。

住田町の人口はおおよそ何人ですか?

住田町の人口は2024年8月1日の推計によると約4,485人です。この人口は、町の営みや地域社会のつながりを反映しており、広大な自然と穏やかな生活環境の中でのコミュニティの形成につながっています。少子高齢化が進む中で、地域の産業や文化を支えるための取り組みが進められており、多くの住民が自然に密着した暮らしを実現しています。

住田町の教育機関には何がありますか?

住田町には、小学校、中学校、高校がそれぞれ1校ずつ存在しています。具体的には、岩手県立住田高等学校、住田町立住田中学校、住田町立世田米小学校、住田町立有住小学校があります。これらの教育機関は地域の教育活動やコミュニティに貢献しており、特に自然体験学習や地域との連携した教育が推進されています。子供たちにとって、身近な自然環境を生かした学びの場が提供されていることが特徴です。

住田町の中心部には何がありますか?

住田町の中心部には、商店や飲食店が軒を連ねています。このエリアは地域の生活基盤として、住民に必要な日常のサービスを提供しています。近年では町の特産品を使用した商品開発が進められ、観光客に向けたサービスの充実も図られています。地元の魅力を引き出しながら、町の活性化に寄与する取り組みが続いており、地域経済の発展に貢献しています。