岩手県葛巻町:雄大な自然と豊かな文化が息づく、魅力あふれる町

岩手県岩手郡葛巻町は、雄大な自然に囲まれた、人口約5,000人の静かな町です。
広大な牧場や農場が点在し、緑豊かな景観が広がっています。
近年では、グリーンツーリズムや「くずまきワイン」の生産、風力発電など、自然と共存した持続可能な発展を目指しています。
本記事では、葛巻町の魅力を、歴史、地理、文化、観光、産業など多角的に紹介します。

概要

葛巻町は、岩手県の北部に位置し、岩手郡に属する町です。
町の中心部は標高約400mにあり、周囲は1,000mを超える山々に囲まれています。
森林は町の86%を占め、豊かな自然に恵まれた地域です。

地理

葛巻町は、東西に長く、南北に狭い形状をしています。
町の中心部を馬淵川が流れ、周囲には標高1,000mを超える山々が連なり、山岳地帯としての特徴を持っています。

気候

葛巻町の気候は、亜寒帯湿潤気候・湿潤大陸性気候に属し、冬は厳しい寒さに見舞われます。
12月から2月にかけては、日平均気温が氷点下となり、降雪量も多いことから、豪雪地帯に指定されています。
冬には-20℃前後の気温が観測されることも珍しくありません。

極値 観測値 観測年月日
最高気温 34.7℃ 2007年8月12日
最低気温 -23.2℃ 1978年2月17日
最大日降水量 146mm 2006年10月7日
最大1時間降水量 49mm 2002年8月19日
最大風速 16.1m/s 2018年10月7日
最大瞬間風速 30.7m/s 2017年9月18日
月最深積雪 114cm 2011年1月1日

歴史

葛巻町は、古くから人々が生活していた地域です。
江戸時代には南部藩に属し、その後八戸藩に属することとなりました。
盛岡へ塩を運ぶ野田街道の宿場町として栄え、現在もその面影を残す場所があります。

沿革

  • 1889年(明治22年)4月1日:町村制が施行され、北九戸郡葛巻村が成立。
  • 1897年(明治30年)4月1日:北九戸郡と南九戸郡が合併し、九戸郡の所属となる。
  • 1940年(昭和15年)12月25日:町制施行し、九戸郡葛巻町となる。
  • 1948年(昭和23年)7月1日:九戸郡葛巻町と江刈村が岩手郡に編入される。
  • 1955年(昭和30年)7月15日:葛巻町、江刈村、二戸郡田部村が合併し、現在の岩手郡葛巻町が発足。
  • 1978年(昭和53年)12月15日:町章を制定。

行政

葛巻町の行政は、町長を首長とする町議会制によって行われています。

町長

  • 現町長:鈴木重男(すずき しげお)

姉妹都市・友好都市

葛巻町は、国内に1つの姉妹都市を有しています。

国内

  • 北中城村(沖縄県 中頭郡):1989年姉妹都市提携

地域

人口

葛巻町の人口は、近年減少傾向にあります。
2020年(令和2年)の国勢調査によると、人口は5,634人となっています。

人口
1970年 14,135人
1975年 13,044人
1980年 11,972人
1985年 11,231人
1990年 10,364人
1995年 9,536人
2000年 8,725人
2005年 8,021人
2010年 7,304人
2015年 6,344人
2020年 5,634人

教育

葛巻町には、高等学校、中学校、小学校がそれぞれ1校ずつあります。
また、町立の幼稚園もあります。

  • 岩手県立葛巻高等学校
  • 葛巻町立葛巻中学校
  • 葛巻町立葛巻小学校
  • 葛巻町立江刈中学校
  • 葛巻町立江刈小学校
  • 葛巻町立小屋瀬中学校
  • 葛巻町立小屋瀬小学校
  • 葛巻町立五日市小学校
  • 葛巻町立葛巻幼稚園

郵便

葛巻町には、葛巻郵便局をはじめ、複数の郵便局があります。

  • 葛巻郵便局(集配局)
  • 江刈郵便局
  • 小田郵便局
  • 岩手中村簡易郵便局
  • 田部簡易郵便局
  • 小屋瀬簡易郵便局

交通

葛巻町は、山間部に位置するため、交通アクセスは必ずしも良好ではありません。

鉄道

町内には、鉄道路線は走っていません。
鉄道を利用する場合は、JR東日本東北新幹線およびIGRいわて銀河鉄道線のいわて沼宮内駅が最寄り駅となります。

バス路線

葛巻町には、JRバス東北と岩手県北バスの路線が運行しています。
主要なバス路線は以下のとおりです。

  • JRバス東北
    • 平庭高原線:盛岡駅 – 岩手渋民 – いわて沼宮内駅 – 葛巻駅 – 久慈駅
    • 沼宮内線:葛巻駅 – 荒沢口 – 上荒沢口 – 大平橋
    • 小鳥谷線:葛巻駅 – 冬部 – 姉帯 – 小鳥谷駅 – 一戸駅 – 二戸駅
  • 岩手県北バス
    • 葛巻駅 – 瀬月内 – 伊保内営業所
    • 末代橋 – いわて沼宮内駅 – 中山 – 吉ヶ沢

道路

葛巻町には、国道281号、国道340号、県道15号、県道30号などの道路が通っています。

イベント

葛巻町では、年間を通して様々なイベントが開催されています。
地域住民が一体となって、伝統文化や自然を満喫できるイベントが盛りだくさんです。

くずまきはしご酒まつり

年により開催される日は異なりますが、町内各地の飲食店でサービスを受けられるイベントです。
五店舗以上巡ると景品が当たるので、ぜひチャレンジしてみてください。

ベアレンビール&くずまきワインフェスタinくずまき高原牧場

毎年7月初めの日曜日に、くずまき高原牧場で開催されます。
ワインやビールが飲み放題となるので、大人な雰囲気で楽しめます。

くずまきワイン&生ビールまつり

毎年7月終わり頃に、くずまき駅構内にて開催されます。
ワインやビールが飲み放題となるので、夏らしいイベントを楽しむことができます。

くずまき夏まつり

葛巻小学校グラウンドで開催され、屋台村、打ち上げ花火、盆踊り、抽選会など、盛りだくさんの内容です。

くずまき秋まつり

毎年9月第4土日に開催される、葛巻大麻八幡宮の例大祭です。
山車や神輿が町内を練り歩き、伝統芸能が披露されます。

まちなか紅葉まつり

町中心部を舞台に、屋台村や様々な催し物が開催されます。
秋の紅葉シーズンにぴったりのイベントです。

雪だるまロード・雪像コンテスト

冬には、各地に雪像が作られ、コンテストが開催されます。
個性的な雪像の数々に、きっと笑顔がこぼれるでしょう。

まちなか雪まつり

葛巻小学校グラウンドで行われ、雪に関する様々な催し物が開催されます。
冬の寒さを忘れて楽しめるイベントです。

くずまき高原牧場冬まつり

綱引きやカーリングなどが楽しめる他、抽選会も行われます。
冬の澄み切った空気の中で、体を動かすイベントです。

平庭高原つつじまつり

平庭高原では、5月下旬から6月上旬にかけて、つつじが見頃を迎えます。
つつじの花に囲まれながら、屋台村やステージショーなどを楽しむことができます。

くずまき高原牧場まつり

くずまき高原牧場で開催され、新鮮な牛肉や牛乳を味わったり、動物との触れ合いを楽しむことができます。
家族連れで楽しめるイベントです。

くずまき町民まつり

葛巻町社会体育館・モウモウ館で開催され、生涯学習まつり・産業まつりと同時開催されます。
ステージショーや様々な催し物を楽しむことができます。

脚注

  1. 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)葛巻(岩手県)2021年5月1日閲覧。
  2. “葛巻 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年3月30日閲覧。
  3. 「法律第五十號」『官報』第3822号、内閣官報局、454頁、1896年3月30日。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2947101/4。
  4. 「総理廳告示第百五十四号」『官報』第6459号、印刷局、190頁、1948年7月27日。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2962992/2。
  5. 『図典 日本の市町村章』31頁
  6. 岩手県葛巻町のホワイトスペースを活用した地上一般放送局に免許 -町内の25か所のエリア放送で行政情報などを提供-(東北総合通信局 報道資料 平成25年1月29日)(2013年2月5日アーカイブ) – 国立国会図書館Web Archiving Project
  7. 免許取得状況(エリア放送開発委員会) – ウェイバックマシン(2014年2月2日アーカイブ分)
  8. エリア放送を行う地上一般放送局の免許状況【概要】(東北総合通信局 – 放送 )(2023年3月5日アーカイブ) – 国立国会図書館Web Archiving Project

関連項目

  • 葛巻町畜産開発公社(くずまき高原牧場)

外部リンク

  • 葛巻町役場
  • いらっしゃい葛巻推進課 (irassyaikuzumaki) – Facebook

葛巻町は、雄大な自然と豊かな文化が調和した、魅力あふれる町です。
ぜひ一度、訪れてみてください。

葛巻町についてのクイズ

葛巻町の中心部の標高は約何メートルですか?

葛巻町の中心部は標高約400mに位置しています。この地域は山々に囲まれた山岳地帯で、周囲には1,000mを超える山々が連なっており、その多くは自然の恵みが豊富です。高い場所に位置することで、冬になると厳しい寒さを体験することができる一方、夏は涼しい気候を享受することができ、非常に快適です。このような環境は、地域の農業や観光業にも良い影響を与えており、特にグリーンツーリズムなどは家庭や観光客に人気があります。自然と共生した暮らしが息づく葛巻町の地理的特徴が、このような地域の魅力を高めています。

葛巻町の気候はどの気候区分に属しますか?

葛巻町の気候は亜寒帯湿潤気候および湿潤大陸性気候に分類されます。この気候は、特に冬季において極めて厳しい寒さが特徴で、12月から2月にかけては日平均気温が氷点下となり、豪雪地帯とも言われています。このような冬の気候は、寒冷地での生活や地域の文化にも影響を与え、冬の祭りや特有の伝統行事が数多く行われています。一方、夏は比較的涼しく、湿度も高いことから、自然の美しさを楽しむためのアウトドアアクティビティには最適です。

葛巻町の姉妹都市はどこですか?

葛巻町の姉妹都市は沖縄県の北中城村です。1989年に姉妹都市提携が結ばれ、地域間の交流が進められています。こうした姉妹都市関係は、地域の文化や産業を相互に理解し、発展させる一助となります。また、友好の象徴として、観光や文化交流イベントが開催され、地域特産品の紹介なども行われています。この交流により、両地域の住民が異文化を体験し、学び合う貴重な機会となっています。

葛巻町には何校の高等学校がありますか?

葛巻町には岩手県立葛巻高等学校が1校存在しています。町内の教育機関は少なく、あわせて中学校と小学校もそれぞれ1校ずつあります。教育環境は地元の住民にとって重要であり、地域の未来を担う若者の育成に力を入れています。また、町立の幼稚園もあり、子供たちの教育機会を広げています。地域の学校は、学生に対して質の高い教育を提供するだけでなく、地域コミュニティとも密接に関わり合い、地元の文化や価値観を培う役割も果たしています。

葛巻町で開催されるイベントはどの季節のものですか?

葛巻町では、年間を通じて多様なイベントが開催されています。これらは季節ごとに特色があり、地域住民が中心となって伝統文化や自然を楽しむことができます。春には平庭高原つつじまつり、夏にはくずまき夏まつり、秋にはくずまき秋まつりが行われ、冬には雪まつりや雪だるまロードが開催されます。このように、四季折々のイベントは町の文化形成や地域振興にも寄与し、訪れる観光客にとっても魅力的なアトラクションとなっています。