茨城県つくばみらい市:東京へのアクセス抜群!自然とニュータウンが調和する街

茨城県南部のつくばみらい市は、東京都市圏に位置し、都心から約40kmとアクセス抜群の街です。かつては純農村でしたが、1960年代以降、住宅開発が進み、常磐自動車道の開通や常総ニュータウン絹の台の造成などにより、東京都区部のベッドタウンとしての側面を強めてきました。2005年の首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス開業後は、みらい平駅周辺を中心に更なる開発が進み、現在も発展を続けています。

概要

つくばみらい市は、江戸時代に開発された「谷原領3万石」と呼ばれた地域に位置し、豊かな自然と最新の都市開発が調和した街です。鬼怒川と小貝川が流れ、小貝川の東岸には広大な水田地帯が広がっています。東部と西部は常総台地の丘陵地で、ニュータウンや畑、森林が広がり、多様な景観を楽しめます。

地理

つくばみらい市の標高は約5~25mと平坦な地形です。市内には鬼怒川と小貝川が流れ、小貝川の東岸に位置する低地部は「谷原領3万石」と呼ばれ、水田地帯として発展してきました。東部と西部は常総台地の丘陵地で、ニュータウンの開発が進み、住宅地として発展しています。また、北部には国道354号沿道に工業団地が立地しています。

地区

つくばみらい市は、合併前の旧伊奈町と旧谷和原村、そしてつくばエクスプレス沿線開発によるみらい平地区の3つの地区に大きく分けられます。

伊奈地区

旧伊奈町の区域で、以下の地域が含まれます。

  • 小張地区: 小張、谷口、奉社、市野深、新戸、小島新田、善助新田
  • 豊地区: 豊体、青古新田、青木、長渡呂、長渡呂新田、狸渕、弥柳、福田、市野深(一部)
  • 三島地区: 下島、伊丹、神住新田、山王新田、中島、上島、福原、戸崎、戸茂、南太田(久保行政区)、伊丹(根柄行政区)
  • 東地区: 足高、東栗山、城中、神生、神住新田(一部)、伊丹(一部)
  • 谷井田地区: 谷井田、山谷、上平柳、中平柳、下平柳
  • 板橋地区: 板橋、南太田、伊奈東、高岡、狸穴、大和田、野堀、武兵衛新田、重右衛門新田、小張(一部)

谷和原地区

旧谷和原村の区域で、以下の地域が含まれます。

  • 福岡地区: 福岡、台、福岡台入会地、南、中原(旧伊左衛門新田)、坂野新田、仁左衛門新田、北山
  • 小絹地区: 細代、 寺畑、 杉下、小絹、筒戸、平沼、絹の台、西ノ台、西ノ台南
  • 十和地区: 上長沼、押砂、日川、田村(旧田)、真木、下長沼、十和、北袋、樛木、箕輪
  • 谷原地区: 東楢戸、西楢戸、東西楢戸入会地、西丸山、古川、成瀬、加藤、上小目、宮戸、下小目、川崎、鬼長

みらい平地区

つくばエクスプレス沿線開発によって生まれた新しい地区で、旧伊奈町と旧谷和原村に跨っています。

  • みらい平地区: 陽光台、紫峰ヶ丘、富士見ヶ丘

隣接自治体

つくばみらい市は、以下の自治体と隣接しています。

  • つくば市
  • 守谷市
  • 取手市
  • 常総市
  • 龍ケ崎市

歴史

つくばみらい市の歴史は、江戸時代に遡ります。

年表

  • 1889年(明治22年)4月1日: 市町村制度施行により、現在の市域にあたる以下の村が発足しました。
    • 筑波郡三島村、谷井田村、豊村、小張村、板橋村、久賀村、鹿島村、十和村、福岡村、北相馬郡長崎村、小絹村
  • 1913年(大正2年)11月1日: 常総鉄道(現在の関東鉄道常総線)取手~下館間が開業し、小絹駅が設置されました。
  • 1981年(昭和56年)4月27日: 常磐自動車道柏IC~谷田部ICが開通、谷和原ICが設置されました。
  • 1989年(平成元年)7月30日: 常総ニュータウン絹の台が開業しました。
  • 2000年(平成12年)4月21日: 町立(現在は市立)歴史公園 ワープステーション江戸が開園しました。
  • 2005年(平成17年)8月24日: 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスが開業し、みらい平駅が設置されました。
  • 2006年(平成18年)3月27日: 筑波郡伊奈町と同郡谷和原村が合併し、つくばみらい市が発足しました。同時に筑波郡も消滅しました。

市名の由来

つくばみらい市という市名は、かつて市内全域が筑波郡に属していたことと、つくばエクスプレスの駅名「みらい平」に由来しています。地名や方角に関係のない「みらい」という言葉を市名に採用したことは、過去に例がなく、非常に珍しいです。

市名は住民アンケートを基準として候補を選出し、合併協議会委員の投票によって決められました。しかし、住民アンケートで「つくばみらい」の名を書いた票は、谷和原村分の36票のみで、最も多かった市名の2割にも満たないという結果でした。

人口

つくばみらい市の人口は、近年増加傾向にあります。2024年8月1日現在、推計人口は51,394人です。

人口
1970年 21,072人
1975年 25,402人
1980年 32,917人
1985年 36,776人
1990年 38,537人
1995年 40,495人
2000年 40,532人
2005年 40,174人
2010年 44,461人
2015年 49,136人
2020年 49,872人

行政

市長

つくばみらい市の現市長は、小田川浩氏です。2018年5月14日に就任し、現在2期目です。

歴代市長

氏名 就任年 退任年 備考
初代 飯島善 2006年 2010年 旧伊奈町の町長を4期務め、市長職務執行者も務めた
2代 片庭正雄 2010年 2018年
3代 小田川浩 2018年 現職

財政

つくばみらい市の財政は、近年、国からの地方交付税の減額などを受けて、厳しい状況にあります。合併によって増加した経常的な経費に見合う財源の確保に苦慮しています。

市役所庁舎

つくばみらい市は、本所機能を分散させた分庁舎方式を採用しています。

  • つくばみらい市役所:
    • 伊奈庁舎: 福田195番地(※市役所所在地)
    • 谷和原庁舎: 加藤237番地
    • みらい平市民センター: 陽光台3丁目9番地1

議会

市議会

つくばみらい市議会は、定数16人の議員で構成されています。

県議会

つくばみらい市は、茨城県議会において、つくばみらい市選挙区(定数1人)を構成しています。

衆議院

つくばみらい市は、衆議院において、茨城6区に属しています。

友好都市・提携都市

つくばみらい市は、国内外で友好都市・提携都市を結んでいます。

国内

  • 伊奈町(埼玉県): 伊奈忠治公の父の伊奈忠次が町名の由来であり、両市町ともにゆかりの地であることから友好都市を締結しました。
  • 香取市(千葉県): 旧伊奈町出身の間宮林蔵と香取市出身の伊能忠敬が測量技術や家族ぐるみでの友好関係を築いていたことから友好都市を締結しました。

海外

  • カルカル市(フィリピン共和国): 2023年11月24日に友好都市提携を締結しました。

文化・体育施設

つくばみらい市には、公民館、コミュニティセンター、図書館、体育施設など、様々な文化・体育施設があります。

公民館

  • 伊奈公民館
  • 谷和原公民館

コミュニティセンター

  • 谷井田コミュニティセンター
  • 板橋コミュニティセンター
  • 小絹コミュニティセンター
  • みらい平コミュニティセンター

図書館

  • つくばみらい市立図書館
    • つくばみらい市立図書館小絹分館(小絹コミュニティセンター内)
    • つくばみらい市立図書館みらい平分館(みらい平コミュニティセンター内)

体育施設

  • 総合運動公園
  • 城山運動公園
  • 古川テニスコート
  • 谷和原武道館

経済

つくばみらい市の経済は、農業、工業、商業がバランスよく発展しています。

特産品

  • 太郎兵衛煎餅
  • コシヒカリ
  • 黒豆・緑豆
  • 巨峰
  • みつば

主な企業

つくばみらい市には、地元企業のほか、市外に本社のある企業の事業所も数多く立地しています。

  • 山野井精機株式会社
  • フォージテックカワベ株式会社
  • 大久保熨斗吉商店
  • 十和運送株式会社
  • 斉藤商店
  • 関東機材株式会社
  • 大和陸運倉庫株式会社

商業施設

つくばみらい市には、スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンターなど、様々な商業施設が充実しています。

  • ピアシティみらい平
  • ピアシティ富士見ヶ丘
  • KASUMI
  • TORISEN
  • ヨークベニマル
  • 業務スーパー
  • ドラッグクラモチ
  • ウエルシア
  • クリエイトエス・ディー
  • ツルハドラッグ
  • ドラッグストアセキ
  • ケーズデンキ
  • ヤマダデンキテックランド
  • DCMホーマック
  • しまむら
  • ジェームス
  • サンキ

教育

つくばみらい市には、高等学校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園、特別支援学校など、様々な教育機関があります。

高等学校

  • 茨城県立伊奈高等学校

中等教育学校

  • 開智望中等教育学校

中学校

  • つくばみらい市立伊奈中学校
  • つくばみらい市立伊奈東中学校
  • つくばみらい市立谷和原中学校
  • つくばみらい市立小絹中学校

小学校

  • つくばみらい市立伊奈東小学校
  • つくばみらい市立小張小学校
  • つくばみらい市立伊奈小学校
  • つくばみらい市立豊小学校
  • つくばみらい市立小絹小学校
  • つくばみらい市立谷和原小学校
  • つくばみらい市立福岡小学校
  • つくばみらい市立陽光台小学校
  • つくばみらい市立富士見ヶ丘小学校

幼稚園

  • つくばみらい市立すみれ幼稚園
  • つくばみらい市立谷和原幼稚園
  • つくばみらい市立わかくさ幼稚園

特別支援学校

  • 県立伊奈特別支援学校

健康・医療・福祉

つくばみらい市には、保健福祉センター、高齢者センター、児童館、保育所など、様々な健康・医療・福祉施設があります。

医療関連施設

  • つくば保健所
  • 保健福祉センター

福祉施設

  • きらくやまふれあいの丘
  • つくばみらい市社会福祉協議会

交通

つくばみらい市は、鉄道、バス、道路と、様々な交通手段が利用できます。

鉄道

つくばみらい市の主要駅は、みらい平駅と小絹駅です。

  • 首都圏新都市鉄道:
    • つくばエクスプレス: みらい平駅
  • 関東鉄道:
    • 常総線: 小絹駅

バス

つくばみらい市では、主に守谷駅・取手駅を発着する路線バスが運行されています。また、コミュニティバス「みらい号」も運行されています。

  • 関東鉄道:
    • 守谷営業所
    • つくば中央営業所
  • つくばみらい市:
    • コミュニティバス「みらい号」(運行は関東鉄道に委託)
    • きらくやまふれあいの丘〜みらい平駅間の無料シャトルバス

道路

つくばみらい市には、高速道路、一般国道、県道、その他道路が整備されています。

  • 高速道路:
    • 常磐自動車道: 谷和原IC
  • 一般国道:
    • 国道294号
  • 県道:
    • 茨城県道・千葉県道3号つくば野田線
    • 茨城県道19号取手つくば線
    • 千葉県道・茨城県道46号野田牛久線
    • 茨城県道127号谷田部小張線
    • 茨城県道130号常総取手線
    • 茨城県道210号谷田部藤代線
    • 茨城県道211号高岡藤代線
    • 茨城県道328号谷井田稲戸井停車場線
    • 茨城県道355号東楢戸真瀬線

名所・旧跡・観光スポット・祭事

つくばみらい市には、歴史的な名所や観光スポットが数多く存在します。

  • 板橋不動尊:
  • 市立歴史公園 ワープステーション江戸:
  • 間宮林蔵記念館:
  • 結城三百石記念館:
  • 綱火: 国重要無形民俗文化財
  • 福岡堰:
  • 平和の碑:

出身・在住著名人

つくばみらい市には、様々な分野で活躍する著名人が数多くいます。

  • 間宮林蔵: 江戸時代後期の冒険家
  • 黒沢英一: 農芸化学者
  • 上岡元: 岡山放送アナウンサー
  • 山野井智広: 競泳・元日本代表
  • 山野井絵理: 競泳・元日本代表
  • 田中一弘: レーサー
  • 吉田充宏: プロレスラー
  • ケント・ディカプリオ: プロレスラー
  • 豊嶋邑作: サッカー選手
  • 常陸海光房: 元大相撲力士

その他

つくばみらい市には、様々な特徴があります。

  • 旧伊奈町にある「伊奈ライオンズクラブ」は、埼玉県北足立郡伊奈町の「伊奈ライオンズクラブ」と交流があります。
  • 2007年8月、陽光台四丁目に大相撲の立浪部屋が部屋を起こしました。
  • 『ふらっと!294』という常総市、つくばみらい市、取手市の観光・地域情報を3人の美少女キャラクターが案内するモバイルアプリケーションが、2018年5月1日からリリースされています。つくばみらい市は”筑波未来(みら)”というキャラクターです。

脚注

  1. “市の人口(つくばみらい市)”. つくばみらい市役所. 2015年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月7日閲覧。
  2. ^ a b c d 小野寺敦 監修 『茨城「地理・地名・地図」の謎』 (2014, pp. 14–16)
  3. 【投票確定】つくばみらい市長選挙及びつくばみらい市議会議員補欠選挙のお知らせ平成30年4月22日 つくばみらい市総務部総務課
  4. 【投票速報】平成30年つくばみらい市長選挙(確定)平成30年4月23日 つくばみらい市総務部総務課
  5. ^ a b 【開票速報】平成30年つくばみらい市長選挙(確定)平成30年4月23日 つくばみらい市総務部総務課
  6. “増える「書店ゼロ」自治体”. 読売新聞. (2015年9月23日). オリジナルの2015年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150924021020/http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20150915-OYT8T50105.html
  7. 「開局:みらい平郵便局」 日本郵便2021年2月24日
  8. 取手市「取手・つくばみらい・常総市・関東鉄道の観光アプリ 「ふらっと!294」が誕生」(pdf)『広報とりで』第1244号、2018年5月1日、1頁、2021年1月9日閲覧。

参考文献

  • 小野寺敦 監修「地名と方言にまつわる不思議にせまる」『茨城「地理・地名・地図」の謎』(初版)実業之日本社〈じっぴコンパクト新書〉、2014年、pp.14-16頁。ISBN 978-4-408-45517-4。

関連項目

  • ひらがな・カタカナ地名
  • 瑞祥地名
  • 広域地名
  • 日本の地方公共団体一覧

外部リンク

地図

| 谷田部(南西) |
|—|—|
| 守谷(北東) | 藤代(北西) | 藤代(北東) |
| 藤代(南西) | 藤代(南東) |

つくばみらい市についてのクイズ

つくばみらい市はどのような地理的特徴を持ちますか?

つくばみらい市は、鬼怒川と小貝川が流れる地域で、東部と西部には常総台地の丘陵地があり、ニュータウンや畑、森林が広がる点が特徴です。また、小貝川の東岸には広大な水田地帯が広がっており、両地域の自然が調和しています。このような地形は、つくばみらい市の農業や住環境に大きな影響を与えており、自然を楽しむことができる美しい風景も魅力の一つです。市の標高は約5~25mと平坦であるため、交通インフラも整備されやすく、居住地としての発展にも寄与しています。

つくばみらい市はいつ合併して誕生したか?

つくばみらい市は、2006年の3月27日に、旧伊奈町と旧谷和原村が合併することで誕生しました。この合併により、筑波郡も消滅しました。また、市名は、かつて市内全域が筑波郡に属しており、さらに新たに開通したつくばエクスプレスの「みらい平」に由来します。住民アンケートを参考にしながら市名が決定されましたが、住民からの支持票は少数でした。市としての新しいスタートを切ったこの年から、つくばみらい市は住宅開発やインフラ整備が本格化し、発展を遂げています。

つくばみらい市に含まれる地区の中で、新しい開発によって生まれた地区はどれですか?

みらい平地区は、つくばエクスプレス沿線の開発によって生まれた新しい地区で、旧伊奈町と旧谷和原村にまたがっています。この地域の開発は、都心からのアクセス向上と、都会の利便性を享受しつつ田舎の自然も残した居住環境を提供することを目指しています。みらい平駅を中心に住宅地としても発展しており、若い世代やファミリー層の移住先として人気があります。このような開発は、地域の活性化にも大きく寄与しています。

つくばみらい市の現市長は誰ですか?

つくばみらい市の現市長は小田川浩氏です。彼は2018年5月14日に就任し、現在2期目を務めています。小田川氏は、前市長である片庭正雄氏の後任として市長に選出されました。初代市長の飯島善氏は、旧伊奈町の町長を4期務めた実績があります。市政を運営する中で、地域の発展や市民とのコミュニケーションを重視し、つくばみらい市をより良い町にするための取り組みを行っています。また、彼の政治方針や施策は市民からの支持を集めており、地域の活性化を図っています。

つくばみらい市の特産品に含まれないものはどれですか?

つくばみらい市は、地域特産品としてコシヒカリや巨峰などが有名です。コシヒカリはその特徴的な甘さと品質の良さから、日本全体で広く認知されているブランド米であり、市内の農業において重要な作物です。巨峰は品種として人気のあるぶどうで、市内の農家によって栽培されています。一方、白ワインはつくばみらい市の特産品としては認められていません。特産品の独自性や地域の農業振興に力を入れる中で、これらの農産物が広く愛されています。

つくばみらい市の交通手段の中で、主要な駅として存在するのはどの駅ですか?

つくばみらい市の主要駅はみらい平駅です。この駅は、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスが運行しており、都市部へのアクセスが非常に便利です。みらい平駅周辺は駅を中心に住宅や商業施設が発展し、通勤・通学の要所として機能しています。一方、つくば駅や取手駅は市外に位置し、つくばみらい市の居民にはあまり利用されませんが、近隣地域へのアクセスがあります。市内交通としては、路線バスやコミュニティバスも利用されており、住民の利便性向上が図られています。