常総市:歴史と自然が織りなす魅力溢れる街

茨城県南西部の魅力的な街、常総市

常総市は、茨城県南西部に位置する歴史と自然豊かな街です。かつては鬼怒川の河川水運で栄え、江戸時代には周辺地域の中核都市として発展してきました。近年では、東京都心からのアクセスも良く、緑豊かな環境や歴史的建造物が数多く残ることから、映画やドラマのロケ地としても人気です。

概要

常総市は、茨城県内の県西地区に属し、市域の大半は下総国に属しています。中心部にある水海道地区は、江戸時代中期までは寒村でしたが、鬼怒川の河川水運の発展により、周辺地域の中核都市として発展しました。昭和後期以降は、隣接する県南地域の開発に遅れをとるものの、五木宗のレンガ蔵や鍵屋河岸倉庫などの歴史的建造物が、かつての繁栄を物語っています。

近年では、東京都心からのアクセスが良く、緑豊かな環境や歴史的建造物が数多く残ることから、映画やドラマのロケ地としても人気があります。

地理

常総市は、茨城県南西部に位置し、東京都心から約50km、茨城県の県庁所在地である水戸市からは約70kmの圏内にあります。海抜平均10mから20mの平坦な土地が広がり、東に小貝川、市中央に鬼怒川が流れています。鬼怒川を境に東部地域には市役所と水海道駅、石下駅を中心とする市街地や水田、西部地域には水田、畑、森林、工業団地などが広がっています。

地名の由来

常総市の地名は、旧市町村によって区分されます。

  • 1954年の市制直前に旧結城郡水海道町となっていた地域:「水海道○○町」と表記(○○は水海道市市制施行時に制定された町名)。
  • 1954年の市制直前に旧結城郡水海道町以外となっていた地域:
    • 旧北相馬郡坂手村・旧結城郡豊岡村:「○○町」と表記(○○は合併直前の村名)。
    • 旧北相馬郡坂手村、旧結城郡豊岡村以外:「○○町」と表記(○○は合併直前の村の大字)。
    • 1955年に水海道市に編入された旧筑波郡谷和原村大字川又:「水海道川又町」
    • 1955年に水海道市に編入された旧筑波郡真瀬村の一部:「東町」
    • 1956年に水海道市に編入された旧北相馬郡菅生村:「○○町」と表記(○○は旧村の大字)。
    • 1956年に水海道市に編入された旧北相馬郡内守谷村:
      • 常総ニュータウン以外:「内守谷町」
      • 常総ニュータウンきぬの里地区:「内守谷町きぬの里」
    • 2006年に水海道市に編入された旧結城郡石下町:
      • 大沢新田・古間木の各一部:「大沢」
      • 大沢新田・古間木の各一部以外:「○○」(○○は旧石下町の大字)

隣接する自治体

常総市は、以下の自治体と隣接しています。

  • 茨城県:つくば市、坂東市、下妻市、つくばみらい市、守谷市、結城郡八千代町
  • 千葉県:野田市

人口

常総市の人口は、2024年8月1日現在、推計人口で58,945人です。人口密度は477人/km2です。

歴史

常総市は、古くから歴史と文化が育まれた街です。

  • 平安時代:武将坂上田村麻呂が、この地で馬に水を飲ませたという故事から、水海道(みつかいどう)と呼ばれるようになりました。
  • 江戸時代:鬼怒川と利根川が直結したことにより水運が発達し、江戸と下総、下野、会津方面とを結ぶ水運の中継地として栄えました。
  • 明治時代:常総鉄道(現関東鉄道常総線)が開通し、軌道交通による経済発展が進みました。
  • 昭和時代:市制施行により水海道市となり、周辺町村を編入して発展しました。
  • 平成時代:平成の大合併により、旧石下町を編入し、常総市と改称しました。

沿革

常総市の歴史を年表で示します。

出来事
1871年(明治4年) 豊田郡水海道村が水海道駅に改称。
1889年(明治22年) 町村制の施行により水海道駅が単独町制となり、水海道町が発足。
1896年(明治29年) 豊田郡、岡田郡及び結城郡の統合により、所属郡を結城郡に変更。
1954年(昭和29年) 結城郡豊岡村・菅原村・大花羽村・三妻村・五箇村・大生村、北相馬郡坂手村を編入・市制施行し水海道市となる。
1955年(昭和30年) 筑波郡真瀬村の一部、同郡谷和原村(現:つくばみらい市)大字川又を編入。それぞれ東町、川又町となる。
1956年(昭和31年) 北相馬郡内守谷村・菅生村を編入。
2003年(平成15年) 内守谷町きぬの里1丁目〜3丁目(旧内守谷町の一部)を新設。
2006年(平成18年) 結城郡石下町を編入し、常総市と改称。
2014年(平成26年) 新庁舎開庁(東日本大震災被害から建て替え)
2015年(平成27年) 関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害を受ける。
2017年(平成29年) 圏央道 境古河IC – つくば中央IC間開通、市内に常総ICが開設。

行政

市長

常総市は、市長をトップとする首長制を採用しています。現在の市長は、神達岳志氏です。

市役所庁舎

常総市役所は、水海道庁舎と石下庁舎の2つの庁舎があります。

  • 本庁舎(水海道庁舎): 茨城県常総市水海道諏訪町字八幡東3222番地3
  • 石下庁舎: 茨城県常総市新石下4310番地1

加入広域事務組合

常総市は、以下の広域事務組合に加入しています。

  • 常総地方広域市町村圏事務組合(つくばみらい市・取手市・守谷市・常総市(旧水海道市地区)のごみ処理などを行っている。)
  • 下妻地方広域事務組合(下妻市・八千代町・常総市(旧石下町地区)のごみ処理などを行っている。)
  • 茨城県市町村総合事務組合
  • 茨城租税債権管理機構
  • 常総衛生組合
  • 茨城西南地方広域市町村圏事務組合
  • 常総・下妻学校給食組合(2011年9月30日解散)

第三セクター等

  • あすなろの里

管轄消防署

  • 常総広域消防(つくばみらい市・守谷市・常総市[旧水海道市地区]が管轄地域である。)
    • 水海道消防署
    • 水海道消防署北出張所
    • 水海道消防署絹西出張所
  • 茨城西南広域消防下妻消防署(下妻市と八千代町と本市の旧石下町地区が管轄地域である。)
    • 下妻消防署 石下分署

管轄警察署

  • 常総警察署(つくばみらい市と当市が管轄地域である。)

議会

市議会

常総市議会は、定数22人の議員で構成されています。

衆議院

常総市は、茨城7区に属しています。

経済

常総市は、農業、工業、商業など、様々な産業が活発な街です。

工業団地

常総市には、以下の工業団地があります。

  • 大生郷工業団地
  • 坂手工業団地
  • 内守谷工業団地

本社を置く企業

常総市には、以下のような企業が本社を置いています。

  • 株式会社菓道
  • リスカ株式会社
  • 株式会社北総交通
  • 株式会社サクマエンジニアリング
  • 株式会社ユーホーニイタカ

教育

常総市には、小学校、中学校、高等学校など、様々な教育機関があります。

高等学校

  • 茨城県立水海道第一高等学校
  • 茨城県立水海道第二高等学校
  • 茨城県立石下紫峰高等学校

中学校

  • 常総市立石下中学校
  • 常総市立石下西中学校
  • 常総市立鬼怒中学校
  • 常総市立水海道中学校
  • 常総市立水海道西中学校
  • 茨城県立水海道第一高等学校附属中学校

小学校

  • 常総市立飯沼小学校
  • 常総市立石下小学校
  • 常総市立岡田小学校
  • 常総市立大生小学校
  • 常総市立絹西小学校
  • 常総市立五箇小学校
  • 常総市立菅生小学校
  • 常総市立玉小学校
  • 常総市立菅原小学校
  • 常総市立豊岡小学校
  • 常総市立豊田小学校
  • 常総市立水海道小学校
  • 常総市立三妻小学校

学校教育以外の施設

  • 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構茨城支部 茨城職業能力開発促進センター(愛称:ポリテクセンター茨城)

交通

常総市は、鉄道、バス、道路など、様々な交通手段が整備されています。

鉄道

  • 関東鉄道常総線:水海道駅、北水海道駅、中妻駅、三妻駅、南石下駅、石下駅、玉村駅

バス

  • 関東鉄道
  • 関鉄観光バス
  • 常総市コミュニティバスJOY BUS

道路

  • 高速道路
    • C4 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
      • 常総IC
  • 一般国道
    • 国道294号
    • 国道354号(水海道有料道路)
  • 主要地方道
    • 茨城県道20号結城坂東線
    • 茨城県道24号土浦境線
  • 一般県道
    • 茨城県道129号下妻常総線
    • 茨城県道134号鴻野山豊岡線
    • 茨城県道136号高崎坂東線
    • 茨城県道217号皆葉崎房線
    • 茨城県道332号石下停車場線
    • 茨城県道357号谷和原筑西線
  • 道の駅
    • 常総

名所・旧跡・観光スポット

常総市には、歴史的建造物や自然豊かな観光スポットが数多く存在します。

神社・寺院

  • 一言主神社
  • 大生郷天満宮
  • 安楽寺(元三大師)
  • 弘経寺
  • 法蔵寺

重要文化財(国指定)

  • 水海道風土博物館坂野家住宅

その他

  • 吉野公園
  • あすなろの里
  • 天然温泉 きぬの湯
  • 豊田城
  • 長塚節の生家
  • 二水会館

イベント・祭事・催事

常総市では、一年を通して様々なイベントや祭りが開催されています。

  • 常総市マラソン大会
  • 千姫まつり
  • みつかいどう祇園祭
  • 石下祇園祭
  • 石下将門まつり
  • 常総きぬ川花火大会

フィルムコミッション活動

常総市は、映画やドラマのロケ地として人気があり、多くの作品が撮影されています。

出身有名人

常総市には、以下のような著名人がいます。

  • 渡辺嘉重
  • 風見章
  • 松田道雄
  • 宮島達夫
  • 大川とみ
  • 市村則紀
  • 小谷野敦
  • 岡田忠之
  • 羽田美智子
  • 細川和彦
  • 石塚真一
  • 鈴木たろう
  • 平将門
  • 服部波山
  • 長塚節
  • 赤プル
  • 鈴木桂治
  • 小野卓志

その他

  • 市外局番は0297です。
  • ナンバープレートは「つくばナンバー」です。
  • 『ふらっと!294』という常総市、つくばみらい市、取手市の観光・地域情報を3人の美少女キャラクターが案内するモバイルアプリケーションがリリースされています。

脚注

  1. 『水海道郷土史物語』(筑波書林)
  2. 東日本豪雨・鬼怒川決壊2年 転出続き戻らぬ活気『産経新聞』朝刊2017年9月10日(社会面)
  3. 常総市ホームページ-位置と地勢(2009年12月7日閲覧)
  4. 常総市ホームページ – 常総市の住所表示(2015年10月11日閲覧)
  5. “○町の新設”. 常総市. 2010年1月29日閲覧。
  6. これはそれまで飛び地となっていた大沢新田・古間木の一部が大沢に編入されたためである。
  7. “字の廃止及び町の区域の設定(平成14年8月8日 茨城県告示第933号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1388号: pp. p.2-5, (2002年8月8日)
  8. “杉田光良氏死去/茨城県常総市長”. 四国新聞社. (2008年6月15日). https://www.shikoku-np.co.jp/national/okuyami/article.aspx?id=20080615000217 2015年9月16日閲覧。
  9. 三谷宏治 (2015年9月17日). “常総市役所の衝撃!自治体の新築庁舎は本当に頼れる防災拠点か?”. ダイヤモンド社. 2017年2月25日閲覧。
  10. 常総市水害対策検証委員会 (2016年6月13日). “平成27年常総市鬼怒川水害対応に関する検証報告書”. 常総市. 2017年2月25日閲覧。
  11. “市議会のしくみ”. 常総市. 2019年5月13日閲覧。
  12. ^ a b c d “常総市公共交通ガイドブック”. 常総市. 2024年7月27日閲覧。
  13. “関鉄グリーンバス・関鉄パープルバス-路線バス”. 2024年7月27日閲覧。
  14. 『日本全国諸会社役員録. 第21回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. 『電気事業要覧. 第〔6〕回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  16. 『電気事業要覧. 第11回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  17. 福井一喜・神文也・渡邊瑛季・周軼飛・薛琦・中川紗智・市川康夫・山下清海「需給チャネルからみた首都圏外縁部中心市街地の商業特性―茨城県水海道地域を事例に―」『地域研究年報』第36号、筑波大学人文地理学・地誌学研究会、2014年3月、9頁、NAID 120005568088。
  18. 取手市「取手・つくばみらい・常総市・関東鉄道の観光アプリ 「ふらっと!294」が誕生」(pdf)『広報とりで』第1244号、2018年5月1日、1頁、2021年1月9日閲覧。

外部リンク

常総市は、歴史と自然が織りなす魅力的な街です。ぜひ一度訪れてみてください。

常総市についてのクイズ

常総市はどの県に位置していますか?

常総市は茨城県南西部に位置する都市であり、歴史と自然が調和した魅力的な地域です。茨城県は関東地方に属し、水戸市が県庁所在地です。常総市は水海道地区を中心に発展し、江戸時代から鬼怒川の水運によって栄えました。また、東京都心からのアクセスも良好であり、最近では緑が豊かで歴史的な建物が多く残ることから観光地としても注目を集めています。常総市の豊かな自然と歴史ある街並みは、多くの訪問者に感銘を与えています。

常総市の地名の由来は何ですか?

常総市の地名「水海道」は、平安時代に武将坂上田村麻呂がこの地で馬に水を飲ませたという故事から来ています。この歴史的背景は、常総市が水の豊かな土地であることを強調しています。江戸時代には鬼怒川と利根川が直結し、水運の発達に繋がり、物流の要所としても栄えたことから、地名はさらにその重要性を反映しています。現在でもこの名称は地元の人々に親しまれており、地域の誇りとなっています。

常総市で開催される祭事の一つは何ですか?

常総市では年間を通じて様々な祭事やイベントが開催されています。その中でも「常総市マラソン大会」は地域の活性化を図る重要な催しで、多くの参加者が集まります。市内の美しい景観を楽しみながら走ることができるこの大会は、地域の交流を促し、観光客を呼び込む役割も果たしています。また、地域の特産品や飲食ブースも並び、市民と来訪者が共に楽しむことができるイベントとなっています。

常総市の人口は約何人ですか?

常総市の人口は2024年8月1日現在、推計で約58,945人です。市の面積や住民の生活環境、経済活動といった要素が関連しており、人口密度は477人/km²となっています。これまでの人口推移を見ても、常総市は住みやすいだけでなく、交通アクセスも良好で、東京都心からの通勤や観光客の訪問も見込まれています。市の活性化に向けた施策が進められており、将来的には人口増加が期待されています。

常総市の工業団地の名称は次のうちどれですか?

常総市には複数の工業団地が存在し、その一つが「内守谷工業団地」です。常総市は農業、工業、商業が活発に行われている地域であり、工業団地は地元経済の中心的な役割を果たしています。開発された工業団地には様々な企業が進出しており、地元の雇用機会を生むとともに、地域全体の経済成長にも寄与しています。このように、内守谷工業団地は常総市の経済的な発展に欠かせない存在となっています。