茨城県常陸大宮市:豊かな自然と歴史が織りなす魅力的なまち

茨城県北西部に位置する常陸大宮市は、八溝山地の東麓に広がる自然豊かなまちです。雄大な山々、清らかな川、そして歴史を感じさせる古き良き街並みが調和し、都会の喧騒から離れてゆったりと過ごしたい人々にとって魅力的な場所となっています。

概要

常陸大宮市は、2004年10月16日に那珂郡の大宮町、山方町、美和村、緒川村、東茨城郡の御前山村が合併して誕生しました。市名は、かつて埼玉県にかつて存在した大宮市との重複を避けるため、旧大宮町下町にある甲神社の尊称「甲大宮」に由来しています。

面積は348.45km²、人口は約36,707人(2024年8月1日推計)です。面積の6割が森林・原野で、豊かな自然に恵まれています。

地理

常陸大宮市は茨城県の北西部、八溝山地の東麓に位置しています。市域の東部を久慈川が北から南へ流れ、国道118号やJR水郡線が整備されています。

地域

常陸大宮市は、合併前の5つの町村を基礎とした5つの地域に分かれています。

  • 大宮地域:市の南東部。旧大宮町。市役所があり、商業施設が集中しています。
  • 山方地域:市の北東部。旧山方町。山方支所が置かれています。
  • 美和地域:市の北西部。旧美和村。美和支所が置かれています。
  • 緒川地域:市の西部。旧緒川村。緒川支所が置かれています。
  • 御前山地域:市の南西部。旧御前山村。御前山支所が置かれています。

気候

常陸大宮市は、内陸性気候の影響を受け、夏は高温多湿、冬は冷え込みます。年間を通じて降水量は多く、特に梅雨時期と秋雨の時期は降水量が多くなります。

常陸大宮(1991年 – 2020年)の気候
最高気温記録 °C (°F)
平均最高気温 °C (°F)
日平均気温 °C (°F)
平均最低気温 °C (°F)
最低気温記録 °C (°F)
降水量 mm (inch)
平均降水日数 (≥1.0 mm)
平均月間日照時間
出典:気象庁

隣接している自治体

  • 茨城県
    • 常陸太田市
    • 那珂市
    • 久慈郡:大子町
    • 東茨城郡:城里町
  • 栃木県
    • 那須烏山市
    • 芳賀郡:茂木町
    • 那須郡:那珂川町

歴史

常陸大宮市は、古くから交通の要衝として栄えてきました。平安後期以降は佐竹氏の支配下となり、その後は水戸藩領となりました。中心部の大宮は、南郷街道の宿場町として、また久慈川の水運を利用した交易の拠点としても発展しました。

沿革

  • 1888年(明治21年) – 市制町村制施行で、初代の大宮町が誕生。
  • 1918年(大正7年) – 水郡線(当時水戸鉄道)瓜連 – 常陸大宮間が開通。
  • 1955年(昭和30年) – 那珂郡大宮町・上野村・玉川村・大賀村・大場村・静村の一部(上村田・下村田・石沢)、久慈郡世喜村の一部(富岡・塩原・辰ノ口・小倉)が合併し、新たな大宮町が発足。
  • 2004年(平成16年) – 那珂郡大宮町が同郡山方町、美和村、緒川村、東茨城郡御前山村を編入し、常陸大宮町に改称。即日市制施行し常陸大宮市となる。

行政・議会

常陸大宮市は、市長を首長とする市町村制を採用しています。

  • 市長:鈴木定幸(2020年4月23日就任、1期目)

市議会

常陸大宮市議会は、定数18人の議員で構成されています。

経済

常陸大宮市の産業は、第一次産業が中心です。農業では、米、野菜、果物などが栽培されています。また、林業も盛んです。

産業

  • 第一次産業:農業、林業、漁業
  • 第二次産業:製造業、建設業
  • 第三次産業:商業、サービス業

友好都市

常陸大宮市は、国内に2つの友好都市を有しています。

日本国内

  • 秋田県大館市:友好都市・防災協定(大館城城代・佐竹西家ゆかりの地の縁)
  • 宮城県蔵王町:友好都市協定(パラオ共和国の縁)

教育

常陸大宮市には、高等学校、中学校、小学校があります。

  • 高等学校
    • 茨城県立常陸大宮高等学校
    • 茨城県立小瀬高等学校
  • 中学校
    • 常陸大宮市立大宮中学校
    • 常陸大宮市立第二中学校
    • 常陸大宮市立山方中学校
    • 常陸大宮市立明峰中学校
  • 小学校
    • 常陸大宮市立大宮小学校
    • 常陸大宮市立大宮西小学校
    • 常陸大宮市立村田小学校
    • 常陸大宮市立上野小学校
    • 常陸大宮市立大賀小学校
    • 常陸大宮市立大宮北小学校
    • 常陸大宮市立山方小学校
    • 常陸大宮市立山方南小学校
    • 常陸大宮市立美和小学校
    • 常陸大宮市立緒川小学校
    • 常陸大宮市立御前山小学校

交通

常陸大宮市は、JR水郡線、国道118号、国道123号などの交通網で結ばれています。

鉄道

  • 東日本旅客鉄道
    • ■水郡線
      • 常陸大宮駅 – 玉川村駅 – 野上原駅 – 山方宿駅 – 中舟生駅 – 下小川駅

道路

  • 一般国道
    • 国道118号
    • 国道123号
    • 国道293号
    • 国道400号
  • 主要地方道
    • 茨城県道12号那須烏山御前山線
    • 茨城県道21号常陸大宮御前山線
    • 茨城県道29号常陸太田那須烏山線
    • 茨城県道32号大子美和線
    • 茨城県道39号笠間緒川線
    • 茨城県道61号日立笠間線
    • 茨城県道62号常陸那珂港山方線
  • 一般県道
    • 茨城県道102号長沢水戸線
    • 茨城県道161号門井山方線
    • 茨城県道163号下檜沢上小瀬線
    • 茨城県道164号長倉小舟線
    • 茨城県道165号山方常陸大宮線
    • 茨城県道167号富岡玉造常陸太田線
    • 茨城県道168号静常陸大宮線
    • 茨城県道212号赤沢茂木線
    • 茨城県道234号小田野口中ノ坪線
    • 茨城県道249号山方水府線
    • 茨城県道287号山内上小瀬線
    • 茨城県道291号下伊勢畑増井線
    • 茨城県道318号小場常陸大宮停車場線
    • 茨城県道320号下小川停車場線
    • 茨城県道321号上檜沢下小川停車場線
    • 茨城県道322号諸沢西金停車場線

高速バス

  • 茨城交通 – 新宿・東京 – 常陸大宮・大子線

一般路線バス

  • 茨城交通
  • 那須烏山市営バス

デマンド交通

  • 予約制乗合タクシー「のるーと常陸大宮」

名所・旧跡・観光スポット・施設

常陸大宮市には、豊かな自然と歴史を感じられる魅力的な観光スポットが数多く存在します。

名所・旧跡

  • 常陸大宮三大絶景
    • 御前山地区の早朝の雲海
    • 美和地区の満天の星空
    • 山方地区の籠岩付近の紅葉
  • 星空の郷
    • 花立自然公園の星空
  • 金山遺跡
    • 栃原金山など、多くの金山遺跡が残されています。
  • 辰ノ口親水公園
    • 辰ノ口堰の展望台があります。
  • 宇留野公園
    • 桜と梅の名所です。
  • 御城展望台(山方城)
    • 佐竹氏の家臣、山方能登守の居城跡に建てられた展望台です。
  • 鷲子山上神社
    • 茨城県・栃木県の県境に跨る神社です。
  • 三浦杉
    • 樹齢850年以上、樹高58mの杉です。茨城県天然記念物です。
  • 尺丈山
    • 標高511.5mの山です。ハイキングに最適です。
  • 三王山自然公園
  • 百観音自然公園
    • 小さな山全体に100体以上の観音像と洞穴が点在しています。
  • 松之草村小八兵衛とその妻の墓
    • 小八兵衛は実在した盗賊で、徳川光圀と交流があったと言われています。
  • 長倉宿
    • 古い街道沿いの宿場町の風情が残る地域です。

観光スポット・施設

  • 常陸大宮市文化センターロゼホール
    • 大ホール、小ホール、ギャラリーなどがあります。
  • 西部総合公園
    • 体育館、テニスコート、グランド、人工芝ゲレンデなどがあります。
  • 大宮運動公園・市民球場・市民プール
  • 道の駅常陸大宮〜かわプラザ〜
    • 久慈川沿いに位置する道の駅です。
  • 淡水魚館
    • 淡水魚を集めた水族館です。
  • 三太の湯
    • 温泉施設です。
  • 紙のさと和紙資料館
    • 西ノ内紙の資料館です。
  • 籠岩
    • 籠のような形をした奇岩のある山です。
  • 花立自然公園
    • 天文台「美スター」、アスレチック施設「スペースアスレランド」、バーベキュー施設、宿泊施設「ログキャビン」などがあります。
  • ささの湯
    • 温泉施設です。
  • 道の駅みわ
    • 星をテーマにした道の駅です。
  • 『SOJIRO オカリーナの森』
    • オカリナ奏者の宗次郎が作ったオカリナの聖地です。
  • かざぐるま
    • 農産品直売所・そば店です。
  • 御前山ダム
  • 御前山青少年旅行村
  • 四季彩館
    • 温泉施設です。

祭事・催事

常陸大宮市では、一年を通して様々な祭事・催事が開催されます。

  • 西塩子回り舞台
    • 3年に一度、青竹組みの仮設劇場が造られ、浄瑠璃などが演じられます。
  • 祇園祭
    • 「関東の三大裸祭り」の一つです。
  • 辰ノ口さくらまつり
    • 久慈川堤防沿いの桜並木がライトアップされます。
  • 久慈川灯ろう流し
  • 常陸大宮ふるさとB級グルメ選手権
  • ふるさと祭りおおみやふれあい広場
  • あゆの里まつり
  • 山方宿芋煮会
  • 美和ふるさと祭り
  • 花立山星まつり
  • やすらぎの里さくらまつり
  • 上小瀬祇園祭
  • やすらぎの夏まつり
  • 長倉七夕まつり
  • 御前山納涼花火大会
  • ごぜんやままつり

寺社

常陸大宮市には、歴史を感じさせる寺院や神社が数多く存在します。

  • 江畔寺
  • 毘沙幢山無爲院照願寺
  • 松吟寺
  • 玉川山寶壽院常弘寺
  • 鷲子山上神社
  • 甲神社
  • 紫雲山阿彌陀院西方寺
  • 三藏山威德寺泉正観音種生院
  • 御城山東泉院誕生寺
  • 五佛山西蓮寺阿弥陀院
  • 立野神社
  • 高長寺
  • 瑠璃山滿願寺乗蓮院
  • 日向神社
  • 楢原山法德院法専寺
  • 蒼泉寺
  • 陰陽神社

城郭

常陸大宮市には、かつて多くの城郭が存在しました。

  • 部垂城
  • 宇留野城
  • 山方城
  • 野口城
  • 川野辺城
  • 野口平城
  • 那賀城
  • 東野城
  • 小瀬城
  • 高館城
  • 下小瀬館
  • 鷲子城
  • 高部城
  • 石沢館
  • 西塩子館
  • 北塩子館
  • 越郷砦
  • 竜ヶ谷城
  • 梶内城
  • 小貫城
  • 小舟城
  • 高井釣
  • 長倉城
  • 那須陣
  • 伊勢畑要害
  • 綱河館
  • 川崎城
  • 大岩城
  • 油河内館
  • 小場城
  • 前小屋城
  • 高ノ倉城
  • 小田野館
  • 檜沢城
  • 長倉遊替城
  • 大岩関沢館
  • 盛金砦
  • 国長八幡館
  • 大岩古内城
  • 野田城
  • 照田羽黒館
  • 石沢小屋場館
  • 高渡館
  • 中丸城
  • 諸沢要害

著名な出身者

  • 香川敬三(勤皇志士)
  • 粕谷新五郎(壬生浪士)
  • 小林正寿(気象予報士)
  • 笹島律夫(実業家、めぶきフィナンシャルグループ社長、常陽銀行頭取)
  • 白石美帆(タレント、女優)
  • 雪村(水墨画家)
  • 大所美弥(フリーアナウンサー)
  • 高野守(前衆議院議員、民主党)
  • 田口昌徳(元プロ野球選手)
  • 中島藤右衛門(粉コンニャクの発明者)
  • 生田目翼(プロ野球選手、北海道日本ハムファイターズ)
  • NIKIIE(シンガーソングライター)
  • 矢数道明(医学者)

その他

福島第一原子力発電所事故後の影響

常陸大宮市は、福島第一原子力発電所事故の影響を大きく受けました。しかし、放射性プルームの通過を免れた可能性が示唆されており、土壌のセシウム量が低いことが確認されています。

脚注

出典

  1. ^ a b 臼井真 (2014年7月1日). “常陸大宮市:市誕生10周年記念、ロゴマークを作成”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  2. ^ a b 市の概要|常陸大宮市公式ホームページ
  3. “常陸大宮 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年2月8日閲覧。
  4. “字の区域の設定(平成12年2月10日 茨城県告示第136号) (PDF)”, 茨城県報 (茨城県) 第1133号: pp. p.3, (2000年2月10日)
  5. 大宮町史編さん委員会編 『大宮町史』、大宮町、1977年より
  6. 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 8 茨城県』、角川書店、1983年 ISBN 4040010809より
  7. “市議会概要”. 2018年12月24日閲覧。
  8. “400年の歴史を超えて 佐竹氏ゆかりの常陸大宮市 大館市と友好都市に”. 北鹿新聞 (大館市: 北鹿新聞社). (2015年10月12日)
  9. “常陸大宮市と防災協定 三次市長来市 7月に締結式”. 北鹿新聞. (2014年6月13日)
  10. “友好都市協定を締結 大館市と常陸大宮市 交流・連携さらに推進”. 北鹿新聞 (大館市: 北鹿新聞社). (2015年10月22日)
  11. “大館市(秋田)と友好都市へ 常陸大宮市”. 茨城新聞 (水戸市: 茨城新聞社). (2015年8月12日)
  12. “パラオが結んだ絆 茨城・常陸大宮市が宮城・蔵王町と友好都市協定”. 産経ニュース. (2024年7月17日)
  13. [1]
  14. ^ a b 2006年度 第28回サントリー地域文化賞 茨城県常陸大宮市「西塩子の回り舞台保存会」サントリーチャンネル、2006
  15. 西塩子の回り舞台保存会
  16. [2]、[3]
  17. [4]
  18. [5]
  19. http://ramap.jmc.or.jp/map/mapdf/pdf/air/20121228/dr/5440-A.pdf
  20. http://ramap.jmc.or.jp/map/mapdf/pdf/air/20121228/cstot/5440-A.pdf
  21. http://3.bp.blogspot.com/-UXshgBNCdok/ToY2I3SdOZI/AAAAAAAAAlU/W6n6HRDjAw4/s1600/route930.jpeg

関連項目

  • 那珂郡
  • 久慈郡

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 常陸大宮市 (city.hitachiomiya) – Facebook
  • 常陸大宮市 (@hitachiomiya_) – X(旧Twitter)
  • 常陸大宮市 (@hitachiomiya.official) – Instagram
  • 常陸大宮市観光協会 – YouTubeチャンネル

常陸大宮市は、豊かな自然と歴史が織りなす魅力的なまちです。ぜひ一度訪れてみてください。

常陸大宮市についてのクイズ

常陸大宮市はどの地区の東麓に位置していますか?

常陸大宮市は、茨城県北西部に位置し、八溝山地の東麓に広がっています。この地域は自然が豊かであり、雄大な山々や清らかな川が存在しています。八溝山地は、茨城県と栃木県の県境に位置する山脈であり、多様な生態系を持ち、多くのハイキングコースや観光スポットがあります。常陸大宮市内には、山登りや大自然を楽しむための施設も整備されており、季節ごとに変わる風景の美しさを体験できる場所でもあります。八溝山地の自然は、観光客や地元住民にとって癒しやレクリエーションの場として愛されています。

常陸大宮市が誕生した年は何年ですか?

常陸大宮市は、2004年10月16日に誕生しました。この市は、那珂郡の大宮町、山方町、美和村、緒川村、そして東茨城郡の御前山村の合併によって形成されました。市名は、かつて埼玉県に存在していた大宮市と名称が重複しないように、旧大宮町下町にある甲神社の尊称「甲大宮」に由来しています。合併により、各地域の特性や資源を生かした地域振興が進められ、豊かな自然環境と歴史ある文化が融合した、市民が誇りに思えるまち作りが目指されています。

常陸大宮市の主な産業はどれですか?

常陸大宮市は、主に第一次産業が中心となっています。特に、農業が重要な役割を果たしており、米や野菜、果物などが栽培されています。また、林業も盛んで、豊かな森林資源を活かした産業活動が行われています。加えて、地域の自然環境を背景に、観光業も一定の重要性を持っています。一定の人口規模のある市ではありますが、都市機能は限られており、商業・サービス業といった第二次産業や第三次産業も育成されつつあります。しかし、農業をはじめとした第一次産業が市の基盤となっている点が、常陸大宮市の特徴と言えるでしょう。

常陸大宮市にある友好都市はどこですか?

常陸大宮市は、秋田県大館市と宮城県蔵王町の2つの友好都市を有しています。大館市との関係は防災協定に基づいており、佐竹氏のゆかりの地という歴史的な背景もあります。これにより、両市はお互いの連携を深め、地域の防災力を高めるための取り組みを行っています。また、蔵王町との協定はパラオ共和国を通じた交流が設けられており、多文化共生や産業振興を目的とした地域間活動が展開されています。友好都市との関係構築は、地元の文化、経済、教育など幅広い分野で地域活性化を図るための大切な一歩となっています。