北海道天塩郡天塩町:シジミの町、雄大な天塩川が流れる自然豊かな街

天塩町は、北海道北部の西海岸に位置し、北海道遺産に選定されている大河・天塩川の河口に広がる自然豊かな町です。大ぶりなシジミの産地として有名で、豊かな漁場、広大な酪農地帯、歴史深い文化が調和する魅力的な街です。

町名の由来

「天塩」の由来は、町域内に河口がある天塩川に由来します。天塩川は北海道内第2位の長さを誇る大河で、アイヌ語の「テシ・オ・ペッ」が語源とされ、「砂地の川」を意味すると言われています。

地理

天塩町は、北海道北部の留萌管内最北部、天塩川下流左岸に位置しています。町の中心部には天塩川河口があり、雄信内集落は国道40号沿いに位置しています。

天塩川の恵み

天塩川は、町を貫流する生命線であり、豊かな水資源と漁場を提供しています。全長256km、北海道内第2位の流域面積を誇る天塩川は、サケやマスなどの魚介類の生息地として知られており、古くから漁業が盛んに行われています。特に、天塩川河口は、大ぶりなシジミの産地として有名で、北海道一の漁獲量を誇ります。

自然と触れ合う

天塩町は、雄大な自然に恵まれた町です。天塩川河口周辺には、広大なサロベツ原野が広がり、野鳥や野生動物の宝庫となっています。また、鏡沼海浜公園は、キャンプ場や松浦武四郎像などがあり、自然と触れ合うことができます。

気候

天塩町は、ケッペンの気候区分によると、湿潤大陸性気候に属します。寒暖の差が大きく、冬は厳しい寒さに見舞われます。気温は-20℃を下回ることも珍しくなく、降雪量も多いことから、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されています。

歴史・沿革

天塩川河口は、古くからアイヌ人によってコタン(集落)が築かれ、泊地及び交易の要衝地でした。江戸時代初期に和人(松前藩)が進出してくると、アイヌ人と和人との交易地となり、後に和人によってテシホ場所(番所)が置かれました。

明治期には、北方警護を兼ねた農業地開拓事業が実施され、東北・北陸地方などから多くの開拓民が入植しました。天塩川流域の森林資源を活用した林業が発展し、木材産業が活況を呈しました。また、ニシン、サケマスなどの漁業も盛んで、道北における中核都市として発展しました。

昭和期には、町民悲願の鉄道が1935年(昭和10年)に開通しました。しかし、戦後の高度経済成長期以降、大都市への人口流出による過疎化が進行しました。

重要な歴史的出来事

  • 約3000年前:天塩川河口付近に先住民が竪穴建物を建て集落を形成。
  • 江戸時代初期:テシホ場所(番所)が置かれる。
  • 1878年(明治11年):天塩村が誕生。
  • 1915年(大正4年):二級町村制施行。
  • 1924年(大正13年):町制施行。
  • 1935年(昭和10年):天塩線(後の羽幌線)が開通。
  • 1987年(昭和62年):羽幌線が廃止。

経済

天塩町は、漁業、農業、林業の一次産業中心の町です。

重要な産業

  • シジミ漁: 天塩川、サロベツ原野パンケ沼(幌延町)の漁場で漁獲されるシジミは、北海道一を誇る漁獲量を誇ります。
  • 酪農: 町内には1万数千頭の乳牛が飼育されており、生乳の年間生産量は約5万トンです。

経済を支える組織

  • るもい農業協同組合(JAるもい)天塩支所
  • 北るもい漁業協同組合天塩支所
  • 北海道農業共済組合留萌北部家畜診療所

公共機関

天塩町には、住民生活を支える様々な公共機関が設置されています。

主要な公共機関

  • 旭川家庭裁判所天塩出張所
  • 天塩簡易裁判所
  • 北海道森林管理局留萌北部森林管理署
  • 北海道旭川方面天塩警察署
  • 北留萌消防組合消防署 天塩支署

教育

天塩町には、地域の子どもたちの未来を育む教育機関が揃っています。

主要な教育機関

  • 道立高等学校:天塩高等学校
  • 中学校:天塩中学校
  • 小学校:天塩小学校、啓徳小学校

交通

天塩町へのアクセスは、主に鉄道、バス、道路を利用します。

鉄道

  • JR北海道宗谷本線:幌延駅、雄信内駅

バス

  • 沿岸バス株式会社:特急はぼろ号(札幌~豊富)、路線バス

道路

  • 一般国道:国道40号、国道232号
  • 都道府県道:北海道道106号稚内天塩線、北海道道256号豊富遠別線など

名所・旧跡・観光スポット

天塩町には、自然、歴史、文化に触れられる魅力的な観光スポットが数多く存在します。

主要な観光スポット

  • 鏡沼海浜公園: キャンプ場、松浦武四郎像などがあり、自然と触れ合うことができます。
  • 天塩温泉夕映: 宿泊施設、レストランを備えた温泉施設です。
  • 天塩川河口: 雄大な天塩川の河口は、自然の壮大さを体感できます。
  • 天塩川歴史資料館: 旧天塩町庁舎を活用した資料館で、天塩町の歴史を学ぶことができます。
  • 天塩厳島神社: 天塩町の鎮守の森として、地域の信仰を集めています。
  • 川口遺跡風景林: 縄文時代の遺跡が残る風景林です。

イベント

  • 鏡沼しじみまつり: 7月に行われる、シジミをテーマにしたイベントです。
  • 厳島神社祭: 7月16~18日に行われる、地域の伝統的な祭りです。
  • てしお川港まつり: 8月中旬に行われる、花火大会などがあり、夏を満喫できます。
  • てしお秋の味まつり: 9月に行われる、秋の味覚を堪能できるイベントです。

特産品

  • シジミ: 天塩町の特産品として有名で、様々な料理や加工品があります。
  • アキアジ(秋サケ): 天塩川で獲れるサケは、脂が乗って美味しいと評判です。
  • マスカットサイダー: アサヒ飲料が製造する、天塩町産のリンゴを使ったサイダーです。
  • 天塩川羊羹: 天塩川の水を使った羊羹です。

ゆるキャラ

  • てしお仮面: 天塩町のゆるキャラで、シジミをモチーフにしています。

出身有名人

天塩町からは、様々な分野で活躍する著名人が輩出しています。

  • ポール牧: コメディアン
  • 村上茂利: 衆議院議員
  • 小林幸徳: 北海道大学名誉教授、苫小牧工業高等専門学校長
  • 山本淳一: クレイアート人形作家・イラストレーター

まとめ

天塩町は、豊かな自然、歴史、文化が調和する魅力的な町です。大ぶりなシジミの産地として有名で、雄大な天塩川が流れ、広大なサロベツ原野が広がるなど、自然の魅力も満載です。歴史的な遺産も数多く残っており、古き良き時代を感じることができます。天塩町を訪れて、自然と文化に触れ、豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

天塩町についてのクイズ

天塩町の名称の由来はどの川に由来していますか?

天塩町の名称は、町域内に河口がある天塩川に由来しています。天塩川は北海道内第2位の長さを誇る大河で、アイヌ語の「テシ・オ・ペッ」という言葉が語源とされています。この言葉は「砂地の川」を意味し、その名の通り、川沿いには砂地が広がっています。天塩川は町の文化や経済、さらには自然環境にも大きく影響を与えている重要な存在であり、シジミ漁や様々な魚介類の棲息地としても知られる豊かな漁場です。だが、ただの川としての価値だけでなく、歴史的にも重要な地点として古代から現在に至るまで人々の生活と深く結びついている点が注目されます。

天塩町の気候はどの気候区分に属しますか?

天塩町は、ケッペンの気候区分によると湿潤大陸性気候に属しています。これは気温の寒暖差が大きく、冬は厳しい寒さが訪れることを意味しています。特に冬季には気温が-20℃を下回ることが珍しくなく、降雪量も多いため、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯として指定されています。このような厳しい気候環境が、農業や漁業などの地域産業に大きな影響を与えています。また、春から秋にかけては涼しい爽やかな気候により、多くの観光客が訪れる魅力的な季節となります。

天塩町で有名な特産品は何ですか?

天塩町は特産品としてシジミが有名です。特に天塩川河口周辺は豊かな漁場であり、シジミの生息地として知られています。大ぶりなシジミの漁獲量は北海道一を誇ると言われており、地域の重要な産業でもあります。シジミを使った様々な料理や加工品は、地元の人々だけでなく、多くの観光客にも人気です。このような特産品は、天塩町の経済を支える重要な資源であり、地域の文化や食としても深く根付いています。

天塩町の主要な公共交通はどれですか?

天塩町へのアクセスは主にバスを利用することが多いです。特に沿岸バス株式会社が運行する「特急はぼろ号」は、札幌から豊富に至る間を結ぶ主要な路線の一つです。このような公共交通機関が整備されているおかげで、町へのアクセスは比較的容易となっています。また、天塩町にはJR北海道の宗谷本線も通っており、幌延駅と雄信内駅が最寄りの駅となりますが、バスの運行が中心的な役割を果たしています。