北海道知内町:鷹の産地から新幹線の街へ!豊かな自然と魅力的な特産品が満載の町

知内町は、北海道南西部に位置する人口約4,000人の小さな町です。津軽海峡に面した雄大な自然と、歴史的な文化、そして美味しい特産品が魅力です。かつては、徳川将軍家に献上する鷹の産地として知られていましたが、近年では北海道新幹線が開通したことで新たな注目を集めています。今回は、そんな知内町の魅力をたっぷり紹介します。

概要

知内町は、渡島半島南西部に位置し、東部は津軽海峡に面しています。町の中心部を東西に知内川が流れ、下流域には知内市街が広がっています。町内には、北海道新幹線・海峡線が通っていますが、旅客駅は設置されていません。しかし、湯ノ里地区には青函トンネルの北海道側坑口が設けられています。

町名の由来

知内町という名前は、アイヌ語の「チㇼオッイ(cir-ot-i)」、転訛して「チロチ(cir-oci)」に由来しています。「鳥・群居する・ところ」という意味で、かつて知内町は鷹の産地として有名でした。松前藩の主要財源の一つであった、徳川将軍家に献上する15羽の鷹狩り用鷹の産地であり、その半数以上は知内で捕獲したものと言われています。

地理

知内町は、山と海に囲まれた自然豊かな町です。

地形

山地

知内町には、桂岳(734m)、七ツ岳(957m)、燈明岳(577m)などの山々がそびえ立っています。また、涌元地区には兵隊山(300m程度)があり、町内を見渡すことができます。

河川

知内町を流れる主な川は、知内川と頃内川(コロナイ川)です。知内川は、町の中心部を流れ、豊かな水資源をもたらしています。

湖沼

知内町には、知内ダムがあります。知内ダムは、町の水源として重要な役割を果たしており、周囲には美しい自然が広がっています。

海岸

知内町は、津軽海峡に面しており、狐越岬や矢越岬などの岬があります。これらの岬からは、雄大な津軽海峡の景色を一望できます。

人口

知内町の人口は、2024年7月31日現在、3,845人です。人口密度は19.5人/km2と、北海道の中では人口が少ない町です。

隣接自治体

知内町は、以下の自治体と隣接しています。

  • 上磯郡:木古内町
  • 松前郡:福島町
  • 檜山郡:上ノ国町

歴史

知内町は、古くから人々が住んでいた場所です。

古代

縄文時代より栄えており、装飾品や玉石が発見されています。

中世

室町時代には、1457年(康正3年)にコシャマインの乱が起こりました。

近世

江戸時代には、1618年(元和4年)に雷荒神社が創建されました。また、1845年(弘化2年)には松浦武四郎が知内町を訪れ、その様子を記録しています。

近代

明治時代には、1888年(明治21年)に知内村などが合併し、1906年(明治39年)に上磯郡知内村となりました。

現代

昭和時代には、1967年(昭和42年)に町制施行により知内町となりました。

対外関係

姉妹都市・提携都市

知内町は、青森県東津軽郡今別町と姉妹都市提携を結んでいます。

施設

警察

知内町には、木古内警察署の知内駐在所と涌元駐在所があります。

郵便局

知内町には、知内郵便局と湯ノ里郵便局があります。知内町内の集配業務は、木古内郵便局が担当しています。

経済

知内町の基幹産業は、稲作、漁業、林業などです。また、元町地区には、北海道電力知内発電所(総出力70万kW)があります。

第一次産業

漁業

知内町は、津軽海峡に面しており、カキなどの水産物が豊富です。特に、知内町で獲れるカキは、全国的に珍しい外海産で、津軽海峡の荒波にもまれて育ち、味が濃厚で美味しいと評判です。

主な漁港には、中ノ川漁港、涌元漁港、小谷石漁港があります。

農業

知内町の農業は、ニラが有名です。1971年(昭和46年)に試験栽培が始まり、2015年(平成27年)には約1705トンで販売額約11.75億円と、北海道内一の生産量を誇っています。知内町の農業生産額の半分以上を占める重要な特産品です。

農協・漁協

知内町には、JA新はこだて知内支店、上磯郡漁業協同組合、NOSAI北海道道南南部家畜診療所南渡島分室があります。

第三次産業

物流

知内町には、ヤマト運輸、佐川急便、日本通運などの物流会社が進出しています。

金融機関

知内町には、道南うみ街信用金庫知内支店があります。

情報・通信

マスメディア

中継局

知内町には、知内小谷石中継局があります。

生活基盤

ライフライン

電力

知内町は、北海道電力によって電力が供給されています。

発電所
* 知内発電所

教育

高等学校

知内町には、北海道知内高等学校があります。

中学校

知内町には、知内町立知内中学校があります。

小学校

知内町には、知内町立知内小学校、知内町立湯ノ里小学校、知内町立涌元小学校の3つの小学校があります。

幼児教育

幼稚園

知内町には、知内幼稚園があります。

交通

知内町は、国道228号により、木古内町、北斗市、函館市、福島町、松前町、江差町などにアクセスできます。

鉄道

知内町内を北海道新幹線・海峡線が横切っていますが、旅客駅は存在しません。鉄道を利用する場合の最寄駅は、北海道新幹線および道南いさりび鉄道道南いさりび鉄道線木古内駅です。

廃線

かつては海峡線に知内駅があったが、2014年(平成26年)3月15日に旅客駅としては廃止されました。2016年(平成28年)3月26日の北海道新幹線の開通に伴い旧・知内駅と同一地点に湯の里知内信号場が開設されました。

海峡線開通より以前にはJR北海道松前線が通じており、町内に森越駅、渡島知内駅、重内駅、湯ノ里駅が設置されていたが、こちらは1988年(昭和63年)2月1日に全線廃止されました。

バス

路線バス

  • 函館バス – 知内出張所を設置。松前線代替バスや函館方面への路線があります。
  • 知内町デマンドバス – 中ノ川線、上雷・湯ノ里線、小石谷線の3路線が設定されています。函館バス知内出張所より接続しています。

道路

国道

  • 国道228号

道道

一般道道
* 北海道道531号小谷石渡島知内停車場線 – 小谷石地区への道路。小谷石を過ぎると行き止まり
* 北海道道698号湯の里渡島知内停車場線 – 湯ノ里より知内町旧渡島知内駅(現在 函館バス知内出張所)
* 北海道道812号館町福島線 – この道路は一部未開通

道の駅

  • 道の駅しりうち – 青函トンネルの出入り口にあり、北海道新幹線の開業に向け、屋上に新幹線の展望スペースを整備しました。

観光

知内町には、豊かな自然と歴史文化に触れることができる観光スポットがたくさんあります。

文化財

重要文化財

  • 北海道湯の里4遺跡土壙出土品
    旧石器時代の遺物一括。遺跡には人間の「墓」としては日本最古のものと見なされる遺構を含む。
    1991年、重要文化財に指定。

名所・旧跡

観光スポット

  • 松前・矢越道立自然公園
  • 知内温泉

文化・名物

祭事・催事

  • サマーカーニバル in 知内 – 毎年8月14日
  • しりうち大漁まつり – 8月中旬
  • しりうち味な合戦冬の陣 カキニラまつり – 2月中旬

出身関連著名人

出身著名人

  • 北島三郎(歌手)
  • 松前ひろ子(歌手、北島三郎のいとこ)
  • 小野直広(心理学者)
  • 横山朝覧(皮工芸作家)

ゆかりがある著名人

  • 山本鉄弥(知内高等学校元野球部監督) – 出身は亀田郡椴法華村。
  • 三山ひろし(歌手)- 出身は高知県南国市。妻の母が松前ひろ子。

脚注

  1. “アイヌ語地名リスト シベ~セツ P61-70P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年11月8日閲覧。
  2. “町名の由来”. 北海道知内町. 知内町. 2018年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月7日閲覧。
  3. 2026年4月から函館中央警察署。
  4. 磯崎こず恵 (2015年9月20日). “北海道新幹線 3.26開業へ:2 魅力発掘 おもてなし「目玉」模索”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 北海道総合版
  5. ^ a b 泉賢司 (2015年12月28日). “ラウンジ 知内ニラ、秘めた力探る 道内一の生産量、サプリ開発めざす”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 北海道総合版
  6. 知内町デマンドバス時刻表2023年9月 知内町・知内町地域公共交通会議 2023年
  7. 磯崎こず恵 (2015年8月24日). “ラウンジ 道の駅、新幹線新駅を狙え 「要衝」に新設・絶景・特産品も”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 北海道総合版

関連項目

  • はこだて観光圏

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • 知内町 (@shiriuchi_town) – X(旧Twitter)
  • 知内町 (@shiriuchi_town) – Instagram
  • 知内町郷土資料館
  • 知内町郷土資料館旧ホームページ – ウェイバックマシン(2005年12月18日アーカイブ分)
  • しりうちどっとさいと

知内町についてのクイズ

知内町の名前の由来は何ですか?

知内町の町名はアイヌ語に由来しています。具体的には「チㇼオッイ(cir-ot-i)」が転訛して「チロチ(cir-oci)」となったもので、これは「鳥・群居する・ところ」という意味です。つまり、この地がかつて鷹の生息地であったことを反映しています。松前藩にとって鷹狩りは重要な行事であり、徳川将軍家に献上する鷹の多くがこの町で捕獲されたことから、知内は鷹の産地として名を馳せました。この背景からも町名の由来が重要であることがわかります。知内の歴史と文化が結びついた地名であり、地元の人々にとっても誇りのある由来です。

知内町の主な河川はどれですか?

知内町を流れる主な川は知内川であり、町の中心部を東西に流れています。この河川は豊かな水資源をもたらす重要な存在で以って、地域の自然環境や農業、漁業にも大きく関与しています。知内川は周辺地域との交流を可能にし、自然の美しさを形成する役割を果たしています。他の河川に比べて知内川は知内町の地形や生活に密接に関わっていることから、町のシンボル的な水路とも言えるでしょう。

知内町の主要な産業は何ですか?

知内町の基幹産業は主に第一次産業に属しています。特に稲作、漁業、林業が町の経済を支えており、地域の独自性と自然環境に大きく依存しています。漁業では津軽海峡に面した立地の利点を活かし、特にカキの生産が盛んです。農業ではニラが有名であり、北海道内一の生産量を誇っています。このように、知内町は自然と密接に結びついた産業構造を持っており、地域の特産品を通じて新たな経済発展を目指しています。

知内町の姉妹都市はどこですか?

知内町は青森県東津軽郡今別町と姉妹都市提携を結んでいます。この提携は地域間の交流や文化の発展を促進することを目的とし、両町のさらなる関係を深める機会を創出しています。姉妹都市関係を通じて、互いの特産品や歴史、文化を共有し、観光や地域振興にも良い影響を与えることが期待されています。このような地域間のつながりは、住民同士の交流や理解を深める重要な役割を果たしています。

知内町の文化財の中で、重要文化財に指定されている遺跡は何ですか?

知内町にある重要文化財は「北海道湯の里4遺跡土壙出土品」です。この遺跡は旧石器時代の遺物が出土しており、歴史的にも価値が高いとされています。特にこの遺跡は、人間の「墓」として日本最古と考えられる遺構を含んでいるため、考古学的にも重要な発見です。このような文化財は地域の歴史を物語るものであり、知内町の文化遺産を後世に伝えていくためにも、より一層の保護・活用が求められています。