北海道の東端に位置し、世界自然遺産「知床」を擁する斜里町は、雄大な自然と豊かな文化が調和する魅力的な町です。知床連山、オホーツク海、そして豊かな生態系は、多くの観光客を魅了し、国内外から注目を集めています。本記事では、斜里町の歴史、地理、観光スポット、産業、文化など、多角的な視点から魅力を紹介します。
知床の玄関口、北海道斜里町
斜里町は、北海道オホーツク総合振興局に属する町です。道東に位置し、知床半島の北側を占めています。オホーツク海に面し、世界自然遺産「知床」の玄関口として知られています。雄大な知床連山と、その麓に広がる豊かな自然は、多くの観光客を魅了する観光スポットとして有名です。
町名の由来
斜里町という地名は、アイヌ語の「サㇽ（Sar）」に由来しています。「サㇽ」は「葦原」を意味し、現在の斜里川の下流一帯を指していたと考えられています。
アイヌ語では、同語源の日高の「沙流」と区別するために、斜里川を「ピンネサㇽ（pinne-sar）」（男性のサㇽ）、沙流川を「マッネサㇽ（matne-sar）」（女性のサㇽ）と呼んでいました。また、道南の古い物語では、斜里町を「モシㇼパサㇽ（mosir-pa-sar）」（島の・上手にある・サㇽ）と呼んでいました。
知床半島と豊かな自然
斜里町は、幅25km、長さ65kmに及ぶ知床半島を、羅臼町と二分しています。半島の中央部には、険しい山岳と深い原始林、オホーツク海の荒波に海蝕された断崖が続く知床連山がそびえ立っています。
世界自然遺産「知床」
知床連山を含む知床半島は、2005年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。知床国立公園は、世界自然遺産登録エリアであり、世界的に貴重な生態系と景観を有しています。
知床五湖
知床五湖は、知床国立公園内にある5つの湖沼の総称です。それぞれに異なる景観を持つ湖沼は、ハイキングやカヌーなどのアウトドアアクティビティを楽しむことができます。
知床連山の雄大な山々
知床連山には、斜里岳（1,547m）、海別岳（1,419m）、遠音別岳（1,330m）、知西別岳（1,317m）など、標高の高い山々が連なっています。登山やトレッキングを楽しむことができます。
豊かな動植物
知床国立公園内には、ヒグマ、エゾシカ、オジロワシ、シマフクロウなど、多様な野生動物が生息しています。また、シラカンバ、ミズナラなどの広葉樹林や、高山植物など、豊かな植生も見られます。
気候
斜里町は、オホーツク海の海流や流氷の影響を受けて、冷涼な気候です。年平均気温は7℃以下で、冬は雪が降ります。しかし、北西の風が強いため、融雪時期は遅く、6月中旬頃までは斜里町特有のフェーン現象による南東の強風が吹くことがあります。
歴史
斜里町は、古くからアイヌ民族が生活していた土地でした。1635年には松前藩家臣が斜里を訪れ、1790年には村山伝兵衛が斜里場所運上屋差配人となりました。1807年には蝦夷地全島が江戸幕府直轄となり、1869年には北海道と改称されました。
1872年には斜里郡が根室支庁管轄となり、5つの村が誕生しました。1889年には町村制が施行され、5つの村が合併して斜里村となりました。1939年には町制が施行され、斜里町となりました。
産業
斜里町の主要産業は、農業と漁業です。農業では、ジャガイモ、テンサイ、小麦などが栽培されています。漁業では、サケ・マスの定置網漁業が盛んで、日本国内有数の漁獲量を誇っています。
観光業
斜里町は、世界自然遺産「知床」を擁する観光地として発展してきました。知床五湖、カムイワッカ湯の滝、フレペの滝、オシンコシンの滝などの観光スポットが人気です。近年では、エコツーリズムも盛んになっており、自然ガイドツアーなども人気です。
文化
斜里町には、アイヌ文化や開拓の歴史を伝える文化施設やイベントがあります。
知床博物館
知床博物館は、知床の自然や文化を学ぶことができる博物館です。知床の歴史、動植物、地質など、様々な展示があります。
しれとこ斜里ねぷた
しれとこ斜里ねぷたは、7月下旬に開催される伝統的な祭りです。青森のねぶたを参考に、地元の素材で制作されたねぶたが、町を練り歩きます。
行政
斜里町は、町長を首長とする町議会制を採用しています。町議会は、議員定数13人で構成されています。
交通
斜里町は、JR釧網本線、斜里バス、タクシーなどが運行しています。
鉄道
- JR釧網本線：知床斜里駅、中斜里駅
バス
- 斜里バス：知床方面、網走市方面、札幌市方面高速バス、女満別空港方面
道路
- 国道244号
- 国道334号
- 北海道道92号斜里停車場線
- 北海道道93号知床公園線
- 道の駅しゃり
- 道の駅うとろ・シリエトク
観光船
- 道東観光開発
- 丸は宝来水産
- フォックス
- ホワイトリリー旭川
まとめ
斜里町は、世界自然遺産「知床」を擁する、雄大な自然と豊かな文化が調和する魅力的な町です。知床連山やオホーツク海など、美しい景観と、ヒグマやエゾシカなどの貴重な野生動物が生息する豊かな生態系は、多くの人を魅了しています。農業や漁業、観光業などの産業も盛んで、地域住民は、自然と共存しながら独自の文化を育んでいます。
斜里町を訪れれば、雄大な自然の中で、心身ともにリフレッシュできること間違いなしです。ぜひ、斜里町を訪れて、知床の豊かな自然と文化を体感してください。
斜里町についてのクイズ
斜里町はどの世界自然遺産の玄関口として知られていますか？
斜里町は世界自然遺産「知床」の玄関口として知られ、オホーツク海に面した自然豊かな立地を誇ります。知床半島の北側を占め、知床連山がその雄大な姿を見せる地域です。この地域は、独特な生態系を持ちながら観光資源の一環として非常に高い評価を受けています。知床の特異な自然環境は、野生動物の生息地ともなっており、特にヒグマやエゾシカなどの野生動物を観察することができる主なスポットです。また、自然と共に生きてきたアイヌ文化を尊重し、伝承している地域でもあります。
斜里町の町名は何に由来していますか？
斜里町の町名はアイヌ語の「サㇽ」に由来しています。意味は「葦原」と言われており、特に現在の斜里川の下流一帯を指していたと考えられています。アイヌ語には地域特有の言葉が多く、斜里町もその例外ではありません。この名称は、斜里町が長い間アイヌ民族によって生活されてきたことを物語っています。地名にはその土地の歴史や文化が色濃く反映されており、斜里町もその信念を基にした地域コミュニティを形成しています。アイヌ語の名残は、地域の文化や歴史を学ぶ上でも重要な要素と言えます。
知床国立公園に登録された年はいつですか？
知床国立公園は、2005年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。知床半島はその特色ある自然環境や生態系の保護を目的とした国立公園で、多くの観光客に親しまれています。登録されることによって、さらに保護活動が進められ、また世界中でその価値が認識されることとなりました。知床国立公園は、多様な動植物が生息する貴重なエコシステムを持っており、特にヒグマやシマフクロウ、オジロワシといった多様な野生動物の観察ができることで有名です。これにより、観光業の発展にも寄与し、地域経済への重要な影響を与えています。
斜里町の主要な産業は何ですか？
斜里町の主要な産業は農業と漁業です。農業では、ジャガイモやテンサイ、小麦が栽培されており、これらは地域の食糧供給に貢献しています。また、漁業ではサケ・マスの定置網漁業が盛んで、日本国内でも有数の漁獲量を誇ります。観光業も重要な産業ですが、斜里町の経済は伝統的に農業と漁業によって支えられています。これらの産業は、地域住民にとって生活の基盤であり、自然環境と深く関連しています。地域の資源を生かした持続可能な産業の発展が求められています。
斜里町で開催される伝統的な祭りの名前は何ですか？
斜里町で開催される伝統的な祭りは「しれとこ斜里ねぷた」です。この祭りは、毎年7月下旬に行われ、地元の素材を使って制作されたねぶたが町を練り歩きます。青森のねぶたを参考にしており、地域に根差したイベントとして町民や観光客から愛されています。この祭りは、地域のアイデンティティを再確認する場ともなり、地元の人々が一丸となって盛り上げる重要な文化的行事となっています。ねぷたの美しい灯りや色彩は観客に感動を与え、斜里町の魅力を再認識させる機会にもなっています。
