北海道様似郡様似町:アポイ岳ジオパークと豊かな漁業が織りなす魅力的な町

雄大なアポイ岳と美しい太平洋に囲まれた様似町は、世界ジオパークに認定された自然と、古くから続く水産業が調和する魅力的な町です。

様似町は、北海道の日高振興局管内に位置し、全域がアポイ岳ジオパークとしてユネスコの世界ジオパークに認定されています。アポイ岳をはじめとする雄大な山々、神秘的な幌満湖、そして変化に富んだ海岸線など、自然の魅力が満載です。また、豊かな漁場にも恵まれ、「水産業の町」として、サケ・マスや昆布など、新鮮な海の幸を提供しています。

地理と自然

様似町は、日高山脈の南部に位置し、北部の山々が太平洋に迫るダイナミックな地形が特徴です。

雄大な山々と国立公園

  • アポイ岳: 標高810mのアポイ岳は、日本最古の超塩基性岩体として知られ、希少な高山植物が生息する貴重な場所です。アポイ岳周辺は、日高山脈襟裳十勝国立公園に指定されており、豊かな自然を満喫できます。
  • 幌満湖: 人工湖である幌満湖は、アポイ岳の麓に広がり、周囲には原生林が広がっています。湖畔にはキャンプ場や温泉施設があり、自然の中でリラックスできます。

変化に富んだ海岸線

  • 日高耶馬渓: 冬島幌満間の日高耶馬渓は、太平洋に面した険しい海岸線で、奇岩や洞窟が点在する景観は圧巻です。江戸時代に開削されたシャマニ山道は、歴史を感じながら自然を満喫できるハイキングコースとして人気です。
  • エンルム岬: 様似町の最南端に位置するエンルム岬は、断崖絶壁が続く雄大な景観で、太平洋を一望できます。

隣接する自治体

  • 浦河郡:浦河町
  • 幌泉郡:えりも町
  • 広尾郡:広尾町

歴史と文化

様似町は、江戸時代に砂金採取のために和人が移り住み、開拓が進められました。

開基と発展

  • 1802年(享和2年): 蝦夷奉公の管下となり、様似町の開基となりました。
  • 1880年(明治13年): 戸長役場が設置されました。
  • 1906年(明治39年): 様似郡様似村、鵜苫村、冬島村、幌満村、岡田村、二七村、誓内村、平鵜村が合併し、二級町村制により様似郡様似村となりました。
  • 1952年(昭和27年): 町制施行により、様似町となりました。

文化と伝統

  • アイヌ文化: 様似町には、古くからアイヌの人々が住んでおり、アイヌ文化の伝統が受け継がれています。様似民族文化保存会では、アイヌ古式舞踊などが伝承されています。
  • 重要文化財: 様似町には、蝦夷三官寺等澍院関係資料など、歴史的な重要文化財が数多く残されています。

経済と産業

様似町は、古くから漁業が盛んな町として知られています。

豊かな漁場

  • 4つの漁港: 鵜苫、様似、冬島、旭の4つの漁港があり、多くの漁船が操業しています。
  • 豊富な魚種: 暖流と寒流が交わる様似町の海は、サケ・マス、タラなどのほか、タコ、ウニ、ツブ貝、昆布など、多様な魚種が生息する豊かな漁場です。

重要な水産業

  • サケ・マス: サケ・マスの漁獲量は全国9位、日高振興局管内1位を誇り、特に天然秋鮭の「銀聖」は、日高振興局管内でブランド化されています。
  • 昆布: 様似町は、全国屈指の昆布の産地として知られています。日高昆布として知られるミツイシコンブは、質の高い昆布として高く評価されています。

その他の産業

  • 畑作: 夏イチゴ(すずあかね)の生産が盛んです。
  • 酪農: 良質な牛乳の生産を行っています。
  • 畜産: 肉牛や馬の飼育も行われています。

観光とレジャー

様似町は、雄大な自然と豊かな歴史文化を満喫できる観光地です。

アポイ岳ジオパーク

  • 世界ジオパーク: アポイ岳ジオパークは、2015年にユネスコの世界ジオパークに認定されました。
  • アポイ岳高山植物群落: 特別天然記念物に指定されており、貴重な高山植物を観察できます。
  • アポイ岳ジオパークビジターセンター: ジオパークに関する展示や情報提供を行っています。

自然と歴史の宝庫

  • エンルム岬: 太平洋を一望できる雄大な景観を楽しめます。
  • 親子岩: 奇岩が連なる海岸線は、自然の造形美を感じられます。
  • 塩釜ローソク岩: 太平洋にそびえ立つ奇岩は、様似町のシンボルとなっています。
  • 日高耶馬渓: 険しい海岸線と歴史的な山道を歩くことができます。

レジャー

  • 親子岩ふれあいビーチキャンプ場: 海水浴やキャンプを楽しめる人気のスポットです。
  • アポイ山麓ファミリーパークキャンプ場: アポイ岳の麓で自然に囲まれたキャンプ場です。

交通アクセス

様似町へのアクセスは、主にバスを利用します。

  • JR日高本線: 2021年3月31日までは、JR日高本線が運行していましたが、現在は廃止されています。
  • ジェイ・アール北海道バス: えりも町・広尾町、浦河町・新ひだか町、苫小牧市、札幌市方面への路線バスが運行しています。
  • タクシー: 日交ハイヤー様似営業所が、タクシーサービスを提供しています。

まとめ

様似町は、世界ジオパークに認定された雄大な自然と、豊かな漁業が織りなす魅力的な町です。アポイ岳やエンルム岬などの美しい景観、新鮮な海の幸、そして歴史文化に触れることができます。ぜひ、様似町を訪れて、自然と文化の調和を感じてみてください。

様似町についてのクイズ

様似町のアポイ岳の標高は何メートルですか?

アポイ岳は標高810mで、北海道の日高振興局管内に位置する雄大な山です。この山は、日本最古の超塩基性岩体として知られており、希少な高山植物が生息する貴重な場所となっています。アポイ岳は、その美しい姿と特異な地質構造から、多くのハイキング愛好者や自然愛好者に親しまれています。また、日高山脈襟裳十勝国立公園に指定されており、周辺には豊かな自然環境が広がっています。標高が810mというのは、登山には適度な挑戦となりつつも、多くの人々が訪れることのできる高さといえます。特に自然探求者にとっては、貴重な移動体験や生態系の観察ができる場所となっています。

様似町の漁業によって有名な魚種はどれですか?

様似町は水産業が盛んな町であり、その中でも特にサケ・マスが有名です。全国での漁獲量は9位、日高振興局管内では1位を誇り、特に天然秋鮭の「銀聖」はブランド化されています。サケは日本文化においても重要な役割を果たしており、食文化や祭りの中でも広く使用されています。また、様似町はタラや昆布など、多くの魚種が生息している豊かな漁場でも知られています。この地域の漁業は古くからの伝統に支えられており、地元の経済にも大きな影響を与えています。

様似町にある幌満湖はどのような特徴を持っていますか?

幌満湖は人工湖であり、アポイ岳の麓に広がっています。この湖は周囲に原生林が広がっており、豊かな自然環境を楽しむことができます。湖畔にはキャンプ場や温泉施設が整備されており、訪れる人々が自然の中でリラックスできる場所となっています。人工湖であるため、近隣の地形や自然環境に配慮されて設置されています。また、幌満湖の美しい景観や静かな水面は、多くの観光客にとって魅力的なスポットとなり、アウトドア活動の拠点としても利用されています。

様似町の重要な文化財に含まれないものはどれですか?

様似町には歴史的な重要文化財が数多く残されており、その中には蝦夷三官寺等澍院関係資料やアイヌ文化が含まれています。しかし、「アポイ岳高山植物」は重要文化財ではなく、特別天然記念物として指定されています。この植物群落は、アポイ岳の特異な地質条件の中で育まれた希少な植物たちであり、多くの研究者や自然愛好家に注目されています。様似町はこのように、植物だけでなくその歴史や文化も大切にしています。文化財の保護や伝承は、地域のアイデンティティを形成する重要な要素となっています。