北海道紋別郡雄武町:雄大な自然と豊かな歴史が織りなす魅力的な町

オホーツク海の雄大な自然と、アイヌ文化、そして酪農や漁業が息づく北海道紋別郡雄武町。厳しい寒さと雪に耐え、人々は独自の文化を育み、豊かな自然と共存してきました。雄武町の魅力をご紹介します。

概要

雄武町は、北海道の北部に位置するオホーツク総合振興局管内の町です。町名はアイヌ語の「オムイ」(川尻・塞がる・所)または「オム」(川尻・塞がる)に由来するとされ、雄武川の河口が風や潮流によって砂で塞がれる様子を表していると言われています。

地理

オホーツク海に面し、東にはピヤシリ山(987m)、当沸岳(742m)などの山々がそびえ立ちます。雄武川や幌内川などの河川が流れ、豊かな自然に恵まれています。

  • ピヤシリ山(987m)
  • 当沸岳(742m)

  • 雄武川
  • 幌内川

気候

雄武町は、湿潤大陸性気候に属し、寒暖の差が大きいのが特徴です。冬は厳しい寒さと大量の雪に見舞われます。周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されていますが、オホーツク海沿岸は内陸部と比べて降雪量が少なく、比較的穏やかな気候です。

気温

  • 最高気温極値:35.3℃(2023年8月17日)
  • 最低気温極値:-27.5℃(1978年2月18日)

降水量

  • 最大日降水量:144.0ミリ(2015年10月8日)

風速

  • 最大瞬間風速:51.5メートル(2004年9月8日)

| 雄武町雄武(雄武特別地域気象観測所、標高14m)の気候 |
|—|—|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 8.4 (47.1) | 15.1 (59.2) | 17.3 (63.1) | 28.1 (82.6) | 33.4 (92.1) | 35.1 (95.2) | 35.2 (95.4) | 35.3 (95.5) | 32.3 (90.1) | 28.3 (82.9) | 21.5 (70.7) | 15.3 (59.5) | 35.3 (95.5) |
| 平均最高気温 °C (°F) | -2.5 (27.5) | -2.1 (28.2) | 2.1 (35.8) | 8.6 (47.5) | 13.8 (56.8) | 16.2 (61.2) | 20.1 (68.2) | 22.5 (72.5) | 20.5 (68.9) | 14.6 (58.3) | 6.7 (44.1) | 0.0 (32) | 10.0 (50) |
| 日平均気温 °C (°F) | -5.9 (21.4) | -6.1 (21) | -1.7 (28.9) | 4.1 (39.4) | 9.0 (48.2) | 12.3 (54.1) | 16.5 (61.7) | 18.8 (65.8) | 16.0 (60.8) | 9.8 (49.6) | 2.9 (37.2) | -3.3 (26.1) | 6.0 (42.8) |
| 平均最低気温 °C (°F) | -10.9 (12.4) | -11.7 (10.9) | -6.4 (20.5) | -0.7 (30.7) | 4.0 (39.2) | 8.4 (47.1) | 13.2 (55.8) | 15.2 (59.4) | 11.2 (52.2) | 4.6 (40.3) | -1.4 (29.5) | -7.7 (18.1) | 1.5 (34.7) |
| 最低気温記録 °C (°F) | -26.0 (-14.8) | -27.5 (-17.5) | -24.8 (-12.6) | -13.4 (7.9) | -6.2 (20.8) | -1.9 (28.6) | 1.5 (34.7) | 4.8 (40.6) | -0.8 (30.6) | -5.6 (21.9) | -15.1 (4.8) | -20.6 (-5.1) | -27.5 (-17.5) |
| 降水量 mm (inch) | 43.3 (1.705) | 36.0 (1.417) | 39.0 (1.535) | 44.6 (1.756) | 61.1 (2.406) | 74.8 (2.945) | 115.1 (4.531) | 133.8 (5.268) | 137.2 (5.402) | 92.3 (3.634) | 77.4 (3.047) | 62.1 (2.445) | 916.5 (36.083) |
| 降雪量 cm (inch) | 84 (33.1) | 71 (28) | 59 (23.2) | 17 (6.7) | 2 (0.8) | 0 (0) | 0 (0) | 0 (0) | 0 (0) | 1 (0.4) | 31 (12.2) | 83 (32.7) | 343 (135) |
| 平均降水日数 (≥0.5 mm) | 17.0 | 15.2 | 14.2 | 11.0 | 10.4 | 11.1 | 11.8 | 12.1 | 12.7 | 14.0 | 16.9 | 17.2 | 163.7 |
| 平均降雪日数 | 29.0 | 25.9 | 24.5 | 12.6 | 1.9 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 2.4 | 16.4 | 28.4 | 140.7 |
| % 湿度 | 77 | 76 | 73 | 71 | 77 | 86 | 88 | 85 | 80 | 75 | 76 | 77 | 78 |
| 平均月間日照時間 | 94.4 | 115.5 | 159.4 | 177.7 | 176.0 | 145.7 | 132.5 | 138.9 | 159.9 | 150.6 | 97.9 | 89.9 | 1,638.3 |
| 出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1942年-現在) |

歴史

雄武町は、縄文時代から人が住んでいたと考えられており、常呂などとの交易が行われていました。江戸時代には松前藩のソウヤ場所として栄え、その後、1872年に雄武村が設置されました。1915年には紋別郡雄武村、幌内村、沢木村が合併し、二級町村制を施行しました。1948年には町制を施行し、雄武町となりました。

年表

  • 縄文時代以降:栄える。常呂などと交易があった。
  • 江戸時代:松前藩のソウヤ場所。
  • 1872年(明治5年):雄武村の設置。
  • 1915年(大正4年):紋別郡雄武村、幌内村、沢木村が合併、二級町村制、紋別郡雄武村
  • 1941年(昭和16年)5月16日:幌内地区で山火事発生。約59.5キロ平方メートルが焼失。
  • 1948年(昭和23年):町制施行、雄武町となる。
  • 1954年(昭和29年)5月23日:77戸を焼失する大火。死者1人。
  • 1972年(昭和47年)5月25日:幸町の商店から出火。強風にあおられて延焼、47棟焼失。
  • 1991年(平成3年):宮の森公園にパークゴルフ場が開設される。
  • 1998年(平成10年):オホーツクオムイ温泉、ホテル日の出岬が開業。

経済

雄武町の基幹産業は漁業、酪農、畜産、林業です。雄武町沿岸では、サケ、ホタテ、カニなどが獲れます。

立地企業

  • 株式会社雄武フーズ

農協・漁協

  • 北オホーツク農業協同組合(JA北オホーツク)
    • 雄武支所
  • 雄武漁業協同組合
  • 北海道農業共済組合(NOSAI北海道)
    • 雄武家畜診療所

金融機関

  • 北見信用金庫 – 雄武支店
  • 稚内信用金庫 – 雄武支店

商業

  • エーコープ雄武 – 雄夢店
  • まるまつスーパー
  • サッポロドラッグストアー – サツドラヤマト運輸雄武営業所店
  • ローソン – 紋別雄武町店(2023年(令和5年)に稚内市にローソンが進出するまでは、日本最北端の店舗であった)

郵便

  • 雄武郵便局(集配局)
  • 北見幌内郵便局
  • 沢木郵便局
  • 元稲府簡易郵便局

公共機関

警察

  • 興部警察署
    • 雄武駐在所
    • 幌内駐在所

消防

  • 紋別地区消防組合消防本部
    • 雄武支署

姉妹都市・提携都市

国内

  • 姉妹都市
    • 益子町(栃木県芳賀郡)
    • 武雄市(佐賀県)

地域

人口

雄武町と全国の年齢別人口分布(2005年) 雄武町の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― 雄武町■緑色 ― 日本全国 ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性
雄武町(に相当する地域)の人口の推移 1970年(昭和45年)
1975年(昭和50年)
総務省統計局 国勢調査より

消滅集落

2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっています。

  • 雄武町 – 上幌内

教育

  • 道立高等学校
    • 北海道雄武高等学校
  • 中学校
    • 雄武町立雄武中学校
  • 小学校
    • 雄武町立雄武小学校
    • 雄武町立共栄小学校
    • 雄武町立沢木小学校
    • 雄武町立豊丘小学校

住宅団地

  • 沢木団地
  • 宮下団地
  • 魚田団地
  • 新町団地
  • 緑町団地
  • 幌内団地

交通

空港

  • オホーツク紋別空港 (紋別市)

鉄道

現在は、町内を鉄道路線は通っていません。最寄り駅として利用されるのは、宗谷本線名寄駅や石北本線遠軽駅などです。

廃止路線

  • かつては国鉄興浜南線(雄武町~興部町にわたる約20km)が通っていましたが、1985年に廃止されました。
  • 枝幸方面へは国鉄興浜線として鉄道建設が進められていましたが、未開業のまま工事が凍結されました。

路線バス

  • 北紋バスが興部・紋別方面へ運行しています。(上記、興浜南線の代替バス)
  • 宗谷バスによる雄武~枝幸間の路線バスが運行されています。

道路

  • 一般国道
    • 国道238号
  • 都道府県道
    • 北海道道49号美深雄武線 美深峠(430)
    • 北海道道60号下川雄武線 幌内越峠(340)
    • 北海道道137号遠軽雄武線(一部未開通)
    • 北海道道410号雄武港線
    • 北海道道883号宇津沢木線
  • 道の駅
    • おうむ

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

観光

  • 風の丘
    • 道の駅「おうむ」より約2kmにある広大な公園。アスレチック設備、パークゴルフ、バーベキュー場、キャンプサイトが併設されています。
  • 日の出岬
    • オホーツク海がオレンジ色に染まる日の出で知られる。岬にはキャンプサイトやコテージ、ホテル日の出岬が設置されています。同ホテルのオホーツクオムイ温泉はアトピー性皮膚炎に効果があるとされ、遠方から訪れる人も多いです。
  • 雄武ダム
    • 雄武川に建設されたダム。雄武町の水源確保や洪水調節に役立っています。
  • オホーツク海
    • 雄大なオホーツク海を望むことができます。流氷が接岸する時期には、幻想的な風景を楽しむことができます。

祭事

  • 雄武町産業観光祭り(6月最終の土・日曜日)
  • 雄武神社祭(7月17日)
  • 『雄武の宝』うまいもん祭り(9月最終日曜日)

出身の有名人

  • 近藤肇 – HBCアナウンサー
  • 傳野隆一 – 日本医療大学学長

脚注

  1. アイヌ語ラテン翻字: o-mu-i
  2. アイヌ語ラテン翻字: o-mu
  3. “アイヌ語地名リスト エン~オニシ P21-30P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  4. 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)123ページより。
  5. ^ a b c d “雄武 観測史上1~10位の値”. 気象庁. 2020年9月13日閲覧。
  6. “平年値ダウンロード”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  7. “観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
  8. 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、59頁。ISBN 9784816922749。
  9. 「強風のさいはてで大火 中心街47むね焼ける『朝日新聞』昭和47年5月26日朝刊、13版、22面
  10. 2026年4月から紋別警察署。
  11. 総務省統計局統計調査部国勢統計課『平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=1。2017年5月20日閲覧。※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。

外部リンク

  • 雄武町
  • 雄武町観光協会

雄武町についてのクイズ

雄武町の名前の由来は何ですか?

雄武町の名前はアイヌ語に由来します。「オムイ」(川尻・塞がる・所)または「オム」(川尻・塞がる)という言葉が元となっており、これは雄武川の河口が風や潮流によって砂で塞がれる様子を表現しています。アイヌ文化は北海道の歴史に大きな影響を与えており、地名にその影響が色濃く残っています。また、アイヌ語の地名は日本の他の地域に比べて多く存在し、雄武町もその一例です。この名称は、町の地理的な特徴を反映しており、流れる水と関わる自然環境に根ざしたものと言えます。

雄武町の気候はどの気候区分に属しますか?

雄武町は湿潤大陸性気候に属しています。この気候は冬は厳しい寒さと大量の雪をもたらし、寒暖の差が大きいのが特徴です。地域の気候条件は、オホーツク海に面していることも影響し、周辺の内陸部と比較して少し穏やかな冬となっています。しかし、特別豪雪地帯に指定されているため、冬季には多くの雪が積もります。このような厳しい気候条件は、雄武町の文化や産業に影響を与え、人々の暮らしにも大きな役割となっています。

雄武町の基幹産業として挙げられるものは何ですか?

雄武町の基幹産業は漁業、酪農、畜産、林業です。この地域はオホーツク海に面しているため、漁業が盛んで、サケやホタテ、カニなどの水産物が獲れます。また、酪農や畜産も地域経済の重要な部分を占めており、農業協同組合などの基盤も整っています。自然に恵まれた環境であるため、これらの産業は雄武町の経済と文化を形成する根幹となっており、地域の人々の生活にも直接影響を与えています。

雄武町が姉妹都市として提携しているのはどの市町ですか?

雄武町は姉妹都市として武雄市(佐賀県)と提携しています。また、栃木県の益子町とも姉妹都市の関係にあります。姉妹都市提携は、文化交流や地域の発展を目的としており、それぞれの地域の特産品や文化、伝統などを尊重しながら相互に理解を深める活動が行われています。このような交流は、雄武町自身の文化を育み、地域の活性化にも寄与する大切な取り組みとなっています。