大雪山連峰の雄大な景色と広大な農地が広がる北海道名寄市。冬にはマイナス25℃を下回る極寒の地でありながら、夏は涼しく過ごしやすい気候です。日本有数の餅米の産地として知られる一方、近年では「雪質日本一」を誇るスキーリゾートとしても注目されています。名寄市の魅力を、歴史、文化、観光スポットなど多角的にご紹介します。
概要
名寄市は、北海道北部(道北地方)に位置し、上川総合振興局に属する市です。名寄盆地に位置し、農産物の集散地として発展してきました。上川地方北部、すなわち塩狩峠以北の中心都市であり、上川管内北部の中心都市となっています。近年は餅米の有数の産地として知られ、農業が基幹産業となっています。
地理
地勢
北海道北部にある名寄盆地の主な河川として天塩川と、その支流の名寄川などが知られます。名寄市の市街地は、この天塩川と名寄川の合流点のやや上流側、ちょうど2つの川に挟まれた地域に形成されました。
地域
住宅団地
- 道営住宅ノースタウン名寄
- 道営住宅サンピラー名寄
- 道営住宅マーガレットヴィラ
気候
名寄市は、ケッペンの気候区分によると、亜寒帯湿潤気候または湿潤大陸性気候に属します。寒暖の差が大きく、気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候です。降雪量が多く、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されています。
冬季には-25℃を下回る気温が観測されることが珍しくなく、1月の平均気温は-8.6℃、2月の平均最低気温は-14.9℃と、日本の市の中では最も低いです。空気中の水蒸気が凍って出来るダイヤモンドダストや太陽光が反射して光の柱のように見えるサンピラー(太陽柱)現象が市の名物にもなっています。夏場は最高気温が30℃を超える日も多いですが、朝晩は15℃前後にまで低下することが多く涼しいです。
歴史
名寄市付近は縄文時代からヒトが居住してきた地域であったと考えられています。アイヌ民族が居住してきた地域でもあり、精霊コロポックルの民俗伝承が残る地域です。
年表
- 1888年(明治30年)6月30日:上川郡上名寄村と中川郡下名寄村が置村。
- 1900年(明治33年):山形県東栄村(旧藤島町、現鶴岡市)から開拓団が集団移住。
- 1902年(明治35年):上名寄、多寄、下多寄の各村が剣淵戸長役場(現在の剣淵町)から分離し、戸長役場が上名寄に設置。
- 1903年(明治36年):旭川からの鉄道(現在の宗谷本線)が開通。
- 1907年(明治40年):下名寄外一村戸長役場(現在の美深町)を分離。
- 1909年(明治42年):二級町村制を施行し、上名寄村が誕生。
- 1915年(大正4年):一級町村制施行と同時に名寄町に改称。
- 1954年(昭和29年)8月1日:智恵文村と新設合併し名寄町となる。
- 1956年(昭和31年)4月1日:市制施行し、旧・名寄市となる。
- 2006年(平成18年)3月27日:(旧)名寄市、風連町と合併し、新・名寄市が発足。
地名の由来
アイヌ語で現在の名寄川と天塩川の合流点を指していた名と考えられる「ナイオㇿプトゥ(nay-or-putu)」(川・の所・の口)に由来するとされています。また、名寄川それ自体も「ナイ(nay)」あるいは「ナイオㇿ(nay-or)」と呼ばれていたとされています。
観光
文化財
市指定文化財
- 日本基督教団名寄教会堂
- 風連獅子舞
- 名寄公園のミズナラ林
- グイマツ
名勝・天然記念物
- ピリカノカ
- 九度山
- 名寄鈴石
- 名寄高師小僧
観光スポット
- なよろ市立天文台
- 名寄ピヤシリスキー場
- 名寄市北国博物館
- なよろ温泉サンピラー
- なよろひまわり畑
- ふうれん望湖台自然公園
- 道の駅もち米の里☆なよろ
- 「森臥」- 日本最北のワイナリー
文化・名物
祭事・催事
- てっし・名寄まつり
- 智恵文ひまわり畑
- なよろ雪質日本一フェスティバル・国際雪像彫刻大会
- 風連冬まつり
- 日進スノーフェスティバル
- 白樺まつり
- 風連ふるさとまつり
- 風連神社祭
名産・特産
- 煮込みジンギスカン
- 餅米
- アスパラガス
- えびすかぼちゃ
名寄市を訪れるなら
名寄市は、雄大な自然と豊かな文化に触れられる魅力的な街です。冬にはスキーやスノーボード、夏にはハイキングやキャンプなど、四季折々の楽しみ方ができます。特産品のもち米を使った餅菓子や、地元産の食材を使った料理もぜひ味わってみてください。
名寄市は、都会の喧騒を離れて、ゆっくりと自然と触れ合い、心身のリフレッシュをしたい方におすすめです。
名寄市についてのクイズ
名寄市の冬の平均最低気温はどのくらいですか?
名寄市は極寒の地として知られ、特に冬には厳しい冷え込みが特徴です。1月の平均気温が-8.6℃であり、特に2月の平均最低気温は-14.9℃と非常に低いことが観測されています。このような気温は日本の市の中で最も低い部類にあり、降雪量も非常に多いため、特別豪雪地帯に指定されています。厳冬期は-25℃を下回ることも珍しくなく、これが名寄市の冬を特別なものとしています。寒冷な気候ではありますが、ダイヤモンドダストやサンピラーなどの自然現象を見ることができるため、厳しい冬でも独自の美しさを楽しむことができます。
名寄市の地名の由来はどのようなものですか?
名寄市の地名は、アイヌ語に由来すると考えられています。具体的には、現在の名寄川と天塩川の合流点を指す「ナイオㇿプトゥ(nay-or-putu)」という言葉が起源とされています。この意味は「川の所の口」であり、地理的な特徴を反映しています。さらに、名寄川自体も「ナイ(nay)」あるいは「ナイオㇿ(nay-or)」と呼ばれていたことが記録に残っており、その言葉が地名の基礎を形作っています。名寄市は、アイヌ民族の歴史的背景を持つ地域であり、その文化や言語が今も色濃く残っています。
名寄市が誇るスキーリゾートの名称は何ですか?
名寄市には「名寄ピヤシリスキー場」という有名なスキーリゾートがあります。このスキー場は、「雪質日本一」を誇ることで知られ、優れたスキー体験を提供しています。名寄市の寒冷な気候は、良質な雪を生み出し、滑走条件を整えるため、多くのスキーヤーやスノーボーダーにとって人気のスポットとなっています。このスキー場では、初心者から上級者まで楽しめる多様なコースが用意されており、冬季のアクティビティとして親しまれています。また、スキーだけでなく、周辺の美しい冬景色も多くの観光客を引き寄せる魅力の一つです。
名寄市が特産品として知られる農産物は何ですか?
名寄市は日本有数の餅米の産地として知られています。この地域で生産されるもち米は、その特有の風味と食感から多くの人々に愛されています。名寄市の農業では、厳しい寒冷環境が影響を与えているものの、良質な土壌と水源を活かして高品質な農産物を育てることが可能です。餅米は、地元の伝統的な料理やスイーツに多く使用され、その豊かな味わいが名寄市の文化の一部とされています。観光客も地元のもち米を使用した様々な食べ物を楽しむことができ、名寄市を訪れる際には必ず体験してほしい魅力の一つです。