北海道空知郡奈井江町:石炭の町から農業と福祉の町へ – 日本一長い直線道路の中間地点 –

日本一長い直線道路の中間地点、そして石炭産業で栄えた歴史を持つ北海道空知郡奈井江町。近年は人口減少に直面しながらも、農業と福祉の振興に力を入れています。豊かな自然と歴史、そして未来を見据えた取り組みが魅力の町、奈井江町をご紹介します。

町名の由来と地理

奈井江町の名前は、町内を流れる奈井江川のアイヌ語名に由来するとされています。アイヌ語では「ナイ・エ・ペッ(nai-e-pet)」と呼ばれ、「川の中の・水が・沸き立つ」という意味を持ちます。

奈井江町は、北海道空知総合振興局管内のほぼ中央に位置し、石狩平野と夕張山地の境界に位置しています。西部は石狩川の氾濫原で、中心市街地や農業・工業地帯が広がり、東部は夕張山地の山岳・森林地帯となっています。

隣接する自治体

奈井江町は、以下の自治体に隣接しています。

  • 空知総合振興局
    • 砂川市
    • 美唄市
    • 芦別市
    • 空知郡
      • 上砂川町
    • 樺戸郡
      • 浦臼町
      • 新十津川町

歴史:石炭産業から農業・福祉の町へ

奈井江町は、かつて石炭産業で栄えていました。1895年には奈井江炭田が発見され、1938年には住友鉱業奈井江炭鉱が開坑しました。しかし、1971年の閉山により、石炭産業は衰退し、人口も減少しました。

奈井江町の歴史の年表

出来事
1870年 伊達邦直が奈井江川とナヱ川両川口に標杭を立てる。
1886年 上川仮道路(現国道12号)開通。
1890年 奈江村(現砂川市)戸長役場設置。
1895年 奈井江独立戸長役場設置。奈井江炭田発見。
1903年 奈江村を砂川村と改める。
1923年 奈江村が町制施行し「砂川町」となる。
1935年 砂川町に15字が成立。
1938年 住友鉱業奈井江炭鉱開坑。
1944年 奈井江村(現奈井江町)が砂川町から分立。
1950年 町制施行により「奈井江町」となる。
1951年 浦臼村の一部を編入。
1952年 上砂川町の一部を編入。
1968年 北海道電力奈井江発電所1号機運転開始。
1970年 北海道電力奈井江発電所2号機運転開始。
1971年 住友鉱業奈井江炭鉱閉山。
1972年 石狩炭鉱爆発事故。石狩炭鉱閉山。
1988年 道央自動車道奈井江砂川IC開通。
1994年 奈井江町50周年。フィンランド・ハウスヤルビ町と友好都市提携。
1996年 道の駅ハウスヤルビ奈井江オープン。
2003年 平成の大合併による合併の是非を巡る住民投票実施。
2024年 奈井江町役場新庁舎業務開始。

石炭産業の衰退後、奈井江町は農業の振興に取り組み、メロンやユリ根などの特産品を育んできました。また、福祉政策にも力を入れており、高齢者や子育て世代への支援を充実させています。

経済:農業と工業の連携

奈井江町は、農業と工業が連携した経済活動を展開しています。

主要産業

  • 農業: メロン、ユリ根、米、トマトなどの栽培が盛んです。
  • 製造業: 奈井江工業団地には、北海道電力奈井江発電所、釜屋電機株式会社北海道奈井江工場、北海道電機株式会社本社・奈井江工場・光工場など、多くの企業が立地しています。

観光:豊かな自然と歴史を感じる

奈井江町には、豊かな自然と歴史を感じることができる観光スポットがたくさんあります。

おすすめ観光スポット

  • 不老の滝: 落差10mの美しい滝で、マイナスイオンを浴びることができます。
  • にわ山森林自然公園: 広大な森林公園で、散策やキャンプを楽しむことができます。
  • ことぶき公園: 子供向けの遊具や芝生広場があり、家族連れに人気です。
  • 空知山遍照寺: 北海道三十三観音霊場の12番札所で、歴史を感じることができます。

道の駅ハウスヤルビ奈井江

奈井江町には、フィンランドのハウスヤルビ町との友好都市提携を記念して、道の駅ハウスヤルビ奈井江があります。フィンランドの文化に触れることができるスポットとして人気です。

教育:地域と連携した教育

奈井江町には、奈井江商業高等学校、奈井江町立奈井江中学校、奈井江町立奈井江小学校があり、地域と連携した教育活動を行っています。

交通:アクセス抜群

奈井江町は、国道12号や道央自動車道が通っており、アクセスが便利です。

鉄道

  • JR北海道函館本線: 奈井江駅

バス

  • 北海道中央バス
  • 奈井江町営バス
  • 浦臼町営バス

道路

  • 道央自動車道奈井江砂川IC
  • 国道12号
  • 北海道道114号赤平奈井江線
  • 北海道道139号江別奈井江線

まとめ

石炭産業から農業と福祉の町へと変化を遂げた奈井江町は、豊かな自然と歴史、そして未来を見据えた取り組みが魅力です。日本一長い直線道路の中間地点にある町として、ぜひ一度訪れてみてください。

奈井江町についてのクイズ

奈井江町の名前の由来は何ですか?

奈井江町の名前は、町内を流れる奈井江川のアイヌ語名に由来します。アイヌ語では「ナイ・エ・ペッ(nai-e-pet)」と呼ばれ、「川の中の・水が・沸き立つ」という意味を持っています。この地域は、アイヌ文化と深く関わりがあり、名称からもその影響が伺えます。また、奈井江町は北海道空知郡に位置し、自然環境にも恵まれています。川の存在によって地域の農業にも寄与しており、地元の人々の生活を支えてきた重要な水源でもあります。奈井江町の名前の由来は、その豊かな自然と文化的背景を象徴するものであり、住民のアイデンティティにもつながっています。

奈井江町はどの産業で栄えていましたか?

奈井江町は、かつて石炭産業で栄えていました。1895年に奈井江炭田が発見され、1938年には住友鉱業奈井江炭鉱が開坑しました。この地域の経済は石炭の採掘に依存しており、多くの労働者がこの産業に従事していました。しかし、1971年の閉山により石炭産業は衰退し、地域社会は大きな影響を受けました。以降、奈井江町は農業や福祉の振興に力を入れ、産業構造を転換していく努力を始めました。近年では、特にメロンやユリ根などの農業が盛んになり、地域の活性化に寄与しています。石炭産業からの転換は奈井江町の歴史の中で重要な出来事とされています。

奈井江町に隣接する自治体はどれですか?

奈井江町に隣接している自治体の一つが美唄市です。奈井江町は空知総合振興局管内に位置し、北側や東側にかけて多くの自治体と接しています。隣接する自治体には、空知郡の上砂川町や樺戸郡の浦臼町、新十津川町なども含まれています。地域同士の連携や交流を深めることで、奈井江町の発展が促進されています。また、美唄市は特に観光地としても知られており、奈井江町との関係を強化しながら互いに地域資源を活用することが求められています。

奈井江町の主要な農産物は何ですか?

奈井江町の主要な農産物にはメロンと米が含まれます。特にメロンは、奈井江町の特産品として有名で、地域の農業活動の中で重要な位置を占めています。育成に適した気候や土壌条件が揃っているため、高品質なメロンが生産されています。また、米も重要な農産物であり、地元の食文化に欠かせない存在です。農業が盛んな背景には、地域の豊かな土地や水資源が関与しています。これにより、奈井江町の経済は農業を基盤とした安定した成り立ちを見せています。農業の振興により、地域の雇用や経済活動が活性化し、住民の生活にも寄与しています。