豊かな自然と歴史、そして活気あふれる文化が調和する北海道夕張郡栗山町。札幌市からわずか1時間というアクセス抜群の立地でありながら、のどかな田園風景が広がる魅力的な町です。かつて炭鉱で栄え、小林酒造などの歴史的建造物が立ち並ぶ栗山町は、近年の地域活性化に向けた取り組みによって、新たな魅力を生み出し続けています。今回は、栗山町の歴史、文化、観光スポット、そして町を語る上で欠かせない人物たちをご紹介します。
明治時代からの歴史と開拓の物語
栗山町の歴史は、明治時代に遡ります。1888年（明治21年）、仙台藩角田領主石川邦光の家臣であった泉麟太郎が、夕張開墾起業組合を設立し、阿野呂川左岸に入植したのが始まりです。この地は、当初「角田村」と呼ばれ、1890年（明治23年）に村名が公称されました。その後、1949年（昭和24年）に町制施行、そして現在の「栗山町」へと改称され、現在に至っています。
地名の由来：アイヌ語と開拓者の歴史が織りなす
栗山町の地名「栗山」は、アイヌ語の「ヤム・ニ・ウシ」（栗の木の繁茂しているところ）に由来するとされています。しかし、町内には、開拓者の出身地や功績を称えた地名も数多く存在します。
- 角田：仙台藩角田藩支藩出身の開拓者が多く、旧主を偲んで名付けられました。
- 湯地：農場主である湯地定基の功績を称え、名付けられました。
- 森：農場主の森啓蔵の名前に由来しています。
- 鳩山：鳩山和夫が経営していた農場から名付けられました。
このように、栗山町の地名は、アイヌ語と開拓者の歴史が深く結びついていることがわかります。
自然と文化が織りなす魅力的な町
栗山町は、雄大な夕張山地を背景に、のどかな田園風景が広がる美しい町です。
自然：豊かな自然と触れ合える癒やしの空間
- 山: 雨霧山 (509m)
- 河川: 夕張川
- 湖沼: くりやま湖 (人造湖)、大学池、桜山池
栗山町には、自然と触れ合い、心をリフレッシュできる場所が数多く存在します。特に、栗山公園は、SL広場やなかよし動物園など、家族で楽しめるスポットとして人気です。
文化：歴史と伝統が息づく、町を彩る文化
栗山町には、長い歴史の中で育まれた伝統文化が息づいています。
- 栗山親子獅子舞: 町内各地で奉納される伝統芸能。
- 小林酒造建造物群: 明治時代に創業した小林酒造の蔵が、国の登録有形文化財に登録されています。
小林酒造は、明治時代に炭鉱労働者のために酒造りを始めたことから、栗山町の歴史と深く結びついています。かつての炭鉱街の賑わいを偲びながら、伝統的な酒造りを体験できるのは、栗山町ならではの魅力です。
栗山町を語る上で欠かせない人物たち
栗山町には、歴史、文化、そしてスポーツなど、様々な分野で活躍した人物たちが多くいます。
開拓者：栗山町の礎を築いた先駆者たち
- 泉麟太郎: 開拓者であり、初代角田村長。
- 湯地定基: 根室県令、貴族院勅選議員。北海道にジャガイモを普及させた人物。
- 鳩山和夫: 政治家、第6代衆議院議長。栗山町に農場を開設しました。
これらの先駆者たちの努力によって、現在の栗山町が築き上げられました。
経済界のリーダーたち：地域経済を牽引した実業家たち
- 2代目小林米三郎: 小林酒造社長、第1回参議院議員。
- 松原武吉: 松原産業初代社長。
彼らの功績は、栗山町の経済発展に大きく貢献しました。
スポーツ界のスターたち：栗山町から世界へ羽ばたいたアスリートたち
- 栗山英樹: プロ野球選手・プロ野球監督（北海道日本ハムファイターズ、野球日本代表）。栗山町観光大使を務めるほか、町内に「栗の樹ファーム」を建設。
- 中山正芳: プロゴルファー。
- 長田弘幸: 障害者ノルディックスキー選手。冬季パラリンピック3大会に出場。
栗山町は、スポーツの盛んな町としても知られています。
未来へ向かう栗山町：地域活性化への挑戦
近年、栗山町は、地域活性化に向けた取り組みを積極的に進めています。
- サッカーによる地域振興: 1994年からサッカーによる地域振興に取り組み、Jリーグチーム誘致を目指しています。
- ファブラボ栗山: ものづくりを通して、地域活性化と人材育成を目指しています。
- 栗山煉瓦倉庫くりふと: 町民や関係人口のコミュニティスペースとして、交流の場を提供しています。
歴史と伝統を守りながら、新たな挑戦を続ける栗山町。これからも、豊かな自然と文化、そして人々の活気に満ちた、魅力的な町として発展していくことでしょう。
栗山町についてのクイズ
栗山町の地名「栗山」は何から由来していますか？
栗山町の地名「栗山」は、アイヌ語の「ヤム・ニ・ウシ」という表現に由来しています。この言葉は、「栗の木が繁茂している場所」を意味しており、地域の豊かな自然環境を反映しています。また、栗山町内には、開拓者の出身地やその功績を称えた地名も多く存在しています。例えば、「角田」は仙台藩角田藩支藩出身の開拓者に由来し、「湯地」は農場主の功績を称えるために名付けられました。このように、栗山町の地名はアイヌ文化と開拓者の歴史が織り交ぜられていることがわかります。地域の歴史を知る上で、地名の由来を理解することは非常に重要です。栗山町を訪れる際には、地名の背後にある物語にも目を向けてみると、さらに深く町を感じることができるでしょう。
栗山町で体験できる伝統的な芸能は何ですか？
栗山町で体験できる伝統的な芸能の一つが「栗山親子獅子舞」です。この獅子舞は、栗山町内の各地で奉納されることが多く、地域の人々にとって重要な文化行事とされています。親子獅子舞は、子どもたちと大人たちが協力して行うものであり、町の人々の絆を深める役割も果たしています。また、栗山町は明治時代から続く歴史ある町であり、いくつかの伝統文化が息づいています。特に、小林酒造の建造物群は国の登録有形文化財に指定されており、明治時代からの酒造りの歴史を知る場となっています。こうした文化行事を通じて、訪れる人々は栗山町の深い歴史と伝統を感じることができるのです。
栗山町に関係する著名な開拓者の一人で、「ジャガイモを普及させた」とされる人物は誰ですか？
栗山町に関係し、「ジャガイモを普及させた」とされる著名な開拓者は湯地定基です。彼は根室県令や貴族院勅選議員として活躍した人物であり、北海道の農業発展に大きく貢献しました。湯地氏は、その取り組みを通じて、多くの農家にジャガイモを広めることに成功し、地域の農業の発展に寄与しています。栗山町はその歴史の中で、多くの開拓者たちによって人々が住みやすい町へと変わってきました。泉麟太郎は初代角田村長として町の基礎を築き、鳩山和夫は政治家として地域に貢献していますが、湯地の功績は特に農業の側面で評価されています。栗山町は名だたる先人たちの努力によって今日の発展を遂げているのです。
