雄大なオホーツク海と、緑豊かな丘陵地帯が広がる北海道小清水町。流氷の幻想的な景色、小清水原生花園の可憐な花々、そして酪農王国として発展してきた歴史と文化が調和する魅力的な町です。ここでは、小清水町の魅力を、地理、歴史、産業、観光スポット、そして地元で愛される文化など、多角的に紹介します。
自然豊かなオホーツクの町：小清水町の地理
小清水町は、北海道の東部に位置するオホーツク総合振興局管内に属し、斜里郡に含まれます。北側はオホーツク海に面し、東西に釧網本線が海岸線を走っています。南部は山岳地帯で、平野や丘陵が広がる穏やかな風景が広がります。町役場は海岸から少し内陸に入ったところに位置しています。
小清水町の自然：雄大な山々、広大な湖、そして豊かな河川
小清水町は、雄大な自然に恵まれた町です。標高1,000mの藻琴山をはじめとする山々が町を取り囲み、広大な濤沸湖（とうふつこ）が、豊かな生態系を育んでいます。また、止別川をはじめとする河川が、町を潤し、人々の暮らしを支えています。
小清水町の名前の由来：アイヌ語が語る歴史
小清水町の地名は、アイヌ語の「ポンヤンペッ（pon-yampet）」に由来します。「小さい・止別川（＝冷たい・川）」という意味で、町の中心部を流れる止別川の支流、ポンヤンベツ川にちなんで名付けられました。
酪農と農業が根付く町：小清水町の歴史
小清水町の歴史は、自然との共存と開拓の歴史です。
開拓と発展：シャリ場所の設置から町村制施行まで
1790年、小清水町を含む地域に「シャリ場所」が設置されました。これは、江戸時代の行政区分の一つで、現在の斜里郡に相当します。その後、1796年には斜里神社が創建され、1801年には八王子千人同心によって、釧路国川上郡虹別（現標茶町）から摩周湖の東を通り斜里郡トンダベックシを結ぶ斜里山道が開削されました。
1919年、斜里村から止別村と蒼瑁（そうまい）村が分村し、小清水村が誕生しました。そして、1953年10月1日、町制施行により、小清水町となりました。
近年の変遷：人口減少と新たな挑戦
近年では、過疎化や人口減少という課題に直面していますが、小清水町は、地域資源を活用した観光振興や、酪農を中心とした農業の活性化など、新たな挑戦を続けています。
酪農と農業が支える活力：小清水町の産業
小清水町の産業は、酪農と農業が中心です。
酪農王国：質の高い乳製品を生産
小清水町は、北海道の中でも有数の酪農地帯として知られています。広大な牧場では、良質な牧草を食べて育った乳牛たちが、美味しい牛乳や乳製品を生み出しています。雪印乳業株式会社の小清水集乳工場は、地域酪農の重要な拠点となっています。
農業の多様化：ジャガイモ、ビート、小麦など
酪農とともに、畑作も盛んです。ジャガイモ、ビート、小麦など、様々な農作物が生産され、豊かな食文化を支えています。小清水町農業協同組合（JAこしみず）は、地域の農家の活動を支援し、農産物の安定供給に貢献しています。
自然と文化が融合する魅力：小清水町の観光スポット
小清水町は、雄大な自然と、そこに息づく文化が融合した魅力的な観光地です。
小清水原生花園：オホーツクの美しい花々
小清水原生花園は、オホーツク海に面した約6kmにわたる広大な海岸線に広がる、約300種類の植物が咲き乱れる貴重な花園です。春にはエゾスカシユリ、夏にはハマナス、秋にはアキノキリンソウなど、季節ごとに様々な花が咲き乱れ、訪れる人々を魅了しています。
濤沸湖：渡り鳥たちの楽園
濤沸湖は、オホーツク海に面した汽水湖で、ラムサール条約にも登録されています。水鳥の重要な生息地として、秋から春にかけて多くの渡り鳥が飛来します。特に、冬には、オオハクチョウが湖面を埋め尽くす壮大な光景が見られます。
こしみずリリーパーク：ユリの花が咲き誇る
こしみずリリーパークは、約200種、20万株のユリが咲き誇る、まさにユリの花の楽園です。毎年7月には「ユリまつり」が開催され、多くの観光客でにぎわいます。
その他の観光スポット：歴史と文化に触れる
小清水町には、小清水町郷土資料館や、小清水町歴史民俗資料館など、町の歴史や文化を学ぶことができる施設もあります。また、小清水町役場前の「小清水赤十字病院」は、町の歴史を物語る貴重な建築物です。
地域に根ざした文化：小清水町のイベント
小清水町では、地域住民が一体となって、様々なイベントを開催しています。
オホーツク小清水流氷バルーンフェスティバル：冬の空を彩る熱気球
毎年2月に行われる「オホーツク小清水流氷バルーンフェスティバル」は、小清水町の冬の風物詩です。日本最大の熱気球「アース・ウィ・ラブ（Earth We Love）号」が、オホーツクの青空を舞う姿は圧巻です。
小清水ふるさとまつり：夏の賑わいを楽しむ
毎年8月に行われる「小清水ふるさとまつり」は、町民みんなで楽しめる夏祭りです。屋台、ステージイベント、花火大会など、盛りだくさんの内容で、一年で一番賑わうイベントです。
小清水町の魅力を発信：未来への展望
小清水町は、自然、歴史、文化、そして人々の温かさが調和する魅力的な町です。雄大な自然の中で、酪農や農業を営む人々の暮らしは、古くからの伝統を守りながら、常に進化を続けています。
小清水町は、今後も、地域資源を生かした観光振興や、農業の活性化など、様々な取り組みを通して、魅力的な町づくりを目指していくでしょう。
小清水町を訪れてみませんか？
雄大な自然と、温かい人々との出会いが待っています。小清水町で、忘れられない思い出を作りませんか？
小清水町についてのクイズ
小清水町の地理的特徴はどれですか？
小清水町は、北海道の東部、オホーツク海に面し、南部には山岳地帯が広がる地域です。北側は海に接し、豊かな自然環境を提供しています。南部の山々や平野、丘陵が調和する風景が特徴で、地元の人々にとっては生活を支える重要な要素となっています。小清水町の地理は、海との接点を持ちながらも、その背後に広がる山々や丘陵地が町のアイデンティティを形作る役割を果たしています。こうした自然環境が、農業や酪農をはじめとする地域産業を支え、観光資源としても大切にされています。
小清水町の歴史の始まりとして重要な出来事は？
小清水町の開拓歴史は1790年に始まり、「シャリ場所」が設置されたことが重要な出来事です。これは当時の行政区分の一つで、現在の斜里郡に相当します。この出来事は、地域が開発され、農業や酪農が根付く基盤を形成するきっかけともなりました。その後、町が発展する過程で、神社の創建や町制施行などが行われ、地域社会が形成されていきます。開拓の歴史を振り返ることで、現在の小清水町の成り立ちや文化的背景が理解でき、地域への愛着も深まります。
小清水町で盛んに行われている産業は何ですか？
小清水町では、酪農と農業が中心となる産業が盛んです。酪農は地域の重要な産業として知られ、高品質な乳製品の生産が行われています。この地域の牧場では、良質な牧草を食べて育った乳牛が、美味しい牛乳や乳製品を提供しています。加えて、農業も多様化が進んでおり、ジャガイモやビート、小麦などが生産され、町の食文化を支えています。これらの産業は、地域経済の基盤を形成し、地元の人々の日常生活にも密接に関わっています。
小清水町の名物である自然景観は何ですか？
小清水町の名物である自然景観として「小清水原生花園」が挙げられます。この花園は、オホーツク海に面した約6kmの広大な海岸線に広がる貴重なエコシステムで、約300種類の植物が自生しています。四季折々に異なる花が見られ、特に春にはエゾスカシユリ、夏にはハマナス、秋にはアキノキリンソウが見ることができます。この豊かな花々は訪れる人々にとって大きな魅力であり、観光客の観光スポットとしても人気があります。小清水原生花園は、地域の自然の美しさを象徴する場所となっており、環境保全の重要性を再認識させる存在でもあります。
