北海道北見市 – オホーツクの豊かな自然と文化が息づく街 –

北見市は、北海道東部のオホーツク地方に位置する、広大な面積と豊かな自然に恵まれた街です。オホーツク総合振興局の中核都市として、商業、農業、漁業、観光など多岐にわたる産業が活発です。北見市は、かつて「野付牛」と呼ばれていましたが、1942年に市制施行された際に現在の「北見」と改名されました。北見という名前は、この地が位置する令制国の「北見国」に由来しています。

概要

北見市は、2006年に旧北見市、端野町、常呂町、留辺蘂町が合併して誕生しました。旧北見市は商工業・サービス業の中心地として発展し、端野町は農業、常呂町は漁業・農業、留辺蘂町は林業・温泉を基盤とした発展を遂げてきました。

北見市は、玉ねぎの生産量・出荷量、白花豆の生産量が日本一であり、ホタテ養殖発祥の地としても知られています。また、豊かな自然に恵まれ、ワッカ原生花園や常呂遺跡など、数多くの観光スポットがあります。

北見市の魅力

  • 豊かな自然: 広大なオホーツク海に面し、サロマ湖、ワッカ原生花園、三国山などの自然に恵まれた街です。四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
  • 農業: 玉ねぎ、小麦、てん菜、馬鈴しょなどの生産が盛んで、日本一の玉ねぎ産地として知られています。
  • 漁業: ホタテ、カキ、サケ、マスなどの水産物が豊富で、「ホタテ養殖発祥の地」としても有名です。
  • 温泉: 温根湯温泉、北見温泉など、多くの温泉があり、温泉観光も楽しめます。
  • 歴史: 屯田兵の歴史やハッカ産業の歴史など、歴史的な魅力も満載です。
  • 文化: 北見市には、北網圏北見文化センター、北見芸術文化ホール(きた・アート21)などの文化施設があり、芸術に触れることができます。
  • : 玉ねぎを使った料理や、新鮮な魚介を使った料理、焼き肉など、美味しいものがたくさんあります。
  • カーリング: 「常呂町カーリングホール」や「アドヴィックス常呂カーリングホール」など、カーリング施設が充実しており、カーリングの聖地として知られています。

歴史

江戸時代以前

  • 1808年: 柏谷喜兵衛ら2名が常呂町沿岸に入植し、漁場請負人となります。
  • 1856年: 松浦武四郎が常呂川を上り北見に到達します。

明治時代

  • 1869年: 蝦夷地が「北海道」と改称され、北見国と常呂郡が設置されます。
  • 1872年: 常呂郡下に、トコロ村、チイウシ村、トウフツ村、ムエカホツネ村、フトチャンナヘ村、ノツケウシ村、テシマナイ村が設置されます。
  • 1875年: 村名の表記に漢字が当てられ、常呂村、少牛村、鐺沸村、生顔常村、太茶苗村、野付牛村、手師学村と改称されます。
  • 1882年: 北海道内に三県が置かれ、当地域は根室県に属します。
  • 1883年: 常呂村にて、常呂外6箇村戸長役場が設置されます(旧常呂町の開基)。
  • 1897年: 北光社移民団が北見に入植し、北光社農場が開設されます。屯田兵が端野・野付牛・相内・湧別に入植します。網走支庁が開庁します。野付牛外1箇村戸長役場が設置されます(旧北見市の開基)。
  • 1899年: 北光社で初めてハッカが作られます。国沢喜衛門が無華(温根湯)にて牧場と温泉(温根湯温泉)を開業します。

大正時代

  • 1911年: 網走線(後の北海道ちほく高原鉄道)の淕別駅—野付牛駅間の鉄道が開通します。
  • 1912年: 野付牛—網走間の鉄道が開通します。網走線を網走本線と改称します。湧別軽便線(現在の石北本線)の野付牛—留辺蘂間が開通します。
  • 1914年: 鐺沸村(後の佐呂間町)が常呂から分村します。下生田原—留辺蘂間の鉄道が開通します。ピアソン邸(現在のピアソン記念館)が完成します。
  • 1915年: 常呂村、少牛村、太茶苗村、手師学村が合併して常呂村となります。鐺沸村より鐺沸が編入され、鐺沸村は佐呂間村に改称されます。置戸村(現在の置戸町・訓子府町)、武華村(後の留辺蘂町)が野付牛村から分村します。
  • 1916年: 野付牛村が町制施行し、野付牛町となります。
  • 1921年: 武華村が町制施行し、留辺蘂町と改称されます。端野村(後の端野町)、相内村が野付牛村から分村します。

昭和時代

  • 1932年: 石北線(現在の石北本線)の新旭川—野付牛間が全通します。
  • 1934年: 北見薄荷工場が落成します。日本赤十字社北海道支部野付牛療院が落成します。北見ハッカ記念館が開設されます。
  • 1942年: 野付牛町が市制施行し、北見市となります。
  • 1950年: 常呂村が町制施行し、常呂町となります。
  • 1956年: 北見市と相内村が合併します。
  • 1960年: 北見工業短期大学(現在の北見工業大学)が設置されます。
  • 1961年: 端野村が町制施行し、端野町となります。

平成時代

  • 1986年: 北見市と高知市が姉妹都市提携の盟約を締結します。
  • 1991年: 旧常呂町とバーヘッド町(カナダのアルバータ州の町)が姉妹都市提携の盟約を締結します。
  • 1996年: 北見市開基100周年。
  • 2006年: 北見市、常呂郡留辺蘂町・端野町・常呂町が新設合併し、新・北見市となります。

令和時代

  • 2018年: 『平昌オリンピック』にて、カーリング女子日本代表として出場した「ロコ・ソラーレ」が、オリンピックにおける日本カーリング史上最高となる第3位となり、銅メダルを獲得しました。
  • 2022年: 『北京オリンピック』にて、再びカーリング女子日本代表として出場した「ロコ・ソラーレ」が、前回大会の記録を破る第二位となり、銀メダルを獲得しました。

地理

北見市は、北海道東部、オホーツク海沿岸から石北峠まで東西約110kmに広がる、北方領土内を除く国内の地方公共団体では4番目、北海道内では1番の広さを誇る市です。

地形

北見市は、東大雪山系三国山を源流とする常呂川・無加川流域に位置しています。オホーツク海に面した常呂自治区は、網走国定公園に指定されており、砂嘴に広がるワッカ原生花園は「北海道遺産」に選ばれています。

  • 主な山: 武華山(1,759m)、三国山(1,541m)、北見富士(1,291m)、仁頃山(829m)
  • 主な川: 常呂川、訓子府川、無加川、仁頃川、小町川
  • 主な湖: サロマ湖、富里湖(富里ダム)
  • 原生花園: ワッカ原生花園

気候

北見市はオホーツク海気候に属し、年間を通して寒暖差が大きいです。冬は-25℃まで冷え込む一方、夏は35℃前後になることもあります。降水量は年間約800mmで、北海道内では比較的少ない地域です。

政治

行政

北見市役所は、2021年に新庁舎が完成し、大通西3丁目に位置しています。

  • 現職市長: 辻 直孝(2015年就任)
  • 副市長: 浅野目 浩美(2019年就任)

議会

  • 北見市議会: 定数27名
  • 北海道議会: 北見市選挙区、定数2名
  • 衆議院: 北海道第12区(北見市など)

経済

北見市はオホーツク圏の中心都市として、商業、農業、漁業、観光など多岐にわたる産業が活発です。

産業

  • 第一次産業: 農業(玉ねぎ、小麦、てん菜、馬鈴しょなど)、漁業(ホタテ、カキ、サケ、マスなど)、林業
  • 第二次産業: 食品加工業、木工加工業など
  • 第三次産業: 商業、観光業、サービス業など

主要企業

  • JAきたみらい
  • JAところ
  • オホーツクビール
  • 北見信用金庫
  • 北海道北見バス
  • 北海道糖業

交通

空港

  • 女満別空港(大空町)

鉄道

  • JR北海道 石北本線

バス

  • 北海道北見バス
  • 網走バス
  • 北見市営バス

道路

  • 十勝オホーツク自動車道(北見道路)
  • 国道39号
  • 国道238号
  • 国道242号
  • 国道333号

観光

文化財

  • 国指定: 常呂遺跡(史跡)
  • 道指定: 温根湯エゾムラサキツツジ群落(天然記念物)
  • 市指定: 緋牛内の大カシワ(天然記念物)、カタクリ及び周囲の北方性落葉広葉樹林(天然記念物)、鎖塚の区域(史跡)、屯田兵人形(民俗文化財)、屯田兵屋(有形文化財)など

観光スポット

  • サロマ湖: 日本最大の潟湖。
  • ワッカ原生花園: オホーツク海に面した広大な原生花園。
  • 常呂遺跡: 縄文時代から続く遺跡。
  • 北見ハッカ記念館: ハッカの歴史や文化を学ぶことができる博物館。
  • ピアソン記念館: アメリカの宣教師、ピアソン夫妻の住居跡を保存した博物館。
  • 温根湯温泉: 温泉街として賑わう温泉地。
  • 北網圏北見文化センター: 北見市の歴史や文化を展示する施設。
  • 北見芸術文化ホール: コンサートや演劇などのイベントを開催するホール。

文化・名物

祭事・催事

  • 北見厳寒の焼き肉まつり: 真冬の屋外で焼き肉を楽しむイベント。
  • 北見冬まつり: 雪像や氷彫刻などが楽しめる冬祭り。
  • きたみ菊まつり: 秋に開催される菊の展示会。
  • 北見ぼんちまつり: 夏に開催される祭り。

名産・特産

  • 玉ねぎ: 日本一の生産量・出荷量を誇る。
  • ハッカ: かつて世界市場の7割を占めていた。
  • 白花豆: 日本一の生産量を誇る。
  • ホタテ: 「ホタテ養殖発祥の地」として知られる。
  • オホーツクビール: 北海道内初の地ビール。

スポーツ

  • カーリング: 常呂町はカーリングが盛んな地域であり、多くのオリンピック選手を輩出しています。
  • ラグビー: 北見市はラグビー合宿の誘致に力を入れており、多くのチームが合宿を行っています。

北見市を舞台とした作品

  • 映画: 『シムソンズ』(2006年)、『風の色』(2018年)
  • 漫画: 『ひとりぼっちで恋をしてみた』(田川とまた)、『道産子ギャルはなまらめんこい』(伊科田海)

北見市出身・関連著名人

  • 政治・経済: 宇野治、加藤修一、小山健一、櫻田真人、辻直孝、寺前武雄など
  • 学術・文芸: 浅羽良昌、あや秀夫、加藤文、佐藤茂行、柴田三雄、柴田ヨクサル、たなかかなこ、穂村弘など
  • 芸能・マスコミ: 亜矢、安藤まり子、菊地亜美、工藤忠幸、沢田亜矢子、柴田直人、どさんこ室田、丸山礼、Whiteberryなど
  • スポーツ: 近江谷杏菜、小笠原歩、本橋麻里、吉田知那美、吉田夕梨花、荒正義、黒田能弘、近藤太郎、高瀬証、高瀬愛実など

まとめ

北見市は、広大な自然と歴史、そして活気のある文化が調和した街です。玉ねぎ、ホタテ、ハッカなど、特産品も豊富です。カーリングの聖地としても知られており、スポーツ合宿や観光にも最適です。オホーツクの豊かな自然と文化に触れたい方は、ぜひ北見市を訪れてみてください。

北見市についてのクイズ

北見市が改名された年はいつですか?

北見市は、1942年に市制施行された際「野付牛」から現在の「北見」へと改名されました。当時、北見という名前は、この地域が位置する令制国「北見国」に由来しています。北見市発展の歴史には、商業、農業、漁業など多岐にわたる産業の活性化があり、特に玉ねぎやホタテの生産で知られています。改名後、北見市はその地理的特性と産業の成長に伴い、地域の経済と文化を支える重要な都市としての地位を確立してきました。

北見市が合併して誕生したのは何年ですか?

北見市は2006年に旧北見市、端野町、常呂町、留辺蘂町が合併して新たに誕生しました。この合併により、各地域の商業、農業、漁業、観光といった多様な産業が統合され、より広がりのある地域振興が図られることとなりました。合併前の旧北見市は商工業やサービス業の中心でしたが、合併後は新たな経済圏としての発展が期待されることとなり、それぞれの地域の特性が融合された地域作りが進められています。

北見市の主な特産品は何ですか?

北見市は玉ねぎや白花豆の生産量・出荷量が日本一であり、特に玉ねぎはこの地域を代表する農産物です。また、ホタテの養殖発祥の地としても知られ、豊富な水産資源が特徴として挙げられます。このような特産品は、地元の農業、漁業の振興を象徴し、北見市の経済を支える重要な要素となっています。観光面でも、これらの特産品を生かしたイベントや祭りが行われ、多くの観光客を惹きつけています。

北見市にある温泉ではないのはどれですか?

北見市には温根湯温泉や北見温泉など、多くの温泉地があります。これらの温泉は、地域の観光資源として非常に大切で、観光客が訪れやすい環境を提供しています。一方で、大分温泉は大分県にある温泉であり、北見市とは全く異なる場所で育まれた温泉資源となります。温泉観光は、リラクゼーションや健康促進にもつながり、北見市の訪問者にとっての魅力のひとつです。

北見市においてカーリングの聖地として知られる町はどれですか?

北見市内の常呂町はカーリングが盛んな地域として知られており、多くのオリンピック選手を輩出しています。常呂町にはカーリング専用の施設が複数存在し、日々練習やイベントが行われています。この町は「カーリングの聖地」として全国的な注目を集めており、多数のカーリング大会や合宿が開催されるなど、カーリングファンにとっては特別な場所です。カーリングの村として、このスポーツの普及にも力を入れています。